抜けのある家
大分市佐賀関にある豊後水道を見渡せる敷地。目の前には、砂浜が広がり夏は海水浴で賑わい、海を一番見渡せる場所に位置する。眼下に海が広がり砂浜の音、潮の香り、海を365日いつでも感じる事ができる敷地である。海と向き合うという本質を見据えた上で、海を最大限感じられるような家づくりを計画するにあたり、全面に広がる堤防が視線の妨げになったが、床のレベルを堤防の高さまで上げた事で視線から堤防を消し、海を最大限感じられるようにした。その結果海側の外観がせり上がり、必然的な外観は個性的なフォルムを生み出した。あらゆる条件を前提に海と向き合う家を造り出そうとした時、プライベートな空間は海に対して閉じ、パブリックな空間を海に解放した。入り口である玄関を南側に配置し、中庭、リビングと徐々に海に近づいていく空間の構成、これにより常に海を見ながらリビングに辿りつく導線を確保し、生活する上で多くの時間を過ごすリビングが一番近くで海を感じられる空間として成立した。海と向き合うという本質を見据えた上で、必要な物以外はすべて削ぎ落とした空間。この空間を構成する素材は打放しコンクリートなど装飾を外して構成している。生活や感性の変化に応じて造り変えていける。変わらない本質と、変化する生活の自由さを余地として残した家である。
プロジェクトの竣工年/制作年: 2010
国: 日本