石井秀樹建築設計事務所|Ishii Hideki Architect Atelierさんへのレビュー

小池邦雄
専門家との関係: お客様
プロジェクトの時期: 2013年11月
石井秀樹建築設計事務所 | Ishii Hideki Architect Atelierのレビュー

石井秀樹氏を選定するに至った経緯
約11年前、私たちはそれまで離れて暮らしていた娘夫婦と一緒に住むことを決意。
新しい住まいは、シンプルで小規模で質の高い生活ができるパッケージであること。 更にその中で二世帯四世代6人がそれぞれの生活の独立性を保ちながら相互が無理なく融和できる物理的環境が確保できることを目標と決め、解決策を提供してくれる建築家、施工会社を探し始めた。

初期のデスクリサーチの段階でハウスメーカーはこの課題に答えられないことがわかり、個人の建築家/設計事務所の作品例を検索した後、各建築家の家づくりのビジョン、仕事のやり方をお聞きした後、住宅の見学、オープンハウスへの参加を行い複数の候補を選定した。

石井氏が持つ日本の個人住宅へのビジョン、複数の条件を三次元的に昇華する能力をオープンハウスの現場で見たことが最初の選定理由。 次に設計段階に移り、最初の設計図のプレゼンテーションの時に、より良いと思われる代案があることにクライアントの心証を害することを恐れることなく言及、提案してくれたこと。 これが石井氏に設計と施工監理を依頼する決定的な理由となった。 少し時間はかかっても可能性がある限りクライアントにとって利益になると思われるアイディアを提案することをためらわない姿勢はプロとして必要不可欠なものだ。
結果的には代案を採用して現在に至っている。

石井秀樹氏の家を作る能力
そこに住む人たちの暮らしを抱擁し育むための住まいに求められるビジョンは何なのかを明確に描き出しそれを三次元空間に具体化する。 私たちの例で言えば一階と二階あるいは右と左に分けられたドアで二世帯の空間を分割するだけではそれぞれの独立性を確保しつつ融和させるという目的を達成することはできない。 石井氏はクライアントの考えや生活スタイルを正確に把握し、問題点を整理し、とても優れた解決策を提案する能力を持っている。

石井秀樹氏の業務遂行能力
クライアントを尊重しクライアントの利益を最優先するポリシーがあらゆる実務上の判断、例えば施工会社選択、に一貫して反映される。 例えば石井氏はクライアントの事前承認なしで費用を発生させたりすることは決して無い。 頻繁に行う打ち合わせ、新しい提案、クライアントからの変更要請への対応、問題への解決策の提案に常にクライアントの利益を優先する姿勢が貫かれることが相互に信用を作り出すことの基盤となっている。
また、目的や活動内容の理解に齟齬が生まれることの無いよう合意事項や懸案事項、また達成事項やスケジュールの詳細な報告確認は議事録に残されプロジェクトは常に石井氏とクライアントの同一の理解のもとで進行される。

石井秀樹氏設計の家に住んで
石井氏の設計による家に住んでいることの満足度は非常に高い。 二世帯四世代6人が住む我が家は予想以上に二世帯間の独立と融和が両立している。(図面がないと説明しにくいが)離れていながら繋がっている絶妙な位置関係に配置された6つのセルで構成される家の構造上、向かい合うお互いのセルの稜線が切り取る空や雲、その間から顔をのぞかせる月や流れ込む涼風に季節の移り変わりを感じとることができる。 もちろん天候に左右されることなく行き来は自由にできるので食事を一緒にしたり、敷地の中央を貫く通路スペースを利用して初夏の休日の朝食や、夏の夜のビアパーティーを開くことなどの家族の直接的な接触も頻繁に行われる。 もちろん娘夫婦との同居ということも大きな要因だろうが、近いけれどそれぞれが独立し、別々の家庭だけれど同じ家族という生活はこの家がもたらしてくれたところがとても大きいと感じている。 
以上
2018/6/24
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