雨に咲く花、紫陽花を楽しむ
雨模様の景色の中に美しい色彩を添える紫陽花。この季節の花のベーシックな知識と、切り花として部屋の中で楽しむ際のアドバイスをお届けします。
Rie Yoshihara
2022年6月10日
フレンチ&ナチュラルなインテリア雑貨のオンラインショップ。白いインテリアとシャビー、ジャンクな古びた風合いの似合うインテリアを提案。
DIYでリフォームした自宅ですべての撮影を行っています。
個人では、著書あり。
「手作りで楽しむナチュラルインテリア」「小さな手作りとナチュラルインテリア」(以上主婦の友社)「私の手仕事」(毎日コミュニケーションズ)
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日本の梅雨の風物詩といえば、紫陽花。憂鬱な雨の季節に生き生きと咲く紫陽花を見ると、とても癒されます。つい足を止めて目をやり、惹きつけられるように眺めてしまう、それほどの魅力がありますよね。雨は苦手だけれど、紫陽花は好き、という方は多いのではないでしょうか。今回は、そんな魅力的な紫陽花の色や咲き方、部屋の中で飾って楽しむための基本的な知識を紹介します。
紫陽花の色
紫陽花は「七変化」という別名があるほど、環境によって花の色が微妙に変化する花です。
たとえば、このピンクの紫陽花、ところどころ紫色にも見えますが、紫陽花は、土中のアルミニウムイオンが吸収されると青に、されないとピンクになります。よく言われる、土の酸性度(pH値)によって色が変わるというのは、アルミニウムが酸性土壌に溶けて吸収され青になるのに対して、アルカリ性の土壌には溶けず、吸収されないためにピンクになる、ということになります。
普通の紫陽花は、さほど影響はないようです。とはいえ、雨は弱酸性なので、アルカリ性のピンクも、地植えにしていると青みがかって紫になったり、くすんだピンクになったりします。我が家のピンクの紫陽花も、今年は例年より青みを帯び、紫がかった色合いになっています。
もしピンクの紫陽花をより鮮やかなピンクに咲かせたかったら、土や肥料による調整が必要になります。
紫陽花は「七変化」という別名があるほど、環境によって花の色が微妙に変化する花です。
たとえば、このピンクの紫陽花、ところどころ紫色にも見えますが、紫陽花は、土中のアルミニウムイオンが吸収されると青に、されないとピンクになります。よく言われる、土の酸性度(pH値)によって色が変わるというのは、アルミニウムが酸性土壌に溶けて吸収され青になるのに対して、アルカリ性の土壌には溶けず、吸収されないためにピンクになる、ということになります。
普通の紫陽花は、さほど影響はないようです。とはいえ、雨は弱酸性なので、アルカリ性のピンクも、地植えにしていると青みがかって紫になったり、くすんだピンクになったりします。我が家のピンクの紫陽花も、今年は例年より青みを帯び、紫がかった色合いになっています。
もしピンクの紫陽花をより鮮やかなピンクに咲かせたかったら、土や肥料による調整が必要になります。
紫陽花の種類
私たちが最もよく目にする、丸い鞠のような形の紫陽花は「ホンアジサイ(別名西洋紫陽花)」と呼ばれています。集まって咲いている小さな花は「装飾花」といって、もともとは「萼(がく)」と呼ばれるもの。この鞠咲きの「ホンアジサイ」は、萼がすべて装飾花として改良されたものになります。メインの花かと思っていたものが、脇役っぽい萼の集合体だったとは驚きですよね。
私たちが最もよく目にする、丸い鞠のような形の紫陽花は「ホンアジサイ(別名西洋紫陽花)」と呼ばれています。集まって咲いている小さな花は「装飾花」といって、もともとは「萼(がく)」と呼ばれるもの。この鞠咲きの「ホンアジサイ」は、萼がすべて装飾花として改良されたものになります。メインの花かと思っていたものが、脇役っぽい萼の集合体だったとは驚きですよね。
こちらの写真は「ガクアジサイ」。装飾花が額縁のように並んでいることからそう呼ばれているようです。実は、萼が発達したこの装飾花は、雌しべと雄しべが退化しているので結実しません。その代わり、両性花と呼ばれる真ん中の蕾のような部分は、雌しべと雄しべがあり結実します。周りのきれいな装飾花で虫をおびき寄せて、両性花で結実する。ガクアジサイの少し地味な姿も、そんな仕組みだったのかと知ると、愛着がわいてしまいます。
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こちらもガクアジサイですが、花びらが重なる八重咲き。
少し豪華な雰囲気になりますね。
少し豪華な雰囲気になりますね。
さまざまなバリエーション
円錐状に咲くのはカシワバアジサイ。葉っぱが柏の葉に似ているのが由来のようです。他の紫陽花も同じですが、八重と一重咲きがあり、色はクリームホワイトになります。咲き終わりになるとピンクがかり、その後ドライ状態になるときれいなグリーンになり、長く楽しめます。
円錐状に咲くのはカシワバアジサイ。葉っぱが柏の葉に似ているのが由来のようです。他の紫陽花も同じですが、八重と一重咲きがあり、色はクリームホワイトになります。咲き終わりになるとピンクがかり、その後ドライ状態になるときれいなグリーンになり、長く楽しめます。
人気のアナベルは白とピンクがあります。ホンアジサイより装飾花が小ぶりで茎も細く、繊細なイメージ。淡いグリーンから白に変わる素敵な紫陽花です。
紫陽花を切り花にする
紫陽花の花を水揚げして、部屋に飾ってみましょう。紫陽花は雨の日にカットすると、より長く生き生きします。雨の日ではなくても、しっかり水揚げをすることで、数日間は部屋の中で楽しむことができます。水道水の場合、pH値は雨水と同じか少し高いくらいなので、徐々に青みがかった色になってきます。ちなみに白い紫陽花は色素を持たないので、pH値の影響を受けず白いままですが、我が家の白紫陽花はやはり場所によっては青みがかっているので、まったく関係ないわけではないのかもしれません。
紫陽花の花を水揚げして、部屋に飾ってみましょう。紫陽花は雨の日にカットすると、より長く生き生きします。雨の日ではなくても、しっかり水揚げをすることで、数日間は部屋の中で楽しむことができます。水道水の場合、pH値は雨水と同じか少し高いくらいなので、徐々に青みがかった色になってきます。ちなみに白い紫陽花は色素を持たないので、pH値の影響を受けず白いままですが、我が家の白紫陽花はやはり場所によっては青みがかっているので、まったく関係ないわけではないのかもしれません。
使う道具は、花切りばさみ、カッターナイフ、竹串か爪楊枝。まずは、下の方の葉を取り除きます。日が経つにつれて短く水切りしていくので、茎は少し長めにとっておきます。そして茎の先ははさみで斜めにカットします。
そのあと、カッターナイフで根元の皮を削り落としてから、先端から5cmくらいをカッターナイフで削り落とします。そうすると、茎の中に白い綿状のものがつまっているのがわかるので、それを竹串などで引っ掻いて取り除きます。この綿状のものを取り除くことで、茎がストローのように水を吸い、スムーズに水揚げできるようになります。
たっぷりの水をフラワーベースに入れて飾ります。
水の花と言われるように、本当にたくさんの水を吸い取って生きます。毎日水切りをして、水を替えて給水してあげましょう。
水の花と言われるように、本当にたくさんの水を吸い取って生きます。毎日水切りをして、水を替えて給水してあげましょう。
紫陽花のあるインテリア
美しいパープルは、部屋のファブリックとリンクさせて飾ると、とてもきれい。部屋に生花を飾るだけでインテリアに生き生きとした清潔感が漂います。なるべく日の当たる場所に置いてください。
美しいパープルは、部屋のファブリックとリンクさせて飾ると、とてもきれい。部屋に生花を飾るだけでインテリアに生き生きとした清潔感が漂います。なるべく日の当たる場所に置いてください。
たくさんの紫陽花を飾りたい場合は、大きな花瓶に入れてかごの中へ。フリルのような紫陽花がとても可愛いです。いろいろな色を取り混ぜて飾っても素敵です。
部屋の中に飾ってもきれいな紫陽花ですが、ひとつ注意するべき点があります。それは、紫陽花の蕾や葉には毒性があるらしいということ。お料理の彩りに使うことは避けた方がいいですし、人はもちろんペットのいるご家庭では、部屋の中に飾るときは少し注意が必要です。
部屋の中に飾ってもきれいな紫陽花ですが、ひとつ注意するべき点があります。それは、紫陽花の蕾や葉には毒性があるらしいということ。お料理の彩りに使うことは避けた方がいいですし、人はもちろんペットのいるご家庭では、部屋の中に飾るときは少し注意が必要です。
外で雨に打たれながら咲く紫陽花はもちろん素敵ですが、部屋の中に飾ることで、雨で外に出られないストレスも解消できそうです。
七変化と言われる紫陽花の色をグラデーションで楽しむこともできて、とても楽しいお花だと思います。
紫陽花の基本的なことがわかってきたので、次回はさらに、紫陽花の増やし方や手入れの仕方についてご紹介いたします。
雨に咲く花、紫陽花を増やしてみよう
七変化と言われる紫陽花の色をグラデーションで楽しむこともできて、とても楽しいお花だと思います。
紫陽花の基本的なことがわかってきたので、次回はさらに、紫陽花の増やし方や手入れの仕方についてご紹介いたします。
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Natural Living ナチュラルリビング様
コメントありがとうございます!ほんとうに最近はいろんな品種や色があって楽しいですね。伊予獅子あじさい、名前から気になります!
パテオ建設有限会社様
コメントありがとうございます!桜と同じようにあちこちに紫陽花が咲いていて楽しい時期ですよね。紫陽花といえば、やっぱりブルー、という気がします♪
伊予獅子あじさい、始めて聞く名でした。
小さくて可愛らしい花で片隅にそっと忍ばせたら・・・・!
癒しになりますね。(喜)