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長くつき合える家具の選び方:ダイニングテーブル
家族とともに長い年月を過ごすよい家具の選び方。日々の食事のシーンという、家族の暮らしの中心となるダイニングテーブルを選ぶ際のポイントを、家具のプロがお伝えします。
Yuichi / Ikuko Shimada
2016年10月18日
家を新築するとき、引っ越しするとき、結婚や独立など人生の節目に新しい住まいを考えるとき、最初に選ぶ家具のひとつとして、毎日の食事をするダイニングテーブルを思い浮かべる人は多いはず。では、何を基準に、どんなタイプのダイニングテーブルを選んだらよいのでしょうか? 部屋の形やサイズ、テーブルの形や素材、機能や使い方など、ダイニングテーブルを選ぶときに心がけたいことをお伝えしたいと思います。
家族の暮らしとダイニングテーブル
ダイニングテーブルは、毎日の暮らしの中でもいちばん見たり触れたりする機会の多い家具かもしれません。だからこそ、色やフォルム、素材感などがつくり出す見た目や触り心地が、私たちの生活の中で無意識のうちに少しずつ刷り込まれ、心地よさの基準をつくっていきます。
ダイニングテーブルは、毎日の暮らしの中でもいちばん見たり触れたりする機会の多い家具かもしれません。だからこそ、色やフォルム、素材感などがつくり出す見た目や触り心地が、私たちの生活の中で無意識のうちに少しずつ刷り込まれ、心地よさの基準をつくっていきます。
また、子供のいる家庭では特に、暮らしの中心がダイニングテーブルとなり、子供たちの学びや遊び、成長を目の当たりにする「場」となるはずです。 食事はもちろんのこと、折り紙やお絵かきを始めるようになると、図工室の作業台にもなるでしょう。学校の宿題をするのを見守ったり、自由研究を手伝ったり、ときにはお説教したり進路相談にのったりすることもあるかもしれません。子育て期を経て、かけがえのない家族の時間をつくっていくのも、ダイニングテーブルの役割です。
スペースが許す限り大きめのサイズを
家族が集い、食事や会話を楽しむ団らんの場、また子供の成長を見守る場となるダイニングテーブル。この大切な家具を選ぶ際にポイントとなるのが、まずサイズです。
結論からいうと、ダイニングテーブルのサイズは、スペースが許す限り大きめのものがおすすめです。存在感のある大きなテーブルというのは不思議なもので、そこにいる人のテンションを上げ、陽気な雰囲気をつくり、お皿を並べるのも料理を盛り付けるのも楽しくなりますし、座り心地も使い勝手も当然ながら、小さなテーブルより格段によくなります。
家族が集い、食事や会話を楽しむ団らんの場、また子供の成長を見守る場となるダイニングテーブル。この大切な家具を選ぶ際にポイントとなるのが、まずサイズです。
結論からいうと、ダイニングテーブルのサイズは、スペースが許す限り大きめのものがおすすめです。存在感のある大きなテーブルというのは不思議なもので、そこにいる人のテンションを上げ、陽気な雰囲気をつくり、お皿を並べるのも料理を盛り付けるのも楽しくなりますし、座り心地も使い勝手も当然ながら、小さなテーブルより格段によくなります。
サイズいろいろ、長方形のテーブル
では、大きい、小さいといっても実際はどれくらいが普通のサイズなのでしょうか。最も普及している長方形のテーブルの場合、一般的な幅と奥行きのバランスは、160×80cm、あるいは180×85cm前後のサイズです。でも、必ずしもこのバランスでないといけないわけでもありません。家庭用のダイニングテーブルなら、奥行きは最大で85cmあれば十分なので、この比率にかかわらず、空間に余裕があれば、長辺はできる限り長めにしてもよいと思います。
では、大きい、小さいといっても実際はどれくらいが普通のサイズなのでしょうか。最も普及している長方形のテーブルの場合、一般的な幅と奥行きのバランスは、160×80cm、あるいは180×85cm前後のサイズです。でも、必ずしもこのバランスでないといけないわけでもありません。家庭用のダイニングテーブルなら、奥行きは最大で85cmあれば十分なので、この比率にかかわらず、空間に余裕があれば、長辺はできる限り長めにしてもよいと思います。
たとえば、仮に幅が190cm、あるいは200cm以上あっても、奥行き85cmでバランスが悪く思えたり邪魔になったりはしませんので、ご安心を。むしろ、スリムなバランスが格好いい、スタイリッシュなダイニング空間になると思います。ちなみに写真のダイニングテーブルは幅220×奥行き85cmで、6人でもゆったりと座れ、向かい合った人との距離感もちょうどいい具合です。
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「My Houzz:家具や雑貨で味わいを加えられる、懐の深い白いキャンバスのような家」
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囲みやすい円形やオーバル形のテーブル
丸テーブルやオーバル形のテーブルは、部屋の印象を優しくやわらかいイメージにしてくれます。角がない分回遊性が高く、スペースも有効に使うことができ、小ぶりの丸テーブルなどは限られた空間でも、椅子と組み合わせてコンパクトにまとまります。そしてなんといっても、大人数でもフレキシブルに席を設けることができますし、テーブル越しに顔を合わせたときに親密な雰囲気になります。お鍋や焼肉など、みんなで囲んで味わう料理の日には特に、そのメリットが存分に発揮され、話も弾みそうです。
丸テーブルやオーバル形のテーブルは、部屋の印象を優しくやわらかいイメージにしてくれます。角がない分回遊性が高く、スペースも有効に使うことができ、小ぶりの丸テーブルなどは限られた空間でも、椅子と組み合わせてコンパクトにまとまります。そしてなんといっても、大人数でもフレキシブルに席を設けることができますし、テーブル越しに顔を合わせたときに親密な雰囲気になります。お鍋や焼肉など、みんなで囲んで味わう料理の日には特に、そのメリットが存分に発揮され、話も弾みそうです。
風合いのある仕上げの無垢材
テーブルを選ぶ際、デザインや機能性だけではなく、木の素材感を楽しむ方が増えていますが、家具を提案する側としてもやはり、無垢の木製をおすすめします。さらに塗装や仕上げにも気を配りたいもの。なるべく木肌の風合いの残るオイル仕上げなどを施したタイプを選ぶといいですね。ウレタン塗装でもごく薄く施してある、あまり塗膜感のないものがよいでしょう。
テーブルを選ぶ際、デザインや機能性だけではなく、木の素材感を楽しむ方が増えていますが、家具を提案する側としてもやはり、無垢の木製をおすすめします。さらに塗装や仕上げにも気を配りたいもの。なるべく木肌の風合いの残るオイル仕上げなどを施したタイプを選ぶといいですね。ウレタン塗装でもごく薄く施してある、あまり塗膜感のないものがよいでしょう。
無垢材との付き合い方
無垢材のテーブルはコップの輪ジミができやすいことや汚れを気にする人も多いですが、使っていくうちにそのシミもなじんでいつしか薄くなり、それほど気にならなくなるもの。無垢材なら、加工されてテーブルになった後でも、木はずっと呼吸をしています。また、湿気が多いとふくらみ、乾燥すると縮む性質をもっています。少しのへこみや傷は水分を含ませると膨張して目立たなくなります。自然素材というのは実に優秀。こういったことが、無垢材の家具と付き合う楽しみともいえます。
無垢材のテーブルはコップの輪ジミができやすいことや汚れを気にする人も多いですが、使っていくうちにそのシミもなじんでいつしか薄くなり、それほど気にならなくなるもの。無垢材なら、加工されてテーブルになった後でも、木はずっと呼吸をしています。また、湿気が多いとふくらみ、乾燥すると縮む性質をもっています。少しのへこみや傷は水分を含ませると膨張して目立たなくなります。自然素材というのは実に優秀。こういったことが、無垢材の家具と付き合う楽しみともいえます。
好みの木材について知ろう
木材はオーク、ウォールナット、アッシュ、メープル、チェリー、チーク、パインなど実にさまざまですが、なかでもオークやウォールナットは今、大変人気のある素材です。
オーク材は比較的堅めで傷がつきにくく、ダイナミックな木目のおもしろさがあり、時間とともに色が濃くなっていくのが特徴です。ウォールナット材はブラウンの色味を持ち、高級感がありますが、比較的やわらかいので傷がつきやすく、時間が経つと色が多少抜けてきます。このようにそれぞれに個性があって、デザインが同じでも、素材によってまったく違う表情を持つテーブルに仕上がるのがとても興味深いところです。
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新生活を始める若いカップルの方へ
大人の二人暮らしの場合、まずは小ぶりのテーブルをという人も少なくないと思いますが、その場合も間に合わせで選ぶのではなく、妥協しないで、つくりや素材のよいテーブルを選んでいただきたいと思います。将来引っ越しをしたり、ライフスタイルが変化したりしたときにも、その小さくて素敵なテーブルは、たとえば書き物デスクや玄関先のホールテーブルなどに転用ができ、きっと長く付き合える家具となるはずです。
またバタフライテーブルやゲートレックテーブルなどは、天板を開いたり閉じたりできるので、普段はコンパクトにたたんでおき、ゲストを招いたら広げて使うなど、フレキシブルに楽しめます。選択肢のひとつとして考えるとよいでしょう。
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フレキシブルなタイプを選ぶときの注意
エクステンションタイプのテーブルのメリットは、人数とスペースに自在に対応できること。天板をインセットできるタイプはとても便利です。デメリットとしては、天板に必ず切れ目があるので、ゴミが入りやすくお手入れに手間がかかる点がよく挙げられます。
また、機能性を考えた結果、歪みや収縮が少ない合板を使用することもありますので、その場合は無垢材のテーブルのような質感や雰囲気を求めることは難しいかもしれません。機能を優先するか、素材感を大切にするか、よく考えて選びましょう。便利そう!というだけで飛びつかず、暮らしぶりに合うかをよく考えることも大事です。
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また、機能性を考えた結果、歪みや収縮が少ない合板を使用することもありますので、その場合は無垢材のテーブルのような質感や雰囲気を求めることは難しいかもしれません。機能を優先するか、素材感を大切にするか、よく考えて選びましょう。便利そう!というだけで飛びつかず、暮らしぶりに合うかをよく考えることも大事です。
ヴィンテージやアンティークから探す場合の注意
ヴィンテージやアンティークのテーブルを使ってみたい!という人も多いかもしれません。
今の時代では手に入らない素材、手仕事によるていねいなつくり、歴史的なスタイル、経年変化によって出てくる風合いは、インテリアのアクセントにもなりますし、その付加価値は大きな魅力です。ただし、長年使われてきたものについては、テーブルとしての実用に耐えるかどうかチェックが必要です。たとえば、グラつきや傾きなどがないか、しっかり確認してから手に入れましょう。
ヴィンテージやアンティークのテーブルを使ってみたい!という人も多いかもしれません。
今の時代では手に入らない素材、手仕事によるていねいなつくり、歴史的なスタイル、経年変化によって出てくる風合いは、インテリアのアクセントにもなりますし、その付加価値は大きな魅力です。ただし、長年使われてきたものについては、テーブルとしての実用に耐えるかどうかチェックが必要です。たとえば、グラつきや傾きなどがないか、しっかり確認してから手に入れましょう。
デザイン優先のものはデリケートな構造やつくりになっていることも多いので、どのようなメンテナンスが必要なのか、購入するときにお店の方に尋ねておくといいでしょう。使う際にも、極端に冷たいものや熱いものは直接置くことを避けたり、手入れをこまめにしたりする必要があります。よいテーブルと長く付き合っていくには、手をかけてあげる必要があるという心構えも持っておきたいものです。
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ダイニングテーブル選びのポイント、いかがでしたか。毎日の食事で口にするもので、私たち自身の体がつくられているのと同じように、身のまわりの環境すべてがその人をつくっていきます。だからこそ、住まいや暮らしにまつわるアイテム選びは、特に大切にしていきたいと思うのです。
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家具選びのコツについて知りたいことがあれば、コメント欄で教えてください!
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