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色のパワーを生かした背景、ペイントでつくるアクセントウォール
すっかりおなじみになった、壁を一面だけ、一部だけ別の色にする「アクセントウォール」。置くものを引き立たせたり、視線を向けさせたりそらさせたり、色の力を借りて空間をコーディネートしてみましょう。
ブラッキン・ヘザー
2015年4月3日
Houzz contributor.
Home Life Style インテリア、収納空間デザイン。
「贅沢な時間を過ごせる、あなたらしい心地よい住まいづくり」をモットーに、一人ひとりの個性や「好き」を引き出しながらのインテリアのコーディネーション、
より快適な暮らしのためのライフスタイルに合わせた収納計画のご提案をいたします。
著書「ふつうの住まいでかなえる外国スタイルの部屋づくり(文藝春秋)
Interior decoration and storage space planning in Tokyo, Japan. English/Japanese bilingual, with interior design and decoration experience in Europe and Japan.
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壁がなんだか味気ない、せっかく素敵な家具を入れたのに何かが物足りない、部屋にいまひとつポイントがない、または、全体にまとまり感がない――。そんなふうに思ったとき、壁を一面だけ、または部屋の一部だけを塗ってみるのはとてもよい方法です。たった一ヶ所だけでも、壁にアクセントカラーをとり入れることで、部屋の印象が大きく変わります。
部屋全体を好きな色で塗るのはきっと素敵です。しかし、光や部屋の広さによっては、インパクトのある色を塗ってしまうと狭く、または暗く感じてしまうこともあります。基本は白にしておいて、一ヶ所だけアクセントカラーを塗れば、自然と視線が向く部屋のフォーカルポイントができ上がり、空間全体に落ち着きが出ます。
部屋の雰囲気や印象は、壁の色によって大きく左右されます。部屋づくりを考える際、どうしてもインテリアの細かい部分を優先してしまいがちですが、家具やカーテンのようなインテリアエレメントと同じくらい、その背景となる壁は重要な要素です。壁が無表情だと、せっかく部屋に入れた素敵な家具やファブリックも、少し寂しく見えてしまうことがあります。
美しい演出、その全体の背景となるアクセントウォールの役割はさまざまです。いくつかの例を見ながら、その色づかいと、どのような効果をもたらすかを考えてみましょう。
部屋の雰囲気や印象は、壁の色によって大きく左右されます。部屋づくりを考える際、どうしてもインテリアの細かい部分を優先してしまいがちですが、家具やカーテンのようなインテリアエレメントと同じくらい、その背景となる壁は重要な要素です。壁が無表情だと、せっかく部屋に入れた素敵な家具やファブリックも、少し寂しく見えてしまうことがあります。
美しい演出、その全体の背景となるアクセントウォールの役割はさまざまです。いくつかの例を見ながら、その色づかいと、どのような効果をもたらすかを考えてみましょう。
アクセントウォールは、見せたいものを強調する力を持っています。壁にかけたアートや、手前に置いたものを引き立たせる役割はご覧のとおりです。ポスターの中に使われているくすんだイエローを壁にとり入れたことで、ポスターと壁との調和がとれ、壁全体がひとつのアートのように見えます。また、ポスターの白がまるで浮き出ているような立体感も感じられ、自然と視線を引き寄せてくれます。
ファブリックや家具と同系色を使い、優しく落ち着いた雰囲気に見せています。濃いめの色は部屋全体をぎゅっと引き締め、アイテムのまとめ役としても働きます。写真の部屋には壁のアートや、ガラスの棚板、暖炉、ソファ、コーヒーテーブルとサイドテーブル、スタンド、ラグなど、ほんの小さな空間にたくさんの要素があります。このブラウンの壁が、もし白だった場合を想像してみてください。ややばらばらでまとまりがなく、全体が弱々しく見えるのではないでしょうか? ダークトーンで塗った壁がこれらの要素を統合し、部屋に力強さや安定感を与えてくれています。
One point advice
アクセントウォールをもっと強調したいときには、他の部分で反対色を使うのもひとつの方法。ここでは優しいグリーンの壁とソファのオレンジのクッションがほぼ反対色なので、お互いを引き立てています。コントラストの強い組み合わせには、ややポップで派手なイメージがあるかもしれませんが、このように優しい色どうしを使うことで、落ち着きのあるインテリアにも似合うコンビネーションになります。
色を選ぶときのポイントは3ステップで考えるのがおすすめです。一番多く使うベースカラー(写真の場合はオフホワイト)、二番目に大きな部分を占めるサブカラー(グリーン)、そしてポイントに使うアクセントカラー(オレンジ)の順で、全体に占める比率を少なくしていくと、目に心地よいバランスでうまく配置することができると思います。
- One point advice
色を選ぶときのポイントは3ステップで考えるのがおすすめです。一番多く使うベースカラー(写真の場合はオフホワイト)、二番目に大きな部分を占めるサブカラー(グリーン)、そしてポイントに使うアクセントカラー(オレンジ)の順で、全体に占める比率を少なくしていくと、目に心地よいバランスでうまく配置することができると思います。
はっきりとしたオレンジ色の壁と家具の木の素材の色は、大きく分類すると同じ暖色どうしの組み合わせ。モダンですっきりしたデザインの家具と色の温もりとのハーモニーが絶妙なダイニングルームです。
コンクリートの壁や木の家具の味わいのある素材の風合いに、自然となじむスモーキーなブルーグレーのアクセントウォール。壁に白ではなくこの色を選んだ効果で、すっきりとした空間にしゃれた味わいがさりげなくプラスされています。
シンプルなオープンキッチンの背面をアクセントウォールにすることで、視線が自然とそこへ集まり、「見てほしくない」場所から目をそらすこともできます。壁のマットな質感の塗装に対して、キッチン家具が鏡面仕上げであることも、立体感を感じさせる効果を上げています。
- One point advice
本棚やキッチンの棚、パントリーのように、異なる色や形がたくさん並ぶ場所の背面に印象の強い色を使えば、ごちゃごちゃした感じが軽減され、全体が落ち着いて見えてきます。3番目の写真でも説明しましたが、雑然としがちな場所にまとまった印象をもたらすのは、濃い色や強い色の壁の特別な力です。
アクセントウォールで子ども部屋を一気に楽しい空間に。 自然光がたっぷり入る部屋には、濃い色もよく似合います。ネイビーブルーと他の色のコントラストにメリハリがあり、壁に飾ったJEANSの文字の通り、カジュアルで活発なイメージですね。遊び盛りの元気な男の子にぴったりなアクセントウォールです。
- One point advice
女の子なら誰でも夢みるピンク。あえてくすんだ優しいトーンを選んで、白い部分とのコントラストも少なくした、ソフトな印象のガールズルームです。色をとり入れるのは勇気がいる、という方は、こんなごく淡い色からスタートしてはいかがでしょう。それでも白だけとはまったく雰囲気が変わることがわかりますね。
最近人気の、大きな黒板のような壁。家族や自分へのメッセージやメモ、子どものお絵描きなどで日々シーンを変えられる、まるで「生きている壁」とも言えるでしょう。廊下やキッチンのような、家族全員が見られる場所にもおすすめ。子ども部屋にも最適なアクセントウォールです。
広い一面に限らず、コーナーや壁の一部だけをアクセントウォールにするだけでも印象的です。エントランスを入って正面の壁など、最初に目につく場所にアクセントカラーを使うことで、家の第一印象がかなりアップすることでしょう。
壁の下部だけに色を塗って腰板風に。これも一種のアクセントウォールです。低い位置に濃い色を、高い位置に白を使うことで、部屋全体に安定感が出ます。また、横に流れるラインは視線を広げる効果もあるので、部屋をワイドに広く見せるためにぜひ使いたいテクニックです。
部屋の中にもうひとつの小さな部屋があるように演出した、インパクトのある青い壁。つながった2面を同じ色でペイントし、ここに視線を集めることで、広いひとつのスペースを自然にゾーニングする効果も上げています。
アクセントウォールにはさまざまな可能性があります。家のそれぞれの部屋の特徴に合わせて、異なる色のアクセントウォールをとり入れたり、家全体のテーマカラーやその同系色を選んで全体を調和させたり、さまざまな楽しみ方ができます。
まだお試しになったことのない方はぜひ一度、「我が家にはどんな色のアクセントウォールが似合うかな?」と考えてみてはいかがでしょう。
まだお試しになったことのない方はぜひ一度、「我が家にはどんな色のアクセントウォールが似合うかな?」と考えてみてはいかがでしょう。
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