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穏やかな光を夜の相棒に。作家が作る木のランプシェード
優しい光を放つ、作家ものの木のランプをインテリアにとりいれてみませんか?
永井理恵子
2017年3月24日
作家もののランプシェードは、デザインこそ個性的でも放つ光はとても穏やか。空間に柔らかな陰影を描き、目にも心にもやさしく輝きます。それが木製なら、木造の住空間に馴染みやすいのも魅力のひとつ。昼にはインテリアとしてその存在感を、夜は放つ光の美しさを楽しめるランプシェードを、いくつかご紹介しましょう。
〈FURNITURE STUDIO COM〉を主宰する家具作家、近藤雄士さんが作るランプシェードは、木のぬくもりややさしさが伝わってくるシンプルなもの。ナラのほか、チェリー、ウォールナットでの製作が可能だそう。
ダイニングテーブルやお気に入りのチェアの素材に合わせてオーダーすることもできます。
見る角度によって木目の出方や表情が変わるから、ずっと眺めていたくなるランプシェードです。
ダイニングテーブルやお気に入りのチェアの素材に合わせてオーダーすることもできます。
見る角度によって木目の出方や表情が変わるから、ずっと眺めていたくなるランプシェードです。
無垢材を使用して作る家具や小物を製作する店舗兼工房〈sora sora〉。店主の盛谷一志さんが作るペンダントライトは、曲げわっぱを底入れしないでシェードにしたユニークなもの。LEDにも対応しています。
輪っぱの木目は柾目。それは天然のボーダー柄みたいで洒落ています。輪っぱ作りに欠かせない両端を閉じる桜皮が、いいアクセントになっています。
輪っぱの木目は柾目。それは天然のボーダー柄みたいで洒落ています。輪っぱ作りに欠かせない両端を閉じる桜皮が、いいアクセントになっています。
灯り、花器、食器など、さまざまな用途の作品を、豊かな発想で作陶する陶芸家の伊集院昭さん。
柔らかな光と陰を織りなすこのフロアランプは、木と陶器土を組み合わせて作られています。
ランプのゆるやかな曲線を眺めていると、心が安らぎ、癒されていくから不思議。作品の《共生》という名の通り、人生の傍に、飽きることなく置けるランプです。
柔らかな光と陰を織りなすこのフロアランプは、木と陶器土を組み合わせて作られています。
ランプのゆるやかな曲線を眺めていると、心が安らぎ、癒されていくから不思議。作品の《共生》という名の通り、人生の傍に、飽きることなく置けるランプです。
こちらも中矢さんの作品。木の皮や、割れ、虫喰いの穴なども活かし、削った木が水分を放ちながら、木の向くままに自由に形を変えていくランプシェードは、まるで自然そのもののよう。
独特の美しさがあり、見る者を楽しませてくれます。
独特の美しさがあり、見る者を楽しませてくれます。
〈木もの|NAKAYA〉を主宰する木工作家、中矢嘉貴さんの作品。富士山麓に暮らし、地元産の木材を使って、ランプシェードや器を作っています。生木を旋盤で薄く削ってから自然乾燥させて作ります。なかには、直径30cmを超える大きなシェードもあります。
灯りを灯せば木肌がほんのり透けて見えるのが美しく、ずっと眺めていたくなります。
灯りを灯せば木肌がほんのり透けて見えるのが美しく、ずっと眺めていたくなります。
明かりを灯すと、ランプのフォルムを作る細い丸ひご1本1本が陰影を生み出します。
日中はランプそのものの美しさを、そして夜には、光と陰の存在を楽しめます。行灯を意識して作られたランプは、間接照明として使うのがおすすめです。
日中はランプそのものの美しさを、そして夜には、光と陰の存在を楽しめます。行灯を意識して作られたランプは、間接照明として使うのがおすすめです。
“遊光”をコンセプトにランプを作る、照明作家の谷俊幸さん。日本の伝統技法を用いながらも、ミッドセンチュリーテイストにあふれるランプを作っています。
このランプは、駿河地区千筋細工という江戸時代から伝えられる伝統的な技法で作られています。青竹を割り丸く削って作る竹ひごを、熱したコテを使ってしなやかに曲げ、竹の輪に1本1本組んで仕上げていきます。
このランプは、駿河地区千筋細工という江戸時代から伝えられる伝統的な技法で作られています。青竹を割り丸く削って作る竹ひごを、熱したコテを使ってしなやかに曲げ、竹の輪に1本1本組んで仕上げていきます。
漆器の本場・石川県。その産地の1つである加賀市山中にある〈守田漆器〉では、この地で400年以上受け継がれる薄挽技法という木工技を使い、〈能登デザイン室〉の奈良雄一さんがデザインしたランプシェード《山中ウスビキライト》を作っています。
国産の木材を部分的に1mm以下の薄さに削っているので、光が透過し木目を映し出します。薄挽技法という世界最高水準の木工技があってこそ実現できた、美しいランプシェードなのです。
写真の《山中ウスビキライト マル》は、薄挽(うすびき)技法で仕上げたシェードの表面に、さらに千筋模様を施しています。一番大きなもので直径14cmですが、存在感は抜群。千本の筋に見えるほど細かな模様が、木の素朴なぬくもりと木目の美しさをより一層際立たせます。
国産の木材を部分的に1mm以下の薄さに削っているので、光が透過し木目を映し出します。薄挽技法という世界最高水準の木工技があってこそ実現できた、美しいランプシェードなのです。
写真の《山中ウスビキライト マル》は、薄挽(うすびき)技法で仕上げたシェードの表面に、さらに千筋模様を施しています。一番大きなもので直径14cmですが、存在感は抜群。千本の筋に見えるほど細かな模様が、木の素朴なぬくもりと木目の美しさをより一層際立たせます。
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