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盆栽の基礎知識とさまざまな楽しみ方
日本の文化として海外にも広まっている盆栽。その魅力をご紹介します。
舩村佳織
2016年10月5日
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています。
二児の子育て中でもあり、家族みんなが楽しめる庭造りが得意です。設計者として、主婦としての目線から、暮らしやすさに寄り添います。
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています... もっと見る
日本独特の美意識が凝縮された盆栽は、海外で高い評価を受け、注目を集めています。日本国内でも、ご隠居の趣味というかつてのイメージも変わり始め、インテリアに取り入れる人が増えています。一方で、「手入れが難しそう」「決まりごとがありそうでハードルが高そう」と感じてチャレンジしにくいと感じている方もいるのでは。そんな方はぜひこの記事をご参考ください。基本的な盆栽の知識・お手入れと、インテリアへの取り入れ方をご紹介します。
盆栽の基礎知識
盆栽は、小さな鉢の中で植物を大自然の風景に見立てて鑑賞するものです。今や海外でも「BONSAI」で通じるほど、愛好家が増えてきました。限られたスペースで、思い描く風景を表現するには、枝の伸び方や地被の状態等、気を配らなければいけないことがたくさんあります。盆栽は鉢植えと比較して、鉢が小さめです。これは小さな木が大木に見えるようにする手法なのです。
また、盆栽の「盆」とは「鉢(器)」を指しており、植物の仕立てとともに器と植物の調和も重要視されています。
盆栽は、小さな鉢の中で植物を大自然の風景に見立てて鑑賞するものです。今や海外でも「BONSAI」で通じるほど、愛好家が増えてきました。限られたスペースで、思い描く風景を表現するには、枝の伸び方や地被の状態等、気を配らなければいけないことがたくさんあります。盆栽は鉢植えと比較して、鉢が小さめです。これは小さな木が大木に見えるようにする手法なのです。
また、盆栽の「盆」とは「鉢(器)」を指しており、植物の仕立てとともに器と植物の調和も重要視されています。
必要なお手入れ
盆栽を始めようとするときに一番気になることが、日常のお手入れではないでしょうか。けれど特別なことは無く、基本的な手入れは普通の鉢植えと同じです。
毎日のお手入れで必要なことは水やりです。「水やり3年」という言葉もあるように、一朝一夕には植物の求める水のタイミング・量を把握しきるのは難しいものです。基本的には、土やコケが乾いているのを確認してから、鉢底から水が流れるくらいたっぷりあげることが大事です。水やりの度に必ず鉢の状態を確認しましょう。
盆栽を始めようとするときに一番気になることが、日常のお手入れではないでしょうか。けれど特別なことは無く、基本的な手入れは普通の鉢植えと同じです。
毎日のお手入れで必要なことは水やりです。「水やり3年」という言葉もあるように、一朝一夕には植物の求める水のタイミング・量を把握しきるのは難しいものです。基本的には、土やコケが乾いているのを確認してから、鉢底から水が流れるくらいたっぷりあげることが大事です。水やりの度に必ず鉢の状態を確認しましょう。
時期を見て行う手入れは剪定・植え替え・施肥の3つの作業です。植物の種類によって多少違いはありますが、基本的には剪定は5~6月・植え替えは2~4月・施肥は春と秋に行います。それぞれしっかりと植物の状態を見極めて行えば、植物は応えてくれます。
お手入れの成果が目に見えてわかるのは、作業から半年ぐらい後になります。ついつい結果を早く求めてしまいますが、一息ついて植物のペースをのんびりと見守りましょう。
お手入れの成果が目に見えてわかるのは、作業から半年ぐらい後になります。ついつい結果を早く求めてしまいますが、一息ついて植物のペースをのんびりと見守りましょう。
鉢合わせ
盆栽の世界では植物と合う鉢を見つけることを「鉢合わせ」と言います。植物を選ぶことと、鉢を選ぶことは同等に重要であると考えられています。
鉢の間口と深さは植物の高さの半分程度にするとバランスがとりやすいでしょう。植物に対して、大きすぎる深すぎる鉢は重たい印象になってしまいます。
鉢選びは自身の感性を大事に自由に楽しんでください。気に入ったものであれば食器を使っても◎。水が抜けるように鉢底に穴をあければ使えます。磁器よりも素焼きのものが通気性がよいのでおすすめです。
盆栽の世界では植物と合う鉢を見つけることを「鉢合わせ」と言います。植物を選ぶことと、鉢を選ぶことは同等に重要であると考えられています。
鉢の間口と深さは植物の高さの半分程度にするとバランスがとりやすいでしょう。植物に対して、大きすぎる深すぎる鉢は重たい印象になってしまいます。
鉢選びは自身の感性を大事に自由に楽しんでください。気に入ったものであれば食器を使っても◎。水が抜けるように鉢底に穴をあければ使えます。磁器よりも素焼きのものが通気性がよいのでおすすめです。
管理する場所
お気に入りの盆栽はインテリアとしていつも見えるところに置きたい……! でも、植物は室内よりも屋外の日光や風通しを好みます。基本的に屋外で管理しましょう。来客時やその日の気分で、盆栽をインテリアに取り入れましょう。日光不足になってしまうので、連続して3日以上室内に置くのは避けてください。
盆栽は鉢が小さいため、夏の暑さや冬の寒さといった外気の影響を受けやすいです。地面に直接置くのではなく、台やすのこの上に置くと照り返しや寒さから根を守ることができます。
ここまで盆栽の基本的な知識をご説明しました。それではここから、私たちの現代的なインテリアに盆栽をうまく取り入れるアイデアをご紹介します。
お気に入りの盆栽はインテリアとしていつも見えるところに置きたい……! でも、植物は室内よりも屋外の日光や風通しを好みます。基本的に屋外で管理しましょう。来客時やその日の気分で、盆栽をインテリアに取り入れましょう。日光不足になってしまうので、連続して3日以上室内に置くのは避けてください。
盆栽は鉢が小さいため、夏の暑さや冬の寒さといった外気の影響を受けやすいです。地面に直接置くのではなく、台やすのこの上に置くと照り返しや寒さから根を守ることができます。
ここまで盆栽の基本的な知識をご説明しました。それではここから、私たちの現代的なインテリアに盆栽をうまく取り入れるアイデアをご紹介します。
ダイニングテーブルに
まさに盆栽らしい盆栽という形の一鉢。この樹形は模様木と呼ばれる樹形です。盆栽というとこのような樹形を思い描く方も多いのでは。
すっきりとしたインテリアの中央に、異端な存在にも感じられる模様木の盆栽。これだけで、個性的なモダンスタイルに格上げです。
まさに盆栽らしい盆栽という形の一鉢。この樹形は模様木と呼ばれる樹形です。盆栽というとこのような樹形を思い描く方も多いのでは。
すっきりとしたインテリアの中央に、異端な存在にも感じられる模様木の盆栽。これだけで、個性的なモダンスタイルに格上げです。
ファブリックパネルと
お気に入りのファブリックパネルはお持ちですか? 盆栽とファブリックパネルを一緒に飾ると、盆栽の違う表情が見えてきます。和を思わせるものと組み合わせれば、違和感なく和の世界に。ポップなものと組み合わせれば、目新しいアートのように。
背景だけでなく、一緒に飾る小物を変えても雰囲気が変わります。盆栽のいろいろな表情を探してみてください。
ちなみに、写真で使用されているファブリックは、アルヴァ・アアルトがデザインした〈アルテック〉の《シエナ》です。洋室のリビングでも和室の客間でも不思議となじむ柄です。
お気に入りのファブリックパネルはお持ちですか? 盆栽とファブリックパネルを一緒に飾ると、盆栽の違う表情が見えてきます。和を思わせるものと組み合わせれば、違和感なく和の世界に。ポップなものと組み合わせれば、目新しいアートのように。
背景だけでなく、一緒に飾る小物を変えても雰囲気が変わります。盆栽のいろいろな表情を探してみてください。
ちなみに、写真で使用されているファブリックは、アルヴァ・アアルトがデザインした〈アルテック〉の《シエナ》です。洋室のリビングでも和室の客間でも不思議となじむ柄です。
玄関に
エクステリアを飾るものの1つとして、盆栽は非常におすすめ。玄関に飾れば、毎日お気に入りの盆栽が出迎えてくれます。玄関は来客の方の目にも入りやすいので、話題づくりにも最適です。
インテリアだと鉢を移動させなくてはならないですが、屋外であれば移動させなくてもそのまま楽しめます。毎日状態を確認しやすいこともメリットです。
エクステリアを飾るものの1つとして、盆栽は非常におすすめ。玄関に飾れば、毎日お気に入りの盆栽が出迎えてくれます。玄関は来客の方の目にも入りやすいので、話題づくりにも最適です。
インテリアだと鉢を移動させなくてはならないですが、屋外であれば移動させなくてもそのまま楽しめます。毎日状態を確認しやすいこともメリットです。
盆の上に
特別な日には盆栽をお盆の上に乗せれば、風格のあるコーディネートに変身します。お正月や多くの人が集まるときには、お気に入りの盆栽のここぞという姿を見せたいものです。
この写真では、アクセントに石を添えています。こういった小道具もアイデア次第。自由な発想で楽しみましょう。
特別な日には盆栽をお盆の上に乗せれば、風格のあるコーディネートに変身します。お正月や多くの人が集まるときには、お気に入りの盆栽のここぞという姿を見せたいものです。
この写真では、アクセントに石を添えています。こういった小道具もアイデア次第。自由な発想で楽しみましょう。
草花を使った盆栽もおしゃれ!
寄せ植え感覚で、気軽に挑戦しやすい草花を使った盆栽は初心者の方におすすめです。植え替えや株分けも容易で、管理しやすいです。
草花は園芸店やホームセンターで気軽に購入できることも、挑戦しやすいポイントの1つ。草花は季節感を出しやすく、柔らかくやさしい風景を作れるので、現代のインテリアや外構になじみやすいです。
どんな景色の盆栽にするかをイメージすると、植物選びや植え付けしやすくなります。明るい景色やしっとりとした半日陰の景色、水辺の景色など、植物の性質も考慮しながらつくりたい景色を考えましょう。
寄せ植え感覚で、気軽に挑戦しやすい草花を使った盆栽は初心者の方におすすめです。植え替えや株分けも容易で、管理しやすいです。
草花は園芸店やホームセンターで気軽に購入できることも、挑戦しやすいポイントの1つ。草花は季節感を出しやすく、柔らかくやさしい風景を作れるので、現代のインテリアや外構になじみやすいです。
どんな景色の盆栽にするかをイメージすると、植物選びや植え付けしやすくなります。明るい景色やしっとりとした半日陰の景色、水辺の景色など、植物の性質も考慮しながらつくりたい景色を考えましょう。
複数並べて
盆栽は様々な樹形があります。一鉢をじっくり鑑賞しても良いですが、一か所に並べると、カジュアルで親しみやすい雰囲気に。さまざまな樹形のものを並べてもかわいいです。樹形に合わせて並べ方を変えて、一番魅力的に見える配置を探してみてはいかがでしょうか。
盆栽は様々な樹形があります。一鉢をじっくり鑑賞しても良いですが、一か所に並べると、カジュアルで親しみやすい雰囲気に。さまざまな樹形のものを並べてもかわいいです。樹形に合わせて並べ方を変えて、一番魅力的に見える配置を探してみてはいかがでしょうか。
甘いテイストの部屋に
ヨーロピアンな甘いインテリアにも、盆栽は意外と馴染みます。ジャパネスクといった風情で、私たち日本人には目新しく感じられるスタイルの出来上がりです。
勢いのある力強い盆栽が一鉢あるだけで、甘い雰囲気の部屋をピリッと引き締めています。
ヨーロピアンな甘いインテリアにも、盆栽は意外と馴染みます。ジャパネスクといった風情で、私たち日本人には目新しく感じられるスタイルの出来上がりです。
勢いのある力強い盆栽が一鉢あるだけで、甘い雰囲気の部屋をピリッと引き締めています。
純和風に
和の雰囲気で盆栽を飾ると落ち着きますね。日本では床の間の掛け軸や花で四季の美しさを表し、来客をもてなします。生きた植物である盆栽は、季節を表すのにぴったり。来客時や、もちろん日常で、季節を室内に取り込んで四季を味わいましょう。
和の雰囲気で盆栽を飾ると落ち着きますね。日本では床の間の掛け軸や花で四季の美しさを表し、来客をもてなします。生きた植物である盆栽は、季節を表すのにぴったり。来客時や、もちろん日常で、季節を室内に取り込んで四季を味わいましょう。
古いもの、伝統的なものというイメージのある盆栽ですが、現代のインテリアに取り入れると、目を引く斬新なものに変わります。あなたの自由な感性を生かして、ぜひ一鉢から挑戦してみてください。
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あなたのインテリアスタイルは?:ジャパニーズスタイル
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