無機質に見せない! コンクリートの魅力を庭でも活かすアイデア
建築では大活躍のコンクリート。庭で使うとなると、特に秋冬は冷たい雰囲気がすると敬遠していませんか? 庭でもコンクリートの魅力を活かしたアイデアをご紹介します。
舩村佳織
2017年11月3日
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています。
二児の子育て中でもあり、家族みんなが楽しめる庭造りが得意です。設計者として、主婦としての目線から、暮らしやすさに寄り添います。
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています... もっと見る
灰色で無機質なコンクリート。住宅や駐車場・外構には使っても、お庭にはあまり使われません。特にナチュラルなイメージでお庭づくりをしたい方は敬遠しがちな素材です。しかし取り入れ方次第では、意外にも植物との相性が良く、名脇役として活躍してくれます。そんなコンクリートの庭でのアイデアをご紹介します。
身近な建物や街のいたるところで使われているコンクリート。セメントに水と骨材になる砂利と砂を混ぜたものです。セメントは水を加えると固まる性質を持っており、その性質を利用してコンクリートの高い強度を作り出しています。
古代ローマでは、すでに石灰石を利用してローマンコンクリートと言われるコンクリートを使用していました。コンクリートの技術は一度途絶えてしまいますが、19世紀に今の形のコンクリート技術が出来上がりました。近代的な人工物というイメージのコンクリートですが、意外にも長い歴史を持っています。
古代ローマでは、すでに石灰石を利用してローマンコンクリートと言われるコンクリートを使用していました。コンクリートの技術は一度途絶えてしまいますが、19世紀に今の形のコンクリート技術が出来上がりました。近代的な人工物というイメージのコンクリートですが、意外にも長い歴史を持っています。
コンクリートの特徴
現在では建造物を作る際に欠かせない存在となったコンクリート。なぜここまで重要な存在となったのでしょうか?
それはコンクリートが他の素材にはないメリットを持っているからです。
いちばんの大きな特徴は、型に合わせてどんな形にもなること。さまざまな寸法を現場で作れることは、コンクリートの大きな武器です。他には、耐火性が高いことや安価であることも挙げられます。
しかし、圧縮強度は強いが曲げたり引っ張ったりすると弱いというデメリットも。これは現在では鉄筋と組み合わせる技術などで改良しています。
このようなコンクリートの特徴を活かした庭。どんな風に取り入れていけるのでしょうか?
現在では建造物を作る際に欠かせない存在となったコンクリート。なぜここまで重要な存在となったのでしょうか?
それはコンクリートが他の素材にはないメリットを持っているからです。
いちばんの大きな特徴は、型に合わせてどんな形にもなること。さまざまな寸法を現場で作れることは、コンクリートの大きな武器です。他には、耐火性が高いことや安価であることも挙げられます。
しかし、圧縮強度は強いが曲げたり引っ張ったりすると弱いというデメリットも。これは現在では鉄筋と組み合わせる技術などで改良しています。
このようなコンクリートの特徴を活かした庭。どんな風に取り入れていけるのでしょうか?
シンプルな庭に
レンガやタイルは、小さな材料を組み合わせて舗装するため、たくさんの目地ができます。しかしコンクリートは大きな面で舗装を作ることができます。シンプルな庭がお好みの場合、最小限の目地ですっきりとした面が作れるコンクリートがおすすめです。
コンクリートはひび割れが入りやすいため、一定間隔でクラック防止の目地を入れる必要があります。シンプルなものならば、いちばん目立たない伸縮目地と言われるものを選びましょう。
レンガやタイルは、小さな材料を組み合わせて舗装するため、たくさんの目地ができます。しかしコンクリートは大きな面で舗装を作ることができます。シンプルな庭がお好みの場合、最小限の目地ですっきりとした面が作れるコンクリートがおすすめです。
コンクリートはひび割れが入りやすいため、一定間隔でクラック防止の目地を入れる必要があります。シンプルなものならば、いちばん目立たない伸縮目地と言われるものを選びましょう。
芝生目地
クラック防止のために入れなくてはいけない目地ですが、その目地も自由に作れるのがコンクリートのすごいところ。伸縮目地と言われる黒いラインが最も簡単な目地ですが、目地の幅を広めにして、間に芝生を入れたり砂利を入れたりということも可能です。また、直線だけでなく曲線のラインも作れます。
芝生と組み合わせることで、広い面積のコンクリートも圧迫感がなく仕上がります。目地に入れる植物は、芝生だけでなく他のグランドカバープランツも良いでしょう。目地は土の量が少なく乾燥しやすいため、乾燥に強いものを選ぶのがポイントです。
クラック防止のために入れなくてはいけない目地ですが、その目地も自由に作れるのがコンクリートのすごいところ。伸縮目地と言われる黒いラインが最も簡単な目地ですが、目地の幅を広めにして、間に芝生を入れたり砂利を入れたりということも可能です。また、直線だけでなく曲線のラインも作れます。
芝生と組み合わせることで、広い面積のコンクリートも圧迫感がなく仕上がります。目地に入れる植物は、芝生だけでなく他のグランドカバープランツも良いでしょう。目地は土の量が少なく乾燥しやすいため、乾燥に強いものを選ぶのがポイントです。
コンクリートの中に植栽
型を作ればコンクリートの中をくり抜くような形にも作れます。尖った形はクラックが入りやすいため、鋭角になる部分はない方が良いでしょう。その点に気をつければ、自由な形でコンクリートをデザインできます。
駐車場のような広い面積のコンクリートはのっぺりとしてしまいがちですが、スペースに余裕があれば、植栽スペースを少しでも設けて植物の瑞々しさを空間に与えましょう。無機質なだけではないコンクリートの魅力が見えてくるはずです。
型を作ればコンクリートの中をくり抜くような形にも作れます。尖った形はクラックが入りやすいため、鋭角になる部分はない方が良いでしょう。その点に気をつければ、自由な形でコンクリートをデザインできます。
駐車場のような広い面積のコンクリートはのっぺりとしてしまいがちですが、スペースに余裕があれば、植栽スペースを少しでも設けて植物の瑞々しさを空間に与えましょう。無機質なだけではないコンクリートの魅力が見えてくるはずです。
木材との組み合わせ
コンクリートは木材とも相性抜群。異素材が大人っぽい空間を生みだします。ウッドデッキと組み合わせて、広いテラスに。どちらも主張しすぎない素材のため、さらに彩りとして、明るい色のガーデンファニチャーを加えてもよくまとまりますね。
コンクリートは木材とも相性抜群。異素材が大人っぽい空間を生みだします。ウッドデッキと組み合わせて、広いテラスに。どちらも主張しすぎない素材のため、さらに彩りとして、明るい色のガーデンファニチャーを加えてもよくまとまりますね。
階段
大きな石のようにも見えますが、これを自然石で施工しようと思うと、かなり大変な作業。コンクリートだからこそできるデザインです。見慣れた無機質なグレーですが、植栽の中では目立ちすぎず、脇役として植物を引き立たせます。役割をきちんとこなしながら、目立ちすぎないコンクリートはデザイン面でも優秀な素材です。
大きな石のようにも見えますが、これを自然石で施工しようと思うと、かなり大変な作業。コンクリートだからこそできるデザインです。見慣れた無機質なグレーですが、植栽の中では目立ちすぎず、脇役として植物を引き立たせます。役割をきちんとこなしながら、目立ちすぎないコンクリートはデザイン面でも優秀な素材です。
コンクリートブロック
コンクリートと同様、つまらない素材として認知されているコンクリートブロックですが、意外にも植物と相性◎。コンクリートブロックには化粧ブロックと言われる凹凸があるものや、笠置(かさぎ)を一緒に施工するものもありますが、おすすめはノーマルなコンクリートブロック。雑木風、エキゾチック、どんな植栽にも合います。ちょっと異色な無骨な存在感がおしゃれな雰囲気を演出します。
コンクリートと同様、つまらない素材として認知されているコンクリートブロックですが、意外にも植物と相性◎。コンクリートブロックには化粧ブロックと言われる凹凸があるものや、笠置(かさぎ)を一緒に施工するものもありますが、おすすめはノーマルなコンクリートブロック。雑木風、エキゾチック、どんな植栽にも合います。ちょっと異色な無骨な存在感がおしゃれな雰囲気を演出します。
モルタル仕上げ
モルタルとは、セメントと砂と水を混ぜたもののこと。コンクリートに砂利が入っていないものです。コンクリートブロックを積んだ後、モルタルで左官仕上げをすると、コンクリートの壁のような質感に。コテを使っているため、若干のコテムラが現れ、手づくり感のある風合いになります。ナチュラルな庭にもぴったりで、花壇や門塀などにもおすすめです。
モルタルとは、セメントと砂と水を混ぜたもののこと。コンクリートに砂利が入っていないものです。コンクリートブロックを積んだ後、モルタルで左官仕上げをすると、コンクリートの壁のような質感に。コテを使っているため、若干のコテムラが現れ、手づくり感のある風合いになります。ナチュラルな庭にもぴったりで、花壇や門塀などにもおすすめです。
コンクリート平板
ホームセンターや建材屋で売っています。30cm四方で厚みは5cm前後のものが一般的。ぱっと見は自然石のようにも見えますが、工業製品のため自然石よりも寸法が揃っており施工が容易です。表面はざらっとしており、温かみを感じる風合いをしています。シンプルだけれど、冷たすぎない雰囲気を感じさせる素材です。
ホームセンターや建材屋で売っています。30cm四方で厚みは5cm前後のものが一般的。ぱっと見は自然石のようにも見えますが、工業製品のため自然石よりも寸法が揃っており施工が容易です。表面はざらっとしており、温かみを感じる風合いをしています。シンプルだけれど、冷たすぎない雰囲気を感じさせる素材です。
コンクリートを利用したさまざまな庭のアイデアをご紹介しました。身近な素材もアイデア次第で目新しいものに姿を変えます。コンクリートも無機質で人工的というイメージを取り払えば、違った魅力が見えてくるはずです。
こちらもあわせて
コンクリートをインテリアやエクステリアに活用するクールな10のアイデア
コンクリート床をインテリアに使うべき5つの理由
庭・ガーデニングの記事をもっと読む
教えてHouzz
コンクリートを庭に使っている人は、そのメリットデメリットを教えてください!
こちらもあわせて
コンクリートをインテリアやエクステリアに活用するクールな10のアイデア
コンクリート床をインテリアに使うべき5つの理由
庭・ガーデニングの記事をもっと読む
教えてHouzz
コンクリートを庭に使っている人は、そのメリットデメリットを教えてください!
おすすめの記事
専門家とのやりとり
庭づくりをプロに依頼する前に知っておきたい、コストとメリット
文/藤間紗花
庭づくりをプロに依頼するのには、どのようなメリットあるのでしょう?また、どのくらいの費用が必要になるのでしょう?4人の専門家の方々にインタビューしました。
続きを読む
庭づくり
お手入れが楽な庭をつくるには?
文/舩村佳織
忙しいと、ついつい後回しになってしまう庭のお手入れ。育てやすい植物や、水まきのアイテムなど、お手入れを少しでも楽にするためのアイデアをご紹介します。
続きを読む
庭づくり
冬にしかできない作業を忘れずに行い、来春に備えよう【12月のガーデニング】
文/舩村佳織
庭仕事の中でも大切な剪定や土づくりの時期。地味な作業をしっかり行って来春の景色をより良いものにしましょう。
続きを読む
造園・ガーデニング
「枯山水」入門。その成り立ち、鑑賞ポイントとは?
文/舩村佳織
日本の庭園を代表する枯山水。海外では「Zen Garden」と呼ばれ、庭のスタイルのひとつとして確立されています。枯山水の成り立ち、観賞ポイント、そして自宅への導入事例をコンパクトにまとめました。
続きを読む
植物
土が乾きやすく、植物もバテる夏。水切れに気をつけよう【8月のガーデニング】
文/舩村佳織
暑い日差しに植物も夏バテ気味になる厳しい季節。熱中症に気を付けながら、夏を乗り切りましょう!
続きを読む
コンクリートの仕上がり、杉板本実仕上げは表情豊かですよ。計画から仕上げまで気を抜けません。施工する作業車の皆の力が試されます。杉板本実は覚悟の打設です。パネコートを外してピンホールやジャンカが有る時はどう?活かすか?どう諦めるか?修正は出来ればしない覚悟が必要です。
コンクリートの中に混ぜる物板に付ける離型剤、バイブレーターで生コンを流し込むのか?棒で丁寧に突くのか?生コン入れるタイミングは流れるようにスムーズに作業進められるか?コンクリートの表情を活かした防水材も世の中に少ないので、お試しくださいね。笠木が無いと黒カビ、苔、ばい煙で4~5年でダレが出て来て汚いですよ。注意してコンクリートLIFEを楽しみましょう。耐久性がありメンテしだいで長持ちします。
田中機販 様
杉板本実仕上げとても味わいがありますね。コメントありがとうございます。どう仕上がるか、把握しきれないからこその趣でしょうか。コンクリートという人工的な素材に自然の表情を写すおもしろさですね。
話少しな成れますが、最近本物の板と、よく観るHOTELやビルのエントランスに張ってあるビニールの木目の板風の物を混同している方が居ます。天然木目は環境や仕上げでどんな風に劣化して逝くのか?行くのか?観察しないで綺麗な木目を求める顧客や設計事務所の先生が居ますが、天然木は割れたり,反ったり、ササクレが出たり、脂が出ます。
その風合いを劣化として捉えるのか?エイジングと格好良く感じて風合いを楽しむのか? コンクリートの打ち放しは似た所が有ります。
RC,杉板本実(すぎいたほんざね)は覚悟の補修を余り行わない打設で行くのか? 修正手直しを行いメラミン合板の板目みたいに表情がのっぺらに成るまで修正して仕上げるのか?RC打設時の雰囲気を大切に生活に取り込み、お顔や手のシワの様に愛着を持って接し愛嬌ととらえる?RC打設の荒々しさそのものは天然木目に負けない風合いが有ります。
コンクリートの打設は、打設の間が空き過ぎるとつなぎ目がコールドジョイントとして観え筋が入りますが、これも絵として観るのか?大騒ぎして欠陥と言うのか?あまりひどく無ければ愛嬌として観ては?
RC打設は下準備に何度も打ち合わせを準備を行う事が大事です。
打ち合わせや打設時に面倒くさい、流動性が悪いと言う生コン屋さんが居たら困りますから、協力を仰げる先を探すのも大切な打ち合わせです。これ普通はやらない建築会社さん、設計事務所先生が居たら問題です。プロだから任せて安心。でもその辺の神経細やかな準備が有っての打設・パネル取り外し・失敗もある意味受け入れる覚悟のRC打設です。と思いますが?いかがでしょうか?
写真は杉板本実打設後塩害凍結に強く成る液剤を浸み込ませその後、薄いベージュ色を混ぜた無機の浸透反応型の防水材を浸み込ませました。3週間すると杉板本実の内側で隙間を埋めるようにμサイズの結晶が石やセメント金属イオンと手を繋ぎ隙間を結晶で埋埋め込んで水が侵入しません。大きな美術館の外壁に施工しました。遮水性能が20年維持できる材料は無機の材料ならでは性能です。
色気、艶っぽさあるでしょ~~~。いかが?