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模様入りタイル、人工石、天然色。2019年のタイル、ストーン、フローリング最新トレンド
インターナショナル・サーフェス・イベント(The International Surface Event)2019で見られたトレンドの一部をご紹介します。
Julie Sheer
2019年3月2日
今年1月末、米ラスベガスで開催されたインターナショナル・サーフェス・イベント2019では、最新のタイル、木材、石など、床や壁、カウンター用の製品が展示されました。幾何学的なデザイン、洗練された人工磁器タイル、贅沢なビニールタイルといった床材が多く見られました。1月22日から25日まで行われたタイル、石、床材業界向けの見本市の見どころをいくつかご紹介します。
特に記載がない写真はすべてジュリー・シアー(Julie Sheer)の撮影によるもの。写真提供:エムザー・タイル(Emser Tile)。
1. 模様入りタイルの人気は健在
焼き付けタイル、幾何学模様、アラベスク模様といった装飾用タイルの人気は数年前から続いていますが、今年の見本市ではそのトレンドの新たな解釈が見られました。写真は、エムザー・タイル社(Emser Tile)のアラベスク・モザイクを施したディヴァイン。
1. 模様入りタイルの人気は健在
焼き付けタイル、幾何学模様、アラベスク模様といった装飾用タイルの人気は数年前から続いていますが、今年の見本市ではそのトレンドの新たな解釈が見られました。写真は、エムザー・タイル社(Emser Tile)のアラベスク・モザイクを施したディヴァイン。
「幾何学模様は今ブームとなっていますよ」と話すのは、ダルタイル社(Daltile)社でマーケティング・ディレクターを務めるアンバー・レイ・マーティンソンです。これまでも幾何学模様の人気は高かったものの、中間色の模様と組み合わせることが今の大きなトレンドになっている、と彼女は言います。この会社のビーハイブ(Bee Hive)タイル(写真)は六角形の大判タイルで、無地と幾何学模様から選べます。
焼き付けセメントタイルは数百年前から出回っていますが、ここ数年は床や壁に使用するのがブームとなっています。最近では大胆なグラフィック模様を焼き付けた磁器タイルが登場し、セメントタイルよりもコスト効率がよく、お手入れが簡単なものも多くなっています。写真の磁器タイルはベドローシアンズ・タイル・アンド・ストーン社(Bedrosians Tile and Stone)のアンシャンテ(Enchante)。
アリゾナ・タイル社(Arizona Tile)のレヴァリー(Reverie)コレクションは、8インチ(約20センチ)四方の磁器タイル数枚に幾何学的な焼き付けスタイルのデザインを施しているところが特徴的です。コレクションに対応する中間色の無地タイルと組み合わせても素敵です。
2. フェイクウッドの人気も衰えず
木目調のタイルはここ数年、お手入れのしやすさと(通常は)ハードウッドに比べて安価なことから重宝されています。木目調のデザインは見本市のいたるところで見られ、磁器、ラミネート材、ビニールといった材質にも及んでいます。写真は、ベドローシアンズ・タイル・アンド・ストーン社のフェイクウッド磁器タイル各種。
木目調のタイルはここ数年、お手入れのしやすさと(通常は)ハードウッドに比べて安価なことから重宝されています。木目調のデザインは見本市のいたるところで見られ、磁器、ラミネート材、ビニールといった材質にも及んでいます。写真は、ベドローシアンズ・タイル・アンド・ストーン社のフェイクウッド磁器タイル各種。
エムザー・タイル社のハリウッド(Hollywood)タイル。写真提供:エムザー・タイル。
タイルの製造に用いられるデジタル印刷技術の進歩のおかげで、フェイクウッド・タイルがますます本物そっくりになっています。木目調のタイルはベドローシアンズ・タイル・アンド・ストーン社の磁器タイル部門でトップの売り上げを誇る商品だと、同社のカイル・トロシアンは話します。
タイルの製造に用いられるデジタル印刷技術の進歩のおかげで、フェイクウッド・タイルがますます本物そっくりになっています。木目調のタイルはベドローシアンズ・タイル・アンド・ストーン社の磁器タイル部門でトップの売り上げを誇る商品だと、同社のカイル・トロシアンは話します。
贅沢なビニールタイルという表現は、ちょっと矛盾している(「贅沢」と「ビニール」がどうもしっくりこない)ように思えます。でも、最近の木目調ビニールタイルなら、あなたもきっと本物と見間違えるはずです。写真のタイルはイーグル・クリーク・フロアーズ社(Eagle Creek Floors)のもの。
ビニールタイルは色のバリエーションが豊富で、アンティーク調で味のあるものから、磨き込まれて滑らかなものまで揃っています。写真はタイガ・ビルディング・プロダクツ社(Taiga Building Products)のヴァイラ(Vaila)タイル。
3. 自然な色があふれる
今どきのタイルやフェイクウッドの床材の多くにはグレーが使われていますが、グレーはグレーでもより温かみのある色調のものや、さらにブルーも不動の人気を誇っています。「深みのあるブルー、グレーなどのダークカラーは、明るい色のアクセサリーとあわせて使うと大胆な表情を見せてくれます」。そう語るのは、エムザー・タイル社のクリスタ・テクストラです。写真は、ガラス製のモザイクタイルと組み合わせた同社の光沢のある磁器シリーズ、ノヴァ(Nova)で、天然石を思わせる柔らかな筋模様と色のバリエーションに富んだデザインとなっています。
今どきのタイルやフェイクウッドの床材の多くにはグレーが使われていますが、グレーはグレーでもより温かみのある色調のものや、さらにブルーも不動の人気を誇っています。「深みのあるブルー、グレーなどのダークカラーは、明るい色のアクセサリーとあわせて使うと大胆な表情を見せてくれます」。そう語るのは、エムザー・タイル社のクリスタ・テクストラです。写真は、ガラス製のモザイクタイルと組み合わせた同社の光沢のある磁器シリーズ、ノヴァ(Nova)で、天然石を思わせる柔らかな筋模様と色のバリエーションに富んだデザインとなっています。
ハードウッド床材の中には今でも、ドリフトウッド・グレーのものが豊富にありますが、トレンドはよりダークな色調へと移行してきました。「人々は自然からインスピレーションを得ているのです。これからもブラウン系などの天然色が好まれるでしょう。」と、モホーク社(Mohawk)のアンジェラ・デューク(Angela Duke)は言います。「消費者は自然なアースカラーに惹かれているのです。」写真はモホーク社の防水ウッドフローリング、レヴウッド・プラス(RevWood Plus)。
4. 素材の組み合わせで楽しく
磁器、木材、石、金属でできたタイルは壁全体や強調したいエリア、キッチンのカウンター周りに視覚的なおもしろさを添えるものであり、そのバリエーションはますます充実しています。見本市の展示でも特に目を引くものとなりました。写真のゴージャスなタイルは、アトリエ・ペラ(Atelier Pera)シリーズからフィフス・ストリート(Fifth Street)とも呼ばれる、ペラ・タイル社(Pera Tile)のもので、真ちゅうなどの金属で縁取られた大理石調の磁器タイルの例です。
磁器、木材、石、金属でできたタイルは壁全体や強調したいエリア、キッチンのカウンター周りに視覚的なおもしろさを添えるものであり、そのバリエーションはますます充実しています。見本市の展示でも特に目を引くものとなりました。写真のゴージャスなタイルは、アトリエ・ペラ(Atelier Pera)シリーズからフィフス・ストリート(Fifth Street)とも呼ばれる、ペラ・タイル社(Pera Tile)のもので、真ちゅうなどの金属で縁取られた大理石調の磁器タイルの例です。
写真提供:ダルタイル
5. すべてを大判に
それがタイルの大きさであれ、板の幅や長さであれ、こと床材については大きいほうが好まれるようになっています。タイルについて言えば「24インチ(約60センチ)四方では小さすぎるくらいです」と、ベドローシアンズ・タイル・アンド・ストーン社のカイル・トロシアンは話します。床材に木を使用する場合にも、板の幅は年々広くなっており、イーグル・クリーク・フロアーズ社の担当者によれば、最適な幅は7.5インチ(約19センチ)だということです。
5. すべてを大判に
それがタイルの大きさであれ、板の幅や長さであれ、こと床材については大きいほうが好まれるようになっています。タイルについて言えば「24インチ(約60センチ)四方では小さすぎるくらいです」と、ベドローシアンズ・タイル・アンド・ストーン社のカイル・トロシアンは話します。床材に木を使用する場合にも、板の幅は年々広くなっており、イーグル・クリーク・フロアーズ社の担当者によれば、最適な幅は7.5インチ(約19センチ)だということです。
幅8.5インチ(約22センチ)で、ヨーロピアンオークをアンティーク調に塗装したプロヴェンツァ・フロアーズ社(Provenza Floors)の床板、ライトハウス・コーヴ(Lighthouse Cove)がトレンド。素朴な雰囲気もアピールできます。
6. 珪岩の人気が上昇中
天然石の中では珪岩が注目を集めています。珪岩はカウンタートップにぴったりだと話すのは、ナショナル・ストーン・インスティテュート(The National Stone Institute)のエイミー・オークリーです。「珪岩の素晴らしいところは、色のバリエーションがとても豊富なのと、その多くが大理石によく似ていますが、大理石よりもはるかに丈夫である点です。」キッチン・スタジオ・オブ・グレン・エリン(The Kitchen Studio of Glen Ellyn)が設計を手がけたこの部屋のカウンタートップには、シルバーウォーター珪岩が使われています。
天然石の中では珪岩が注目を集めています。珪岩はカウンタートップにぴったりだと話すのは、ナショナル・ストーン・インスティテュート(The National Stone Institute)のエイミー・オークリーです。「珪岩の素晴らしいところは、色のバリエーションがとても豊富なのと、その多くが大理石によく似ていますが、大理石よりもはるかに丈夫である点です。」キッチン・スタジオ・オブ・グレン・エリン(The Kitchen Studio of Glen Ellyn)が設計を手がけたこの部屋のカウンタートップには、シルバーウォーター珪岩が使われています。
はがして貼るだけの木目調ビニールタイルの展示もいくつかありましたが、マイウッドウォール社(Mywoodwall)では本物の木の板を使用していました。同社ではこの板を、アクセントとなる壁やキッチンのカウンター周りにも使用できるほか、廊下やランドリー室、さらにはヘッドボードにも使用できると話しています。
グラウト材と言えば、ラティクリート社(LATICRETE International, INC.)のこの製品なら、ベンジャミンムーア社やシャーウィン・ウィリアムズ 社の色のバリエーション豊富な塗料とも合わせることができます。
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