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本棚を空間の主役にしよう
住み手の個性や好みが顕著に表れるのが本棚。ライブラリーは書斎だけでなく、家のどこにつくっても楽しいものです。本棚を主役にしたコーナーづくりのポイントを、空間ごとに例を挙げてご紹介します。
Nayo Suzuki
2015年4月4日
ライター&エディター。建築・インテリアを学んだ後、インテリアデコレーターとして働きながら、インテリアのライター業をスタート。現在はライター&エディター業に専念し、雑誌のインテリアページ、カタログ、書籍などを手がける。趣味はインテリアとアート鑑賞。
ライター&エディター。建築・インテリアを学んだ後、インテリアデコレーターとして働きながら、インテリアのライター業をスタート。現在はライター&エディター業に専念し、雑誌のインテリアページ、カタログ、書籍などを手がける... もっと見る
「本棚を見ればその人がわかる」などとよく言われます。誰かのお宅に招かれ、棚に並ぶ本を見て「へぇ~こんな堅い本を読んでいるんだ」と知ったり、「もしかしてマンガ好きかな?」なんて思ったり……本棚には住み手の意外な一面が垣間見え、楽しいものです。本棚は単に本を収納するだけのものではありません。お気に入りの本の隣に、旅先で出会った品や思い出の写真を並べたり、好きなものを集めた棚、ディスプレイのステージとしても活用できます。難しそうな本がぎっしり並んだ中に、クスッと笑みがこぼれるような置き物がさりげなく置いてあれば、住み手のユーモアやセンスを感じますね。本棚をつくる場所も書斎とは限定せず、たとえば大の本好きでいつも眺めていたい人ならリビングやダイニングに、料理が好きで美しい料理本を集めている人ならキッチンに、トイレで本を読むのが好きな人ならトイレでも。アイデア次第で、家じゅうどこにでも本棚をつくることができます。お気に入りの本やアイテムを並べた本棚を主役に、空間づくりを考えてみるのはいかがでしょう?
1 リビングの本棚
ソファの後ろの壁一面に作った本棚は、このリビングの主役。本棚を床から浮かせ、四方に白い壁面部分を残して、壁が本棚を縁取るような形に設置されています。そうすることで本棚そのものが際立ち、目に飛び込んでくる効果も。置いてあるのは本よりもオブジェやアートが多く、収納というよりもディスプレイとして楽しんでいる様子が伝わってきます。
ソファの後ろの壁一面に作った本棚は、このリビングの主役。本棚を床から浮かせ、四方に白い壁面部分を残して、壁が本棚を縁取るような形に設置されています。そうすることで本棚そのものが際立ち、目に飛び込んでくる効果も。置いてあるのは本よりもオブジェやアートが多く、収納というよりもディスプレイとして楽しんでいる様子が伝わってきます。
リビングの壁一面に設置された、高さ3m近い圧巻の本棚。はしごに登って本を取るなんて、まるで図書館のようで、本好きにはたまりません。こちらも本棚部分と壁とで素材を変えて際立たせています。大容量の本棚ですが、本をぎっしり詰め込むのではなく、ところどころにオブジェを飾って抜けをつくることで、単なる収納場所ではなく、住み手の個性を感じられる場となっています。
日本でもファンの多いアメリカのインテリアデザイナー、ジョナサン・アドラー宅の本棚。「本棚をただの収納場所として捉えるな」と本人が言っていましたが、その言葉通り、本の分量は半分くらいでしょうか。エッジの効いたオブジェや、フォルムの美しいランプを、棚の高さや幅に合わせてパズルのように埋めて、楽しんでいます。こんなふうにリビングにおける本棚は、個性やセンスを発揮できる格好の場でもあります。
2 ダイニングの本棚
ダイニングは食事をする場。テーブルには色とりどりの料理が並びますから、本棚は壁の色と同じにして空間になじませ、あくまで控え目に。本棚そのものが主張しない分、中に置いた本の色やデザインが際立ちます。お気に入りの本の背表紙を眺めながら食事をするのもいいですね。会話も弾みそうです。
ダイニングは食事をする場。テーブルには色とりどりの料理が並びますから、本棚は壁の色と同じにして空間になじませ、あくまで控え目に。本棚そのものが主張しない分、中に置いた本の色やデザインが際立ちます。お気に入りの本の背表紙を眺めながら食事をするのもいいですね。会話も弾みそうです。
3 廊下の本棚
通路である廊下に本棚を設置した例。本棚は奥行きが浅いので、こんなちょっとしたスペースを活用することもできます。狭い空間なので圧迫感を感じさせないよう、高さを抑えるのもポイント。ここでも本だけでなくアートなどを飾り、思わず足を止めたくなるようなしかけを作っています。
通路である廊下に本棚を設置した例。本棚は奥行きが浅いので、こんなちょっとしたスペースを活用することもできます。狭い空間なので圧迫感を感じさせないよう、高さを抑えるのもポイント。ここでも本だけでなくアートなどを飾り、思わず足を止めたくなるようなしかけを作っています。
4 階段の本棚
階段の踊り場の壁を本棚にし、明るい色に塗って空間のポイントにしています。階段を上り下りする途中に、本を手に思わず座りこんで、何時間も読みふけってしまいそうです。階下からの目線の先のスペースを有効活用し、きれいな色であえて際立たせることで、本棚が主役となったユニークな階段スペースになっています。
階段本棚のアイデアを見る
階段の踊り場の壁を本棚にし、明るい色に塗って空間のポイントにしています。階段を上り下りする途中に、本を手に思わず座りこんで、何時間も読みふけってしまいそうです。階下からの目線の先のスペースを有効活用し、きれいな色であえて際立たせることで、本棚が主役となったユニークな階段スペースになっています。
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5 キッチンの本棚
キッチンのアイランドカウンターのサイドを本棚に。料理本を入れた本棚だけを見せる収納にし、他は扉をつけて隠す収納にしています。そうすることで本棚が主役となり、すっきりとしていながら、温かみの感じられるキッチンに。写真の美しい料理本は眺めているだけでもワクワクするし、置いてあると料理上手のキッチンというイメージになりますね。
キッチン本棚のアイデアを見る
キッチンのアイランドカウンターのサイドを本棚に。料理本を入れた本棚だけを見せる収納にし、他は扉をつけて隠す収納にしています。そうすることで本棚が主役となり、すっきりとしていながら、温かみの感じられるキッチンに。写真の美しい料理本は眺めているだけでもワクワクするし、置いてあると料理上手のキッチンというイメージになりますね。
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6 トイレの本棚
トイレで本を読む…という人は意外に多いと聞きます。家の中の最も小さな個室にこもっての読書は落ち着くのでしょうか? そんな人のために、あらかじめ本棚を作ってしまうのもひとつのアイデア。このお宅のトイレは隣に階段があるのでしょうか、斜めになったスペースをうまく活用しています。
トイレで本を読む…という人は意外に多いと聞きます。家の中の最も小さな個室にこもっての読書は落ち着くのでしょうか? そんな人のために、あらかじめ本棚を作ってしまうのもひとつのアイデア。このお宅のトイレは隣に階段があるのでしょうか、斜めになったスペースをうまく活用しています。
7 造り付けではない本棚でも主役に
すでに住んでいる家に本棚を置く場合、たとえばこんな奥行きの浅い棚なら場所も取らず、気軽にとり入れられます。真っ白な空間に、表紙を見せて並べたデザインの美しい本が彩りを添え、まるでアートのように映えます。
すでに住んでいる家に本棚を置く場合、たとえばこんな奥行きの浅い棚なら場所も取らず、気軽にとり入れられます。真っ白な空間に、表紙を見せて並べたデザインの美しい本が彩りを添え、まるでアートのように映えます。
ホームセンターなどでも見かける、グリッド状の小ぶりの本棚なら、比較的場所を選ばず、すぐにでもとり入れられそうです。本の並べ方や小物とのバランスの取り方はセンスの見せどころ。上にアートや植物を飾れば、本棚が主役となった、コージーな空間の完成です。
本棚そのものがアートのように、ダイニングの壁をリズミカルに演出しています。並べる本を替えるだけで、表情がいろいろと変わるのもいいですね。デザイン自体に主張のあるこんな本棚なら、それだけで空間の主役になります。
これから家づくりを計画している人はもちろん、すでに住んでいる家の模様替えの際にでも、意外と簡単にできるのが、本棚を主役にしたコーナーづくり。さて、あなたらしさを語る素敵なホームライブラリーは、家のどこに、どんなふうに設置しましょうか?
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教えてHouzz
みなさんの家の本棚はどのスペースにありますか? または、どのスペースに設置してみたいですか?
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