憧れのインテリアスタイルのエッセンスを取り入れる方法:トラッド&ヴィンテージ編
今の部屋に憧れのインテリアスタイルを少しだけ取り入れて、素敵なコーナーづくりを。そのポイントの絞り方のヒントを、14のスタイルの中からご紹介します。今回はトラディショナル、トランジショナル、ゴシック、ヴィンテージについて。
西谷典子|Noriko Nishiya
2017年12月6日
いつもの住まいの一部に、写真などで見て知っている憧れのインテリアスタイルをさりげなくスマートに加えるためのヒントを、スタイルごとに4回に分けて取り上げるこのシリーズ。初回はシンプルな北欧、エレガントなロココやシノワズリーのエッセンスを、前回は自然素材や陽光が似合うコロニアルやシャビーシックのエッセンスを、ポイント的に取り入れる提案をご紹介しました。今回はさらに、トラッドベースの4つのスタイルについて解説します。
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歴史様式の風格を大切に取り入れる、トラディショナルスタイル
味わいのある落ち着いた雰囲気の空間が好きな方は、ダークな色のフローリングを選ぶことが多いと思いますが、それにマッチするインテリアスタイルの筆頭は、やはりトラディショナルスタイルでしょう。伝統的なデザインを施したアンティーク家具を大切に使っている、上品で風格のあるインテリアです。
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トラディショナルスタイルと一口にいってもその範囲は幅広く、伝統的な歴史様式のディテールは年代ごとに微妙に異なります。トラディショナルスタイルのキーとなるアイテムはまず、マホガニーやウォールナット、オーク材など、英語では「ブラウンファニチャー」と呼ばれる木材を使ったアンティーク家具、またはそのリプロダクションといえると思います。
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トラディショナルなインテリアを彩る小道具として最適なのは、花柄やモノトーンのシックなファブリックや、細部まで美しいモールディング(装飾)。クラシックな絵や豪華なフレームのミラーなどもあれば、ベーシックなトラッドの雰囲気を演出できます。テーブルランプや写真立てを置く、クラシックなオケージョナルテーブルも「らしさ」を演出する効果的なアイテムです。
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シンプル化した現代版トラッド、トランジショナルスタイル
現代版にアレンジされたトラディショナルスタイルである、トランジショナルスタイル。トラッドな装飾を一部簡略化しつつもクラシックなテイストは残し、新しい家具や小物でまとめたインテリアです。トラディショナルな雰囲気を感じさせながら、よりコンテンポラリーでニュートラルなこのスタイルは、色づかいもモノトーン、白やクリーム色、淡いグレーなどで落ち着いた空間に仕上げるのが一般的です。
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写真はその典型例です。このマントルピースはネオクラシックスタイルを意識した形ですが、本来のクラシックの彫刻デザインは省かれた現代風アレンジです。トラディショナルな雰囲気のインテリアですが、実際この部屋の家具はアンティークではなく、トラディショナルなデザインを一部取り入れた新しいアイテムで統一されています。
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トランジショナルのインテリアは、その色づかいから静かな印象の空間になることが多いです。クッションやスローなどのファブリックも心地よさを強調する素材を同系色で重ねて使いますが、あまりにシンプルだと個性のないショールームのようになるので、インパクトのあるデザインのペンダント照明や好きなアートをシンプルなフレームに入れて、自分らしさも演出してみてはいかがでしょうか。
スパイス的に取り入れる中世のエッセンス、ゴシックスタイル
中世の「尖頭アーチ」のデザインがスタイルアイコンといえるゴシックスタイルは、分類としてはトラディショナルスタイルの範疇に入ります。洗練されたトランジショナルとは反対に、やや個性の強いスタイルですが、ゴシックのスパイスをさりげなく取り入れると、おしゃれで個性的な空間をつくることができます。
たとえば、19世紀にリバイバルしたネオゴシックスタイルの基調色は黒なので、トラディショナルな家具と合わせてベルベットなどの濃い色のカーテンや、その時代に流行した真鍮のキャンドルスタンドや十字架などを使ってみましょう。やや暗いイメージのあるベーシックなネオゴシックの雰囲気を演出できます。
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壁を大きく覆う大きなタペストリーがあれば、中世のゴシックスタイルのイメージにぐんと近づきますし、鋳鉄を使った黒いフレームの壁灯やシャンデリアなども雰囲気を盛り上げます。また、ステンドグラスもゴシック時代からいっそう広まったアイテム。シンプルな格子のガラスがはめ込まれたステンドグラスを窓やパーテーション、欄間にあしらえば、さりげないゴシックテイストを楽しめます。
20世紀の工業化とシンプル化の流れをくむ、ヴィンテージスタイル
こういったトラッドでクラシックなインテリアを、さらにシンプルで庶民的にしたものがヴィンテージスタイルです。現在ヴィンテージとみなされる期間は1920年代から1970年代くらいまでと長く、大きく分けて年代が古いオールド系のヴィンテージと、比較的新しいモダン系のヴィンテージというスタイルがあります。オールド系のヴィンテージにはインダストリアルスタイルが含まれ、モダン系のヴィンテージにはミッドセンチュリースタイルが含まれます。
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ヴィンテージの初期、1920年代の家具はまだトラディショナルなオーク材が主ですが、そのデザインはアンティーク特有の装飾を取り払った機能的なものになっています。インテリアに新しい素材としてメタルが登場するのもこの頃。一緒にスタイリングする小物もメタル使いのものが似合います。フック付きのコートハンガー、ミニチェスト、デスクランプ、タイプライター、ナンバープレートなど番号の入った小物や時計など、当時のオフィスにあったような雰囲気の小物をアクセントに使うと効果的です。
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ヴィンテージスタイルは、使い古したものを多く使ったインテリア。コンセプトはシャビーシックスタイルと似ていますが、その違いは女性的ではなく中性的で、基本的にソフトなイメージのファブリックはほとんど使わないことです。色づかいも渋いグリーンやグレー、黒などあくまでも公共のスペースをイメージした感じが、正統派のヴィンテージスタイルです。
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