差し色? メイン使い? いつもの庭に色を取り入れてみる
インテリアやファッションのように、庭で色を楽しみましょう。
舩村佳織
2019年1月26日
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています。
二児の子育て中でもあり、家族みんなが楽しめる庭造りが得意です。設計者として、主婦としての目線から、暮らしやすさに寄り添います。
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています... もっと見る
インテリアやファッションに比べて、庭に色を取り入れた事例はあまり多くはありません。色の効果は絶大で、その場の空気感をがらりと変える力を持っています。これを庭に使わない手はありません。誰しも自分のお気に入りの色があるはずです。こんな庭にしたい!というイメージに合わせて、自分の大好きな色を庭に取り入れてみませんか? Houzzにある素敵な庭の事例を色ごとにご紹介します。
馴染みの良い「青」は好印象
爽やかで落ち着いた印象を与える人気の色です。パステル系の淡い青はかわいらしい印象で、アンティーク風やナチュラルテイストの庭におすすめです。この色は白やベージュ、茶色とも相性が良いので、自然素材と違和感なく溶け込みます。
まずは扉やフェンスなど庭の一部分に色を入れてみましょう。広い面積でなくても庭の印象ががらっと変わりますよ。
爽やかで落ち着いた印象を与える人気の色です。パステル系の淡い青はかわいらしい印象で、アンティーク風やナチュラルテイストの庭におすすめです。この色は白やベージュ、茶色とも相性が良いので、自然素材と違和感なく溶け込みます。
まずは扉やフェンスなど庭の一部分に色を入れてみましょう。広い面積でなくても庭の印象ががらっと変わりますよ。
こちらはスモーキーなパステル系の青を広い面積に使用した例です。灰色が混ざった濁りのある色をスモーキーカラーと言い、パステル系のスモーキーカラーをダスティーパステルと言います。鮮やかすぎないマットな色合いがとても使いやすくおすすめです。普通のパステルよりも少し大人っぽく仕上がります。
壁の一面は青、もう一面は白、床は天然木のデッキというコーディネート。色あせた材木も、ダスティーパステルとはよく合います。上品さがありながら、気取りすぎないナチュラルな雰囲気もあるのがダスティーパステルの魅力です。
壁の一面は青、もう一面は白、床は天然木のデッキというコーディネート。色あせた材木も、ダスティーパステルとはよく合います。上品さがありながら、気取りすぎないナチュラルな雰囲気もあるのがダスティーパステルの魅力です。
パステルとは違うビビッドな青。ビビッドな青は、実は植物の緑色とあまり相性が良くありません。植物がいっぱいの庭よりも、無機質でクールな印象の外構におすすめです。
はっきりとしていて目に飛び込んでくる色なので、広い面積に使うよりもポイント使いで取り入れましょう。どこにどれだけの分量で色を使うかがセンスの見せ所です。
はっきりとしていて目に飛び込んでくる色なので、広い面積に使うよりもポイント使いで取り入れましょう。どこにどれだけの分量で色を使うかがセンスの見せ所です。
ターコイズブルーのタイルは清潔感のある雰囲気に。テラコッタとも相性が良く、地中海風にも使えます。
タイルの貼り方で大きく印象が変わるので、ぜひこだわっていただきたいポイントです。
タイルの貼り方で大きく印象が変わるので、ぜひこだわっていただきたいポイントです。
シンプルに「緑」でまとめ上げる
植物の葉と被る色なので、一工夫して庭に取り入れたい色です。
明度が低めのダークな緑は落ち着いた色合いながら、個性的な存在感を放ちます。すっきりとしたラインのフェンスや門扉だと、面積が小さいので個性的なカラーも取り入れやすいですよ。
植物の葉と被る色なので、一工夫して庭に取り入れたい色です。
明度が低めのダークな緑は落ち着いた色合いながら、個性的な存在感を放ちます。すっきりとしたラインのフェンスや門扉だと、面積が小さいので個性的なカラーも取り入れやすいですよ。
スモーキーなグリーンはナチュラルテイストの庭に。ベージュ系の庭の中で、目立ちすぎずに変化を与えてくれます。
同系色でまとめた庭は無難だすぎてつまらないけれど、派手すぎる色を入れるのは好きじゃないという方に、まさにおすすめの色使いです。
同系色でまとめた庭は無難だすぎてつまらないけれど、派手すぎる色を入れるのは好きじゃないという方に、まさにおすすめの色使いです。
差し色にぴったりな「赤」
ぱっと目に飛び込んでくる主張の強い色です。植物の緑とは補色の関係となるので、庭で使うとお互いの鮮やかさを引き立てあいます。主張の強い差し色で、個性的なモダンスタイルを演出します。
構造物として手が出しずらい色でも、鉢などの動かせるものならばチャレンジしやすいですね。赤は主張の強い色なので、形はシンプルなものを選ぶと扱いやすいです。つるっとしたものとざらっとしたもので大きく印象が変わります。表面の質感の違いにもこだわってください。
ぱっと目に飛び込んでくる主張の強い色です。植物の緑とは補色の関係となるので、庭で使うとお互いの鮮やかさを引き立てあいます。主張の強い差し色で、個性的なモダンスタイルを演出します。
構造物として手が出しずらい色でも、鉢などの動かせるものならばチャレンジしやすいですね。赤は主張の強い色なので、形はシンプルなものを選ぶと扱いやすいです。つるっとしたものとざらっとしたもので大きく印象が変わります。表面の質感の違いにもこだわってください。
こちらは一風変わった赤の使い方。赤く塗った木材を使った小道です。緑豊かな地面にくっきりとしたラインが映える斬新なデザインで、芸術的な空間になっています。
ヨーロッパや南米を思わせる「オレンジ」
開放的で陽気な空気を作ってくれる、明るくポジティブなイメージの色です。
ビビッドなオレンジは、南国チックなムードを漂わせています。同じくビビッドな色の花を咲かせるブーゲンビリアとともに独特の存在感で、庭の景色をつくり出しています。
開放的で陽気な空気を作ってくれる、明るくポジティブなイメージの色です。
ビビッドなオレンジは、南国チックなムードを漂わせています。同じくビビッドな色の花を咲かせるブーゲンビリアとともに独特の存在感で、庭の景色をつくり出しています。
柔らかな色合いのオレンジ。こちらの方がビビッドな色よりも扱いやすいですね。テラコッタのような色合いで、土壁のような温かみのある質感です。
オレンジ色には多肉植物がよく合います。アガベやサボテンなど、変わったシルエットの植物達が不思議と調和し、日本ではないような雰囲気をつくれます。
オレンジ色には多肉植物がよく合います。アガベやサボテンなど、変わったシルエットの植物達が不思議と調和し、日本ではないような雰囲気をつくれます。
明るい気分になれる「黄色」で運気を呼び込む
オレンジ同様、ポジティブでハッピーな色です。オレンジよりも、より軽やかな印象で、心が弾むような空間を作ります。黄色は緑と相性が良いので、どんな植物とも合わせやすいでしょう。
無機質なグレーと快活な黄色は一見相反するイメージですが、意外にも相性が良く、都会的なセンスを感じさせる組み合わせです。こちらの事例のように、違う素材と違う色を合わせることで、新しい魅力が見つかります。
オレンジ同様、ポジティブでハッピーな色です。オレンジよりも、より軽やかな印象で、心が弾むような空間を作ります。黄色は緑と相性が良いので、どんな植物とも合わせやすいでしょう。
無機質なグレーと快活な黄色は一見相反するイメージですが、意外にも相性が良く、都会的なセンスを感じさせる組み合わせです。こちらの事例のように、違う素材と違う色を合わせることで、新しい魅力が見つかります。
全体に色味の少ない庭には、ファニチャーで差し色を入れるとぐっと洗練された印象になります。こちらはアンティークな風合いの黄色いチェアが目を惹く庭。はっきりとした色でも、アンティークだと庭に馴染みますので、チャレンジしやすいです。
庭でも気軽に色を取り入れることで、今までとはひと味もふた味も違う魅力が引き出されるはずです。ぜひみなさんの庭でも色使いを楽しんでみてください。
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植物などが自然にもつ色々な色合いだからこそ、とてもインパクトがありながも、素敵に見せることができる色が、まだまだ沢山あることが、とても分かりやすく、また、楽しく拝見させていただきました。
広いエントランスでなくても、植物などの色合いを上手に生かす方法を、私もお客様へのご提案に生かしていきたいと思います。