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家庭菜園でキッチンと食卓をもっと豊かに
庭の一角で野菜を育て、収穫して料理し、テーブルへ運ぶ楽しさ、豊かさ。初めて家庭菜園にチャレンジした料理研究家エリオットゆかりさんのレポートです。
エリオットゆかり
2017年8月19日
家庭菜園で栽培した野菜を食べる幸せは格別です。家庭菜園初心者の私ですが、最初の一歩を踏み出したら、野菜の成長を日々見守る楽しみが増えて、料理への意欲もいっそうアップ。本当の贅沢な暮らしや食卓はこうしたところにあるのではないかと実感しました。今年、初めてトライしてみた家庭菜園について、私の体験談をご報告したいと思います。
今年初めて体験した家庭菜園
イギリスはガーデニングや家庭菜園など、庭を趣味にする人が驚くほど多いです。在住17年の私は、家庭菜園に興味はあったものの、自分自身が仕事などで家を開けることも多く、なかなか踏み切ることができませんでした。でも、年齢を重ねるとともに、体が喜ぶ安心して食べられる野菜を作ってみたいと思うようになりました。
畑を作る前に、まずは試しに庭の一角でやってみようと、今年、初めの一歩を踏み出しました。
イギリスはガーデニングや家庭菜園など、庭を趣味にする人が驚くほど多いです。在住17年の私は、家庭菜園に興味はあったものの、自分自身が仕事などで家を開けることも多く、なかなか踏み切ることができませんでした。でも、年齢を重ねるとともに、体が喜ぶ安心して食べられる野菜を作ってみたいと思うようになりました。
畑を作る前に、まずは試しに庭の一角でやってみようと、今年、初めの一歩を踏み出しました。
種をじっくり観察
今から考えてみれば、初心者なのだから苗から育てた方が楽だったかな?と思うこともありますが、すべて種から育てました。
こんな大粒のカプセルのような種から、小さなゴマのような種まであって、本当の野菜の原点の「種」をじっくり観察することから開始。
今から考えてみれば、初心者なのだから苗から育てた方が楽だったかな?と思うこともありますが、すべて種から育てました。
こんな大粒のカプセルのような種から、小さなゴマのような種まであって、本当の野菜の原点の「種」をじっくり観察することから開始。
便利なキットも利用
種と一緒に育てやすいように、キットがセットになっているものを購入。土、種、ネームカードが入っていました。本当に発芽するのかな?と半信半疑でしたが、この日から毎日の観察と水やりが始まりました。
種と一緒に育てやすいように、キットがセットになっているものを購入。土、種、ネームカードが入っていました。本当に発芽するのかな?と半信半疑でしたが、この日から毎日の観察と水やりが始まりました。
我が家の愛犬も興味津々で見守ってくれました。番犬くん、これから成長するまでよろしくね。
成長を見守りながらこまめにケア
2017年の6月、7月はヨーロッパも異常気象で、かなり気温が上がりました。30℃を超える日もあって、水が足りているか気になり、毎日2回、3回と様子を見に行って、状況を欠かさずに見守りました。
子育てがほぼ終わった私にとっては、なんだかうれしい仕事が増えた感じです。網をかけているのは、鳥や狐、リスなどの侵入から守るため。この網のおかげですべて無事でした。
2017年の6月、7月はヨーロッパも異常気象で、かなり気温が上がりました。30℃を超える日もあって、水が足りているか気になり、毎日2回、3回と様子を見に行って、状況を欠かさずに見守りました。
子育てがほぼ終わった私にとっては、なんだかうれしい仕事が増えた感じです。網をかけているのは、鳥や狐、リスなどの侵入から守るため。この網のおかげですべて無事でした。
家庭菜園ならではのごちそう
ズッキーニは大きくなる前に収穫して、前から食べてみたかった花の天ぷらに。水と薄力粉を軽く混ぜ、花のついた小さなズッキーニをさっとくぐらせて、180℃の油でからっと揚げました。衣は少しゆるめにしておくと、軽い仕上がりになります。塩をつけて素材そのものの味を楽しみます。
花の部分がさくっとして、感動のおいしさ。市場で売っていることもたまにありますが、食材としてのズッキーニの花を買えることはほとんどありません。家庭菜園だからこそ実現した、ズッキーニの花の天ぷらです。
ズッキーニは大きくなる前に収穫して、前から食べてみたかった花の天ぷらに。水と薄力粉を軽く混ぜ、花のついた小さなズッキーニをさっとくぐらせて、180℃の油でからっと揚げました。衣は少しゆるめにしておくと、軽い仕上がりになります。塩をつけて素材そのものの味を楽しみます。
花の部分がさくっとして、感動のおいしさ。市場で売っていることもたまにありますが、食材としてのズッキーニの花を買えることはほとんどありません。家庭菜園だからこそ実現した、ズッキーニの花の天ぷらです。
採れたては味が濃い!
レタスは早い時期からすでに食べられる状況になりました。いきいきした採れたての葉っぱを食べてみると、味が濃くて栄養たっぷり!という感じ。自分で育てた野菜は、向き合う気持ちも真剣になり、深いところまで味わいを感じ取れる気がします。
レタスは早い時期からすでに食べられる状況になりました。いきいきした採れたての葉っぱを食べてみると、味が濃くて栄養たっぷり!という感じ。自分で育てた野菜は、向き合う気持ちも真剣になり、深いところまで味わいを感じ取れる気がします。
彩りになる葉野菜は重宝
ピタパンの中にレタス、ハム、マヨネーズを詰めて、ピタサンドにしました。サンドイッチやサラダにも使えるレタスは、日々の食卓に少しあると、彩りやフレッシュな食感をプラスしてくれます。
ピタパンの中にレタス、ハム、マヨネーズを詰めて、ピタサンドにしました。サンドイッチやサラダにも使えるレタスは、日々の食卓に少しあると、彩りやフレッシュな食感をプラスしてくれます。
手間をかけて育て、収穫する楽しみ
いんげんも豊作です。たわわに実ったいんげんを見たときの感動は忘れません。途中、支柱を使ってまっすぐ伸びるように支えてあげたりして面倒を見ただけに、可愛さもひとしおです。
野菜の収穫って本当に楽しいものです。収穫はタイミングがとても大事。いちばんおいしいときに収穫できるのも家庭菜園のよさだと思います。
いんげんも豊作です。たわわに実ったいんげんを見たときの感動は忘れません。途中、支柱を使ってまっすぐ伸びるように支えてあげたりして面倒を見ただけに、可愛さもひとしおです。
野菜の収穫って本当に楽しいものです。収穫はタイミングがとても大事。いちばんおいしいときに収穫できるのも家庭菜園のよさだと思います。
思ったよりもまっすぐピンと姿勢がよくて、見るからにおいしそう。味わう前からワクワクします。種から育ててこんなふうに形になるまでの工程すべてが、振り返ると愛おしく感じます。
シンプルな調理法で素材の味を引き出す
こんなフレッシュないんげんは素材の味を味わうのがいちばんです。通常は塩ゆでしますが、私はこんな方法で。
まずはヘタを取り、塩で板ずりします。鍋にいんげんがかぶる程度の熱湯を沸かし、その中にいんげんを入れて約2分半ゆでます。
こんなフレッシュないんげんは素材の味を味わうのがいちばんです。通常は塩ゆでしますが、私はこんな方法で。
まずはヘタを取り、塩で板ずりします。鍋にいんげんがかぶる程度の熱湯を沸かし、その中にいんげんを入れて約2分半ゆでます。
すると、こんなに色鮮やかないんげんに変身。採れたて、ゆでたて、程よい塩味でヘルシーなスナックになります。
ディップソースもなし。ゆでたいんげんだけ? と思ってしまうかもしれませんが、いんげんってこんなに味が濃いの?とびっくり。自分で手塩にかけて育てたいんげんは、何もしなくても野菜の味わいだけでじゅうぶんおいしい。白ワインと楽しむさわやかなおつまみになります。
この鮮やかできれいなグリーンを美しく見せるために、透明なグラスに入れたおしゃれな演出で。
この鮮やかできれいなグリーンを美しく見せるために、透明なグラスに入れたおしゃれな演出で。
栄養たっぷりの葉までいただきます!
にんじんもいっぱい採れました。葉っぱの方が多かったのですが、このにんじんの葉は栄養価がとても高いので、捨てずに佃煮にしたり、ふりかけにしたりして使い切りました。売っているにんじんは葉がついていないことも多いので、これも家庭菜園のおかげです。
にんじんもいっぱい採れました。葉っぱの方が多かったのですが、このにんじんの葉は栄養価がとても高いので、捨てずに佃煮にしたり、ふりかけにしたりして使い切りました。売っているにんじんは葉がついていないことも多いので、これも家庭菜園のおかげです。
まぐろステーキのニース風サラダ
収穫したレタスといんげんを使って、ニース風サラダを作りました。缶詰のツナではなく、焼きたてのツナステーキをのせ、ゆで卵やゆでたじゃがいもも入れたボリューム満点のおかずサラダ。おしゃれで彩りもよく、週末のランチなどにおすすめです。
材料(4人分)
まぐろのさく 約300g
オリーブオイル 大さじ2
じゃがいも 2個
いんげん 100g
赤パプリカ 1個
卵 4個
好みのリーフ野菜 4つかみ
オリーブ 20個
アンチョビの酢漬けまたはオイル漬け 適量
塩、粗挽き黒こしょう 適量
A
エキストラヴァージンオリーブオイル 大さじ3
レモン汁 大さじ4
はちみつ 大さじ1
ディジョンマスタード 大さじ1
塩 小さじ1/4
作り方
1. じゃがいもは食べやすい大きさのくし切りにしてゆでる。いんげんも4〜5cmに切り塩ゆでする。パプリカは縦に薄く切る。ゆで卵を作り4等分のくし切りにする。ドレッシングの材料Aを合わせておく。
2. まぐろの両面に塩、こしょうを振り、オリーブオイルを熱したフライパンにまぐろを入れて強火で焼く。周りが白くなってきたらひっくり返して、中火で好みの焼き加減に焼き上げる。まぐろの断面の焼け具合を見ながら焼くとよい。
3. 皿の上にリーフ野菜を敷き、上に2を割ってのせ、じゃがいも、いんげん、パプリカ、ゆで卵、オリーブ、アンチョビをバランスよく盛り付けて、ドレッシングをかける。
収穫したレタスといんげんを使って、ニース風サラダを作りました。缶詰のツナではなく、焼きたてのツナステーキをのせ、ゆで卵やゆでたじゃがいもも入れたボリューム満点のおかずサラダ。おしゃれで彩りもよく、週末のランチなどにおすすめです。
材料(4人分)
まぐろのさく 約300g
オリーブオイル 大さじ2
じゃがいも 2個
いんげん 100g
赤パプリカ 1個
卵 4個
好みのリーフ野菜 4つかみ
オリーブ 20個
アンチョビの酢漬けまたはオイル漬け 適量
塩、粗挽き黒こしょう 適量
A
エキストラヴァージンオリーブオイル 大さじ3
レモン汁 大さじ4
はちみつ 大さじ1
ディジョンマスタード 大さじ1
塩 小さじ1/4
作り方
1. じゃがいもは食べやすい大きさのくし切りにしてゆでる。いんげんも4〜5cmに切り塩ゆでする。パプリカは縦に薄く切る。ゆで卵を作り4等分のくし切りにする。ドレッシングの材料Aを合わせておく。
2. まぐろの両面に塩、こしょうを振り、オリーブオイルを熱したフライパンにまぐろを入れて強火で焼く。周りが白くなってきたらひっくり返して、中火で好みの焼き加減に焼き上げる。まぐろの断面の焼け具合を見ながら焼くとよい。
3. 皿の上にリーフ野菜を敷き、上に2を割ってのせ、じゃがいも、いんげん、パプリカ、ゆで卵、オリーブ、アンチョビをバランスよく盛り付けて、ドレッシングをかける。
肉料理の付け合わせに
いんげんとにんじんは、メインの付け合わせとしても優秀な食材。ここでは一緒に、ローストビーフの付け合わせにしてみました。土地の空気と水で育ったおいしい野菜は、その国の料理との相性も特にいいような気がします。
いんげんとにんじんは、メインの付け合わせとしても優秀な食材。ここでは一緒に、ローストビーフの付け合わせにしてみました。土地の空気と水で育ったおいしい野菜は、その国の料理との相性も特にいいような気がします。
ミニトマトも実がなっています。早く赤くならないかな、と今回最後の野菜の収穫を楽しく待っているところです。
初めての家庭菜園チャレンジでしたが、思いがけずたくさんの野菜が育ってくれて、普段何気なく食べている野菜が、さらにおいしく感じました。もちろんすべて無農薬の、体に優しいオーガニックです。
秋蒔きはもちろん、一年中通して思い立ったときに育てられる野菜もあります。野菜を育てて自分で食べるという幸せ。ぜひ皆さんも味わってみませんか?
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初めての家庭菜園チャレンジでしたが、思いがけずたくさんの野菜が育ってくれて、普段何気なく食べている野菜が、さらにおいしく感じました。もちろんすべて無農薬の、体に優しいオーガニックです。
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