家具×IoTがつくる、人に寄り添う暮らしの未来【前編】
IoT(インターネット オブ シングス)が暮らしをもっと便利に、豊かにする未来。家具やインテリアの分野で注目される取り組みを行う企業や事例を前後編にわたってご紹介します。
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2018年4月29日
私たちの未来の暮らしの一部になっていくといわれている「IoT(インターネット オブ シングス)」。「スマートハウス」「AI」などの用語とも結びつき、バズワード的にニュースを賑わせている。しかしその一方で、「デザイン性は?」「今の部屋に置いてしっくりくるのか?」「人間が手で操作したほうが早いのでは?」「個人情報の流出は大丈夫?」など、わからないことがたくさんあるのも事実だ。実際のところIoTは、私たちの少し先の未来の生活に、具体的にはどのような「豊かさ」もしくは「新しい視点」を提供してくれるのだろう? 今回はそのような疑問から、IoTと家具の親和性について、「便利さ」以上の「感動」や「体験」を提案している企業や、取り組みについて紹介したい。※記事中の商品写真は取材先提供
「音楽の鳴るテーブル」の目指すもの
写真は、「家具×IoTでアップルを目指す」という〈KAMARQ(カマルク)〉が発表した、〈インテンショナリーズ〉デザインの《サウンドテーブル》。専用アプリで好きな音楽を選ぶと、天板自体が振動することで音が鳴る、ポエティックなアイテムだ。
直線的な天板に支える太めの足にはグラフィカルな凹凸が施され、きれいな影が落ちる。ティーカップを置いてみると、目をこらさないとわからない微細な波紋が出る程度の振動で、クリアなサウンドが楽しめた。
単体でも魅力的な家具に、差別化するための音楽機能を付加したアイテム。実際触れてみると、機能に対して質感もサイズ感もよく、厚めの天板のまとめ方に関しても、バランスのいい印象を持った。「テーブルから音が鳴るのは、もともと僕が音楽が大好きだから。家具と家電を両方買わないと、おいしいコーヒーを飲みながら音楽を聴いてくつろげない。そこを解決したいという想いがまずありました」と代表取締役社長の和田直希氏は語る。しかし、この家具の重要なポイントは別のところにあった。
写真は、「家具×IoTでアップルを目指す」という〈KAMARQ(カマルク)〉が発表した、〈インテンショナリーズ〉デザインの《サウンドテーブル》。専用アプリで好きな音楽を選ぶと、天板自体が振動することで音が鳴る、ポエティックなアイテムだ。
直線的な天板に支える太めの足にはグラフィカルな凹凸が施され、きれいな影が落ちる。ティーカップを置いてみると、目をこらさないとわからない微細な波紋が出る程度の振動で、クリアなサウンドが楽しめた。
単体でも魅力的な家具に、差別化するための音楽機能を付加したアイテム。実際触れてみると、機能に対して質感もサイズ感もよく、厚めの天板のまとめ方に関しても、バランスのいい印象を持った。「テーブルから音が鳴るのは、もともと僕が音楽が大好きだから。家具と家電を両方買わないと、おいしいコーヒーを飲みながら音楽を聴いてくつろげない。そこを解決したいという想いがまずありました」と代表取締役社長の和田直希氏は語る。しかし、この家具の重要なポイントは別のところにあった。
「家具は所有するもの」という概念を覆す「サブスクリプション」
「僕たちが目指すのは、心地よい『私の部屋(=インドネシア語でカマルク)』をつくること。家具を所有することから解放して、気分で変えられるシステムを構築しています」(和田氏)。
家具の「サブスクリプション」システム。サブスクリプションとは、携帯機器本体の支払いの感覚といえばイメージしやすいだろうか。写真の家具が、月額500円程度の支払いで自宅に置けて、飽きたら色違いにも、別のアイテムにも交換できる、というサービス。回収されたものは、インドネシア工場でリビルド。装い新たに商品として使われていくエシカルな取り組みだ。
たとえば夏、海辺の家のような開放的なインテリアに似合う明るいナチュラル色のテーブルを使っていたが、秋になって心境が変わり、落ち着いたインテリアにしたくなったとする。そんなとき、ボタン操作ひとつで提携している宅配会社が取りに来て、今度は落ち着いたウォールナット材のテーブルと交換できる、という仕組みだ。
家具を一度手に入れたら、愛着をもって、手入れをしながら大切に使い続けるのが「正義」と認識していた筆者にとって、この答えは驚きだった。
「僕たちが目指すのは、心地よい『私の部屋(=インドネシア語でカマルク)』をつくること。家具を所有することから解放して、気分で変えられるシステムを構築しています」(和田氏)。
家具の「サブスクリプション」システム。サブスクリプションとは、携帯機器本体の支払いの感覚といえばイメージしやすいだろうか。写真の家具が、月額500円程度の支払いで自宅に置けて、飽きたら色違いにも、別のアイテムにも交換できる、というサービス。回収されたものは、インドネシア工場でリビルド。装い新たに商品として使われていくエシカルな取り組みだ。
たとえば夏、海辺の家のような開放的なインテリアに似合う明るいナチュラル色のテーブルを使っていたが、秋になって心境が変わり、落ち着いたインテリアにしたくなったとする。そんなとき、ボタン操作ひとつで提携している宅配会社が取りに来て、今度は落ち着いたウォールナット材のテーブルと交換できる、という仕組みだ。
家具を一度手に入れたら、愛着をもって、手入れをしながら大切に使い続けるのが「正義」と認識していた筆者にとって、この答えは驚きだった。
デザイン性と「エシカル」であることにこだわる
家具のデザイン性にもこだわっている。国内外の一流デザイナーと組んだ家具のサブスクリプションサービスのベータ版が、3月20日に公開されたばかりだ。
将来的にはデザインに対しても民主制を取り入れるそうで、素材から流通までワンストップで行える強みを生かし、デザイナーへのロイヤリティ(※売り上げ金額に応じて支払う報酬)も、これまでの業界の常識と大きく異なるものになるという。
新しい軽やかな家具のあり方「FURNITURE 2.0」
素材、製造、流通、価格、IT、IoT化の面から再定義し、そこからライフスタイルをイメージして家具を製造・販売する行いを総括し、「FURNITURE 2.0」という言葉を定義している。家具というハードに対して、ソフトをアップデートするようなネーミングも興味深い。
家具のデザイン性にもこだわっている。国内外の一流デザイナーと組んだ家具のサブスクリプションサービスのベータ版が、3月20日に公開されたばかりだ。
将来的にはデザインに対しても民主制を取り入れるそうで、素材から流通までワンストップで行える強みを生かし、デザイナーへのロイヤリティ(※売り上げ金額に応じて支払う報酬)も、これまでの業界の常識と大きく異なるものになるという。
新しい軽やかな家具のあり方「FURNITURE 2.0」
素材、製造、流通、価格、IT、IoT化の面から再定義し、そこからライフスタイルをイメージして家具を製造・販売する行いを総括し、「FURNITURE 2.0」という言葉を定義している。家具というハードに対して、ソフトをアップデートするようなネーミングも興味深い。
異なる分野の実績を携えた、二人の経営者が起こす化学反応
代表の和田氏(写真左)は、本社のあるインドネシアで工場の運営を手がけている。厳しい基準が求められる日本企業向け家具のOEM・ODM生産を行うノウハウを生かし「よい家具を、どうたくさんの人にシェアしていくか」という考えに至る。「よい家具」の捉え方が非常にユニークだ。
パートナーの町野健氏(写真右)は、主にマーケティングを担当している。キュレーションマガジン『Antenna(アンテナ)』をスタートさせたIT界の寵児とも言える町野氏。一見タイプの異なる二人の出会いは、和田氏が共通の知人から「家具好きのITの人」として町野氏を紹介されたことがきっかけだったという。
異分野である家具業界に参入した思いを町野氏に聞いた。「工場を持って実際に家具を作っている立場で、かつ新しいことをやりたい、という想いがある。和田氏となら一緒にできると直感しました。家具の所有ではなく、ブランドを所有する喜びを目指し、今後はサブスクリプション型ビジネス責任者として、家具業界において革命を起こしていきたい」とのこと。
気になった家具への「愛着」に関しては?「気に入ればもちろん、ずっと持っていてもらって構わない。利用料さえ払ってもらえば、選択は自由です」と町野氏。新しいルールとエシカルな視点で、インテリア業界に新しい風を吹かせてくれそうで今後が楽しみだ。
代表の和田氏(写真左)は、本社のあるインドネシアで工場の運営を手がけている。厳しい基準が求められる日本企業向け家具のOEM・ODM生産を行うノウハウを生かし「よい家具を、どうたくさんの人にシェアしていくか」という考えに至る。「よい家具」の捉え方が非常にユニークだ。
パートナーの町野健氏(写真右)は、主にマーケティングを担当している。キュレーションマガジン『Antenna(アンテナ)』をスタートさせたIT界の寵児とも言える町野氏。一見タイプの異なる二人の出会いは、和田氏が共通の知人から「家具好きのITの人」として町野氏を紹介されたことがきっかけだったという。
異分野である家具業界に参入した思いを町野氏に聞いた。「工場を持って実際に家具を作っている立場で、かつ新しいことをやりたい、という想いがある。和田氏となら一緒にできると直感しました。家具の所有ではなく、ブランドを所有する喜びを目指し、今後はサブスクリプション型ビジネス責任者として、家具業界において革命を起こしていきたい」とのこと。
気になった家具への「愛着」に関しては?「気に入ればもちろん、ずっと持っていてもらって構わない。利用料さえ払ってもらえば、選択は自由です」と町野氏。新しいルールとエシカルな視点で、インテリア業界に新しい風を吹かせてくれそうで今後が楽しみだ。
優れたコンテンツと商品をつなぐ、おなじみQRコードの活用と未来
東京駅南口からすぐの商業施設「KITTE 丸の内」3階にある〈GOOD DESIGN STORE TOKYO by NOHARA〉の店内には、グッドデザイン賞を受賞した生活雑貨が並ぶ。グッドデザイン賞は、かたちのあるなしにかかわらず、人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとを「デザイン」ととらえ、その質を評価・顕彰している、長い歴史をもつ賞だ。
「今の時代性」を表したアイテムが、普遍的なロングライフデザインと同列に並ぶ、東京らしいユニークなショップ。ここでは、商品すべてにQRコードがついている。日本発の二次元データQRコードは、今や中国では日用品にまでついており、キャッシュレス社会の基盤ともなっている。
東京駅南口からすぐの商業施設「KITTE 丸の内」3階にある〈GOOD DESIGN STORE TOKYO by NOHARA〉の店内には、グッドデザイン賞を受賞した生活雑貨が並ぶ。グッドデザイン賞は、かたちのあるなしにかかわらず、人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとを「デザイン」ととらえ、その質を評価・顕彰している、長い歴史をもつ賞だ。
「今の時代性」を表したアイテムが、普遍的なロングライフデザインと同列に並ぶ、東京らしいユニークなショップ。ここでは、商品すべてにQRコードがついている。日本発の二次元データQRコードは、今や中国では日用品にまでついており、キャッシュレス社会の基盤ともなっている。
写真は、〈日進木工〉から発売されている、川上元美氏デザインの靴べら付きスツール《STEP STEP》。グッドデザインプロジェクト広報の結城菜穂さんに、実際にコードを読んでもらい、話を聞いた。
グッドデザイン賞を運営する日本デザイン振興会のウェブサイトには、過去60年あまりの受賞対象がすべてアーカイブ化されていて、検索可能になっている。近年の対象に関してはメーカーやデザイナー名、そのアイテムが「なぜグッドデザインなのか」審査委員によるコメントを読むことが可能だ。日本語のほか英語・中国語に対応している(検索が可能な情報は言語により異なる)。
「たくさんのものがあふれている世の中で、自分がいいなと目を留めたアイテムを、もっと知ってほしい。商品の裏側にある、メーカーやデザイナーの想いやプロの視点を知ってもらうことで、生活の問題解決のほかにも愛着を持って使い続けてもらえたら」という想いがあるという。今のところ、利用者は男性、外国人の利用が多いとのことだ。
ネット上に優れたコンテンツがあり、既存のサービスQRコードでの情報確認ができるので、普段手を出さないようなものを読んでみるのも、モノとの新たな出会いがありそうで興味深い。
ネット上に優れたコンテンツがあり、既存のサービスQRコードでの情報確認ができるので、普段手を出さないようなものを読んでみるのも、モノとの新たな出会いがありそうで興味深い。
「機能付きタグ」で、家具に「血統書」を発行する
せっかくハイクオリティな家具を手に入れても、素材に合ったメンテナンス方法をよく知らないために、上質な無垢の天板が乾燥して割れてしまったり、革が毛羽立ってしまったりすることはないだろうか。特に購入してから年数が経つと、相談する相手もわからなくて困ることがある。結果として消費者が、安くても交換しやすいものを買い求めがちな要因ともなっている。
数々のヨーロッパ製ハイブランド家具の正規輸入代理店として長い実績のある〈インターオフィス〉代表取締役社長の寺田尚樹氏に聞くと「うちからご購入いただいた家具は、何年経っても修理しますよ」と答えてくれた。「家具に血統書をつける、というのは近い将来あってもいいかもしれません。つけるなら誰も真似できないような、美しい精巧なタグをデザインしたい」と寺田氏は語る。
せっかくハイクオリティな家具を手に入れても、素材に合ったメンテナンス方法をよく知らないために、上質な無垢の天板が乾燥して割れてしまったり、革が毛羽立ってしまったりすることはないだろうか。特に購入してから年数が経つと、相談する相手もわからなくて困ることがある。結果として消費者が、安くても交換しやすいものを買い求めがちな要因ともなっている。
数々のヨーロッパ製ハイブランド家具の正規輸入代理店として長い実績のある〈インターオフィス〉代表取締役社長の寺田尚樹氏に聞くと「うちからご購入いただいた家具は、何年経っても修理しますよ」と答えてくれた。「家具に血統書をつける、というのは近い将来あってもいいかもしれません。つけるなら誰も真似できないような、美しい精巧なタグをデザインしたい」と寺田氏は語る。
家具が自分で健康診断をするようになる日も近い?
また、車に車検があるように、家具にもメンテナンスが定期的に知らせてくれるシステムがあれば、長く愛着を持って使い続けることが可能になるだろう。月に一度、室内の湿度を図ったり、どこで使われていたか履歴が残れば、メンテナンス自体がビジネスとなり、正規品の中古市場も発展する礎となる。
複雑な形状に合わせたり、変形できる回路を家具と同じようなロットで製造できる印刷技術がある。日本発のベンチャー企業〈エレファンテック〉のフレキシブル基板は、デザイナーがエンジニアリングにまでデザインを施すことと相性が良い。
上質なものを長く大切に使うための血統書発行とメンテナンス。IoT技術が解決のヒントをくれる可能性は大いにありそうだ。
また、車に車検があるように、家具にもメンテナンスが定期的に知らせてくれるシステムがあれば、長く愛着を持って使い続けることが可能になるだろう。月に一度、室内の湿度を図ったり、どこで使われていたか履歴が残れば、メンテナンス自体がビジネスとなり、正規品の中古市場も発展する礎となる。
複雑な形状に合わせたり、変形できる回路を家具と同じようなロットで製造できる印刷技術がある。日本発のベンチャー企業〈エレファンテック〉のフレキシブル基板は、デザイナーがエンジニアリングにまでデザインを施すことと相性が良い。
上質なものを長く大切に使うための血統書発行とメンテナンス。IoT技術が解決のヒントをくれる可能性は大いにありそうだ。
後編でも、IoT化を見据えた電動家具で世界に羽ばたく大阪のオーダー家具専門メーカーの取り組みなど、新しい動きをご紹介する。
こちらもあわせて
家具×IoTがつくる、人に寄り添う暮らしの未来【後編】
参考文献:神野元基『人工知能時代を生き抜く子どもの育て方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、落合陽一『日本再興戦略』(幻冬舎)
技術系アドバイス:テック系ジャーナリスト 杉本雅明(エレファンテック)
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IoTのシステム、スマートハウス、AI・・・
どれも素晴らしい文明と言えますが、、、、
果たしてそこにには人間の直感的な感性や感情と言われる心からの貪欲さ、感情の鼓動、情熱の息吹、、、等の「文化」を形成する「愛」と言うものを取り込めない事にもどかしさを感じます。
人間の脳細胞は60兆個と言われていますがAIの天文的な数字に表れるデーター解析に足りないモノが冒頭で記載しました人間の持つ「本能」「欲望」「情熱」と言う「愛」と言われるものがAIにはありません。
たとえ近い将来人間のそれらを何千億データー化しても全ては過去の遺物!人間の持って生まれ持った脳には到底AIの文化に対する進化はおぼつかないでしょう。
全てデーター処理が必要だろうか~何のために情報を知識として詰め込む必要があるだろうか・・・人間の生まれた時からDNAとして持っている自然治癒欲や直感的な判断が出来る感性を大事に見つめ直すことが今の時代、これから先こそ忘れてはいけないキーワードです。
行き着く先には文化を忘れ削ぎ落した時に気が付いても「時すでに遅し」、
「覆水盆に返らず」。
人間に唯一持たされた能力の「文明」をどこまでも追及する時に「奢る事無く」愛を持って行けば文明も「文化」と同じ土壌で成熟される事を期待する
最後に一言・・・
デザインは人間だけに唯一与えられた感情表現であり神からの贈り物です。
POWDERYELLOW様 奥深いコメントをありがとうございます。
執筆を終えてからもなおぬぐいきれない「モヤモヤした不安感」は、POWDERYELLOWさんのおっしゃる「もどかしさ」なのかもしれないです。
使う側が無知なまま、テクノロジー側に流されていくのはどうかな?といった矢を放った、というのがこの記事の1番の主旨です。
デザインで「なにをどうを解決したいと考えた結果なのか」というところに、私は意味を見いだしています。
豊かな暮らしを提案されている第一線の方からのコメント、とても嬉しく背筋がのびました。