コメント
子どもが育っても快適に暮らせる家づくり、8つの秘訣は?
家族が増えても、子どもが生まれ、成長しても、変わらず暮らしやすい家とは? 20年以上にわたり家づくりに関わってきた著者が、秘訣を公開します。
Rie Horiguchi
2017年9月7日
子供の誕生や進学などをキッカケに、家づくりをや家の購入を考える方はとても多いと思います。だからこそ、子育て中に快適に暮らせることを中心に考えるのは当然のことです。
でも、長く家づくりの仕事に携わっていると、お世話になったクライアントの方から「あのときは『今、大変なこと』に集中してしまって、『先のこと』がイメージできていなかった」という後悔の声を耳にすることも、実はよくあります。子供が生まれ、成長するとともに、家族の暮らしも持ち物も変化していきます。家づくりにおいて、そのことを想定しておくことは、とても大切です。
住まいは、一生のうち何度もない大きな買い物。だからこそ、「今、現在」はもちろん、「20年後30年後」も心地よく暮らせるアイデアを取り入れて、家づくりを進めていきましょう。
でも、長く家づくりの仕事に携わっていると、お世話になったクライアントの方から「あのときは『今、大変なこと』に集中してしまって、『先のこと』がイメージできていなかった」という後悔の声を耳にすることも、実はよくあります。子供が生まれ、成長するとともに、家族の暮らしも持ち物も変化していきます。家づくりにおいて、そのことを想定しておくことは、とても大切です。
住まいは、一生のうち何度もない大きな買い物。だからこそ、「今、現在」はもちろん、「20年後30年後」も心地よく暮らせるアイデアを取り入れて、家づくりを進めていきましょう。
1.家族年表を作る
子供に手がかかるうちは、目の前のことで頭がいっぱいになりやすく、未来のイメージがなかなか付きにくいものです。だからこそ「家作りをしよう!」と思ったときに、家族年表を作るのがおすすめです。
子どもたちの進学や、自分たちのライフスタイルを年表にしていくと、
など、この家で家族と過ごしていく時間の流れを大まかにとらえることができるようになります。
「住まいは完成したら終わり。」ではなく、そこからがスタート。だからこそ、10年後20年後もイメージしてみることが、家づくりには重要なのです。
子供に手がかかるうちは、目の前のことで頭がいっぱいになりやすく、未来のイメージがなかなか付きにくいものです。だからこそ「家作りをしよう!」と思ったときに、家族年表を作るのがおすすめです。
子どもたちの進学や、自分たちのライフスタイルを年表にしていくと、
- 家族揃って暮らせるのは、あと◯年しかないのかも
- 10年後は夫婦二人の生活になるかもしれない
- 15年か20年後には、初孫が生まれているかも
など、この家で家族と過ごしていく時間の流れを大まかにとらえることができるようになります。
「住まいは完成したら終わり。」ではなく、そこからがスタート。だからこそ、10年後20年後もイメージしてみることが、家づくりには重要なのです。
2.「今、絶対必要」と思うものは、10年後どう使うかをイメージする
子供が小さなころは、お昼寝や授乳用に畳コーナーがあると便利です。でも、子どもたちが成長すると、各自の部屋で寝るようになり、使い方が変わってくることはしばしばあります。
住まいには、「変えられる部分」と「変えられない部分」が必ずあるるため、今どうしても欲しいスペースは、10年後はどう使うかも、想定しながら間取りを検討しましょう。
畳スペースは引き戸2~3枚で仕切る準備をしておくことで、普段はオープンスペースとして来客時には客間として使えるスペースに早変わり。アイデア次第で、空間はフレキシブルに使うことが可能になります。
子供が小さなころは、お昼寝や授乳用に畳コーナーがあると便利です。でも、子どもたちが成長すると、各自の部屋で寝るようになり、使い方が変わってくることはしばしばあります。
住まいには、「変えられる部分」と「変えられない部分」が必ずあるるため、今どうしても欲しいスペースは、10年後はどう使うかも、想定しながら間取りを検討しましょう。
畳スペースは引き戸2~3枚で仕切る準備をしておくことで、普段はオープンスペースとして来客時には客間として使えるスペースに早変わり。アイデア次第で、空間はフレキシブルに使うことが可能になります。
3. 子供部屋の仕上げはシンプルに
子供部屋の内装は基本的にシンプルに仕上げ、可愛らしい色や柄は取り替えやすい小物で取り入れると、大きな工事を伴わずに成長に合わせた空間作りができます。
子供部屋の内装は基本的にシンプルに仕上げ、可愛らしい色や柄は取り替えやすい小物で取り入れると、大きな工事を伴わずに成長に合わせた空間作りができます。
ベッド下の引き出しや、ウォールステッカーなど、DIYでイメージを変えやすい場所に〈子供らしさ〉をプラスしておきましょう。子どもたちの成長に合わせ、自分の手で、自分好みの空間を作る楽しみも増えそうです。
4. 習慣は、大人になってもなかなか変わらないと心得る
小さなころからリビング学習の習慣がついたお子さんは、中学生になっても、大学受験のときでさえ、リビングで勉強するというのはよく聞く話です。また「もう中学生だから、自分の部屋で勉強して欲しい」と、急に環境を変えさせたら、お子さんが集中しにくくなってしまったというケースも少なくありません。
今はリビング学習させたいけれど、将来的には自分の部屋で勉強させたいという場合には、勉強道具の置き場所は子供部屋にし、必要なものだけ必要なときに持ってくるスタイルにするとよいでしょう。
ずっとリビング学習のほうがよいと思う場合は、リビングの一角に家族の書斎スペースを設けるなど、家族の存在を感じながら、集中して勉強できるスペースを用意するようにしましょう。
小さなころからリビング学習の習慣がついたお子さんは、中学生になっても、大学受験のときでさえ、リビングで勉強するというのはよく聞く話です。また「もう中学生だから、自分の部屋で勉強して欲しい」と、急に環境を変えさせたら、お子さんが集中しにくくなってしまったというケースも少なくありません。
今はリビング学習させたいけれど、将来的には自分の部屋で勉強させたいという場合には、勉強道具の置き場所は子供部屋にし、必要なものだけ必要なときに持ってくるスタイルにするとよいでしょう。
ずっとリビング学習のほうがよいと思う場合は、リビングの一角に家族の書斎スペースを設けるなど、家族の存在を感じながら、集中して勉強できるスペースを用意するようにしましょう。
空間に余裕がない場合には、リビングの一角をスタディコーナーにするのもおすすめです。
5. 育児休業中の家作りは、復職後の時間感覚で考える
家づくりのタイミングと出産が重なる方はとても多い印象があります。
育児休暇中は、家で過ごす時間が多いため、家づくりをするときにも、その時間感覚で家事動線を考えてしまうことはよくあります。また、「育児休暇の間に家の中を整えよう」と思いながらも、小さい子どものいる生活は思いの外慌ただしく、結局何もできずに終わることも多いのです。そのため、「復職したら、住まいの中が次第に散らかるようになってしまった」というのもよく伺う話です。
復職すると、家で過ごす時間は圧倒的に少なくなります。育児休業期間中に、ムダのない家事動線や、やらなくてもよい家事を削ぎ落とした、機能的な家庭運営の仕組み作りをしておくことは必要不可欠です。
家づくりのタイミングと出産が重なる方はとても多い印象があります。
育児休暇中は、家で過ごす時間が多いため、家づくりをするときにも、その時間感覚で家事動線を考えてしまうことはよくあります。また、「育児休暇の間に家の中を整えよう」と思いながらも、小さい子どものいる生活は思いの外慌ただしく、結局何もできずに終わることも多いのです。そのため、「復職したら、住まいの中が次第に散らかるようになってしまった」というのもよく伺う話です。
復職すると、家で過ごす時間は圧倒的に少なくなります。育児休業期間中に、ムダのない家事動線や、やらなくてもよい家事を削ぎ落とした、機能的な家庭運営の仕組み作りをしておくことは必要不可欠です。
例えば、洗濯物は一年365日を通し、必ず出るもの。室内に物干しスペースがあれば、急な天候変化や雨の日にも、出かける前に安心して洗濯できます。また、専用スペースがあると、リビングに干さなくてもよいので、すっきりとした生活空間で過ごせます。
6.家族が家事に参加しやすい収納や動線計画を取り入れる
子育てと家事を両立するため欠かせないのは、家族の家事への協力です。そのためには
を実現した家づくりが重要です。家族がストレスなく家事に参加してくれる仕組みを取り入れておくと、日々の暮らしがぐっと楽になります。
子育てと家事を両立するため欠かせないのは、家族の家事への協力です。そのためには
- 家族が協力しやすい仕組みを住まいの中に作っておくこと
- 収納は、ぱっと見て何があるか分かりやすいこと
- 一人一人の専用スペースが家のなかにあること
- モノが取り出しやすく戻しやすいこと
を実現した家づくりが重要です。家族がストレスなく家事に参加してくれる仕組みを取り入れておくと、日々の暮らしがぐっと楽になります。
洗濯モノをたたんだり、各部屋に持っていく作業は、面倒と感じることも多いものです。
家族の意見を取り入れつつ、洗濯スペースのそばにファミリークローゼットスペースを設けたり、かける収納を採用するのもよいアイデアです。
家族の意見を取り入れつつ、洗濯スペースのそばにファミリークローゼットスペースを設けたり、かける収納を採用するのもよいアイデアです。
7.和室にも、クローゼットを採用する
「和室の収納といえば押入れ」というイメージが強いため、寝室として使う和室でも、収納は押入れだけというケースはよくあります。
特に、子育て中は和室を寝室として使うことがよくあります。和室はリビングの脇にあることが多く、便利ではあるのですが、収納が押し入れしかないと、洋服を掛ける場所がなく、散らかりがちになってしまい「クローゼットにしておけばよかった」という声もよくききます。
和室をつくるときには、使い方をイメージしながら、本当に必要な収納を設置しましょう。
「和室の収納といえば押入れ」というイメージが強いため、寝室として使う和室でも、収納は押入れだけというケースはよくあります。
特に、子育て中は和室を寝室として使うことがよくあります。和室はリビングの脇にあることが多く、便利ではあるのですが、収納が押し入れしかないと、洋服を掛ける場所がなく、散らかりがちになってしまい「クローゼットにしておけばよかった」という声もよくききます。
和室をつくるときには、使い方をイメージしながら、本当に必要な収納を設置しましょう。
「押入れ」は、奥行きが深く、棚が真ん中にあるため、実はとても収納しにくい仕組みです。
それでも、来客用の布団を入れるために、押入れを作りたいと希望される方が多いのですが、よくお話を聞いてみると「来客は来ても泊まることはない」というケースがほとんどです。
必要なときには、布団をレンタルするという選択肢もありますから、押入れは本当に必要なのかを
じっくりと検討されてはいかがでしょうか。
それでも、来客用の布団を入れるために、押入れを作りたいと希望される方が多いのですが、よくお話を聞いてみると「来客は来ても泊まることはない」というケースがほとんどです。
必要なときには、布団をレンタルするという選択肢もありますから、押入れは本当に必要なのかを
じっくりと検討されてはいかがでしょうか。
8. 子ども部屋は「あとで2部屋に分ける」よりも「あとで1部屋にできる」間取りを取り入れる
子供が2人いる場合、「子どもが小さいうちは2部屋分のスペースをオープンな1つの空間としてつくり、成長に合わせて仕切る」という間取りにするケースが多いのですが、実は、この方法だと「空間が大きすぎて上手に使いこなせず、結局仕切らず使っている」という方は少なくありません。
子供が2人いる場合、「子どもが小さいうちは2部屋分のスペースをオープンな1つの空間としてつくり、成長に合わせて仕切る」という間取りにするケースが多いのですが、実は、この方法だと「空間が大きすぎて上手に使いこなせず、結局仕切らず使っている」という方は少なくありません。
部屋と部屋との間に共通の収納スペースを設け、ゆるやかに仕切っておくと、子供が成長したときには、そのまま分けて使うことも、1つの部屋にすることも可能になります。
家族構成の変化や使い方が変わっても、大掛かりな改装工事をする必要がありません。
家族構成の変化や使い方が変わっても、大掛かりな改装工事をする必要がありません。
クローゼットをウォークスルークローゼットのようなハーフオープンタイプにすると、空間はつながりつつ、プライバシーも確保することが可能です。
10年後、20年後の現実は、もしかしたら想像していたのとは全く違っているかもしれません。住む人が年齢を重ねるうちに、ライフスタイルが変化していくのが現実なのです。そうした変化を見据えて、今からできる準備をしておくのは、大切なことなのです。
教えてHouzz
記事へのご感想をお待ちしています! また、子どもの誕生や子育ての途中で、家づくりや住み心地で工夫したことがあれば、ぜひ教えてください。
こちらもあわせて
賢い子どもが育つ部屋づくり、ロシア編
実用的でユニーク! 勉強もはかどる、素敵な子どものデスク空間
Houzzツアー:カフェスタイルのキッチンに人が集い、子どもがのびのび過ごす《フジビレの家》
Houzzツアー:30代夫婦の賢い選択、自分たちらしく暮らすためのリノベーション
タイニーハウスで送る、サステナブルで豊かな家族の暮らし
Houzzツアー:新しいけど懐かしい。家族が重ねた時間を感じるリノベーション
10年後、20年後の現実は、もしかしたら想像していたのとは全く違っているかもしれません。住む人が年齢を重ねるうちに、ライフスタイルが変化していくのが現実なのです。そうした変化を見据えて、今からできる準備をしておくのは、大切なことなのです。
教えてHouzz
記事へのご感想をお待ちしています! また、子どもの誕生や子育ての途中で、家づくりや住み心地で工夫したことがあれば、ぜひ教えてください。
こちらもあわせて
賢い子どもが育つ部屋づくり、ロシア編
実用的でユニーク! 勉強もはかどる、素敵な子どものデスク空間
Houzzツアー:カフェスタイルのキッチンに人が集い、子どもがのびのび過ごす《フジビレの家》
Houzzツアー:30代夫婦の賢い選択、自分たちらしく暮らすためのリノベーション
タイニーハウスで送る、サステナブルで豊かな家族の暮らし
Houzzツアー:新しいけど懐かしい。家族が重ねた時間を感じるリノベーション
おすすめの記事
片付け・収納・家事
狭いスペースでおもちゃを上手く収納するには?
子供と一緒にタイミングよくおもちゃを手放す、縦のスペースで収納するなど、コンパクトな家でおもちゃを管理する秘訣をプロに聞きました。
続きを読む
家づくりのヒント
畳店と建築家が教える、子どもと暮らす住まいに畳スペースを設けるメリット
文/藤間紗花
おむつ替えやお昼寝スペースとして。読書やお絵描きを楽しむスペースとして。子どもと暮らす住まいに畳スペースを設けると、さまざまなシーンで役立ちます。
続きを読む
Houzzツアー (お宅紹介)
子どもと一緒に成長するスタイリッシュな子ども部屋
イギリス・ケント郡にある納屋を改修した住宅の子ども部屋。新鮮で遊び心に溢れていながらも、子どもの成長に適応させることのできる上品なデザインが魅力です。
続きを読む
片付け・収納・家事
散らかり放題のレゴ!子供に片付けてもらうための収納アイデア
レゴは知育には最高のおもちゃですが、すぐに散らかるし、踏めば痛いのが難点。でも、上手な収納方法をマスターすれば、快適な空間づくりにつながるだけでなく、子供が片付け上手になるかもしれません!
続きを読む
インテリア
子供部屋を自分で片付けてもらうには?年齢別のポイント
文/塩月恵美子
毎日成長する子供たちの部屋は散らかってしまうのもの。片付け習慣を身につけてもらうために、親はどういう心構えでいるとよいのでしょうか。年齢別に見ていきましょう。
続きを読む
インテリア
片付かない部屋でも褒めていい!子供部屋をつくる時に知っておきたいこと
文/塩月恵美子
子供が成長すると、子供部屋をつくるタイミングがきます。初めての自分の部屋は、すっきりと使ってほしいですよね。今回は個室を与える時に、気をつけておきたいことをご説明します。
続きを読む