コメント
和の色名でピンクの部屋めぐり。あなたのピンクってどんな色? どんなピンクがぐっと来る?
「ピンク」と聞いて思い浮かべるのはどんな色ですか? 色も質感もピンクに対するイメージは大きく個人差があります。そんなピンクを日本の伝統色でたどってみました。
宇野由紀子
2017年5月11日
株式会社テンネット代表
impress & organize 店主
ライフテクスチャリスト
質感研究室室長
企画プロダクション勤務を経て、収納用品メーカーで商品開発を手がけ役員も務める。2002年に整理収納用品のWEBショップ「収納の巣」を立ち上げ、2012年に運営会社である株式会社テンネットの代表取締役に。暮らしにスムーズをもたらす収納はもとより、自分の“好き”を探求し、自分らしくモノを持つことも収納の役割と考え、研究・企画・創作。2016年にスタートした収納レーベル「VIVIDEEP」では好きとつながり深める装置としての収納ツールを追求している。2017年に収納の巣本店の名称を「impress & organize」に改め、同時に新プロジェクト「質感研究室」もスタート。モノゴトを好きと感じる理由に質感が関係しているとの自論をベースに、好きを手繰り寄せるセンサーを研ぎ磨くことをテーマにしている。
嵯峨美術大学 デザイン学科 生活プロダクト領域 非常勤講師
株式会社テンネット代表
impress & organize 店主
ライフテクスチャリスト
質感研究室室長
企画プロダクション勤務を経て、収納用品メーカーで商品開発を手がけ役員も務める。2002年に整理収納用品のWEBショップ「収納の巣」を立ち上げ、2012年に運営会社である株式会社テンネットの代表取締役に。暮らしにスムーズをもたらす収納はもとより、自分の“好き”を探求し、自分らしくモノを持つことも収納の役割と考え、研究・企画・創作。2016年にスタートした収納レーベル「VIVIDEEP」では好きとつながり深める装置としての収納ツールを追求している。2017年に収納の巣本店の名称を「impress... もっと見る
「家の中のピンクを調査してみてください」
「ピンクにまつわる思い出をたどってみてください」
「あなたのピンクのピースをお持ちください」
前もってそんな宿題を出させてもらうワークショップを先日開催しました。その名も「ピンクの質感研究会」。
ライフテクスチャリストという肩書きを自らつくり、暮らしの、時間の、心のテクスチャー(質感)の探求をはじめたのが2年ほど前。そしてこの春「質感研究室」なるプロジェクトをスタート。その第一回目の研究会がそれでした。参加者の方は“研究員”として事前に先述の宿題に取り組み、研究会はまずその発表から始まります。“ピンク”というテーマでそれぞれ何を思うか、“ピンク”とどんな関わり方をしてきたか、家の中にどんな“ピンク”があるのか、はたまたないのか。話しているうちにそれぞれの違いを感じながら自分の今までの“ピンク感”が浮き彫りになっていく。言い換えればピンクへのセンサーを研ぎ澄ます、そんな少しおかしな、しかし大真面目な研究会だったんですね。
「ピンクにまつわる思い出をたどってみてください」
「あなたのピンクのピースをお持ちください」
前もってそんな宿題を出させてもらうワークショップを先日開催しました。その名も「ピンクの質感研究会」。
ライフテクスチャリストという肩書きを自らつくり、暮らしの、時間の、心のテクスチャー(質感)の探求をはじめたのが2年ほど前。そしてこの春「質感研究室」なるプロジェクトをスタート。その第一回目の研究会がそれでした。参加者の方は“研究員”として事前に先述の宿題に取り組み、研究会はまずその発表から始まります。“ピンク”というテーマでそれぞれ何を思うか、“ピンク”とどんな関わり方をしてきたか、家の中にどんな“ピンク”があるのか、はたまたないのか。話しているうちにそれぞれの違いを感じながら自分の今までの“ピンク感”が浮き彫りになっていく。言い換えればピンクへのセンサーを研ぎ澄ます、そんな少しおかしな、しかし大真面目な研究会だったんですね。
その中でハッとしたのは、ピンクと言えば……コレ! と各自が選ぶ色、ここからここまでがピンクの範囲よね……という認識に、かなりひらきがあることでした。その違いは想像以上で、ある方がお持ちになった「ピンクのピース」を見て「えーーそれもピンク!?」、またこちらで用意していたピンクのマテリアルを目にして「ほーーこれもピンク!」と、それぞれの先入観の殻にピキピキッとヒビが。
そんなに得意じゃないと思っていた、また甘くなりすぎるから部屋にも洋服にもちょっと……と思っていた、そんな思い込みを手ばなして、ピンクという色をもっと自由に自分に引き寄せることができるかも? そんなワクワクモードで終えた研究会の余韻をたっぷり携えながら、私自身が大いにピンクに対して心をひらくポイントとなった、“和の色名”で素敵な部屋をラインナップしてみたいと思います。
こちらもあわせて
色の使い方の基本:バランスのよい配色の法則
そんなに得意じゃないと思っていた、また甘くなりすぎるから部屋にも洋服にもちょっと……と思っていた、そんな思い込みを手ばなして、ピンクという色をもっと自由に自分に引き寄せることができるかも? そんなワクワクモードで終えた研究会の余韻をたっぷり携えながら、私自身が大いにピンクに対して心をひらくポイントとなった、“和の色名”で素敵な部屋をラインナップしてみたいと思います。
こちらもあわせて
色の使い方の基本:バランスのよい配色の法則
躑躅色(つつじいろ)
春から夏にかけて、ちょうど今からが見頃のツツジの潔いピンク。緑みのブルー花萌黄とのコントラストが効いていますね。あなたのピンクは? と聞かれたら、私はこの辺りの濃いピンク、しかも他のビビッドカラーとの組み合わせに惹かれるようです。
春から夏にかけて、ちょうど今からが見頃のツツジの潔いピンク。緑みのブルー花萌黄とのコントラストが効いていますね。あなたのピンクは? と聞かれたら、私はこの辺りの濃いピンク、しかも他のビビッドカラーとの組み合わせに惹かれるようです。
聴色(ゆるしいろ)
高価な染料をたっぷり用いて染め上げた濃い紅色はその昔一部の人にのみまとうことが許された“禁色”だったとか。それに対し淡い紅色は聴色と呼ばれ、誰でも身につけることができたそうです。意味はさておき、“ゆるしいろ”という響き、ふんわり包まれるようなやさしい色目、心が緩みますよね。
高価な染料をたっぷり用いて染め上げた濃い紅色はその昔一部の人にのみまとうことが許された“禁色”だったとか。それに対し淡い紅色は聴色と呼ばれ、誰でも身につけることができたそうです。意味はさておき、“ゆるしいろ”という響き、ふんわり包まれるようなやさしい色目、心が緩みますよね。
長春色(ちょうしゅんいろ)
長春とは常春(とこはる)の意味でもあり、長春花という花は英語名ではオールドローズだそうです。薔薇の花びらが少しくすんだような色、長春色のカーペットを敷きつめたシックな寝室。いい香りが漂ってきそうで写真を見ながら自然に息を吸い込んでいました。
長春とは常春(とこはる)の意味でもあり、長春花という花は英語名ではオールドローズだそうです。薔薇の花びらが少しくすんだような色、長春色のカーペットを敷きつめたシックな寝室。いい香りが漂ってきそうで写真を見ながら自然に息を吸い込んでいました。
薔薇色(ばらいろ)
こちらは鮮やかなローズピンクですね。薔薇色は“そうびいろ”とも読むそうです。丸いフォルムの一人がけソファとパフがとても華やか。カラフルなラグと相まって元気が出そうな寝室です。休日はずっとここで過ごしたくなりそう。
こちらは鮮やかなローズピンクですね。薔薇色は“そうびいろ”とも読むそうです。丸いフォルムの一人がけソファとパフがとても華やか。カラフルなラグと相まって元気が出そうな寝室です。休日はずっとここで過ごしたくなりそう。
桜色と紅藤色
若藤色とも呼ばれる少し赤みのある紅藤色のチェアとラグ。しっとり落ち着いた雰囲気の中に淡い桜色のランプが置いてあるだけで、ふわっと軽やかな空気感をもたらしています。
若藤色とも呼ばれる少し赤みのある紅藤色のチェアとラグ。しっとり落ち着いた雰囲気の中に淡い桜色のランプが置いてあるだけで、ふわっと軽やかな空気感をもたらしています。
桃
平安時代の宮廷の女性は花や草木、季節の刹那を切り取って着物の色合わせへ見事に落とし込み、重色目(かさねのいろめ)という配色の様式を生み出しました。表地に薄紅色、裏地に萌黄色を組み合わせた「桃」という重色目。雅な時代の色合わせに想いを馳せながら空間をコーディネートするなんてワクワクしそうです。
平安時代の宮廷の女性は花や草木、季節の刹那を切り取って着物の色合わせへ見事に落とし込み、重色目(かさねのいろめ)という配色の様式を生み出しました。表地に薄紅色、裏地に萌黄色を組み合わせた「桃」という重色目。雅な時代の色合わせに想いを馳せながら空間をコーディネートするなんてワクワクしそうです。
梅重(うめがさね)
もうひとつ重色目を。着物の表に濃紅色、裏に紅梅色、この組み合わせを“梅重”といい梅の花の重なり合う様を表したようです。想像するだけで匂い立つ早春の光景ですね。
もうひとつ重色目を。着物の表に濃紅色、裏に紅梅色、この組み合わせを“梅重”といい梅の花の重なり合う様を表したようです。想像するだけで匂い立つ早春の光景ですね。
紅匂(くれないのにおい)さてラストに。冒頭に話した「ピンクの質感研究会」では、持参いただいた各自のピンクのピースと研究室で用意したマテリアルを合わせて作品をつくってもらいました。
道々拾って来てくれた桜の花びらと、繊細ながらビビッドな刺繍の糸をミックスしてフレームにinしてくれた男性。重色目で例えると“紅匂(くれないのにおい)
”がぴったりきます。これまでピンクに縁がなかったとおっしゃっていた方でしたが、今ごろ部屋にこのピンクを迎えているのではないでしょうか。
ハウズでピンクを使ったインテリアの写真を見る
こちらもあわせて
ソファで考える、大人っぽくハイセンスなピンクの使い方
子ども部屋:ピンクに頼らず女の子の部屋をデザインする8つのアイデア
教えてHouzz
季節問わず使えるおすすめのピンクの使い方があればコメント欄で教えてください!
道々拾って来てくれた桜の花びらと、繊細ながらビビッドな刺繍の糸をミックスしてフレームにinしてくれた男性。重色目で例えると“紅匂(くれないのにおい)
”がぴったりきます。これまでピンクに縁がなかったとおっしゃっていた方でしたが、今ごろ部屋にこのピンクを迎えているのではないでしょうか。
ハウズでピンクを使ったインテリアの写真を見る
こちらもあわせて
ソファで考える、大人っぽくハイセンスなピンクの使い方
子ども部屋:ピンクに頼らず女の子の部屋をデザインする8つのアイデア
教えてHouzz
季節問わず使えるおすすめのピンクの使い方があればコメント欄で教えてください!
おすすめの記事
専門家とのやりとり
プロと一緒に部屋づくりをして、素敵なインテリアを手に入れよう
部屋づくりをインテリアの専門家に依頼すると、自分では思いつかない提案がもらえることも。プロに依頼するメリットや探し方などをご紹介します。
続きを読む
コーディネート・スタイリング
おしゃれな室内インテリアにする、クッションの上手な選び方
文/片岸千代子
クッションはインテリアとしても優秀。春夏のクッションから、秋冬仕様に“衣替え”してみませんか?
続きを読む
暮らしのヒント
テレビのあり方を考えよう。テレビを主役にしないインテリアのススメ
「かっこいいリビングには大きなテレビが必要」と思い込んでいませんか? ライフスタイルが変化している今、テレビのあり方やリビングでの過ごし方について考えてみましょう。
続きを読む
名作デザイン
現代に生きる、ウィリアム・モリスのテキスタイルデザイン
アーツ&クラフツ運動に影響を与えた近代デザインの父、ウィリアム・モリス。多彩なデザイン活動の中で最もよく知られるのはそのテキスタイル。美しい植物文様が現代のインテリアにも盛んに取り入れられています。
続きを読む
名作デザイン
ウィリアム・モリスのものづくり精神とテキスタイルデザイン
イギリスの文化芸術、特に室内装飾の分野で大きな功績を残したモリスのものづくりについて、テキスタイルデザインを中心にご紹介します。
続きを読む
コーディネート・スタイリング
ブランケット、クッション、ファブリックパネルで秋冬のインテリアにチェンジ!
インテリアに季節感を取り入れるのに、最も気軽に使えるのはファブリック。なかでもすぐに試せるブランケット、クッション、ファブリックパネルで小さな模様替えをしてみませんか?
続きを読む
コーディネート・スタイリング
ソファはなきゃダメ?ソファのない暮らしを選ぶ理由
リビングにはソファを置くのが当たり前、と思っていませんか?ライフスタイルによっては、ソファを置かないという選択肢もあります。
続きを読む
寝室の記事
狭い寝室のためのベッドとベッドまわりのアイデア
寝室をリラックスできる空間にし、ぐっすり眠るのは重要です。狭い寝室を快適にするための、インテリアのアイデアをチェックしてみましょう。
続きを読む