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古材やリサイクルウッドを使った、表情豊かなインテリア
古材を取り入れたインテリアが注目されていますが、さまざまな木やペイントされたものなども集め、パッチワークのように張り合わせたタイプの素材は特に人気。壁や建具、家具などに使うと、味わい深いヴィンテージスタイルが演出できます。
Motoko Sasaki
2016年2月16日
Houzzコントリビューター。フリーランスの編集&ライター。10才頃からインテリア雑誌の定期購読をはじめる。1999〜2007年、出版社にて雑貨&インテリア誌編集部に在籍。旅好きが嵩じ、2008年に旅するライターユニット「auk」を立ち上げ、毎年オランダとベルギーに滞在。2015年現在までに3冊のガイドブックを出版。菓子研究家いがらしろみ主宰、romi-uni booksの編集も担当。
Houzz contributor, Editor and Writer of Books and Magazine in JAPAN.Specialty is Interior,Lifestyle,Cooking,Handmade,Travel,Fasion.....and more.and,I'm staying in Netherlands and Belgium every year.I published the Netherlands and Belgium guide book.
【Book】2015/『Holland Short Trip オランダ・ショート・トリップ』(スペースシャワーブックス) 2011 /『Belgium Bruxelles Promnade Classique ベルギー・ブリュッセル クラシックな街歩き』(産業編集センター) 2009 /『Holland Travel Book オランダ・トラベル・ブック』(現マイナビ、元東京地図出版)
Houzzコントリビューター。フリーランスの編集&ライター。10才頃からインテリア雑誌の定期購読をはじめる。1999〜2007年、出版社にて雑貨&インテリア誌編集部に在籍。旅好きが嵩じ、2008年に旅するライターユニット「auk」を立ち上げ、毎年オランダとベルギーに滞在。2015年現在までに3冊のガイドブックを出版。菓子研究家いがらしろみ主宰、romi-uni... もっと見る
取り壊しになった家や船などから出た「古材」、リサイクルウッドやリクレイムドウッドとも呼ばれますが、これらを使ったインテリアが、少し前から世界的に注目されています。今よりもずっと豊かに木材が手に入り、贅沢に使っていた時代のものは良質な木が多く、廃棄してしまうのはもったいない。また、古材は再利用を前提として解体され、インテリア素材として使えるようにするまでの過程にも多くの手がかかっているので、ただの廃材とは違います。そのため、現代の暮らしのなかに取り入れてもインテリアにしっくりとなじみ、長い時を経た味わいのある質感や色が、落ち着きのある空間にしてくれるのです。ペイントが剥げてシャビーになっていたとしても、それも魅力のひとつ。小さなスペースの壁一面に使うだけで充分存在感がありますが、家具や小物に取り入れるだけでも、同じような空気感をつくることができますよ。
色やサイズの組み合わせは無限大
青やグリーン、黄色など、色の数が多くても派手にならないのは、ところどころに、木材そのままの天然の色をミックスしているから。天然木の色も、オイル塗装などで、少しずつ色を変えてあるので表情豊か。
青やグリーン、黄色など、色の数が多くても派手にならないのは、ところどころに、木材そのままの天然の色をミックスしているから。天然木の色も、オイル塗装などで、少しずつ色を変えてあるので表情豊か。
カラフルな木の板を、縦にずらっと並べた壁がとってもユニーク。淡い色づかいでも甘すぎるメルヘンな世界にならないのは、味のある木の風合いと、絶妙な色バランスのおかげ。家具をヴィンテージ感のある落ち着いた雰囲気のもので合わせているのもポイントです。
こちらは、幅や色の違う木を組み合わせています。細い木と、幅の広い木を組み合わせることによって、モダンでおしゃれな雰囲気に。インダストリアル系や、男前インテリアに似合いそう。
ワンポイントで使うときのコツ
数種類のカラーでペイントした木を張ったキッチンの壁は、冷蔵庫と同じピンクが効いています。こんなふうに、家具や小物などインテリアの中にある差色と同じ色を入れると、空間がぐっと引き締まります。
数種類のカラーでペイントした木を張ったキッチンの壁は、冷蔵庫と同じピンクが効いています。こんなふうに、家具や小物などインテリアの中にある差色と同じ色を入れると、空間がぐっと引き締まります。
木の風合いを楽しめる壁
運搬用に使われる「パレット」を張り合わせた、こんな味わいのある壁があれば、自宅のリビングが居心地のいいカフェのような空間に変身します。「パレット」は無処理のままの木を使っているので素手で触るのは好ましくありませんが、こちらは風合いを残しながらもきれいに削ってあるため、手触りも◎。こんなふうに、きちんとメンテナンスされていれば、安心して壁に使えますね。
運搬用に使われる「パレット」を張り合わせた、こんな味わいのある壁があれば、自宅のリビングが居心地のいいカフェのような空間に変身します。「パレット」は無処理のままの木を使っているので素手で触るのは好ましくありませんが、こちらは風合いを残しながらもきれいに削ってあるため、手触りも◎。こんなふうに、きちんとメンテナンスされていれば、安心して壁に使えますね。
こちらは、壁だけでなく、天井にも張っているので、まるで山小屋や海辺にある小屋のような、ラスティックで開放的な雰囲気。色をあまりミックスさせず、ところどころにブルーや濃茶を混ぜているのがシックです。
私がいちばん気に入っている壁はこちら。古材をパズルのように組み合わせたようなデザインが美しい。バスルームの淡いグリーン系に合わせた色合いも素敵です。
古材を建具に生かす
キッチンカウンターにリサイクルウッドを使うのも素敵。間仕切りやドアなどの建具に使ってもいいですね。部屋のなかでいいアクセントになってくれそうです。
キッチンカウンターにリサイクルウッドを使うのも素敵。間仕切りやドアなどの建具に使ってもいいですね。部屋のなかでいいアクセントになってくれそうです。
ヘッドボードやテーブル、まずは家具から取り入れて
壁や床に使うのは、ちょっとハードルが高い、あるいは予算外、という人は家具で取り入れてみましょう。ベッドのヘッドボードなどにも最適です。
壁や床に使うのは、ちょっとハードルが高い、あるいは予算外、という人は家具で取り入れてみましょう。ベッドのヘッドボードなどにも最適です。
オランダのデザイナーPIET HEIN EEKによるスクラップウッドの家具は、日本でもおなじみになりましたね。シンプルな空間に置くと、木の表情が引き立ちます。
こちらのチェストは、引き出し部分と天板で色や質感の違う木材を使っています。ニュアンスのある木の表情が、家具の存在感をアップさせていますね。こんなチェストなら、リビングの特等席に置いてディスプレイも楽しみたい。
テーブルの天板にもぴったり
こたつの天板をリクレイムドウッドにチェンジするだけで、ぐっと雰囲気が大人っぽく落ち着いた印象に。もともとはどんな家で使われていた木なのかを想像するのも楽しいですね。
こたつの天板をリクレイムドウッドにチェンジするだけで、ぐっと雰囲気が大人っぽく落ち着いた印象に。もともとはどんな家で使われていた木なのかを想像するのも楽しいですね。
ヘリンボーンのような形に張り合わせた、リクレイムドウッドのテーブルトップ。1枚1枚表情の違う木を絶妙なバランスで組み合わせてあります。こんなテーブルでコーヒーを飲んだら、いつもよりずっとおいしく感じられそう。どんな料理でも似合いそうなので、料理の写真を撮っても映えそうです。
DIYの素材として
さまざまなリクレイムドウッドを詰め合わせにしたセットもあります。壁の一部に貼ったり、テーブルをリメイクしたり、どんなふうに使おうかと想像力が刺激されます。棚の上に並べて置いておくだけでも絵になりそうですね。
さまざまなリクレイムドウッドを詰め合わせにしたセットもあります。壁の一部に貼ったり、テーブルをリメイクしたり、どんなふうに使おうかと想像力が刺激されます。棚の上に並べて置いておくだけでも絵になりそうですね。
【おまけ】
取材の旅で出会ったアムステルダムの「Raw Materials」は、そんなリサイクルウッドを使った家具や雑貨が揃うお店でした。ここでもやっぱり壁に注目。たくさんの色を使っても派手に見えないのは、古材ならではのシャビーな質感のおかげですね。
取材の旅で出会ったアムステルダムの「Raw Materials」は、そんなリサイクルウッドを使った家具や雑貨が揃うお店でした。ここでもやっぱり壁に注目。たくさんの色を使っても派手に見えないのは、古材ならではのシャビーな質感のおかげですね。
リサイクルウッドをアルファベットなどにリメイクしたアイテムも人気。「LOVE」「EAT」など文字を作って飾るのもおすすめです。
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