光を通しながら空間をゆるやかに仕切る、ガラススクリーンの魅力
壁の代わりに、アイアンや木のフレームとガラスのスクリーンを採用する家が増えています。開放感や採光が得られ、おしゃれな雰囲気になるガラススクリーンの活用例いろいろ。
takako kawaguchi
2015年7月28日
壁で仕切ると暗くて重たい雰囲気になってしまうところを、ガラスの透明感で光を呼び込み、軽やかに見せられるガラススクリーン。もともとパリのキッチンやリビングなどでよく見かけたスタイルですが、最近では特にアイアンフレーム+ガラスというコンビがさまざまなインテリアテイストに調和すると国内でも人気が高まっています。視界を遮ることなくゆるやかにスペースを仕切って、広がりのある空間を演出している素敵なガラススクリーンの実例をご紹介いたしましょう。
キッズスペースの壁をガラスに
キッチンのすぐ脇にある子どものプレイルーム。スペースとして区切られてはいますが、壁の一部が窓のようなガラススクリーンになっているので、台所仕事をしながらも常に子どもを見守ることができます。腰の高さまでを壁にしたのは、子どもたちの目線で見ると壁があって落ち着く部屋であり、また急な来客時にはちらかったおもちゃなどが目につかずにすむという、機能面も追求してのこと。
キッチンのすぐ脇にある子どものプレイルーム。スペースとして区切られてはいますが、壁の一部が窓のようなガラススクリーンになっているので、台所仕事をしながらも常に子どもを見守ることができます。腰の高さまでを壁にしたのは、子どもたちの目線で見ると壁があって落ち着く部屋であり、また急な来客時にはちらかったおもちゃなどが目につかずにすむという、機能面も追求してのこと。
ワークスペースとリビングをゆるやかに区分け
高さとワイドをたっぷりとったガラススクリーンの向こうは、窓に面したワークスペース。仕事場には自然光があふれ、光がそのままリビングにまで差し込んできます。キッチンから見た室内の様子も壁に囲まれているのとは違って広々とした印象。限られた空間と窓からの光を最大限に活かしているのがわかります。
高さとワイドをたっぷりとったガラススクリーンの向こうは、窓に面したワークスペース。仕事場には自然光があふれ、光がそのままリビングにまで差し込んできます。キッチンから見た室内の様子も壁に囲まれているのとは違って広々とした印象。限られた空間と窓からの光を最大限に活かしているのがわかります。
こちらもワークスペースの壁の一部をガラススクリーンにすることで、閉塞感を払拭して広さを感じさせている成功例。リビングとワークスペース、2つの部屋を作りつつ、視界は完全に遮られていないという、巧みな空間設計になっています。
カウンターと組み合わせると機能性もアップ
リビングと隣室の境に設けたガラススクリーン。腰の高さにはカウンターをつけ、コレクションの小物を並べたり、来客時にはゲストがドリンクを一時的に置いたりする場としても活用できるようになっています。隣の部屋側にもカウンターがついているので、パソコンを置いてワークスペースにしたり、書棚として使うことも。ガラス部分に抜け感があるため、カウンター下部には物を置いてもあまり圧迫感がないというメリットがあります。
リビングと隣室の境に設けたガラススクリーン。腰の高さにはカウンターをつけ、コレクションの小物を並べたり、来客時にはゲストがドリンクを一時的に置いたりする場としても活用できるようになっています。隣の部屋側にもカウンターがついているので、パソコンを置いてワークスペースにしたり、書棚として使うことも。ガラス部分に抜け感があるため、カウンター下部には物を置いてもあまり圧迫感がないというメリットがあります。
壁に囲まれたキッチンの採光に
写真中央の2面の壁の奥にキッチンがあるこちらのお宅。テラスの窓に面した壁の一部をガラススクリーンにすることで、キッチンにやわらかな光を取り込んでいます。ガラス面にガーランドをかけたり、キャビネットに陶器やガラス瓶を並べた、おしゃれな雑貨屋さんのようなスタイリングも参考になりますね。
写真中央の2面の壁の奥にキッチンがあるこちらのお宅。テラスの窓に面した壁の一部をガラススクリーンにすることで、キッチンにやわらかな光を取り込んでいます。ガラス面にガーランドをかけたり、キャビネットに陶器やガラス瓶を並べた、おしゃれな雑貨屋さんのようなスタイリングも参考になりますね。
インナーテラスにも最適
サンルームやインナーテラスを検討しているなら、ガラススクリーンは欠かせない要素になるでしょう。写真のように思い切って天井から床までの大きなガラスを使い、テラスの様子と窓外の景色をダブルで楽しめるような大胆な形にしてみるのもおもしろいのではないでしょうか。
サンルームやインナーテラスを検討しているなら、ガラススクリーンは欠かせない要素になるでしょう。写真のように思い切って天井から床までの大きなガラスを使い、テラスの様子と窓外の景色をダブルで楽しめるような大胆な形にしてみるのもおもしろいのではないでしょうか。
階段や廊下を明るくオープンに
階段とリビングの間に壁を設けたい場合でも、このようなクリアガラスにすると日中は階段の照明をつけなくてもすむほど明るい空間に。もちろん冷暖房などの空調面や音の拡散防止にも役立ちます。
階段とリビングの間に壁を設けたい場合でも、このようなクリアガラスにすると日中は階段の照明をつけなくてもすむほど明るい空間に。もちろん冷暖房などの空調面や音の拡散防止にも役立ちます。
吹き抜けのリビングを見下ろす2階廊下。幼い子どもがいる家など、柵や手すりだけでは心もとない場合もこうしたスクリーンであれば安心です。廊下が明るくなることはもちろん、リビングから吹き抜けを見上げた際もよりいっそう開放感が増すでしょう。
玄関からリビングを見通すことで広がりを感じさせる
スペースが限られた日本の住宅事情では、当然、エントランスの広さも限られてきます。狭い上に靴収納やアウトドア用品などで混み合いがちなこのエリアを少しでもオープンに見せたいのであれば、リビングとの境をガラススクリーンにするのは手軽でとても効果的な方法です。光源となるリビング窓まで見通せれば、暗くて狭い足元に意識が向くことも少なく、ストレスが軽減されるかもしれません。
スペースが限られた日本の住宅事情では、当然、エントランスの広さも限られてきます。狭い上に靴収納やアウトドア用品などで混み合いがちなこのエリアを少しでもオープンに見せたいのであれば、リビングとの境をガラススクリーンにするのは手軽でとても効果的な方法です。光源となるリビング窓まで見通せれば、暗くて狭い足元に意識が向くことも少なく、ストレスが軽減されるかもしれません。
リビングへの扉を引き違い戸にした事例。視線の先には小物を並べたカウンターやグリーンを配し、視線を惹きつけるポイントに。ガラススクリーンを広い間口に使いながらも、プライベートな空間が丸見えになることなく、室内の奥行きをうまく感じさせています。
土間から続くガレージの仕切りに
3階建て住居などで人気の、1階部分をガレージにする構造。こちらのお宅ではガレージと、屋内1階部分の仕事場&土間の仕切りにガラススクリーンを採用しています。土間には自転車や靴、鉢植えなどをセンスよく並べて見せてあり、奥の仕事場はアトリエ風のかっこいい空間。ガラススクリーンを通して、あたかもセレクトショップのような雰囲気を漂わせています。
3階建て住居などで人気の、1階部分をガレージにする構造。こちらのお宅ではガレージと、屋内1階部分の仕事場&土間の仕切りにガラススクリーンを採用しています。土間には自転車や靴、鉢植えなどをセンスよく並べて見せてあり、奥の仕事場はアトリエ風のかっこいい空間。ガラススクリーンを通して、あたかもセレクトショップのような雰囲気を漂わせています。
バスルームをおしゃれに演出
パリのアパルトマンを思わせるバスルームのスクリーン。細長のフレーム使いは天井高を強調する効果があります。古材のフローリングやスチール棚などのインテリアに、アイアンとガラスの素材感がマッチしています。
パリのアパルトマンを思わせるバスルームのスクリーン。細長のフレーム使いは天井高を強調する効果があります。古材のフローリングやスチール棚などのインテリアに、アイアンとガラスの素材感がマッチしています。
バスルームにクリアガラスを使うのが気になる場合は、アンティーク調のチェッカーガラスを用いるのもデザイン上、機能上の両面からおすすめです。白の建具やフレームと合わせると優しく上品な雰囲気に仕上がります。
扉だけが浮き上がって見えるデザイン
空間に突然、扉が一枚ある…そんなどこか近未来的な図。“どこでもドア”を連想する非日常感がおもしろいですね。透明な壁と重厚な扉のコントラストがこの光景の最大の魅力ともいえます。
空間に突然、扉が一枚ある…そんなどこか近未来的な図。“どこでもドア”を連想する非日常感がおもしろいですね。透明な壁と重厚な扉のコントラストがこの光景の最大の魅力ともいえます。
透明なガラスの壁は視野を遮ることなく空間を区分けするために存在しているのでしょう。潔くクールなアイデアですね。
キーカラーのイエローを取り入れて
写真のお宅ではキッチン壁面にイエローを使い、インテリアのキーカラーとしています。そこで、キッチンと隣接する寝室に設けたスクリーンにもイエローの手作り風泡入りガラスを使ってカラーコーディネート。カラーガラスは光の向きや動きによって表情の変化が楽しめるので、壁面ペイントとはまた一味違うアクセントになります。
写真のお宅ではキッチン壁面にイエローを使い、インテリアのキーカラーとしています。そこで、キッチンと隣接する寝室に設けたスクリーンにもイエローの手作り風泡入りガラスを使ってカラーコーディネート。カラーガラスは光の向きや動きによって表情の変化が楽しめるので、壁面ペイントとはまた一味違うアクセントになります。
木のフレームなら優しい表情
アイアンや黒くペイントしたフレームを多くご紹介してきましたが、ここでナチュラル感のある木枠の例をひとつ。木目を強調しすぎず、どこか和の空気感をまとった木のフレームは、白い壁やグリーンとの相性も抜群。自然の優しさを身近に感じる、落ち着いたインテリアがお好きな方にぴったりなのではないでしょうか。
アイアンや黒くペイントしたフレームを多くご紹介してきましたが、ここでナチュラル感のある木枠の例をひとつ。木目を強調しすぎず、どこか和の空気感をまとった木のフレームは、白い壁やグリーンとの相性も抜群。自然の優しさを身近に感じる、落ち着いたインテリアがお好きな方にぴったりなのではないでしょうか。
かつての日本家屋では縁側に面した部屋や台所などにガラスと木枠のこんな引き違い戸がありました。そうしたノスタルジックな風情を取り入れ、生活の中で楽しもうという“粋”を感じる施工例も増えています。
海外の街角のような窓のあるインテリアに
ブリックタイルとガラススクリーンの組み合わせ。手前のダイニングでお茶を飲むと、まるでヨーロッパの街角のカフェにいるような気分になれそうです。スクリーン上部は開閉式で換気ができるよう工夫されています。
壁や扉に取り入れることで、室内がぐっと明るく開放的に感じられるガラススクリーン。ゆるやかに空間を仕切るというスタイルも、昨今の私たちの気分やイメージに合っているのかもしれませんね。
住まいの専門家を探す
ブリックタイルとガラススクリーンの組み合わせ。手前のダイニングでお茶を飲むと、まるでヨーロッパの街角のカフェにいるような気分になれそうです。スクリーン上部は開閉式で換気ができるよう工夫されています。
壁や扉に取り入れることで、室内がぐっと明るく開放的に感じられるガラススクリーン。ゆるやかに空間を仕切るというスタイルも、昨今の私たちの気分やイメージに合っているのかもしれませんね。
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takako kawaguchiさま
takako kawaguchiさま、今暫くお待ち下さいませ。プライベートな家はここまでオープンに出来り仕上がりは今迄に誰もチャレンジした事のないインテリア界の革命かと思います。