世界の暮らしとデザイン:9ヵ国のコレクターに聞いた「コレクションの密やかな愉しみ」
ドイツの東ドイツデザインのコレクターからイタリアのフェンダーマニア、オーストラリアのかわいい毛布の収集家、ロシアのコミック&アニメコレクターまで、多種多様なアイテムを集める世界のコレクターたちの「密やかな愉しみのある暮らし」を取材しました。
Houzz
2015年11月13日
コレクションの愉しみは、「物語」がそこにあること。今回、Houzzは世界9ヵ国で、多種多様なコレクションを取材し、コレクションをはじめたきっかけ、収納の工夫、掘り出しものの見つけ方を取材しました。日本のビンテージ絵本のコレクターから、イタリアのフェンダーギターの収集家、オーストラリアのブランケットのコレクターまで、眺めていると、それぞれのオーナーの情熱や個性が伝わってきます。
この記事は、世界11ヵ国で展開するHouzzが取材した、〈世界の暮らしとデザイン〉シリーズの記事です。
この記事は、世界11ヵ国で展開するHouzzが取材した、〈世界の暮らしとデザイン〉シリーズの記事です。
1. オーストラリア、優しい色のヴィンテージブランケットに囲まれて
コレクター:ラモナ・オードリー(45歳)
職業:パン屋のアシスタント、Airbnbで人を泊める
住んでいるところ: オーストラリア、メルボルンのフィッツロイ
コレクション: 1970年までに製造された、オーストラリア製のウールのブランケット257枚
コレクター:ラモナ・オードリー(45歳)
職業:パン屋のアシスタント、Airbnbで人を泊める
住んでいるところ: オーストラリア、メルボルンのフィッツロイ
コレクション: 1970年までに製造された、オーストラリア製のウールのブランケット257枚
きっかけ: 「6年前に、アデレード州のオンパカリンガの旅行用ラグを集め始めました。家で映画パーティーを開くときも、みんなに気に入ったものを1枚ずつ使ってもらって、猫まで赤い小さなタータンチェックのラグを自分のお気に入りにしていました」とラモナさん。リサイクルショップの布類の棚でラグを探すうちに、自然に古いブランケットにも目を留めるようになった。「ラコニア社のブルー✕クリーム色のブランケットを見つけたときから、すっかり夢中になりました。この手のブランケットは今も私のお気に入りです。ブルー、サーモンピンク、ミントグリーンの3色しかないのですが、バリエーションを42枚を集めました」
ブランケットのラベルに描かれているかわいいイラストもオードリーさんがブランケットを集める理由の1つ。「フィジシァン社のラベルはロゴの上に眠れる淑女が描かれていますし、ラコニア社はロゴに2匹の子羊のイラストの脇に安眠をお届けします』というスローガンが書かれているんです。ラベルがほしくて買ったブランケットもたくさんあります。」
ブランケットのラベルに描かれているかわいいイラストもオードリーさんがブランケットを集める理由の1つ。「フィジシァン社のラベルはロゴの上に眠れる淑女が描かれていますし、ラコニア社はロゴに2匹の子羊のイラストの脇に安眠をお届けします』というスローガンが書かれているんです。ラベルがほしくて買ったブランケットもたくさんあります。」
収納の工夫:「ブランケットのコレクションがどんどん増えたので、カップボードやリネンクローゼット、整理棚にしまったり、箱に入れてガレージにしまったり。とにかく、いたるところにブランケットがしまってあります!」
掘り出し物はどこで?:「今は、12ヵ月かけて、『ブランケット・フィーバー』というプロジェクトを実行中。ビクトリア州のリサイクルショップをすべて回る計画で、750のうち500はすでに行ってきました。目的はもちろんブランケット集め。このプロジェクトを始める前は100枚だったコレクションに、新たに157枚が加わりました。田舎を車で回ると、かわいい町がたくさん見ることができるのも楽しみですね」
掘り出し物はどこで?:「今は、12ヵ月かけて、『ブランケット・フィーバー』というプロジェクトを実行中。ビクトリア州のリサイクルショップをすべて回る計画で、750のうち500はすでに行ってきました。目的はもちろんブランケット集め。このプロジェクトを始める前は100枚だったコレクションに、新たに157枚が加わりました。田舎を車で回ると、かわいい町がたくさん見ることができるのも楽しみですね」
お気に入りは?:「全部です! どれも美しいし、こんなに素敵な品と生活できることがうれしいですね。昔はオーストラリアにもウールメーカーがたくさんあって、すばらしい品質の美しいブランケットをつくっていました。50年、60年、80年前には日常品で、ウェディングのギフトに使われたりもしました。人を暖かく包み込んでくれるブランケットは、その後も下の世代に受け継がれていったのです」
「どうしても1枚選ぶとなったら、やわらかいミントカラーの四角いパターンとスイカのような淡い赤いストライプが入ったクリーム色のブランケットです。ノーブランド品ですが、抽象画家アグネス・マーティンの『感謝 (Gratitude)』という作品に似ています。家中に美しいブランケットがあることに対して、私もまさに同じ気持を感じてしまいます」
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「どうしても1枚選ぶとなったら、やわらかいミントカラーの四角いパターンとスイカのような淡い赤いストライプが入ったクリーム色のブランケットです。ノーブランド品ですが、抽象画家アグネス・マーティンの『感謝 (Gratitude)』という作品に似ています。家中に美しいブランケットがあることに対して、私もまさに同じ気持を感じてしまいます」
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2. 日本、世界中の美しい絵本を集めたライブラリー
コレクター:山田詩子さん(52歳)
職業:ティーテイスター、カレルチャペック紅茶店オーナー、絵本作家
住んでいるところ:日本、東京
コレクション:絵本約4,000冊(うち約2,000冊をこのホームライブラリーに収蔵。約1,200冊は1950~1970年代に出版されたヴィンテージ)
きっかけは?:
「母が名古屋のYWCAで英語を教える仕事をしていた関係で、私の実家の母の書棚には、古風で素敵な挿絵の入った英語のテキストブックがたくさんありました」と山田詩子さん。「絵本に親しみ始めたのは、私がまだ3歳か4歳くらいのころだったでしょうか。母はとても忙しかったので、私たち姉妹にゆっくり童話の読み聞かせをするような時間はなかったけれど、母の蔵書のおかげで私たちは、カラフルでファンタスティックな外国の絵本の豊かな森の中で育ちました」
コレクター:山田詩子さん(52歳)
職業:ティーテイスター、カレルチャペック紅茶店オーナー、絵本作家
住んでいるところ:日本、東京
コレクション:絵本約4,000冊(うち約2,000冊をこのホームライブラリーに収蔵。約1,200冊は1950~1970年代に出版されたヴィンテージ)
きっかけは?:
「母が名古屋のYWCAで英語を教える仕事をしていた関係で、私の実家の母の書棚には、古風で素敵な挿絵の入った英語のテキストブックがたくさんありました」と山田詩子さん。「絵本に親しみ始めたのは、私がまだ3歳か4歳くらいのころだったでしょうか。母はとても忙しかったので、私たち姉妹にゆっくり童話の読み聞かせをするような時間はなかったけれど、母の蔵書のおかげで私たちは、カラフルでファンタスティックな外国の絵本の豊かな森の中で育ちました」
収納の工夫:
「4年前に家を新築したとき、NOAH architectsの根岸良範さんにお願いしたリクエストのひとつが『地下に絵本のライブラリーをつくってほしい』ということでした」と詩子さん。ここには約2,000冊の蔵書を収納している。「この空間は、親密で居心地のよい、古き良き時代の図書館のような雰囲気にしたいと思ったのです。小さなテーブルや椅子、一人掛けのソファなどを置いて、壁や本棚はお気に入りの色である深いレッドに塗ってもらいました。この色は「ワインベリー」という名前がついているのですが、絵本の背表紙に使われているたくさんの色彩をきれいにおさめてくれる、パーフェクトな色だと思います。本棚にはところどころ、お気に入りの表紙を見せてディスプレイできる小さな棚もつくっていただきました。ときどき入れ替えては楽しんでいます」
お気に入りは?:
「お気に入りの作家はロジャー・デュボアザンです。スイス生まれで、アメリカで有名になった絵本作家ですね。彼の本は100冊以上持っています。彼の色づかいや画風は、私が絵を描くときのインスピレーションにも大いに役立っています」
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「4年前に家を新築したとき、NOAH architectsの根岸良範さんにお願いしたリクエストのひとつが『地下に絵本のライブラリーをつくってほしい』ということでした」と詩子さん。ここには約2,000冊の蔵書を収納している。「この空間は、親密で居心地のよい、古き良き時代の図書館のような雰囲気にしたいと思ったのです。小さなテーブルや椅子、一人掛けのソファなどを置いて、壁や本棚はお気に入りの色である深いレッドに塗ってもらいました。この色は「ワインベリー」という名前がついているのですが、絵本の背表紙に使われているたくさんの色彩をきれいにおさめてくれる、パーフェクトな色だと思います。本棚にはところどころ、お気に入りの表紙を見せてディスプレイできる小さな棚もつくっていただきました。ときどき入れ替えては楽しんでいます」
お気に入りは?:
「お気に入りの作家はロジャー・デュボアザンです。スイス生まれで、アメリカで有名になった絵本作家ですね。彼の本は100冊以上持っています。彼の色づかいや画風は、私が絵を描くときのインスピレーションにも大いに役立っています」
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お母様から受け継がれた、詩子さんのごく初期の絵本コレクション。「当時はもちろん英語は読めなかったけれど、このリアルで楽しくてユーモアにあふれた挿絵は、私にたくさんのことを語りかけてきました。自分で勝手にストーリーを作ったりして、本の中の想像の世界で遊ぶのが大好きでした」
掘り出し物はどこで?:
私の初期のコレクションは母の本棚から譲り受けたもので、やはり貴重なものが多いです。1960年代に母が買った当時、もちろんこれらの本は新品だったわけですが」と詩子さん。「1950~1970年代の絵本にはやはり一番惹かれますね。海外のものも日本のものも、ヴィンテージも新品もありますが、古本屋さんやオンラインの絵本ショップで買うこともあります。図書館の放出品セールなどで、掘り出し物を見つけることもあります」
掘り出し物はどこで?:
私の初期のコレクションは母の本棚から譲り受けたもので、やはり貴重なものが多いです。1960年代に母が買った当時、もちろんこれらの本は新品だったわけですが」と詩子さん。「1950~1970年代の絵本にはやはり一番惹かれますね。海外のものも日本のものも、ヴィンテージも新品もありますが、古本屋さんやオンラインの絵本ショップで買うこともあります。図書館の放出品セールなどで、掘り出し物を見つけることもあります」
3. イタリア、フェンダーに夢中
コレクター:フラヴィオ・カモラ二さん(53歳)
職業:ホテルのマネージャー、音楽制作会社オーナー(自宅に録音スタジオあり)。「フロイド・マシーンという、イタリアで唯一、ピンク・フロイド公認のトリビュート・バンドで演奏活動をしています」
住んでいるところ:イタリア、フォルリ
コレクション:1951年から1964年にかけて製造されたフェンダー100本、ケース、フェンダー社に関するグッズや資料
きっかけ:「80年代初頭から音楽好きでレコードマニアでした。ウェイターやバーテンダーの仕事をしているうちにコツをつかんで、コレクションを開始。最初に買ったのは、19歳のときに手に入れた、79年製フェンダー・ストラトキャスター・ブラック・メープルネックです」とカモラ二さん。
「フェンダーだけに対象を絞り、24年にわたってイタリアだけでなく世界中でレアなアイテムを集め続けました。我が家は博物館のようなもの。コレクションを貸し出すこともあるので、『旅する博物館』ともいえますね」
コレクター:フラヴィオ・カモラ二さん(53歳)
職業:ホテルのマネージャー、音楽制作会社オーナー(自宅に録音スタジオあり)。「フロイド・マシーンという、イタリアで唯一、ピンク・フロイド公認のトリビュート・バンドで演奏活動をしています」
住んでいるところ:イタリア、フォルリ
コレクション:1951年から1964年にかけて製造されたフェンダー100本、ケース、フェンダー社に関するグッズや資料
きっかけ:「80年代初頭から音楽好きでレコードマニアでした。ウェイターやバーテンダーの仕事をしているうちにコツをつかんで、コレクションを開始。最初に買ったのは、19歳のときに手に入れた、79年製フェンダー・ストラトキャスター・ブラック・メープルネックです」とカモラ二さん。
「フェンダーだけに対象を絞り、24年にわたってイタリアだけでなく世界中でレアなアイテムを集め続けました。我が家は博物館のようなもの。コレクションを貸し出すこともあるので、『旅する博物館』ともいえますね」
収納の工夫:「家中に棚をつくりました。キッチンとバスルームだけは、湿気があるのでギターを置きません。コレクションのある場所には、ギターが傷まないように除湿機を置いています。リビングルームのギターはフェンダー・テレキャスターのみ。そこに、ニック・メイソン、スチュワート・コープランド、イアン・ペイス、カール・パルマー、ビリー・コブハムという5人の有名なドラマーのサイン入りスネアドラムも置いています」
掘り出し物はどこで?:「中古楽器店めぐりですね。人づてに掘り出し物を見つけています」
お気に入りは?:「答えるのは無理ですね(笑)。どれも自分にとっては子供のようなもの。高価なもの、レアなものもあれば、ありきたりのふつうのものもありますが、僕にとってはどれも同じように大切なんです」
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掘り出し物はどこで?:「中古楽器店めぐりですね。人づてに掘り出し物を見つけています」
お気に入りは?:「答えるのは無理ですね(笑)。どれも自分にとっては子供のようなもの。高価なもの、レアなものもあれば、ありきたりのふつうのものもありますが、僕にとってはどれも同じように大切なんです」
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4. イギリス、小さなものから大きなものまで揃えた恐竜コレクション
コレクター:ジェイ・ジェイ・バーリッジさん(44歳)と妻のメル・モスさん
職業:夫婦ともにアーティスト
住んでいるところ:イングランド、オックスフォードシャー郡
コレクション:バーリッジさんいわく、「大量のディノザウルス」。バーリッジさんが制作した実物大のディノザウルスの彫刻11体と〈トレイナーザウルス〉という樹脂製の頭蓋骨模型、150体の小型模型。他に、ビンテージの闘牛のポスター、フランスの学校のポスター、イギリスの旅行ポスター、ほうろう製ポットも集めている。
きっかけは?:「最初はレゴと『スター・ウォーズ』のフィギュアを集めていましたが、本格的なコレクションになったのは、ベークライトで作られた変わったアイテムが最初。大きなビンテージの電話は80個も集めました。10代のころは動物の頭蓋骨を集めていて、やがて頭蓋骨の詳細なスケッチをするようになりました。セント・マーティンズ(美術大学)を受験するときには、その手のすでにスケッチが何百枚とありましたね。振り返ってみると、自分の作品テーマがディノザウルスになったのも、自然ななりゆきだったのだと思います」
コレクター:ジェイ・ジェイ・バーリッジさん(44歳)と妻のメル・モスさん
職業:夫婦ともにアーティスト
住んでいるところ:イングランド、オックスフォードシャー郡
コレクション:バーリッジさんいわく、「大量のディノザウルス」。バーリッジさんが制作した実物大のディノザウルスの彫刻11体と〈トレイナーザウルス〉という樹脂製の頭蓋骨模型、150体の小型模型。他に、ビンテージの闘牛のポスター、フランスの学校のポスター、イギリスの旅行ポスター、ほうろう製ポットも集めている。
きっかけは?:「最初はレゴと『スター・ウォーズ』のフィギュアを集めていましたが、本格的なコレクションになったのは、ベークライトで作られた変わったアイテムが最初。大きなビンテージの電話は80個も集めました。10代のころは動物の頭蓋骨を集めていて、やがて頭蓋骨の詳細なスケッチをするようになりました。セント・マーティンズ(美術大学)を受験するときには、その手のすでにスケッチが何百枚とありましたね。振り返ってみると、自分の作品テーマがディノザウルスになったのも、自然ななりゆきだったのだと思います」
収納の工夫:「コレクションするなら田舎に引っ越すこと。土地が安いですからね」と、バーリッジさんは笑いながら話す。コレクションのために近所の農場の倉庫も借りている。
掘り出し物はどこで?:「世界中どこにいっても、まずは蚤の市、中古品店、アンティーク店、ガレージセールをめぐります。でも、イギリスのトランクセールで掘り出し物を見つけたことはないですね」
お気に入りは?:パリのゴミ置き場で見つけた、2000ピースを使ったフレーム入りのジグソーパズル。「人生最大の掘り出し物でしたね」とバーリッジさん。いちばんおもしろいアイテムは、『帝国の逆襲」で使われた撮影用のモデルガン。世界に3つしかないうちの1つが部屋の壁にかかっている。
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掘り出し物はどこで?:「世界中どこにいっても、まずは蚤の市、中古品店、アンティーク店、ガレージセールをめぐります。でも、イギリスのトランクセールで掘り出し物を見つけたことはないですね」
お気に入りは?:パリのゴミ置き場で見つけた、2000ピースを使ったフレーム入りのジグソーパズル。「人生最大の掘り出し物でしたね」とバーリッジさん。いちばんおもしろいアイテムは、『帝国の逆襲」で使われた撮影用のモデルガン。世界に3つしかないうちの1つが部屋の壁にかかっている。
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5. アメリカ、帽子数百点のコレクション
コレクター:ウェンディ・アン・ローゼン(58歳)、犬のマキシムと猫のオリーブ
職業:メークアップ・アーティスト、雑誌『アンカバー(Uncover)』の編集者
住んでいるところ:アメリカ、カリフォルニア州ロサンゼルスのノースハリウッド
コレクション:20世紀のデザイナーものの婦人用帽子600点。紳士用帽子。600個の帽子用の箱、帽子作りの道具、帽子の広告、帽子を特集した雑誌、本、帽子の絵柄が描かれたマッチ箱。
コレクター:ウェンディ・アン・ローゼン(58歳)、犬のマキシムと猫のオリーブ
職業:メークアップ・アーティスト、雑誌『アンカバー(Uncover)』の編集者
住んでいるところ:アメリカ、カリフォルニア州ロサンゼルスのノースハリウッド
コレクション:20世紀のデザイナーものの婦人用帽子600点。紳士用帽子。600個の帽子用の箱、帽子作りの道具、帽子の広告、帽子を特集した雑誌、本、帽子の絵柄が描かれたマッチ箱。
きっかけは?:コレクションを始めたのは25年前。「1980年代なかばに、デパートの箱に入った1940年代製の帽子をいくつかを手に入れたんです。でも、本格的に集め始めたのは1990年のこと。欲しいものを手に入れる運にも恵まれていましたね」
収納の工夫:「リビングの天井が高いので、帽子の箱を高く積み上げても大丈夫。リビングは、壁一面、床から天井まで帽子の箱やアンティークのディスプレーケースを積み重ねています。家というより、帽子博物館みたいですね。カウチとテレビが欲しいと思いつつ、コレクションの美しい雰囲気が壊れそうで躊躇しています」
帽子の箱が、キッチンとバスルーム以外、家中のいたるところに置かれている。カリフォルニアは地震が覆いので、積み重ねるのも技が必要だそう。
収納の工夫:「リビングの天井が高いので、帽子の箱を高く積み上げても大丈夫。リビングは、壁一面、床から天井まで帽子の箱やアンティークのディスプレーケースを積み重ねています。家というより、帽子博物館みたいですね。カウチとテレビが欲しいと思いつつ、コレクションの美しい雰囲気が壊れそうで躊躇しています」
帽子の箱が、キッチンとバスルーム以外、家中のいたるところに置かれている。カリフォルニアは地震が覆いので、積み重ねるのも技が必要だそう。
掘り出し物はどこで?:「今は中国製の帽子の箱を中心に、主にオンラインオークションサイトで買い集めています。コレクションにいちばん熱中していたころには、高級アンティークショーにも足を運んでいました。ニューヨーク「ピアー・ショー」は今もいちばん好きなショーですね。コーラ・ギンズバーグやジュンナ・ヴロブビュースキといったコスチュームやテキスタイルのディラーも、私向きの出物があると連絡をくれます。私のコレクションの中でいちばん価値が高いのは、ロサンゼルス・カウンティ・ミュージアムから購入したミスター・ジョンのコレクションです」
お気に入りは?:「今は、中国製の帽子箱ですね。いろいろと集めすぎてスペースがないのですが、いつも出物がないかと探しています。ビーバーの毛皮でつくった〈ダブス〉のトップハットのミニチュア・レプリカもお気に入りです」
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お気に入りは?:「今は、中国製の帽子箱ですね。いろいろと集めすぎてスペースがないのですが、いつも出物がないかと探しています。ビーバーの毛皮でつくった〈ダブス〉のトップハットのミニチュア・レプリカもお気に入りです」
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6. ロシア、コミック&アニメマニア
コレクター:ドナティアン(40歳)とエカテリーナ(38歳)のド・ロシャンボー夫妻
職業:ドナティアンはコミックとアニメのコレクター、時計メーカー〈ラケタ(Raketa)〉の株主。エカテリーナはアートコンサルタントで、ブリュッセルで開催されるアートフェアBRAFAのロシア代表。
住んでいるところ:ロシア、モスクワ
コレクション:コミックの原画、書籍、作品集。500点以上はあるが、ドナティアンいわく「多すぎて何点あるのかわからない」。アニメのセル画やマンガのキャラクターのフィギュアも集めている。
コレクター:ドナティアン(40歳)とエカテリーナ(38歳)のド・ロシャンボー夫妻
職業:ドナティアンはコミックとアニメのコレクター、時計メーカー〈ラケタ(Raketa)〉の株主。エカテリーナはアートコンサルタントで、ブリュッセルで開催されるアートフェアBRAFAのロシア代表。
住んでいるところ:ロシア、モスクワ
コレクション:コミックの原画、書籍、作品集。500点以上はあるが、ドナティアンいわく「多すぎて何点あるのかわからない」。アニメのセル画やマンガのキャラクターのフィギュアも集めている。
きっかけは?:「子供のころからコミックやアニメに興味があったんです。フランスの文化の1つだから」とドナティアンさん。「文学作品や新聞を読むのと同じように、我が家はみんなコミックが好きで読んでいました。コミックやアニメの原画については、6年前から収集。今ではソビエト時代のアニメの原画も増えました」
収納の工夫:モスクワでは自然光が貴重なので、、壁を黄色にするなど明るい部屋にインテリアを改装。「コレクションの中でも特別なもの、お気に入りのものを壁に飾っています。リビングルームには高さ3メートルの白いクローゼットがあるのですが、中にメタル製の棚を入れて作品集を収納しています。メタル製の棚なら、重い作品集を置いても大丈夫です」とドナティアンさん。
収納の工夫:モスクワでは自然光が貴重なので、、壁を黄色にするなど明るい部屋にインテリアを改装。「コレクションの中でも特別なもの、お気に入りのものを壁に飾っています。リビングルームには高さ3メートルの白いクローゼットがあるのですが、中にメタル製の棚を入れて作品集を収納しています。メタル製の棚なら、重い作品集を置いても大丈夫です」とドナティアンさん。
掘り出し物はどこで?:「コミックやアニメの収集に関しては、マーケットがちゃんと成立しています。サザビーズ、クリスティーズ、アートキュリアルといった名だたるオークションハウスもオークションを行っています。パリ、ブリュッセル、ロンドン、ニューヨークにはコミック専門の大きなギャラリーもあります。TEFAFやBRAFAといったメジャーなアートフェアには、コミックやアニメの傑作の原画が出品されています」
お気に入りは?:「難しい質問ですね。どれも大好きなものばかりですから。私は・コミックやアニメをアート作品としてとらえていて、もっと広くいろんな人に見てもらいたいと思っています。ロシアでは、アニメをあまり真面目なアートとして見ていません。アニメのほとんどは、子供向けではないにもかかわらず、です。コミックには、社会的・政治的なユーモアがたくさんこめられています。才能と技術にすぐれたアーティストと脚本家が、世界中ですばらしいアニメ作品を生み出しているんですよ」
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お気に入りは?:「難しい質問ですね。どれも大好きなものばかりですから。私は・コミックやアニメをアート作品としてとらえていて、もっと広くいろんな人に見てもらいたいと思っています。ロシアでは、アニメをあまり真面目なアートとして見ていません。アニメのほとんどは、子供向けではないにもかかわらず、です。コミックには、社会的・政治的なユーモアがたくさんこめられています。才能と技術にすぐれたアーティストと脚本家が、世界中ですばらしいアニメ作品を生み出しているんですよ」
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7. フランス、コンテンポラリーアートとともに暮らす
コレクター:ガブリエル・ナレ(43歳)
職業:公証人
住んでいるところ:グルノーブル
コレクション:コンテンポラリーアート作品200点(ドローイング、写真、絵画、彫刻など)
きっかけは?:子供の頃から両親につれられて美術館に通ううちに、コンテンポラリーアートに目覚めたというガブリエルさん。「両親が定期購読していた『ラ・ガゼット・ドルオー(La Gazette Drouot )』というオークション情報誌を見て、ミニマリストの作品に高い価格がつけられているのを不思議だな、と思いました。理由が知りたくて、コンテンポラリーアートに関する本を読み始めました」
コレクターになるきっかけになったのは、パリのポンピドー・センターで目にしたバーネット・ニューマンの『シャイニング・フォース(ジョージへ)Shining Forth (To George) 』という作品。突然他界した弟を忍んで描いた絵だ。「驚くべき啓示の瞬間でした。こんなミニマルな絵で、感情を伝えることができるとは、思っても見なかったのです」とガブリエルさん。
最初に作品を購入したのは25歳のとき。イザベル・レヴェネズの『罰(Punitions)』というシリーズの作品だった。「小学生用のノートに右手と左手で素敵な文を書いていく、というコンセプトの作品です」
コレクター:ガブリエル・ナレ(43歳)
職業:公証人
住んでいるところ:グルノーブル
コレクション:コンテンポラリーアート作品200点(ドローイング、写真、絵画、彫刻など)
きっかけは?:子供の頃から両親につれられて美術館に通ううちに、コンテンポラリーアートに目覚めたというガブリエルさん。「両親が定期購読していた『ラ・ガゼット・ドルオー(La Gazette Drouot )』というオークション情報誌を見て、ミニマリストの作品に高い価格がつけられているのを不思議だな、と思いました。理由が知りたくて、コンテンポラリーアートに関する本を読み始めました」
コレクターになるきっかけになったのは、パリのポンピドー・センターで目にしたバーネット・ニューマンの『シャイニング・フォース(ジョージへ)Shining Forth (To George) 』という作品。突然他界した弟を忍んで描いた絵だ。「驚くべき啓示の瞬間でした。こんなミニマルな絵で、感情を伝えることができるとは、思っても見なかったのです」とガブリエルさん。
最初に作品を購入したのは25歳のとき。イザベル・レヴェネズの『罰(Punitions)』というシリーズの作品だった。「小学生用のノートに右手と左手で素敵な文を書いていく、というコンセプトの作品です」
掘り出し物はどこで?:「よく知っているお気に入りのギャラリーが10軒ほどあるので、そこで作品を見つけています。他には、パリの国際コンテンポラリーアートフェア(FIAC)、ヴェネチア・ビエンナーレ、鳥ののアルティッシマ、マルセイユのアール・オ・ラマにも足を運びます」
お気に入りは?:「次に買うもの、でしょうか。チェコのアーティスト、イエリ・コヴァンダの『XXX』という写真を持っていて、これは自分の今の哲学に響く作品ですね。鉄のカーテンの向こう側で暮らし、さまざまな方法で詩的な表現を模索してきたアーティストです」
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お気に入りは?:「次に買うもの、でしょうか。チェコのアーティスト、イエリ・コヴァンダの『XXX』という写真を持っていて、これは自分の今の哲学に響く作品ですね。鉄のカーテンの向こう側で暮らし、さまざまな方法で詩的な表現を模索してきたアーティストです」
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8. スペイン、大きなドールハウスの収集家
コレクター:ベレン・ゴンザレス・ディアス(61歳)
職業:彫刻家
住んでいるところ:スペイン、バリャドリッド
コレクション:ドースハウス100点、さまざまな時代、スタイルの人形とおもちゃ
きっかけは?:最初のドールハウスを買ったのは1995年のこと。「子供のころはおばとドールハウスでよく遊んだものでした。そのころから、いつか自分のドールハウスがほしいと思っていたんですね。子供時代に妹のためにドールハウスをつくったことがありました。家具や中に暮らす人も、木を彫ってつくったんです」
コレクター:ベレン・ゴンザレス・ディアス(61歳)
職業:彫刻家
住んでいるところ:スペイン、バリャドリッド
コレクション:ドースハウス100点、さまざまな時代、スタイルの人形とおもちゃ
きっかけは?:最初のドールハウスを買ったのは1995年のこと。「子供のころはおばとドールハウスでよく遊んだものでした。そのころから、いつか自分のドールハウスがほしいと思っていたんですね。子供時代に妹のためにドールハウスをつくったことがありました。家具や中に暮らす人も、木を彫ってつくったんです」
お気に入りは?:「コンテンポラリーな家が好きです。こちらは、カレイドスコープハウス。ドールハウスコレクターの間でも人気の高いものです。いちばん最近手に入れたのは、サーチ社製の〈シビの家〉。とても気に入っています」
収納の工夫:「ドールハウスはすべて、家かアトリエに置いています。収納の工夫はとくにありません。開架においているものもあれば、床に置いているものも。アトリエにも数個置いていますが、ほとんどは大きな箱に入れたままです」
掘り出し物はどこで?:「ほとんどは、手元にあるけれど、手入れもせず、でも捨てられなくて、というドールハウスを無料でもらったもの。外国旅行をしたときにアンティークショップで手に入れたり、インターネット経由で手に入れたものもあります。ほとんどは、私の趣味を耳にした人が贈ってくれたものです」
掘り出し物はどこで?:「ほとんどは、手元にあるけれど、手入れもせず、でも捨てられなくて、というドールハウスを無料でもらったもの。外国旅行をしたときにアンティークショップで手に入れたり、インターネット経由で手に入れたものもあります。ほとんどは、私の趣味を耳にした人が贈ってくれたものです」
9. ドイツ、東ドイツのデザインに魅入られて
コレクター:ギュンター・へーネ(72歳)
職業:ジャーナリスト、作家
住んでいるところ:ドイツ、ベルリン
コレクション:東ドイツでデザインされたアイテム1万点以上(すでに相当数のコレクションアイテムをミュンヘンのノイエ・ザムルンクなどドイツ国内の博物館に寄贈した)
きっかけは?:「子供のころからコレクターでした。最初は、金の縁取りがついた陶器のかけらを集めていましたね」とギュンターさん。「ベルリンの壁が崩壊したあと、東ドイツデザインのアイテムを何点か確保しました。でも、系統的に集め始めるきっかけとなったのは2つの出来事があったから。1つは、2000年にケルンで開催された東ドイツデザイン展に関わったときのこと。展示用にコレクションを貸し出してくれることになっていたコレクターが、土壇場になって出品をキャンセルしたので、作品を自分で探して買い求めるしか手がなかったんです。展覧会の企画担当者と協力しながら、この手のアイテムについてたくさんのことを学び、デザインの背後にあるストーリーに惹かれていったのです。そして、もっと知りたい、と思うようになりました」
「東ドイツのデザインについて本を書いたりアイテムを集めたりしているもう1つの理由は、抵抗です。東ドイツのデザインを誰も評価しないことに対する抵抗なんです。無視されていて、まるで東ドイツにはデザイン文化なんてなかったかのように話す人たちもいます。それは違うということを世の中に知らせたくて」
コレクター:ギュンター・へーネ(72歳)
職業:ジャーナリスト、作家
住んでいるところ:ドイツ、ベルリン
コレクション:東ドイツでデザインされたアイテム1万点以上(すでに相当数のコレクションアイテムをミュンヘンのノイエ・ザムルンクなどドイツ国内の博物館に寄贈した)
きっかけは?:「子供のころからコレクターでした。最初は、金の縁取りがついた陶器のかけらを集めていましたね」とギュンターさん。「ベルリンの壁が崩壊したあと、東ドイツデザインのアイテムを何点か確保しました。でも、系統的に集め始めるきっかけとなったのは2つの出来事があったから。1つは、2000年にケルンで開催された東ドイツデザイン展に関わったときのこと。展示用にコレクションを貸し出してくれることになっていたコレクターが、土壇場になって出品をキャンセルしたので、作品を自分で探して買い求めるしか手がなかったんです。展覧会の企画担当者と協力しながら、この手のアイテムについてたくさんのことを学び、デザインの背後にあるストーリーに惹かれていったのです。そして、もっと知りたい、と思うようになりました」
「東ドイツのデザインについて本を書いたりアイテムを集めたりしているもう1つの理由は、抵抗です。東ドイツのデザインを誰も評価しないことに対する抵抗なんです。無視されていて、まるで東ドイツにはデザイン文化なんてなかったかのように話す人たちもいます。それは違うということを世の中に知らせたくて」
収納の工夫:「大きな屋根裏部屋があるのですが、そちらはもう満杯。でも、妻と私にとって大事なのは、東ドイツデザインとともに暮らし、実際に使うことなんです」とギュンターさん。「ダイニングの椅子とランプはオリジナルの東ドイツデザインだし、水を入れるグラスもそうです。すごく堅牢だし、特許を取得した壊れない素材でできているんですよ!}
「ダイニングとホームオフィスには、クラシックなガラスの展示ケースを置いて、特別なアイテムをデザイナーや素材別に並べています。他に、コレクション関連の資料も大量にあります。アイテムについては、すべて写真を撮影し、カタログにまとめています」。カタログや資料は、ギュンターさんのウェブサイトで閲覧することができる。
「ダイニングとホームオフィスには、クラシックなガラスの展示ケースを置いて、特別なアイテムをデザイナーや素材別に並べています。他に、コレクション関連の資料も大量にあります。アイテムについては、すべて写真を撮影し、カタログにまとめています」。カタログや資料は、ギュンターさんのウェブサイトで閲覧することができる。
掘り出し物はどこで?:「どこでも見て回りますよ。蚤の市で見つけたものもありますし、廃墟になった建物で手に入れたものも。旧東ドイツ放送ビルでは、ドアのハンドルを手に入れました。コレクションしていることを知らせる小さな広告を出したり、いろんな人に東ドイツのデザイナーのことを話しているうちに、アイテムを譲ってくれる人もいました。やがて、気づいたんです。本気で取り組めば、すばらしいアイテムが向こうから自分を見つけてくれる、ということに」
お気に入りのアイテムは?:「すばらしい物語を秘めたアイテムがたくさんありますが、お気に入りの1つが、このポータブルミシン〈フレイア〉です。東ドイツの初期にエンジニアのエルネスト・フィッシャーが〈VEB MEWA〉のためにデザインしたもの。実用性にあふれた、すぐれたデザインですし、とてもおもしろい歴史があるのです。このケースはドゥロプラストというプラスティックの合成材料でできているのですが、プラスティックには自由ドイツ青年団のユニフォームの端切れが使われているんです。しかも、そのユニフォームは、フレイアで縫われたものだったんですね」
もう1つ、思い入れのあるアイテムは、マルガレーテ・ヤーニーが1959年から1960年にかけてデザインした缶(写真、上の棚の右側にある2点)。デザイナー本人からプレゼントされたものだ。
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もう1つ、思い入れのあるアイテムは、マルガレーテ・ヤーニーが1959年から1960年にかけてデザインした缶(写真、上の棚の右側にある2点)。デザイナー本人からプレゼントされたものだ。
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