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レイアウト別、ウォークインクローゼットの収納プランニング
ウォークインクローゼットのプランをする前に押さえておきたい、広さや寸法に適したレイアウトの種類。住空間収納プランナーの視点で語る、クローゼット計画のためのアドバイスです。
ブラッキン・ヘザー
2015年11月10日
Houzz contributor.
Home Life Style インテリア、収納空間デザイン。
「贅沢な時間を過ごせる、あなたらしい心地よい住まいづくり」をモットーに、一人ひとりの個性や「好き」を引き出しながらのインテリアのコーディネーション、
より快適な暮らしのためのライフスタイルに合わせた収納計画のご提案をいたします。
著書「ふつうの住まいでかなえる外国スタイルの部屋づくり(文藝春秋)
Interior decoration and storage space planning in Tokyo, Japan. English/Japanese bilingual, with interior design and decoration experience in Europe and Japan.
Houzz contributor.
Home Life Style インテリア、収納空間デザイン。
「贅沢な時間を過ごせる、あなたらしい心地よい住まいづくり」をモットーに、一人ひとりの個性や「好き」を引き出しながらのインテリアのコーディネーション、
より快適な暮らしのためのライフスタイルに合わせた収納計画のご提案をいたします。
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採用する方がここ最近、ますます増えてきたウォークインクローゼット。洋服をすべて1ヶ所にまとめて収納できる、広々としたクローゼットには誰でも憧れますよね。ウォークインクローゼットの意味はその名の通り、中へ歩いて入れることです。でもそれだけではありません。大事なポイントは2つ。収納スペースが十分確保できること、そしてそのうえに不自由なく中で動き回れることです。歩くだけではなく、高い位置のものを降ろしたり、低い位置にある引き出しも、しゃがみながらフルに引き出せるぐらいのスペースは必要。窮屈なウォークインクローゼットほど使いづらいものはありません。ウォークインクローゼットは毎日、場合によっては一日に数回出入りして使う場所です。毎日の洋服選びや着替えが快適にできるためのウォークインクローゼットを、住空間収納プランナーの視点からご紹介したいと思います。
ウォークインクローゼットに必要な寸法
ウォークインクローゼットは、空間の広さや形、どのように洋服を収納したいかによって、さまざまなレイアウトが可能です。これから4つの基本レイアウトをご紹介しますが、その前に、快適に使うための必要な寸法について少しお話しします。
まずはハンガーで洋服を掛けるためのスペースから。ハンガーそのものは約45cmほどですが、男性のジャケットやコートの肩幅を考慮すると、少し余裕をもたせて60cmほどの幅があるとよいでしょう。
ウォークインクローゼットは、空間の広さや形、どのように洋服を収納したいかによって、さまざまなレイアウトが可能です。これから4つの基本レイアウトをご紹介しますが、その前に、快適に使うための必要な寸法について少しお話しします。
まずはハンガーで洋服を掛けるためのスペースから。ハンガーそのものは約45cmほどですが、男性のジャケットやコートの肩幅を考慮すると、少し余裕をもたせて60cmほどの幅があるとよいでしょう。
次に考えたいのが引き出しの寸法。家具そのもののサイズはもちろんですが、引き出しをフルに開けたときの奥行きプラス、人がその前に立ったり、下の引き出しの場合は、しゃがめるぐらいの幅が必要です。しゃがむときには、もちろん体の大きさでも多少変わってきますが、50cmから55cmくらいあれば、楽に洋服の出し入れができます。たとえば引き出しの奥行きが40cmある場合、40cm+50cm、合計90cm確保ができていれば十分です。
幅がそれほどない衣装ケースや小さな引き出しであれば、横から開けることもできますが、両手を使って開けるワイドな引き出しはこれくらいの奥行きは必要となります。でき上がったウォークインクローゼットの中に入れる引き出しをお選びの際に、ぜひ参考にしていただきたい寸法です。
最後に大切なのがウォークインクローゼットに欠かせない「ウォークイン」するスペースですが、60cmあれば快適に中で動き回ることができます。
幅がそれほどない衣装ケースや小さな引き出しであれば、横から開けることもできますが、両手を使って開けるワイドな引き出しはこれくらいの奥行きは必要となります。でき上がったウォークインクローゼットの中に入れる引き出しをお選びの際に、ぜひ参考にしていただきたい寸法です。
最後に大切なのがウォークインクローゼットに欠かせない「ウォークイン」するスペースですが、60cmあれば快適に中で動き回ることができます。
クローゼットの計画は、リセットのチャンス
住空間収納プランナーとしてクローゼット計画をする際に、最も気になるのはもちろん、洋服の量とお客様が今後、どのようにその洋服を収納されたいかです。ライフスタイルによって、みなさんそれぞれ答えが違います。全部ハンガーに掛けるのを希望する方もいらっしゃれば、掛ける服は少なく、ほとんどが引き出しや衣装ケースにたたんで収納するという方も。それによってクローゼットの中身も大きく変わってきます。
現在お持ちの洋服の量を参考に、合計でどれくらいの長さのハンガーパイプが必要か、事前に計算しておくことが重要です。
掛ける服が現在、合計4m分あるのに、新しいウォークインクローゼットのパイプが3mしかなかったら、当然収拾がつかないことになってしまいますよね。
でももうひとつ大切なことは、これを機に洋服の整理をすることです。新しいクローゼットはできるだけすっきり、再スタートするチャンスでもあることもお忘れなく。
では次に、ウォークインクローゼットの4つの基本的レイアウトをご紹介しましょう。
住空間収納プランナーとしてクローゼット計画をする際に、最も気になるのはもちろん、洋服の量とお客様が今後、どのようにその洋服を収納されたいかです。ライフスタイルによって、みなさんそれぞれ答えが違います。全部ハンガーに掛けるのを希望する方もいらっしゃれば、掛ける服は少なく、ほとんどが引き出しや衣装ケースにたたんで収納するという方も。それによってクローゼットの中身も大きく変わってきます。
現在お持ちの洋服の量を参考に、合計でどれくらいの長さのハンガーパイプが必要か、事前に計算しておくことが重要です。
掛ける服が現在、合計4m分あるのに、新しいウォークインクローゼットのパイプが3mしかなかったら、当然収拾がつかないことになってしまいますよね。
でももうひとつ大切なことは、これを機に洋服の整理をすることです。新しいクローゼットはできるだけすっきり、再スタートするチャンスでもあることもお忘れなく。
では次に、ウォークインクローゼットの4つの基本的レイアウトをご紹介しましょう。
ウォークインクローゼットの基本レイアウト
1. 一面だけ使うI型レイアウト
コンパクトなスペースや細長いスペースに向いているのがI型。全てのものが一面にまとまっているため、ハンガーパイプや引き出し、または衣装ケースで使い勝手のよいアレンジを考えてみましょう。
1. 一面だけ使うI型レイアウト
コンパクトなスペースや細長いスペースに向いているのがI型。全てのものが一面にまとまっているため、ハンガーパイプや引き出し、または衣装ケースで使い勝手のよいアレンジを考えてみましょう。
横に広がるタイプのI型クローゼット。開口が広いため、通路スペースがあまり確保できなくても心配ありません。こちらのウォークインクローゼットでは、開口部の前にいちばん奥行きのある引き出しチェストを置いています。スライド式のドアを全部開ければ寝室の一部となり、広々と使えそうなクローゼットですね。
2. 左右に分かれたII型レイアウト
通路をはさんで左右に収納を設けたのがII型。目的別に両サイドを分けると使いやすくなります。たとえばこちらでは掛ける服をすべて左側にまとめ、右側は引き出しや棚を設け、たたんだ服やバッグ、アクセサリーや小物が収納できるようになっています。
ビジネスとカジュアルで左右に分けたり、春夏、秋冬と使い分けたりする方も。2人で使うときにはそれぞれが1サイドずつ、というのもよくある使い方です。
通路をはさんで左右に収納を設けたのがII型。目的別に両サイドを分けると使いやすくなります。たとえばこちらでは掛ける服をすべて左側にまとめ、右側は引き出しや棚を設け、たたんだ服やバッグ、アクセサリーや小物が収納できるようになっています。
ビジネスとカジュアルで左右に分けたり、春夏、秋冬と使い分けたりする方も。2人で使うときにはそれぞれが1サイドずつ、というのもよくある使い方です。
こちらのクローゼットでは、丈の短い洋服が中心のため、ハンガーパイプをあえて低い位置に、そして上の棚も活用しやすい高さに設置しています。ハンガーの高さは低すぎず、洋服の下には衣装ケースを置くスペースも十分確保している、機能的なスペースです。
シャツやブラウス、スカート、ジャケットなど、丈の短い洋服が多ければ、ハンガーパイプを上下に2本設置すると、倍の量を掛けられます。掛ける服が多いときには、II型クローゼットの片側だけでもパイプ2本にすると便利です。
こちらのクローゼットのように、片側は固定したハンガーパイプに、そしてもう片方はフレキシブルに使えるようにするのもよさそうですね。必要に応じて可動式のハンガーラックを置いたり、引き出しや衣装ケース、スーツケースや、寝室で使うヒーターや扇風機なども置けそうな、広々したウォークインクローゼットです。
こちらのクローゼットのように、片側は固定したハンガーパイプに、そしてもう片方はフレキシブルに使えるようにするのもよさそうですね。必要に応じて可動式のハンガーラックを置いたり、引き出しや衣装ケース、スーツケースや、寝室で使うヒーターや扇風機なども置けそうな、広々したウォークインクローゼットです。
3. 三面を使うコの字型レイアウト
II字型の奥の壁も活用できるのがコの字タイプ。メリットはもちろん、収納力がアップすることです。ただ、角の部分が少し使いにくい分、有効に使うにはある程度の広さのあるスペースが必要です。広めのクローゼットではぜひ、三面を上手に活用してみましょう。
II字型の奥の壁も活用できるのがコの字タイプ。メリットはもちろん、収納力がアップすることです。ただ、角の部分が少し使いにくい分、有効に使うにはある程度の広さのあるスペースが必要です。広めのクローゼットではぜひ、三面を上手に活用してみましょう。
たたんだ服もたっぷり収納できる、棚を奥の壁の真ん中部分に設えたこちらのクローゼット。左右から丸みのあるL字に曲がっているハンガーパイプがあり、そこに掛かっている服も見えやすく、角の部分も無駄なく使われています。よく見ると、左側が奥様、右側がご主人のスペースのようで、真ん中の棚がちょうど仕切りになっていますね。
4. L字型レイアウト
小さな正方形のスペースや、片側に窓があったり、ドアの位置関係で両側を収納に使うのが難しい場合によく見られるのが、このようなL字型。正面と片側のみに収納があるレイアウトです。
左側と正面の収納スペースが、まるで壁の中に埋め込まれているように見え、角の部分をあえて交差させないつくりも、すっきりしてきれいですね。また、窓がある右側も無駄にせず、デスクスペースに利用。鏡を置いてメイクをしたり、アクセサリーをつける場所として、女性にはうれしいアイデアです。
小さな正方形のスペースや、片側に窓があったり、ドアの位置関係で両側を収納に使うのが難しい場合によく見られるのが、このようなL字型。正面と片側のみに収納があるレイアウトです。
左側と正面の収納スペースが、まるで壁の中に埋め込まれているように見え、角の部分をあえて交差させないつくりも、すっきりしてきれいですね。また、窓がある右側も無駄にせず、デスクスペースに利用。鏡を置いてメイクをしたり、アクセサリーをつける場所として、女性にはうれしいアイデアです。
コンパクトであればあるほど、収納は天井までフルに活用したいものですね。上の棚に入っているのはリビングや書斎に入りきらない本でしょうか、クローゼットにいい味わいを与えてくれています。奥の壁やクローゼットのユニットにダークな色を使っているところも印象的です。
こちらも正面の一部に上まで棚を設置していることで、たたんだニットやTシャツを積み重ねて収納ができるようになっています。日本では引き出しを使う場合が多いかもしれませんが、海外ではこのようにシェルフに置くのもポピュラーなスタイル。一目でわかりやすいのは確かですね。
こちらも正面の一部に上まで棚を設置していることで、たたんだニットやTシャツを積み重ねて収納ができるようになっています。日本では引き出しを使う場合が多いかもしれませんが、海外ではこのようにシェルフに置くのもポピュラーなスタイル。一目でわかりやすいのは確かですね。
夫婦別々のスペースがあるのなら.…..
それぞれが自分のスペースを持てる、左右に分かれた2つのクローゼット。内部もそれぞれのニーズに合わせて工夫がされています。ちょっとしたデスクも置くことができれば、小さな書斎や趣味のコーナー、奥様の化粧台などを。自分だけのプライベートスペースがつくれるのもうれしいですね。
それぞれが自分のスペースを持てる、左右に分かれた2つのクローゼット。内部もそれぞれのニーズに合わせて工夫がされています。ちょっとしたデスクも置くことができれば、小さな書斎や趣味のコーナー、奥様の化粧台などを。自分だけのプライベートスペースがつくれるのもうれしいですね。
クローゼットの設備はどのように?
さまざまなスタイルのウォークインクローゼットを見てきましたが、形と同時に考えたいのが内部をどのようにつくり込むかです。新築やリフォームの場合、洋服の量に応じて最初からハンガーパイプや天袋棚、必要な幅や枚数の棚板を設置することができます。基本的なアイテムがあれば、あとの細かい部分はニーズに応じて、衣装ケースや引き出し、そしてかごのような収納小物を使って、ご自分でアレンジできます。
さまざまなスタイルのウォークインクローゼットを見てきましたが、形と同時に考えたいのが内部をどのようにつくり込むかです。新築やリフォームの場合、洋服の量に応じて最初からハンガーパイプや天袋棚、必要な幅や枚数の棚板を設置することができます。基本的なアイテムがあれば、あとの細かい部分はニーズに応じて、衣装ケースや引き出し、そしてかごのような収納小物を使って、ご自分でアレンジできます。
空いている部屋をウォークインクローゼットに改造したい!と思われる方は、システム収納を使うと効率よく収納ができるでしょう。
こちらはフレームタイプのシステム収納。フレームをベースに、棚板やポール、引き出しなどを組み合わせるタイプです。この他にも、フレームの代わりに、板を使って組み立てるパネルタイプもあります。
クローゼットリフォームを相談できるインテリアデザイナー・コーディネーターを見つける
こちらはフレームタイプのシステム収納。フレームをベースに、棚板やポール、引き出しなどを組み合わせるタイプです。この他にも、フレームの代わりに、板を使って組み立てるパネルタイプもあります。
クローゼットリフォームを相談できるインテリアデザイナー・コーディネーターを見つける
一見、高級ブティックと見違えるようなウォークインクローゼット。フルオーダーやセミオーダーの魅力は、ライフスタイルや持ち物に合わせて、完成度の高い収納スペースが実現できることです。
帽子を掛けるフックや、アクセサリーケースも魅力的ですね。見た目も美しく、このような空間で毎朝着替えをしてみたいものです。
帽子を掛けるフックや、アクセサリーケースも魅力的ですね。見た目も美しく、このような空間で毎朝着替えをしてみたいものです。
ただ効率よくしまえるだけではなく、美しく収納ができれば、さらに使うのが楽しくなるはずです。ウォークインクローゼットの計画の際にはぜひ、この記事以外にも、Houzzで見られるたくさんのウォークインクローゼットの写真を参考にされてみてはいかがでしょう。
冒頭でもお話しした通り、ウォークインクローゼットの大きなメリットは洋服や小物を1ヶ所にまとめてしまえることです。お部屋がすっきりしたところで、ベッドルームのインテリアもさらに楽しめるのではないでしょうか。
こちらの記事もおすすめ:
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