コメント
マリメッコ展:北欧発、世界的人気テキスタイルブランドの歴史
カラフルで美しいテキスタイルが日本でも人気のファブリックの名門ブランド〈マリメッコ 〉。その創業から今にいたるまでの歴史とクリエイティビティの秘密を知ることのできる展覧会が開催されています。
Junko Kawakami
2016年2月12日
Freelance since 1999.
鮮やかで大胆なデザインで世界的な人気を集める〈マリメッコ〉のテキスタイル。20世紀半ばにフィンランドで創業した〈マリメッコ〉の世界を知ることのできる、日本初の大規模な展覧会が高知県立美術館で開催中だ。
〈マリメッコ〉といえば、独特の鮮やかで美しい柄が思い浮かぶ。フィンランドの伝統的なモチーフや自然からインスピレーションを得たものを、アブストラクトに表現したデザインだ。美しいテキスタイルは、シンプルなカッティングの洋服となって高い人気を呼び、その後、家庭用品やインテリア にまで展開され、今日では日本はもちろん、世界中で幅広い人気を誇っている。
今回は、ヘルシンキのデザイン・ミュージアムの所蔵作品から、ファブリック約 50 点、貴重なヴィンテージドレス約 60 点、デザイナー自筆のスケッチ、各時代の資料 などを展示。 60 年にわたる歴史をたどる展覧会は、〈マリメッコ〉や北欧デザインのファン必見の展覧会だ。
〈マリメッコ〉といえば、独特の鮮やかで美しい柄が思い浮かぶ。フィンランドの伝統的なモチーフや自然からインスピレーションを得たものを、アブストラクトに表現したデザインだ。美しいテキスタイルは、シンプルなカッティングの洋服となって高い人気を呼び、その後、家庭用品やインテリア にまで展開され、今日では日本はもちろん、世界中で幅広い人気を誇っている。
今回は、ヘルシンキのデザイン・ミュージアムの所蔵作品から、ファブリック約 50 点、貴重なヴィンテージドレス約 60 点、デザイナー自筆のスケッチ、各時代の資料 などを展示。 60 年にわたる歴史をたどる展覧会は、〈マリメッコ〉や北欧デザインのファン必見の展覧会だ。
会場は「イントロダクション」「マリメッコの歩み」「デザインの芸術」という3部構成。
第1部「イントロダクション」では、 1950 年代以降の各年代を象徴する柄のファブリックを展示。
ファブリック 《ウニッコ》(ケシの花)、図案デザイン:マイヤ・イソラ、1964年
Unikko pattern designed for Marimekko by Maija Isola in 1964
第1部「イントロダクション」では、 1950 年代以降の各年代を象徴する柄のファブリックを展示。
ファブリック 《ウニッコ》(ケシの花)、図案デザイン:マイヤ・イソラ、1964年
Unikko pattern designed for Marimekko by Maija Isola in 1964
〈マリメッコ〉は1951 年にフィンランドの首都ヘルシンキで、アルミ・ラティアが創業。テキスタイルデザインを学んだのち、広告代理店で経験を積んだエネルギッシュな人物だったラティアの元へは、やがて才能あるデザイナーたちが次々と集結、優れたデザインと巧みな PR 戦略により、60 年代には世界的なブランドへと成長していった。
ファブリック《カイヴォ》(泉)、図案デザイン:マイヤ・イソラ、1964年
Kaivo pattern designed for Marimekko by Maija Isola in 1964
ファブリック《カイヴォ》(泉)、図案デザイン:マイヤ・イソラ、1964年
Kaivo pattern designed for Marimekko by Maija Isola in 1964
第2部「マリメッコの歩み」では、60 年以上にわたる歴史を丁寧にたどっていく。ジャクリーン・ケネディに愛された 1960 年代、様々な製品開発により市場を拡大した70 年代から、世界的なブランドへと成長した現在にいたる道のりを、創業当時からの貴重なドレス、ファブリック、アクセサリーや食器などに加え、時代を創った著名デザイナーのインタビュー映像とともに展示。
ファブリック《シィールトラプータルハ》(市民菜園)、図案デザイン:マイヤ・ロウエカリ、2009年
Siirtolapuutarha pattern designed for Marimekko by Maija Louekari in 2009
ファブリック《シィールトラプータルハ》(市民菜園)、図案デザイン:マイヤ・ロウエカリ、2009年
Siirtolapuutarha pattern designed for Marimekko by Maija Louekari in 2009
〈マリメッコ〉の歴史上重要な役割を果たした日本人デザイナーや、ジャクリーン・ケネディが実際に所有していたドレスも展示されている。
ジャクリーン・ケネディが購入したドレス《ヘイルヘルマ》、1959年
ファブリック《ナスティ》(小さな無頭釘)、1957年、服飾・図案デザイン:ヴオッコ・ヌルメスニエミ
Design Museum / Harry Kivilinna
ジャクリーン・ケネディが購入したドレス《ヘイルヘルマ》、1959年
ファブリック《ナスティ》(小さな無頭釘)、1957年、服飾・図案デザイン:ヴオッコ・ヌルメスニエミ
Design Museum / Harry Kivilinna
第3部「デザインの芸術」では、〈マリメッコ〉のデザインが生み出されるプロセスを紹介。デザイナーが描いたデザインがファブリックとして製品化されるまでを、ヘルシンキのマリメッコ本社にあるプリント工場の貴重な映像を交えて展示。デザイナーたちによる自筆のスケッチと、実際に製品化された同じ柄が並べて展示されており、インスピレーションがアートに昇華されていく過程を見ることができる。
図案《ヨケリ》(ジョーカー)のための水彩画、紙にグワッシュ、アンニカ・リマラ、1967年
Design Museum / Harry Kivilinna
図案《ヨケリ》(ジョーカー)のための水彩画、紙にグワッシュ、アンニカ・リマラ、1967年
Design Museum / Harry Kivilinna
高知県立美術館の展覧会会場風景。色とりどりのドレスやインテリア・ファブリックが展示されている。
展覧会情報
【会期】2016年1月23日(土)~3月27日(日) 会期中無休
【開催時間】9:00~17:00 (入館は 16:30 まで)
【会場】高知県立美術館 2 階・第 2,3 展示室
【観覧料】一般1,100 円、大学生当日 800 円、高校生以下無料
●展覧会の詳しい情報は展覧会ホームページをご覧ください。
●「マリメッコ展」は高知の後、
2016年4月23日(土)~7月11日(月) 島根県立岩見美術館
2016年10月8日(土)~11月27日(日) 西宮市大谷記念美術館
2016年12月17日(土)~2017年2月12日(日) Bunkamuraザ・ミュージアム(東京)
に巡回。
こちらの記事もおすすめ
名作デザイン:時代を超えて愛される〈マリメッコ〉のテキスタイル
展覧会情報
【会期】2016年1月23日(土)~3月27日(日) 会期中無休
【開催時間】9:00~17:00 (入館は 16:30 まで)
【会場】高知県立美術館 2 階・第 2,3 展示室
【観覧料】一般1,100 円、大学生当日 800 円、高校生以下無料
●展覧会の詳しい情報は展覧会ホームページをご覧ください。
●「マリメッコ展」は高知の後、
2016年4月23日(土)~7月11日(月) 島根県立岩見美術館
2016年10月8日(土)~11月27日(日) 西宮市大谷記念美術館
2016年12月17日(土)~2017年2月12日(日) Bunkamuraザ・ミュージアム(東京)
に巡回。
こちらの記事もおすすめ
名作デザイン:時代を超えて愛される〈マリメッコ〉のテキスタイル
おすすめの記事
名作デザイン
現代に生きる、ウィリアム・モリスのテキスタイルデザイン
アーツ&クラフツ運動に影響を与えた近代デザインの父、ウィリアム・モリス。多彩なデザイン活動の中で最もよく知られるのはそのテキスタイル。美しい植物文様が現代のインテリアにも盛んに取り入れられています。
続きを読む
名作デザイン
ウィリアム・モリスのものづくり精神とテキスタイルデザイン
イギリスの文化芸術、特に室内装飾の分野で大きな功績を残したモリスのものづくりについて、テキスタイルデザインを中心にご紹介します。
続きを読む
インテリア
理想のお部屋にぴったりの、白い壁紙の選び方
文/あみむらまゆみ
白い壁紙(クロス)といっても素材や種類はさまざま。Color Design Firmを主宰するインテリアデザイナーの網村眞弓さんに、最適な壁紙の選び方のコツを伺いました。
続きを読む
家具
一時製造中止していた北欧ミッドセンチュリーのスツールを復刻するまで
オーストラリアの伝統ある家具ブランドが、半世紀以上前に一世を風靡したバースツールを再製造。その過程をご覧にいれます。
続きを読む
インテリア
最新トレンド総括:循環型アップサイクルで、エコ・コンシャスに暮らしを楽しむ方法
文/あみむらまゆみ
国内外のトレンドに詳しいインテリアデザイナーの網村眞弓さんが、今秋発表された最新デザインの傾向を、まとめてご紹介します。
続きを読む
素材
【ハイムテキスタイル2022】美しい色づかいとパターン、そしてサステナビリティ
今年のハイムテキスタイルでは、伝統と革新を組み合わせることで、サステナビリティと美しさを両立させた内装用ファブリックが目立ちました。
続きを読む
トレンド
ドーシ・レヴィエンのハイブリッドなデザイン哲学とは?
デザイン・デュオ「ドーシ・レヴィエン」として活動するニパ・ドーシとジョナサン・レヴィエン。グローカルをキーワードに、多くの北欧ブラントともコラボレーションを続けるふたりにインタビューしました。
続きを読む
インテリア
これだけは手を抜きたくない!インテリア3つのポイント
もうすぐ新生活の季節。新たなインテリア計画を考えている人もいるかと思います。では、インテリアで手を抜きたくない3つのポイントとは?
続きを読む