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「ヒュッゲ」の考え方に学ぶ、家で過ごす日の時間割
日々の暮らしの中の些細なことにこそ「ヒュッゲ」は見つかります。楽しく前向きに毎日を過ごすために、ほっとくつろげる瞬間を意識してつくりましょう。
ブラッキン・ヘザー
2018年1月17日
Houzz contributor.
Home Life Style インテリア、収納空間デザイン。
「贅沢な時間を過ごせる、あなたらしい心地よい住まいづくり」をモットーに、一人ひとりの個性や「好き」を引き出しながらのインテリアのコーディネーション、
より快適な暮らしのためのライフスタイルに合わせた収納計画のご提案をいたします。
著書「ふつうの住まいでかなえる外国スタイルの部屋づくり(文藝春秋)
Interior decoration and storage space planning in Tokyo, Japan. English/Japanese bilingual, with interior design and decoration experience in Europe and Japan.
Houzz contributor.
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近年、世界的に話題にもなっているデンマークの心地よい暮らし方の精神「ヒュッゲ」を取り入れたライフスタイル。改めて見習いたいことがたくさんあると感じ、最近自分にとって何が「ヒュッゲ」なのかよく考えています。日々の暮らしに充実感を与えてくれるのは、ほんの些細なことである場合も多いものです。のんびり過ごすこと、家族や大切な友人とのコミュニケーションを楽しむこと、好きなことをする時間をもつこと。つまり、ちょっとひと手間をかけたていねいな暮らし方が、ヒュッゲの真髄なのかもしれません。今回は、私がシンプルなことで得られる喜びといえるものを、日々の暮らしで撮った写真とともに、一日の時間割風に綴ってみたいと思います。
6:30 A.M.
ベッドで楽しむ一杯の紅茶やコーヒー
普段の忙しい日にはなかなかできなくても、休みの日の朝、ベッドでのんびり過ごすのは素敵な楽しみです。ベッドに起き上がってコーヒーや紅茶を飲んだり、本の続きを少し読んだり、夫婦や家族と会話をしたり、一日のスタートをリラックスした雰囲気で始めるのもよいものです。
私の両親も昔は週末の朝はのんびり派でした。父がまだ眠る母に紅茶を運んできて、子供だった私と妹たちは起きると両親のベッドに潜り込んで、みんなでおしゃべりをした幸せな思い出、まさにヒュッゲな思い出があります。今度の休みの朝、誰かのためにぜひ、紅茶やコーヒーをベッドまで運んであげてみてください。
ベッドで楽しむ一杯の紅茶やコーヒー
普段の忙しい日にはなかなかできなくても、休みの日の朝、ベッドでのんびり過ごすのは素敵な楽しみです。ベッドに起き上がってコーヒーや紅茶を飲んだり、本の続きを少し読んだり、夫婦や家族と会話をしたり、一日のスタートをリラックスした雰囲気で始めるのもよいものです。
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7:00 A.M.
朝の光をたっぷり浴びる
一日の始まりには太陽の光をしっかりと浴びましょう。朝の日差しを浴びることで体内時計がリセットされ、一日を元気に過ごすために必要なホルモンや、夜ぐっすり眠れるためのホルモンが分泌されます。
朝起きたら、まず窓辺に行き、カーテンを開けてたっぷりの自然光を取り入れます。部屋がさっと明るくなり、今日も一日がんばろう、という気持ちになれます。
朝の光をたっぷり浴びる
一日の始まりには太陽の光をしっかりと浴びましょう。朝の日差しを浴びることで体内時計がリセットされ、一日を元気に過ごすために必要なホルモンや、夜ぐっすり眠れるためのホルモンが分泌されます。
朝起きたら、まず窓辺に行き、カーテンを開けてたっぷりの自然光を取り入れます。部屋がさっと明るくなり、今日も一日がんばろう、という気持ちになれます。
8:00 A.M.
ゆっくりと贅沢な朝食を楽しむ
普段は果物とヨーグルト、気が向けばパンをかじる程度の簡単な朝食ですが、時間がある日にはちょっと豪華にブランチ感覚のイングリッシュブレックファストにします。子供の頃から大好きだったベークドビーンズに、目玉焼きとソーセージ。パンはイングリッシュマフィンや薄切りのカリカリトースト。ベーコンやマッシュルームやトマトがあれば完璧ですが、その日の気分で急に食べたくなることが多いので、家にある食材でも十分満足な朝食になります。
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細長くカットしたトーストとエッグカップに入った半熟卵の朝ごはんを、イギリスでは「eggs and soldiers(卵と兵隊さん)」と呼びます。居並ぶスティック状のパンが兵隊に見えるのが名前の由来。私が子供の頃から大好きな一品で、トーストを卵の黄身につけながら食べ、最後に残った白身はスプーンですくって食べます。卵をゆでるだけとシンプルですが、ちょっとしたストーリーが食卓を楽しく、おいしくしてくれる気がします。
9:00 A.M.
季節感を大切に、部屋を整える
冬はほっこり、温かみのある空間に、夏はさわやかで涼しげな空間に。季節ごとの小さな模様替えを続ける秘訣は、お金や時間をあまりかけないこと。ファーのクッションをソファに、キャンドルや松ぼっくりをテーブルの上に置いただけですが、冬らしさが出て自分としてはこれで満足です。これくらいなら、季節が変わったな、と感じたときにちょっと何かを差し替えるだけで十分。ベースカラーが白とナチュラルな木の組み合わせだと、どんなものも合わせやすいです。
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10:00 A.M.
シンプルなアレンジの花を活ける
シンプルな花を、花瓶やジャグに合わせてカットして投げ入れるだけですが、部屋がいきいきして見える花は欠かせません。花は活けるときも楽しいものです。
日本に帰ってきたばかりの頃、スーパーで売っている花束を手に取ったら、夫に「それは仏花といって、仏壇やお墓に飾る花だよ」と指摘されたことがありました。育った文化の違いかもしれませんが、私から見れば普通の白い花だったのです。そのままの組み合わせで飾るのではなく、バラバラにすれば可愛らしいアレンジができると思って、実は今でも買っています。特に白い菊は、ニュートラルカラーのリビングルームにぴったり。花だけが目立つ感じにならないので、さりげないアレンジにはぴったりです。
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白以外にも、素敵な色の花を見かければもちろん買います。たまにはいつもと違うカラフルな花を飾るのも新鮮です。ごくシンプルなものは、家の中にヒュッゲな心地よさを与えてくれます。高価な花や凝ったアレンジでなくても、さっと手頃な花器に生けた花には、心のこもったさりげない温かみがあると思います。
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10:30 A.M.
写真のいろいろな飾り方を試す
写真を飾るとき、いったんフレームに入れてしまうとなかなか取り替えないものです。家族のポートレートなど、ずっと飾っておきたい写真はそれでいいですが、気軽に取り替えたい写真はもっと簡単な方法で。
たとえば、写真を木製クリップで麻ひもに挟み、デスクの横にある本棚に飾る方法。あるいは、ガラス花瓶を写真のフレーム代わりに使うこともあります。まず小石を入れて、その上に写真の束を置きます。毎日、あるいは気が向いたときに、カレンダーのようにめくります。活発に動き回りたい午前中のひととき、気分転換に写真を変えてみると、季節感と新しい思い出を楽しめます。
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11:00 A.M.
本の整理をする
たまには整理しないと増えてしまう本。整理すれば減り、本棚もすっきりしますが、もうひとつの楽しみは、また読みたいと思う本がどんどん出てくることです。残したい本は本棚に並べておきますが、次々と新しい本を読むのに忙しく、なかなか読み返すチャンスがありません。本棚の整理は、そんな本を再発見するきっかけになります。
よい本は何度読んでも面白いもの。もう10回以上読み返した本もありますが、そんな本は自分にとってすっかりなじみとなり、ホッとさせてくれる存在に。そんな気持ちもヒュッゲといえるのではないでしょうか。
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12:00 P.M.
一人だけのランチはシンプルに
家にいる日は仕事や家事がどんなに忙しくても、ランチタイムを1時間しっかりとってリフレッシュするように心がけています。日中で最も大切な時間かもしれません。
ベルギーで暮らしていた頃、バゲットのサンドウィッチは私の定番ランチでした。ハムとチーズにレタスとトマト、またはスーパーで買ったローストビーフに胡椒をたっぷり振りかけてパンに挟む、シンプルで簡単ながら幸せを感じさせるおいしいランチです。
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手抜きランチを倍のおいしさに
でも、今日はどうしてもお昼を作る気になれない、または時間がないという日は誰にでもあるはず。買い物のついでにスーパーでおむすびやお惣菜を買う日もありますよね。
ちょっと見栄えよくアレンジできそうなお惣菜を買って、家で器にのせれば、カフェランチ風に。ミニおむすびをプレートに並べたり、数種類のお惣菜を素敵にワンプレートに盛り付けるだけで楽しくなり、味もぐんとおいしく感じます。忙しくても満足できるランチタイムになるのでは。
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1:30 P.M.
家にある材料でお菓子を作る
毎朝バナナを食べる習慣があるのですが、実は少し黒くなってしまったバナナが苦手です。捨てるのももったいないので、残ってしまったときは、バナナブレッドを作ります。小麦粉や卵、砂糖、ベーキングパウダーは常に家にある材料なので買い出しも不要。くるみがあれば入れますし、なければそのままでも十分です。
焼き菓子に使うベーシックな材料をストックしておいて、気が向いたときにさっと作れるレパートリーがいくつかあるといいですね。写真はある日の午後、仕事の合間に作ったシンプルなバナナブレッド。ちょっとした気分転換になりますし、家じゅうに広がる焼き菓子の香りは、ヒュッゲを感じさせてくれる幸せなものです。
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3:00 P.M.
おやつタイムにパウダーシュガー・マジック
家にある市販のクッキーやケーキをお皿に並べて、粉砂糖をさっとまぶしてみてください。このちょっとしたひと手間で、かなり印象が変わります。突然の来客や、午後の一人だけのティータイムに、少しだけ特別感を出したいときの私のトリックです。
個包装になっている頂き物のマドレーヌやパウンドケーキ、スーパーで買い置きしたクッキーでも、粉砂糖のマジックで一気におもてなし感が出ます。一人のときでも自分へのご褒美として、よく実践するひと工夫です。
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5:00 P.M.
一日一回、デジタルデトックスタイム
日々の生活でなかなか手放せないデジタル機器。少しでも暇になるとついスマホを手にとってメールをチェックしたり、SNSを見たり、ニュースを読んだりするのが日常になってしまいました。丸一日スマホを見ない、オフラインの日をたまにつくることも大切ですが、頻繁には難しいのが現状。それなら一日のうち最短30分ほどでいいので、デジタルデトックスの時間をつくってみるのはいかがでしょう。
30分間だけ、寝室など静かでデジタル機器のない部屋にこもって本を読んだり、手紙を書いたり、アナログ時代の時間の過ごし方を思い出してみませんか? 何かを楽しむ大切な時間にすることを意識するといいと思います。
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7:00 P.M.
ヘビーな食事は一日一食だけ
昔暮らしていたベルギーやヨーロッパの多くの国々では、温かい食事は一日に一回しか食べないのが習慣です。朝はパンとコーヒー、お昼に温かい肉料理や魚料理を食べた場合、夕食はパンにハムやチーズだけと、シンプルに済ませます。お昼がサンドイッチだけだった日は夜にしっかりした料理を。つまり、ヘビーな食事は一日に一回。このスタイルは胃袋にも優しく、料理の手間もかかりません。
ベルギーでごく普通とされるチーズとハムの食事は、日本ではちょっと贅沢なディナーになりますね。日本で暮らす今ではそんな食生活はなかなか続けられませんが、ときには仕事帰りにデパートの地下食料品売り場ででおいしいチーズとハム、バゲットを買って、ワインと一緒にゆっくりと贅沢な手抜きのディナータイムを過ごします。「ベルギーだったら庶民的なごはんなのにね」と、主人と笑いながら。
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9:00 P.M.
家族やペットとの大切な時間を満喫
夕食後は家族の時間です。子供の頃は家族でよく、ボードゲームやトランプをしたり、みんなで静かに本を読んで過ごしていました。テレビは週末の限られた番組のみ、観るのが許されていて、その代わりに両親が大好きなカントリー&ウェスタンやビートルズの音楽をBGMに、静かな夜を過ごしていました。
夫と愛犬との小さな家族となった今でもやはり、夕食のあとは静かに過ごす時間。日中はお互い仕事でばらばらなので、会話やコミュニケーションのための唯一の機会です。もちろん、愛犬ボニーにとっても、自分の「群れ」が揃う貴重な時間でもあります。
毎日は難しくても、家族と過ごす夜を週に何度か決めて、コミュニケーションを大切にしましょう。
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11:00 P.M.
キャンドルライトや間接照明でリラックス
ヒュッゲな暮らしに欠かせないのは、キャンドルライトや間接照明の優しい灯り。寝る前は特に、やわらかく優しい灯りで体と心の緊張をほぐし、リラックスしましょう。眠る少し前から部屋の灯りを徐々に下げると、質のよい眠りにつながるといわれています。テーブルランプやベッドサイド照明、LEDキャンドルのような小さな灯りもぜひ活用してみましょう。
朝は活発に、お昼はストレスにならない簡単ランチを、午後は自分の時間を大切に、そして夕方から夜にかけてはスローダウン。仕事や家事で忙しい日々を送っているからこそ、穏やかなオフタイムを意識してとることはとても大切です。休日ののんびりした過ごし方、普段の日のちょっとしたヒュッゲなオフタイムのつくり方のヒントになればうれしく思います。
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