パリのワンルーム。引き戸で空間を広々と使う斬新なリノベーション
空間が細かく区切られていた伝統的なパリのアパルトマンを大胆にリノベーション。広々とした空間に遊び心のあるデザインを施して、ユニークな住まいを実現しました。
Sylvain Reignault
2015年12月15日
パリにある1980年代築の建物のトップ2フロアを占めるアパルトマン。以前は3部屋からなる伝統的な間取りを、オープンな空間にリノベーションした。可動式の壁を取り入れて、ワンルームのようにしたり、くつろげるプライベートスペースに分割したりと、空間を自由自在に使いこなすことができる。
空間を再構成するにあたって建築家のグレン・メディオーニさんが作りあげたのは、忙しい都会生活の中でオーナーがほっとできる場所、そして訪れる人にオーナーの世界観を感じてもらえる空間だった。
空間を再構成するにあたって建築家のグレン・メディオーニさんが作りあげたのは、忙しい都会生活の中でオーナーがほっとできる場所、そして訪れる人にオーナーの世界観を感じてもらえる空間だった。
Photographs: Pascal Otlinghaus
どんなHouzz?
居住者:単身の男性(60歳)
所在地:フランス、パリ20区
規模:ベッドルームx1、バスルームx1
設計:グレン・メディオーニ 〈アジャンス・グレン・メディオーニ アーキテクチュール&デザイン〉
旅を愛し写真と音楽を楽しむオーナーは、昔ながらのスタイルのアパルトマンを自分らしさが表現できる居住空間に変えたいと考えた。
そこで、建築家のグレン・メディオーニさんはまず非耐力壁をすべて取り壊し、明るいワンルームの空間にした。次に、引き戸を設置し、閉めると小さな空間に区切ることができる設計に。開け放った引き戸は、やはり新たに設けた仕切り壁の中に収納。人が集まるリビングスペースとプライベートな寝室スペースの間は、飛行機の減圧室を思わせる黒いボックス状の空間で区切られている。
自宅で仕事をすることも多いオーナーのため、テラスを望める場所に広く快適なオフィススペースを用意。吊り天井、デスクワーク用の照明、カーペットを敷いたフロアでワークスペースらしい雰囲気に。
どんなHouzz?
居住者:単身の男性(60歳)
所在地:フランス、パリ20区
規模:ベッドルームx1、バスルームx1
設計:グレン・メディオーニ 〈アジャンス・グレン・メディオーニ アーキテクチュール&デザイン〉
旅を愛し写真と音楽を楽しむオーナーは、昔ながらのスタイルのアパルトマンを自分らしさが表現できる居住空間に変えたいと考えた。
そこで、建築家のグレン・メディオーニさんはまず非耐力壁をすべて取り壊し、明るいワンルームの空間にした。次に、引き戸を設置し、閉めると小さな空間に区切ることができる設計に。開け放った引き戸は、やはり新たに設けた仕切り壁の中に収納。人が集まるリビングスペースとプライベートな寝室スペースの間は、飛行機の減圧室を思わせる黒いボックス状の空間で区切られている。
自宅で仕事をすることも多いオーナーのため、テラスを望める場所に広く快適なオフィススペースを用意。吊り天井、デスクワーク用の照明、カーペットを敷いたフロアでワークスペースらしい雰囲気に。
映画や音楽を楽しむためのメディアルーム。防音を施した上で、壁には音響効果の高いカスタムメイドのMDFパネルを貼っている。パネルは白でペイントし、デジタルフォトを楽しめる黒いパネルも埋め込んだ。AV装置類はカップボードの中に収めてある。カップボードは中まで赤外線を通す構造のため、扉を閉めたままでもリモコン操作が可能だ。
夜は上品な照明がMDFパネルを美しく照らす。
メディアルーム横のリビングスペース。やわらかな印象のくつろげる空間だ。スライド式ドアを閉めれば独立した部屋に。
オフィススペースには、オーガニックな形状の穴が連なる本棚を造りつけた。「パーソナルでクリエイティブ、かつ家の中と外とをリンクさせるものを作りたいというコンセプトでした。もちろん、施主の蔵書やオブジェを飾る場所でもあります」とメディオーニさん。
素材はメディアルームの壁のパネルと同様、白のMDFを使用した。個性的なユニットは、メディオーニさんがデザインし、家具職人に製作を依頼した。
ハニカム構造に似た本棚は背景を黒になっているため、白いMDFとのコントラストが美しい。黒い背景は奥行きを感じさせる効果もある。
広さのあるキッチン&ダイニング。壁とキッチンユニットに配した、目を引く黒のラインが躍動感を生んでいる。カップボードとアイランドキッチンは人間工学を考慮したデザインで、換気扇のフードと照明はオーダーメードだ。オーナーの要望に応えるための工夫も怠らず、例えばIHヒーターのプレート部分にはくぼみをつけ、底の丸い中華鍋も使えるようにしている。
アイランドキッチンのワークトップは黒御影石を使用し、表面をバーナーで熱して仕上げた。4隅のうち1か所だけ、下に折れ曲がったようなデザインになっている。「石の質量感を軽く見せるためです。水平のラインに変化をつけることでフレキシブルに見えるんです」とメディオーニさんは言う。
形が異なる天井の各ブロックは、氷山をイメージしているそう。他のエリアと一線を画したユニークな特徴だ。
形が異なる天井の各ブロックは、氷山をイメージしているそう。他のエリアと一線を画したユニークな特徴だ。
ダイニングエリア。食事に使うテーブルは、ポリッシュコンクリートをトップに使った。壁にはマグネットのボードを取り付け、写真や植物などをディスプレイしている。
黒いボックス状の印象的な空間を抜けると、プライベートな奥のエリアに。飛行機のブラックボックスをイメージした、まるでインスタレーションのような空間が、リビングエリアとプライベートなエリアとをつないでいる。
ベッドルームとバスルームは、仕切りのないワンルームになっている。ダブルシンクの広い洗面台はベッドのヘッドボードの背面に接していて、ベッドを回りこむようにアクセスする。
「髭剃りは自然光の下でしたい、というのが施主の希望でした。ベッドルーム(写真右方向)を通ってバスルームへ届く自然光を浴びられるように、洗面台を設置しました」とメディオーニさんは説明する。洗面台はオイル仕上げで自然の風合いを生かしたオーク材のユニットの中にはめこんである。
「髭剃りは自然光の下でしたい、というのが施主の希望でした。ベッドルーム(写真右方向)を通ってバスルームへ届く自然光を浴びられるように、洗面台を設置しました」とメディオーニさんは説明する。洗面台はオイル仕上げで自然の風合いを生かしたオーク材のユニットの中にはめこんである。
シャワースペースにはインドネシア産の石を使用し、タオルラック、バルブの見えないシャワー、自動式のソープディスペンサーを備える。床は大判のスクエア型スレートタイル貼り。
バスタブの水栓は、見た目はごくシンプルだが、テクノロジーを取り入れたすぐれもの。好きな温度と湯量を記憶させて、ボタン1つで耐熱レジンのバスタブに湯を張ることができる。
バスルームはベッドルームより床全体を高くし、吊り天井を設けて区分けしている。床は15センチ高くしたため、バスルームに必要な配管の整備もできた。
カスタムメイドのワードローブは使い勝手のよい照明つき。
ベッドルームの床には清潔感があって心地よい畳を敷いた。
外には35平方メートルのテラスが広がる。床を一新し、ぶどうといちじく、オリーブの木を植えた。オーナーはヴァンセンヌの森からエッフェル塔までを望む景色を眺めるひとときを楽しんでいる。
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