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デザイナーが解説、インテリアトレンドを取り入れたミックススタイル
シックでコンテンポラリーなラグジュアリーテイストを得意とし、住宅や商業施設など多数の物件を手掛けてきた人気インテリアデザイナーが、今年注目のトレンドのエッセンスと住空間への取り入れ方を解説します。
NAOMI KIYOTA
2018年1月24日
仕事柄、建築・インテリア関係はもちろんのこと、ファッションや広告業界など、さまざまな分野にトレンドをキャッチするためのアンテナを日常的に張っています。興味があるものは、すぐに詳細を調べたり、サンプルを取り寄せたりします。話題のスポットや、新しいホテルや店舗、ショールームなどにも、できる限り足を運びます。
世の中にはさまざまな流行があると思いますが、インテリア界の流行はファッション業界などより、移り変わりがゆるやかですし、すぐに飽きがこない、古くさくならないものである必要があります。商業施設やオフィス、住宅など、ある程度長く使用する場所のデザインに取り入れる場合、目新しさにすぐに飛びつくのではなく、数年のスパンで流行の流れを読み取るようにしています。そのうえで、私の得意とするラグジュアリーな高級感のあるデザインイメージに沿うものを、自分なりに解釈して取り入れ、オリジナリティのあるスタイルとして発信するようにしています。
この記事では、私が2018年に注目したいカラー、スタイル、素材、アイテムなど、インテリアトレンドのエッセンスを、コーディネートのポイントも挙げながらご紹介します。
世の中にはさまざまな流行があると思いますが、インテリア界の流行はファッション業界などより、移り変わりがゆるやかですし、すぐに飽きがこない、古くさくならないものである必要があります。商業施設やオフィス、住宅など、ある程度長く使用する場所のデザインに取り入れる場合、目新しさにすぐに飛びつくのではなく、数年のスパンで流行の流れを読み取るようにしています。そのうえで、私の得意とするラグジュアリーな高級感のあるデザインイメージに沿うものを、自分なりに解釈して取り入れ、オリジナリティのあるスタイルとして発信するようにしています。
この記事では、私が2018年に注目したいカラー、スタイル、素材、アイテムなど、インテリアトレンドのエッセンスを、コーディネートのポイントも挙げながらご紹介します。
今年注目のカラー、おすすめの使い方
2018年、注目したいカラーはいくつかありますが、まずはイエロー。オレンジがかった色や、マスタード色、レモンイエロー、ゴールド系の色など、微妙な色の違いと素材感で楽しむのがおすすめです。インテリアのベースは、グレーやベージュ色でシンプルにまとめ、アクセントカラーとして、程よくイエローを使用するのが、今年らしくおしゃれに見せるポイントです。
インテリアの差し色の写真をもっと見る
2018年、注目したいカラーはいくつかありますが、まずはイエロー。オレンジがかった色や、マスタード色、レモンイエロー、ゴールド系の色など、微妙な色の違いと素材感で楽しむのがおすすめです。インテリアのベースは、グレーやベージュ色でシンプルにまとめ、アクセントカラーとして、程よくイエローを使用するのが、今年らしくおしゃれに見せるポイントです。
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もう一つの注目カラーは、ブルー。ロイヤルブルー、ピーコックブルーなどの鮮やかな色は小さなアイテムに、インディゴブルーなどの少し抑えた色味であれば、壁やカーテンなどの広い面積に使用するのもおすすめ。クールな印象になりすぎないよう、ウォルナットなどの木質素材と合わせると、くつろぎ感のある旬のテイストになります。
トレンドのブルーを、奥のダイニングの壁面と、手前のリビングのラウンジチェアに使用。こうすることで、仕切られた空間にほどよいつながりをもたらし、一体感を感じさせることができます。
2018年の注目カラーの3つめは、グリーンです。特に、鮮やかなピーコックグリーンや、写真のような自然を感じさせる緑色が、モダンなインテリアにリラックス感をプラスする、トレンド感のあるアクセントになります。
濃縮されたインテリアスタイルに注目
2018年に注目しているのは、近年のトレンドが成熟したミックススタイルです。「Enriched Style」(エンリッチ・スタイル)と呼びたいこのスタイルは、上質な素材とディティールにこだわったデザインが集約する、魅力的なインテリアスタイルです。
写真は、オートクチュールのヘッドボードが特徴的なエレガントなベッドルーム。落ち着いたグレイッシュな空間に、鏡面素材やキルティング、ファーなどのリッチな素材がしっかりと主張することで、ラグジュアリー感がアップします。静けさのなかにも強く主張する、濃縮されたインテリアです。
2018年に注目しているのは、近年のトレンドが成熟したミックススタイルです。「Enriched Style」(エンリッチ・スタイル)と呼びたいこのスタイルは、上質な素材とディティールにこだわったデザインが集約する、魅力的なインテリアスタイルです。
写真は、オートクチュールのヘッドボードが特徴的なエレガントなベッドルーム。落ち着いたグレイッシュな空間に、鏡面素材やキルティング、ファーなどのリッチな素材がしっかりと主張することで、ラグジュアリー感がアップします。静けさのなかにも強く主張する、濃縮されたインテリアです。
さらに、このスタイルに欠かせないのが、上質な素材を輝かせるライティングです。天然石やタイル、ミラー、ガラスなどのさまざまな素材が、効果的なライティングにより、ドラマチックな存在感のあるハーモニーを奏でます。
写真は、マンションのエントランスの事例。楕円形のミラーのスリットから漏れるインパクトのある光、人造石のニッチカウンター下から足下の大判タイルを照らすやわらかな間接の光、赤色のアートフラワーを照らすダウンスポットからの印象的な光と、さまざまな素材とライティングが相まって、ラグジュアリーなインテリア空間を実現します。
写真は、マンションのエントランスの事例。楕円形のミラーのスリットから漏れるインパクトのある光、人造石のニッチカウンター下から足下の大判タイルを照らすやわらかな間接の光、赤色のアートフラワーを照らすダウンスポットからの印象的な光と、さまざまな素材とライティングが相まって、ラグジュアリーなインテリア空間を実現します。
さまざまな素材をミックスして取り入れるときに気をつけたいのは、使用するボリュームです。主張する特徴的なトレンド素材は控えめにして、空間を構成するベースの素材には、落ち着いた飽きのこない普遍的なものを使用することです。
写真のLDKは、床材に上質なチークの突板を使いながら、ダイニングテーブルの天板に「アルトドイッチェ」という存在感のあるテクスチャーガラスを使って、エンリッチなトレンドのテイストをバランスよく表現しています。
写真のLDKは、床材に上質なチークの突板を使いながら、ダイニングテーブルの天板に「アルトドイッチェ」という存在感のあるテクスチャーガラスを使って、エンリッチなトレンドのテイストをバランスよく表現しています。
シルク&ベルベットの贅沢な素材感
色づかいはシックにまとめ、幾重にも連なった魅惑的なテクスチャーで主張する、今年らしいスタイルには、幅広い表現力があります。写真は、ベージュカラーでまとめた上質な素材による洗練されたコーディネート。シルクやベルベットなど贅沢なテクスチャーで、さらにトレンド感をアップさせています。
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イギリスのインテリア見本市〈デコレックス〉から見えてきた、2018年のインテリアトレンド
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ワイルドなサファリテイストにも注目
さらに、今年注目したいインテリアアイテムとしては、サファリ系のワイルド感があるファブリックや小物などが挙げられます。写真は、シンプルでモダンなインテリアの中に、ワイルドなデザインのペンダントライトを使用した例です。落ち着いた空間に、少しだけ主張するアイテムを加えると、躍動感が生まれます。
さらに、今年注目したいインテリアアイテムとしては、サファリ系のワイルド感があるファブリックや小物などが挙げられます。写真は、シンプルでモダンなインテリアの中に、ワイルドなデザインのペンダントライトを使用した例です。落ち着いた空間に、少しだけ主張するアイテムを加えると、躍動感が生まれます。
サファリテイストの取り入れ方にはいろいろありますが、チープなイメージにならないように、ポイント使いするのが今年流です。写真のベッドルームでは、ヒョウ柄のベルベット素材のライナーを、空間のアクセントとして使用しています。クラシカルなインテリアにも、ワイルドなアイテムを上手く取り入れると、効果的です。
春夏の注目は、アウトドアリビング
今年の春夏シーズンは、外と内の空間ををつなげて生活を楽しむことが、さらに注目されてくると思います。バルコニーやテラスなど、外の空間も内と同化させて、充実した楽しい時間が過ごせるデザインが、ますます増えていくのではないでしょうか。インテリアも、内外どちらでも使える素材やスタイルのものが増えています。
ご自宅やオフィス、仕事場、レストラン、カフェ、ホテルなど、普段の生活で毎日身を置く空間が、すべてストレスなく快適な居心地の良い空間であったら、素晴らしいと思っています。
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