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「コト」から始める家づくり:集まる、祝う、もてなす
〈ブルースタジオ〉石井健による連載第3回は、「集まる」「祝う」「もてなす」をキーワードに、これからの季節増える「自宅でのおもてなし」について考えます。
Takeshi Ishii
2017年4月6日
1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの黎明期から1000件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。
1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの黎明期から1000件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。... もっと見る
新生活が始まり、陽気もいいこれからの季節、自宅や庭でのおもてなしの機会が増えることでしょう。お客さんを呼んで家を“開く”ことで、家を綺麗にデコレーションするモチベーションになりますし、いつ来客があってもいいように、日頃から綺麗にしようと掃除や整頓を心がけるようになります。今回は、日常のちょっとしたおもてなしから、ウェディングや葬式といった非日常のおもてなしまで、リノベーションにこだわらずにホームデコレーションを楽しむということや、人をもてなすための空間について考えてみたいと思います。
過去の連載
第1回「コト」から始める家づくり:つくる、食べる、そしてその先
第2回「コト」から始める家づくり:集める、飾る、悦に入る
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年中行事を家で過ごす世界の国々
大晦日や正月は一家揃って自宅でゆっくりと過ごすという人が多い日本ですが、海外に目を向けると、クリスマスは言うまでもなくですが、ユダヤ教の光の祭り「ハヌカ」や、インドの新年を祝う祭り「ディワリ」、中国の旧正月など、年中行事を家で行う文化や習慣がある国は多いのです。
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パーティーのおもてなしで心がけたいこと
冠婚葬祭のような非日常のデコレーションも、誕生日パーティーのような日常の祝いごとで施すデコレーションも、お金をかけずに、しかもセンスよく楽しみましょう。
デコレーションを常備する習慣がない方も、最近ではデコレーションアイテムはどこに行っても買えて、しかも意外と安く手に入るので、おもてなしを家で楽しむということのハードルも案外低いのではないでしょうか。
おもてなしのうまい人は、デコレーションが上手なだけでなく、たとえばテーブルにさまざまな色のナプキンを揃えていたり、食器や、クッションの並べ方に工夫があるなど、片付けとデコレーションのあいだの感覚で、ちょっとしたひと手間を加えていることに気づくでしょう。
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海外の映画のシーンのなかで、ガーデンパーティーなどがたくさん登場しますが、日本でも特に最近は、野菜を育てたりBBQやキャンプなど、専用の場所で行っていたアクティビティが家の庭で行われるようになり、それがトレンドになっています。
ホームウェディングで心温まるおもてなしを
たとえばウェディングも、昔は家で「家婚式(祝言)」を挙げるのが通例でしたが、時代の流れとともに、式場やホテルなど外で行うことが大多数となりました。しかし最近はアットホームな雰囲気の「ホームウェディング」を希望する人や、自宅の庭で「ガーデンウェディング」をする人が増えたということで、ライフイベントやオフィシャルなおもてなしを家の中で行うように回帰していると思いませんか?
たとえばウェディングも、昔は家で「家婚式(祝言)」を挙げるのが通例でしたが、時代の流れとともに、式場やホテルなど外で行うことが大多数となりました。しかし最近はアットホームな雰囲気の「ホームウェディング」を希望する人や、自宅の庭で「ガーデンウェディング」をする人が増えたということで、ライフイベントやオフィシャルなおもてなしを家の中で行うように回帰していると思いませんか?
ガーデンウェディングと言えば、私は映画『ゴッドファーザー』で2度も出てくるガーデンウェディングが印象に残っているのですが、特にヨーロッパでは自宅で結婚式を挙げる人も多いように思います。日本でも手づくりウェディングのブームがあり、需要が高まっているように思いますが、じかに感謝の気持ちを伝えたい、一番近くで晴れ姿を見てほしいという気持ちから家でウェディングをするのは本来の姿なのかもしれません。
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最期を自宅で……
一方で、伊丹十三監督の『葬式』や、滝田洋二郎監督の『おくりびと』で描かれているように、かつては家で執り行われていた葬式。故人の安らかな旅立ちを、住み慣れた場所で送り出してあげたい、あるいは、自宅で最期を迎えたいと思う人も都心、郊外問わず増えています。
盆や彼岸などに親戚が集い、先祖の思い出話に花が咲く仏間も、仏壇を収納することで普段の来客も迎えられるような、少しモダンな印象になります。
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盆や彼岸などに親戚が集い、先祖の思い出話に花が咲く仏間も、仏壇を収納することで普段の来客も迎えられるような、少しモダンな印象になります。
おもてなしのスペースをつくる
自分が住んでいるところに人を呼んでおもてなしするというのが、一番多いパターンでしょう。おもてなしの場として自分たちが食べるところと、招き入れる場所を変えると緩急がつきます。家の中に家をつくるような設計です。
このように、人を呼ぶということを念頭に置いた家づくりを依頼されることが私も多々あります。人が集まりやすい場所をつくったら、自然と客人が来るようになったとおっしゃる施主さんもいますし、家に飲みに来て、そのまま泊まって行く…… そのための家づくりをする人も増えているのです。こだわりの家をつくったら、誰かを呼びたくなるもの。パーティー好きでなくても「もてなす」ということを考えながら家づくりをするというのは、いい考えだと思います。
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あこがれのホームバーはとことん個性を発揮して
ホームバーでおもてなし。キッチンのカウンターの延長や、酒瓶を並べたワゴンではなく、お酒を楽しむためだけのスペースがあったら、人を自宅に呼びたくなりそうですね。どこにでもあるお店のようなコーナーをつくるのではなく、独自性を発揮しやすいスペースと言えるでしょう。
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そんな自分の世界観を極めると、自分の家にホームバー兼ボウリング場をつくるなんてことも!
家の中にこじんまりとした茶室をつくる
茶室と言えば、豪邸の中にしかないイメージだったり、母屋とは別の棟に設けるイメージですが、たった2畳でも茶室を持つことができます。この茶室は、施主である旦那様が、和室が欲しいと希望したところ、奥様が「そういえば…… 私お茶をやっていたんだった」と思い出すようにお話されたところから決まりました。
このような小上がりだと、リビングやダイニングスペースと絶妙に隔離できて非日常を感じさせます。お茶をしないときには、寝転んだり、多目的スペースとして利用することができるのも利点です。
茶室の写真をもっと見る
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昔のおもてなしのひとつとして、玄関先の囲炉裏で来客を労うというのもあります。寒い日の心づくしのおもてなしはまた格別でしょう。
玄関は“コミュニケーションスペース”
日本特有のスペースでもある玄関。日本の家は狭いと言われていますが、玄関が広いと「この家は広い」という余韻が残るので、リノベーションで玄関に重点を置く人は多いです。
日本の玄関と海外のエントランスホールの考え方は異なり、エントランスホールは単なる入り口としていることがほとんどですが、日本の玄関は内と外を隔てるための空間で、客人はまずは玄関先で挨拶をし、脱いだ靴を正す。コミュニケーションの場でもあった玄関は日本人にとっては少し神聖な場でもあるのです。
狭い家ではおざなりになりがちですが、おもてなしは“気持ち”です。私たちも世界中のおもてなしの事例を取り寄せることによって家でできるアクティビティの可能性が広がるでしょう。日常の中での「人を迎える」という心を、いま改めて見つめ直してみてはいかがでしょうか。
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教えてHouzz
とっておきのおもてなし術があればコメント欄で共有しましょう!
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