インテリアアイテムとして本を楽しむ方法
本というアイテムを、インテリアに生かす方法。テーブルに並べる「テーブルブック」、重ねてディスプレイに使う方法、本棚の飾り方など、それぞれの場合のコツをご紹介します。
上野朝子|Asako Ueno
2015年4月29日
一度「本は読むもの」のという概念から離れてみましょう。そして、インテリアの世界では「本はなくてはならない名脇役」ということを、実例を見ながら会得しましょう。インテリアの脇役としての本の使い方(テクニック)を覚えて、ワンランク上のインテリア・デコレーションをぜひ、ご自宅でも楽しんでください。
海外のリビングルームでは、大きな写真集や画集を、ローテーブルいっぱいに並べて置いているシーンをよく見かけます。こういう本は「テーブルブック」と呼ばれます。その名の通り、本棚に収納するよりもテーブルの上に置く(飾る)インテリアアイテムとして扱われ、とても人気があります。
では、テーブルブックとしての本の使い方のコツをご紹介しましょう。この写真では、ローテーブルに置きたいオブジェ(馬の置物)の台として、本を使っています。オブジェだけだと、隣にある果物の入った大きなボウルのボリュームと並んだときのバランスが悪く感じます。そこで、表面積の広い本の上に置いて、バランスを取っているというわけです。
サイドテーブルに、ここにはちょっと小さいかな?と思う小ぶりの植木鉢を置くことになっても、本を下に重ねると、大ぶりの鉢を置いたような高さとボリュームが出せます。本が傷まないように、トレイの上に本を置いて、余ったスペースは小物で埋めてみましょう。テーブルの保護にもなりますね。
同じような例ですが、ごく小さなオブジェもこの通り。重ねた本の上に置くことで、両隣のオブジェと同じボリュームを作っています。
こんなふうに、気に入ったページを開いておくというのもいいアイデアですね。こうしておくとゲストもページをめくりやすくて、ウェルカムな雰囲気もアップします。
テーブルの上だけでなく、床の上に本を積んでみましょう。ほら、テーブルランプがフロアランプ風に!
ベッドサイドのチェストの上に、花瓶を中心として左右に本を置いています。手前の本は寝る前に読む本かもしれませんが、奥に置いてある本は小ぶりながらテーブルブックとしての役割も担っていそうです。本は「静かな読書の時間」を連想させてくれて、リラックス効果があるので、ベッド脇に置くのにもおすすめのアイテムです。
ちょっと空いたスペースに何か置きたいと思ったら、椅子の上に本を積んでみてください。椅子はできれば、写真のような小ぶりのものを。スツールでもいいかもしれません。本のセレクトには少しだけ気をつかってみてください。さりげないけれど雰囲気のあるコーナーが簡単につくれるはずです。
次は、インテリアデコレーションを意識した本棚の収納方法について解説しましょう。写真のような大きな本棚を持て余してしまうことってありますね。棚に対して本の量が少ないときは、本以外の小物をプラスしたり、本は立てて並べるだけでなく、寝かせて積み上げてみると、変化がつきます。
棚の中のディスプレイはこんな感じも素敵です。色がちょっとうるさく感じるなら、カバーは外します。背表紙の文字がじゃまたと思ったら、思い切って棚の奥側に背表紙を向けて隠します。飾る雑貨は、強い色は避けて、ナチュラル系の色のものを選びましょう。テーブルブックの要領で、寝かせた本の上に置いてみましょう。
本を色別にグルーピングする(分ける)方法もおすすめです。目の高さの棚にきれいな色を選びましょう。頭上に強い色があると重たい感じになるので、上段には白っぽい本や小物を選んで配置するようにしましょう。
本をアーティスティックに高く積み上げてくれる本棚。場所を取らないだけでなく、本をインテリアアイテムとしてスタイリッシュにディスプレイできる優れものです。
ブルーのアンティークのキャビネットに、デザインやアートの本を収納しています。ここでも見せるほんの背表紙には気をつかって。棚の雰囲気そのものにもインパクトがあり、室内のアクセントになっていますね。
本は、インテリアの脇役としてとても「使えるアイテム」だということをおわかりいただけたでしょうか? 次に本屋さんに行くことがあったら、インテリアとしての使い方を意識しながら、きれいな表紙の本を一冊選んでみましょう。高額な写真集でなくてもいいし、読めない外国語の本でもいいので、デザインの気に入ったものを。そして、その本を使ったコーナーづくりを想像してみることから始めてみましょう。
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海外に比べると、日本のデコラティブブックスの知名度はまだまだ低く感じます。
この記事を見れば、インテリアデコレーションの幅も広がって楽しみ方が増えそうです。