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ゆるやかな壁で1LDKを2LDKに。暮らしの満足度が上がる新築リノベーション
そのまま住むのも、もちろん可能な新築物件。でも、日々の暮らしの満足度をあげるために思い切って改装しました。
Mamiko Nakano
2018年8月9日
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立地や環境、広さ……。マンションを購入するとき、どうしても譲れない条件は誰にでもあるだろう。その条件に合っている物件が見つかったとしても、間取りや床材、収納など、実際に住んだ時の使い勝手や住み心地まで満足できるお部屋とは、限らない。「それなら住む前にリノベーションしてしまおう!」と、Houzzを活用し、入居前の新築マンションを思い切って全面改装したご家族の事例をご紹介する。
どんな部屋?
所在地:東京都港区
住まい手:ご夫妻と7歳の子ども1人
専有面積:75.8平方メートル
設計:QUALIA
竣工・リノベーション: 2018年
東京は港区の閑静な住宅街にある、低層の新築の分譲マンションの1階が今回のお部屋だ。こちらの部屋に引っ越す前はタワーマンションに住んでいたというご夫妻。「高層マンションは眺めが素晴らしかったけれど、窓が開けられなかった」ため、テラスのある1階の部屋を、娘が小学校まで歩いて行ける範囲内で探した。
購入したのは、マンションがまだ計画段階だった去年2月。夫妻はすでにその時から、この物件のリノベーションを検討していた。理由は、間取りに満足できなかったからだ。
3人家族で、小学生の娘の子供部屋を確保したいため、2LDKの間取りが欲しかった。でも、探していた80平米前後の広さでは、イメージに合う2LDKの間取りがなかなか見つからなかった。
「夫婦の部屋も子供部屋も、それぞれが独立した部屋にしたかったけれど、なぜかどこもキッチンを通らないといけない部屋がある間取りになっていたんです」
所在地:東京都港区
住まい手:ご夫妻と7歳の子ども1人
専有面積:75.8平方メートル
設計:QUALIA
竣工・リノベーション: 2018年
東京は港区の閑静な住宅街にある、低層の新築の分譲マンションの1階が今回のお部屋だ。こちらの部屋に引っ越す前はタワーマンションに住んでいたというご夫妻。「高層マンションは眺めが素晴らしかったけれど、窓が開けられなかった」ため、テラスのある1階の部屋を、娘が小学校まで歩いて行ける範囲内で探した。
購入したのは、マンションがまだ計画段階だった去年2月。夫妻はすでにその時から、この物件のリノベーションを検討していた。理由は、間取りに満足できなかったからだ。
3人家族で、小学生の娘の子供部屋を確保したいため、2LDKの間取りが欲しかった。でも、探していた80平米前後の広さでは、イメージに合う2LDKの間取りがなかなか見つからなかった。
「夫婦の部屋も子供部屋も、それぞれが独立した部屋にしたかったけれど、なぜかどこもキッチンを通らないといけない部屋がある間取りになっていたんです」
そこで、購入直後からHouzzを活用した。写真を集め、専門家探しや問い合わせもHouzzから行った。1LDKを2LDKに変えるプランと見積もりを何社かに出してもらい、結果的に依頼したのが、実現したいイメージに近いプランを提案してくれた〈QUALIA〉だった。「物件の引き渡しが迫っていて時間がなかったのですが、初めて会った日からすぐに私たちの要望を理解してくれて、打ち合わせもとてもスムーズでした」
工事は4月に部屋の鍵をもらってすぐ始まり、ひと月半程度で完成となった。
購入当初の間取りは、リビング・ダイニングと夫婦の寝室がある1LDKだった。〈QUALIA〉が新たに提案した2LDKのリノベーションの間取りでは、窓に面した一角に、アールのある壁を作った。新たに追加された子供部屋とリビングを柔らかく仕切っている。
なお、元々設置されていた床暖房は、新しい壁の位置に合わせて張り替える必要が生じたため、床材も全て一新することとした。
工事は4月に部屋の鍵をもらってすぐ始まり、ひと月半程度で完成となった。
購入当初の間取りは、リビング・ダイニングと夫婦の寝室がある1LDKだった。〈QUALIA〉が新たに提案した2LDKのリノベーションの間取りでは、窓に面した一角に、アールのある壁を作った。新たに追加された子供部屋とリビングを柔らかく仕切っている。
なお、元々設置されていた床暖房は、新しい壁の位置に合わせて張り替える必要が生じたため、床材も全て一新することとした。
新しくできたゆるやかな壁はガラスに直接設置されている。そのため、元々床暖房になっていた床も、全て張り替えることになった。
壁を作り、2LDKにしていて一つ一つのスペースは狭くなっているものの、曲線のおかげで圧迫感がない。
壁を作り、2LDKにしていて一つ一つのスペースは狭くなっているものの、曲線のおかげで圧迫感がない。
こちらが、アールのある壁の向こうにある子供部屋。曲線が優しくかわいらしい印象を作り出してくれている。
インテリアは、夫妻の要望でモダンなイメージで統一している。リビングのソファとテーブル、ダイニングは〈カンディハウス〉。ダイニングには、グレージュ色のテーブルとチェアのセットを置いている。照明は〈yamagiwa〉の《BAUMN》だ。
色味は、グレージュからブラウンにかけての色に、かなり限定している。床材も、ナチュラルな印象だったオークのフローリングから、ウォールナットに変更した。
現在テーブルがあるところには元々、大理石のカウンターや収納があったが、置きたい場所にダイニングテーブルを置くために、取り払うことにした。「大理石は高価なもの……と思いましたが、〈QUALIA〉から提案されて、潔く決断しました」
色味は、グレージュからブラウンにかけての色に、かなり限定している。床材も、ナチュラルな印象だったオークのフローリングから、ウォールナットに変更した。
現在テーブルがあるところには元々、大理石のカウンターや収納があったが、置きたい場所にダイニングテーブルを置くために、取り払うことにした。「大理石は高価なもの……と思いましたが、〈QUALIA〉から提案されて、潔く決断しました」
リビング・ダイニングで存在感を放っているのが、ウォールナット造作のテレビボードだ。オープンな部分にテレビや本、花も飾られているこちらの家具には、夫妻のこだわりがつまっている。
扉付きの中が見えない部分には食器や書類、プリンターや電化製品、充電器などが全て収納されている。「生活感が出過ぎないようにしたい」という夫妻の希望を叶える、すっきりした外見の想像を超える収納力がある、この家具。なんと妻が収納したいものと分量を計算の上、下絵を描いて〈QUALIA〉に渡し、具現化してもらったものだというから驚きだ。
扉付きの中が見えない部分には食器や書類、プリンターや電化製品、充電器などが全て収納されている。「生活感が出過ぎないようにしたい」という夫妻の希望を叶える、すっきりした外見の想像を超える収納力がある、この家具。なんと妻が収納したいものと分量を計算の上、下絵を描いて〈QUALIA〉に渡し、具現化してもらったものだというから驚きだ。
玄関を入って突き当たりのドアの向こうが子供部屋、右手が夫妻の寝室だ。寝室の手前にはウォークインクローゼットがある。
スタイリストである妻は、仕事柄多くの服を保管する必要があり、クローゼットスペースを増やすことにした。そのため、廊下と壁を延長し、ドアの位置も変更しているが、扉は既存のものを移設し、余計なコストをかけないようにした。
床材の大理石は、南イタリア産の〈セルベジャンテ〉。リノベーション前から入っていたものだが、長くなった廊下に合わせるため同じものをQUALIAが追加発注してつなげた。
いかがだろうか。新築ならもちろん、そのまま住むことはできる。でも〈QUALIA〉ではこのような新築リノベーション相談も多いそうだ。住み心地も含め、全方位で満足のいく物件が見つからないなら、最初からリノベーション前提で家を探すのもありかもしれない。そんなことを思わせてくれる事例だ。
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スタイリストである妻は、仕事柄多くの服を保管する必要があり、クローゼットスペースを増やすことにした。そのため、廊下と壁を延長し、ドアの位置も変更しているが、扉は既存のものを移設し、余計なコストをかけないようにした。
床材の大理石は、南イタリア産の〈セルベジャンテ〉。リノベーション前から入っていたものだが、長くなった廊下に合わせるため同じものをQUALIAが追加発注してつなげた。
いかがだろうか。新築ならもちろん、そのまま住むことはできる。でも〈QUALIA〉ではこのような新築リノベーション相談も多いそうだ。住み心地も含め、全方位で満足のいく物件が見つからないなら、最初からリノベーション前提で家を探すのもありかもしれない。そんなことを思わせてくれる事例だ。
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