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My Houzz:人間と猫が楽しく共存する、豊かな木の香りの家
「世界の暮らしとデザイン:愛するペットがいちばん大事! 猫、犬、鳥のための工夫がいっぱいの家」に登場した、大阪の「猫とともに暮らす家」。もう少し詳しくご紹介します。
田村敦子|Atsuko Tamura
2015年9月25日
Freelance Editor
My Houzzは、自分らしい暮らしを送る人の住まいと生活をご紹介するシリーズです。
国産杉の無垢材をふんだんに使った気持ちのよい住まいであると同時に、内装にフィットするしゃれたキャットウォーク、人間にとっては「天井のショーケース」、猫にとっては「極楽ペントハウス」となる、ガラス板張りの梁など、世界のHouzzエディターも絶賛したアイデア満載の「猫とともに暮らす家」をご紹介しよう。
「世界の暮らしとデザイン」の記事を読む:
世界の暮らしとデザイン:愛するペットがいちばん大事! 猫、犬、鳥のための工夫がいっぱいの家
国産杉の無垢材をふんだんに使った気持ちのよい住まいであると同時に、内装にフィットするしゃれたキャットウォーク、人間にとっては「天井のショーケース」、猫にとっては「極楽ペントハウス」となる、ガラス板張りの梁など、世界のHouzzエディターも絶賛したアイデア満載の「猫とともに暮らす家」をご紹介しよう。
「世界の暮らしとデザイン」の記事を読む:
世界の暮らしとデザイン:愛するペットがいちばん大事! 猫、犬、鳥のための工夫がいっぱいの家
どんなHouzz?
居住者:佐々木玄磨さん&幸恵さん夫妻、飼い猫のとと&すず
所在地:大阪府
規模:67.07平方メートル
設計:斉藤建築設計室
住宅の写真撮影:Akiyoshi Fukuzawa
居住者:佐々木玄磨さん&幸恵さん夫妻、飼い猫のとと&すず
所在地:大阪府
規模:67.07平方メートル
設計:斉藤建築設計室
住宅の写真撮影:Akiyoshi Fukuzawa
佐々木夫妻が一日の多くの時間を過ごす2階は、階段をはさんでダイニング&キッチンと、キャットウォークのあるリビングスペースに二分されている。
火を使うキッチンに猫たちが近づかないようにと配慮されての間取りだが、境目がガラス壁なので、仕切られていてもさほど狭く感じさせず、料理や食事をしながら向こう側のリビングの様子も眺められ、とても快適だ。
天井を張ったダイニング&キッチンと違い、リビングは梁を生かしてオープンに。梁や柱、建具や床にも国産杉を使用した、木の香り豊かな住まいだ。壁には「猫棚」とご夫妻が呼んでいる造作のキャットウォークが。猫たちはここを伝い、天井の梁へと一日に何度も往復して遊んでいる。
キャットウォークの途中には猫たち専用の小さなドアがあり、ここから行き来もできる。この家に暮らすようになって、2匹の猫たち(上/すず、下/とと)は明らかに元気になったそう。猫棚、梁からロフトへと自由に走り回り、広いプレイグラウンドで思い切りストレス発散できるようになったからだろうか。
この自由な猫の遊び場について、ひとつだけ心配なことがあった。階段上まで吹き抜けになっている天井の梁までは、2階分の高さがある。その上で猫たちが遊んでいて、もし足を踏み外して落下したら…。
斉藤建築設計室の斉藤晴雄さんの提案は明快だった。「梁の間にガラス板をはめ込みましょう」。安全上の理由が第一義ではあったものの、プラン検討の際に「そこに寝そべった猫を下から眺めたら、普段は見られない“裏側”が見られることになり、それはかなり楽しいのでは!と猫好き同志らしい会話で盛り上がった。結局、そのことが決定打となって採用に至ったのだとか。
そして、これがその「階段下から見た猫の“裏側”」の風景。ガラス板にぺったりとつけた、とと&すずの愛らしいおなかと肉球が観察できて、猫好きにはたまらない眺めだ。まるで「天井のショーケース」のようで、なんともいえず楽しい。
そして、これがその「階段下から見た猫の“裏側”」の風景。ガラス板にぺったりとつけた、とと&すずの愛らしいおなかと肉球が観察できて、猫好きにはたまらない眺めだ。まるで「天井のショーケース」のようで、なんともいえず楽しい。
真下で観察されているとはつゆ知らず、当の猫たちは特別仕様の「ガラスフロアの最上階ペントハウス」でゆったりとお昼寝中だ。
猫とともに暮らす家の優れた工夫は、それだけではない。たとえばこの家のドアは、外側と内側の両方から鍵をかけられるようになっている。とと&すずには子猫の頃からの癖があって、布を見ると穴があくまでかじってしまうのだとか。また、ドアも簡単に開けてしまうため、別の部屋に置いてある服やタオルをかじって、ダメにしてしまったことが何度もあったのだそう。その方策として、猫を入れない部屋を決め、念のためすべての部屋を外側からも鍵をかけられるよう設計してもらった。これで被害はほぼなくなり、人も猫もストレスを抱えることなく問題はすっきり解決した。
もうひとつの懸念は、外出から帰ったら玄関で待っている猫が脱走してしまうのではないかということ。また、来客があった場合、その人が猫がいる状況をよく知らず、猫が近くにいるときに玄関を開けっ放しにすることもあるかもしれない。不意の事故を防ぐために、玄関前に内扉をつくってもらった。これで安心して、愛猫に留守番してもらい、来客も迎えることができるようになった。
訪れた人から「人間と猫、どちらの家かわからない」という感想を聞いたこともあるという佐々木夫妻。「私たちと猫が自然に共存できる、まさにそういう家を理想としていたので、そのように思ってくれたとしたらうれしいですね」とご主人。
家の窓は、普通の位置にある人間用のほか、低い位置(床と同じ高さ)やキャットウォークの途中にある猫用もあり、猫たちはよくそこで外の景色を眺めているのだそう。ご主人いわく「家に帰ってきた際、ふと外から窓を見ると、外を見ている猫と目が合ったりします。猫の飼い主として、こんなことも『楽しいな』と思える瞬間です」
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