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My Houzz: 42平米の賃貸のロフトにこだわりの家具を置き、自分だけのスタイルに
ガレージを改装した42平米のロフト。ヴィンテージ家具やミッドセンチュリーの名作家具を少しずつ買い集めて、妥協のない、自分らしい空間をつくりあげています。
Caela McKeever
2015年7月16日
「住むならこれ以上の場所はないとずっと思っていた物件でした」と建築デザイナーのミッチェル・プライド(Mitchell Pride)さんは言う。5年前、ガレージを改装したこのロフト住宅を初めて訪れたとき、ひと目で気に入ったそうだ。当時ここを借りて住んでいたのは大学時代の友人、ジャック・サーモンズ(Jacque Salmons)さん。彼女が退居したとき、この物件を借りるチャンスに飛びついたプライドさんは、自身のデザインセンスを存分に発揮したインテリア作りにとりかかった。ヴィンテージ家具を慎重に選び、厳選されたモダンデザインをお金を貯めて買い集め、何年もかけて作り上げた家。米国中西部で育ち、マンハッタンで大学院時代を過ごし、現在はシアトル在住というプライドさんの人生が映し出された空間ができ上がった。
どんなHouzz?
居住者:ミッチェル・プライドさん
所在地:シアトルのクィーン・アン地区
規模:42平方メートル、ベッドルームx1、バスルーム(トイレ含む)x1
引っ越してすぐ、ワンルーム空間になっている上階をどう使うかは迷わず決まった。「外のデッキの近くにダイニングテーブルがあるのがちょうどいいし、スカイライトからソファのあたりに差し込む光がだんだん動いていく様子も素晴らしいんです」とプライドさん。ソファの上にあるのは彼が描いたオリジナル作品。
居住者:ミッチェル・プライドさん
所在地:シアトルのクィーン・アン地区
規模:42平方メートル、ベッドルームx1、バスルーム(トイレ含む)x1
引っ越してすぐ、ワンルーム空間になっている上階をどう使うかは迷わず決まった。「外のデッキの近くにダイニングテーブルがあるのがちょうどいいし、スカイライトからソファのあたりに差し込む光がだんだん動いていく様子も素晴らしいんです」とプライドさん。ソファの上にあるのは彼が描いたオリジナル作品。
家具をすべて揃えるまで3年近くかかったと言う。ヴィンテージのダイニングチェアは、シアトルに引っ越してきて間もなくリサイクルショップで見つけたもの。当時のアパートメントにあった家具は、この大切なダイニングチェアとエアーマットレスだけだったそう。
「大学院を卒業したころは家具を買う余裕なんてなかったから、ダイニングチェアのお金は両親から借りて、そのあと数ヶ月かけて返しました。両親も、価値あるものを見つけたら手に入れるチャンスを逃しちゃいけないということを理解してくれたんです」とプライドさん。
「大学院を卒業したころは家具を買う余裕なんてなかったから、ダイニングチェアのお金は両親から借りて、そのあと数ヶ月かけて返しました。両親も、価値あるものを見つけたら手に入れるチャンスを逃しちゃいけないということを理解してくれたんです」とプライドさん。
ダイニングテーブルの上のガラスのペンダントシャンデリアは、プライドさんがデザインして作ったもの。友人のサーモンズさんがシアトルを離れる前に手伝ってくれた。ガラス製のティーライトキャンドルホルダーとスチールパイプで出来ていて、吊るしているひもはプライドさんが手染めで色を付け、素材感を演出した。
パーフェクトなソファを見つけるまでには1年以上を費やした。「かなり値段は張りましたが、まったく後悔していません。いちばんのお気に入りのひとつです」とプライドさん。
家の窓から見える景色のほとんどは周囲にある木や花。おかげで上の階はツリーハウスのような雰囲気だ。「朝の遅めの時間に、窓を開けて光を眺めながらコーヒーを飲むのが大好き。1日のうちでその時間帯は特に夢のように美しくなるんです」とプライドさん。
ロフトの開放的な間取りはホームパーティーにぴったりで、プライドさんもよく人を呼んで集まると言う。「デッキを開け放してリビングからみんなが外に出てしまっても、中にいる人と隔離された感じがしないのがいいですね」
入口には、母屋の建物とこのガレージとを隔てる中庭を通ってたどり着く。プライドさんの家は緑の木立に囲まれているため、隣の建物からは目隠しになり、近所は人通りの多い商業地区だが騒音も気にならない。
玄関のドアを入るとすぐ、入口の床から数段下がったところにベッドルームがある。上のロフトスペースほど自然光は入らないが、天井が高いため暗い印象はない。プライドさん作のオリジナルアートがヘッドボードの上に置かれている。
ベッドから手の届く場所には、おしゃれな帽子コレクション。
入口の階段部分には何かアート作品をディスプレイする計画だが、今のところは自身で撮影した写真を玄関ドアの上に飾っている。「犬飼ってるの? ってみんなに聞かれるんですが、ニューメキシコ州サンタフェに行ったときに出会った、通りすがりの人懐こい犬なんです。」この写真はプライドさんの父親が働く会社の写真コンテストで入賞し、後に母親が、キャンバス地に印刷してフレームに張ったものをプライドさんにプレゼントしてくれた。
ミッドセンチュリー家具の目利きでもあるプライドさん。家具の多くは近隣のリサイクルショップで見つけたものだ。こちらのヴィンテージのサイドボードもそのひとつ。
家に飾られているアートのほとんどはプライドさんのオリジナル作品だが、友人たちの作品もいくつか置かれている。家の中のテーブルや棚の上には、家族の写真を飾っている。
家に飾られているアートのほとんどはプライドさんのオリジナル作品だが、友人たちの作品もいくつか置かれている。家の中のテーブルや棚の上には、家族の写真を飾っている。
プライドさんは、北西部の太平洋岸に引っ越したことで美的感覚の面でかなり影響を受けたという。「このあたりは緑に囲まれているのがいいですね。その緑とナチュラルなウッド素材の組み合わせは最高です」
近年よく見かけるようになったインダストリアルな雰囲気のシェルフ。プライドさんも気に入って取り入れたかったが、デザイナー製品は手が届かない値段だった。「代わりにホームセンターに行って35ドルの本棚を買いました。十分な仕事をしてくれています」とプライドさん。
家のあちこちに、曾祖父母の代から大切に引き継がれてきた品が置かれている。例えばキッチンカウンターの上には、曾祖母のものだった小さなブリキのカレンダー(左)や、大理石製の塩コショウ入れ。
家のあちこちに、曾祖父母の代から大切に引き継がれてきた品が置かれている。例えばキッチンカウンターの上には、曾祖母のものだった小さなブリキのカレンダー(左)や、大理石製の塩コショウ入れ。
レゴでできたスペースニードル(シアトルのランドマーク)の隣には、曾祖母の卓上時計とプライドさんがプラハのお土産に買った木製ルービックキューブ。
プライドさんは大の旅行好き。スケッチブックには、旅行先で描いた入念なスケッチが詰まっている。写真はプライドさんの気に入っているページで、2006年にローマ旅行中に描いた聖ブルーノ像。最近、同じような旅好きの人のため、宿泊施設を見つけるコミュニティーサイトAirbnbにこの家を掲載している。。
「ある決まったスタイルを押し付けたり、ただスペースを埋めていくんじゃなくて、ユニークなものをひとつひとつ見つけて集めていって、その結果出来上がるものが面白いんです」と言うプライドさん。そうして時間をかけて作り上げた甲斐あり、この家での暮らしを本当に楽しんでいるようだ。「よくキッチンのアイランドに座って家の中を眺めていますね。家自体も、中にあるものもみんな大好きで、座ってこの雰囲気をしみじみ味わっています」
教えてHouzz
My Houzzのシリーズでは、クリエイティブな暮らしをご紹介しています。素敵な家を建てた方、リノベーションや模様替えをした方は、ぜひHouzz エディトリアルチームまでご連絡ください。ご連絡の方法はこちらをご覧ください。
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