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Houzzツアー:フレキシブルで効率的なシアトルの新築の家
将来賃貸に出す可能性や環境に配慮した、さまざまな工夫に注目。
Becky Harris
2015年4月8日
完成したばかりのこの家の居住者は、家づくりに打ち込むあまり、元の家を撤去した後、中古のトレーラーを買って裏庭に駐車し、そこで暮らしながら工事を監督したという。彼女の目標は、あらゆる面で生活しやすく、しかも健康的でエネルギー効率が高い家をつくることだった。
別世帯が暮らせるよう、地階に居住用設備を設置した部分を設計に加えたのは、年老いた親と同居したり、将来的に賃貸に出したり、あるいは息子が独立したら自分がここに移って2階と3階を賃貸に出すなどして、収入源にしたいと考えてのことだ。建築家のブラッドリー・クーリ(Bradley Khouri)さんと協力しつつ、施工に関しては自ら監督。健康的で環境に優しい素材を調達して、夢の家を完成させた。
別世帯が暮らせるよう、地階に居住用設備を設置した部分を設計に加えたのは、年老いた親と同居したり、将来的に賃貸に出したり、あるいは息子が独立したら自分がここに移って2階と3階を賃貸に出すなどして、収入源にしたいと考えてのことだ。建築家のブラッドリー・クーリ(Bradley Khouri)さんと協力しつつ、施工に関しては自ら監督。健康的で環境に優しい素材を調達して、夢の家を完成させた。
どんなHouzz?
場所:シアトル市グリーンウッド地区
設計: B9 Architects、施工:Travis Gaylord、 Alchemy Building、内装・造作木工家具:Mike Zuber、 Thatcher Woodworks
床面積:地階部分: 74平方メートル(ベッドルーム×1、バスルーム(トイレ含む)×1)。主要居住部分:124平方メートル、ベッドルーム×2、バスルーム(トイレ含む)×2、トイレと洗面台×1
Photography by Ed Sozinho and B9 Architects
居住者は、この敷地に立っていたバンガローを2回増築して暮らしていたが、家が自分のニーズに合わなくなってきた。そこで、増築部分を撤去し、オリジナルの状態に戻した。隣接する小さなガレージの屋根は、マンネングサを植えて緑化。
外装は、塗装済ファイバーセメントボードのレイン・スクリーンと、バンガローのカーデッキに使われていたモミ板(通常はガレージの床やカー・リフト部分に使用される)を使った味のあるコラージュになっている。モミ材は約2センチ厚のあいじゃくり板に加工して使用。電源を使わず太陽熱を利用し、眺めを確保するため、窓には高機能ガラスをはめた。主寝室の張り出し部分がエントランスの庇を兼ねており、雨の日にドアを開けても濡れずにすむ。エントランスへの階段は晴れた日にのんびりできる広いデッキになっている。
場所:シアトル市グリーンウッド地区
設計: B9 Architects、施工:Travis Gaylord、 Alchemy Building、内装・造作木工家具:Mike Zuber、 Thatcher Woodworks
床面積:地階部分: 74平方メートル(ベッドルーム×1、バスルーム(トイレ含む)×1)。主要居住部分:124平方メートル、ベッドルーム×2、バスルーム(トイレ含む)×2、トイレと洗面台×1
Photography by Ed Sozinho and B9 Architects
居住者は、この敷地に立っていたバンガローを2回増築して暮らしていたが、家が自分のニーズに合わなくなってきた。そこで、増築部分を撤去し、オリジナルの状態に戻した。隣接する小さなガレージの屋根は、マンネングサを植えて緑化。
外装は、塗装済ファイバーセメントボードのレイン・スクリーンと、バンガローのカーデッキに使われていたモミ板(通常はガレージの床やカー・リフト部分に使用される)を使った味のあるコラージュになっている。モミ材は約2センチ厚のあいじゃくり板に加工して使用。電源を使わず太陽熱を利用し、眺めを確保するため、窓には高機能ガラスをはめた。主寝室の張り出し部分がエントランスの庇を兼ねており、雨の日にドアを開けても濡れずにすむ。エントランスへの階段は晴れた日にのんびりできる広いデッキになっている。
通りからみると2階建てだが、裏側から見ると3階建てだ。裏側にも出っ張った部分があり、中は予備の空間、上はデッキ、と2つの役割を果たしている。
最上階のロフトは、バルコニー付きの書斎兼オーディオルーム。ハーディーパネル(HardiePanels)のグレーと廃材利用のモミ板がファサードにメリハリを与えている。二種類の壁をブロック状に使うことで、各階が分断されず、家としての一体感を作りだしており、人の目を楽しませる。
クーリさんはモミの廃材を地元の資材業者〈Windfall Lumber〉から入手した。カットし直し、クリーニングしたあと、天然のシーリング材で仕上げをした。
最上階のロフトは、バルコニー付きの書斎兼オーディオルーム。ハーディーパネル(HardiePanels)のグレーと廃材利用のモミ板がファサードにメリハリを与えている。二種類の壁をブロック状に使うことで、各階が分断されず、家としての一体感を作りだしており、人の目を楽しませる。
クーリさんはモミの廃材を地元の資材業者〈Windfall Lumber〉から入手した。カットし直し、クリーニングしたあと、天然のシーリング材で仕上げをした。
内部では、クーリさんはリビングダイニングの長い造作ベンチ、キッチン上方の壁、天井の一部、パントリーをメープル素材のアップルプライウッドで統一し、リビング空間の一体感をつくりだした。この部分は、室内の眺めを囲むフレームになっている。
フレームの端は、キッチン側ではキャビネットと書棚になっており、部屋のアクセントになっている。天井部分では梁を、壁沿いではパントリーの脇の構造柱を覆っている。
「居住者は1日のうちほとんどの時間を造作ベンチのあるコーナーで過ごしたいと考えていたので、ここに大きな窓をつくりました」とクーリさんは言う。窓からは暖かな日差しが入り、外に目をやればガレージの屋根に植えたマンネングサのかわいらしい風景を見渡すことができる。このコーナーは、ダイニングやワークスペースとしても活用できるし、シート部分をあげると中は収納になっている。
「居住者は1日のうちほとんどの時間を造作ベンチのあるコーナーで過ごしたいと考えていたので、ここに大きな窓をつくりました」とクーリさんは言う。窓からは暖かな日差しが入り、外に目をやればガレージの屋根に植えたマンネングサのかわいらしい風景を見渡すことができる。このコーナーは、ダイニングやワークスペースとしても活用できるし、シート部分をあげると中は収納になっている。
メープルウッドの大フレームはキッチンの縁取りにもなっている。キッチンの左側のパントリーはフロスト加工のレキサン樹脂パネルで覆った(内部は次の写真を参照)。
キッチンの右手に置かれた古いテーブルは居住者の父親が愛用していた大切なもの。リビングルーム側の大きなキャビネットはサペリ材のベニヤ装とした。キャビネットの扉は中央に見えるワインラックがちょうどおさまるサイズになっている。
カウンター:Snow White、 EcoTop
フローリング:床暖房付コンクリート床。Envirostar Green Floor Sealant仕上げ。
キッチンの右手に置かれた古いテーブルは居住者の父親が愛用していた大切なもの。リビングルーム側の大きなキャビネットはサペリ材のベニヤ装とした。キャビネットの扉は中央に見えるワインラックがちょうどおさまるサイズになっている。
カウンター:Snow White、 EcoTop
フローリング:床暖房付コンクリート床。Envirostar Green Floor Sealant仕上げ。
オープン・パントリーの内部。レキサン樹脂パネル越しに光が入る。
「家に入ったときの眺めが、フレーミングされているんです」とクーリさんは言う。ドアを入ると、家の奥まで見通せる。目線は自然にフレームの上部をたどって、メインのリビングに誘導される。パントリーは左側に、化粧室は右側に配置されている。
階段から、家の入り口が少し見えている。入り口には、シューズや充電器を収納する場所が造作されている。入り口の通路を挟んで反対側にはコート用クローゼットが設置した。
階段をのぼったところには大きな開口部が2つ設けられ、ベッドルームから家の中を見渡すことができる。引き戸とカーテンを閉めれば、プライバシーも確保される。図の中の点線に沿って、隣接する壁の周りまでL型にカーテンを引くことができる。そうすれば、壁面全体にわたるクローゼットを隠すことができる。
3つの階は階段でつながれている。踏み板はLVL(ラミネートベニア木材)でできており、上部にはリサイクルペーパーでつくられたペーパーストーンが貼られている。
階段をのぼったところには大きな開口部が2つ設けられ、ベッドルームから家の中を見渡すことができる。引き戸とカーテンを閉めれば、プライバシーも確保される。図の中の点線に沿って、隣接する壁の周りまでL型にカーテンを引くことができる。そうすれば、壁面全体にわたるクローゼットを隠すことができる。
3つの階は階段でつながれている。踏み板はLVL(ラミネートベニア木材)でできており、上部にはリサイクルペーパーでつくられたペーパーストーンが貼られている。
クーリさんは外装につかったカーデッキ用のモミの廃材を化粧室にも使用。パントリーと同じく、内側はレキサン樹脂パネル張りになっている。よく見ると、壁にかかっているのは、家の施工中に居住者が暮らしていたトレーラーハウスの写真だ。建築家のクーリさんがプレゼントとして贈ったものである。
階段を上りきったところにあるロフトは、読書やテレビ、音楽を楽しむ部屋になっている。
「居住者はいつか地階に移り住むことを考えて、この部分の仕上げも同じように抑えめにしています」とクーリさんは言う。写真は、トップフロアにあるバスルームの1つ。地階にあるバスルームもほぼ同じつくりになっている。
地階のキッチンも、上階のキッチンと同じ品質のキャビネット類や電気製品、床暖房を設置している。
居住者は、家を施工している間、このトレーラーに泊まり込んで工事を監督していた。
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