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スペインの青空と太陽の光に映える、中庭のある白い別荘
アトリウムとパティオによって、室内で光が遊ぶ空間をつくりだしている、スタイリッシュなスペインの住宅をご紹介します。
Roser Vendrell
2016年9月13日
ゴルフコースに隣接する住宅地にあるこの家には「1年を通じて屋外で過ごすことができる家」という明快なコンセプトがあった。
「季節を問わず、昼も夜も屋外で過ごせるように、広大な庭と屋根のある大きな空間をつくろうと考えました。最終的には、友人や家族と一緒に夕日を眺めながら、タパスやスペイン産ワインを楽しみながらリラックスできる、パティオ(中庭)というアイデアにたどり着いたのです」と、語るのは、このプロジェクトの設計者であるグス・ヴュステマンさん。
こうして、アンダルシアのレモンの香りが漂う丘の上に、アトリウムを中心とした、プールと池が印象的な家が完成した。
「季節を問わず、昼も夜も屋外で過ごせるように、広大な庭と屋根のある大きな空間をつくろうと考えました。最終的には、友人や家族と一緒に夕日を眺めながら、タパスやスペイン産ワインを楽しみながらリラックスできる、パティオ(中庭)というアイデアにたどり着いたのです」と、語るのは、このプロジェクトの設計者であるグス・ヴュステマンさん。
こうして、アンダルシアのレモンの香りが漂う丘の上に、アトリウムを中心とした、プールと池が印象的な家が完成した。
どんなHouzz?
住まい手:夫婦と子ども
延床面積:480平方メートル
敷地面積:585平方メートル
所在地:スペイン、マルベーリャ、サン・ペドロ・アルカンタラ
設計:グス・ヴュステマン・デザイナーズ、チューリッヒ+バルセロナ
エンジニア:アリシア・ユゲー、BACバルセロナ
施工:ADPエンプレサ・コンストルクトゥラ、マルベーリャ
写真:ブルーノ・ヘルブリン
もともと敷地には、この地域によくある核家族用の一戸建てが建っており、手入れの行き届いた植物や樹木が育つ美しい庭もついていた。新しい家は、大家族で、友人たちも泊まれるゲストルームのある別荘として設計された。
住まい手:夫婦と子ども
延床面積:480平方メートル
敷地面積:585平方メートル
所在地:スペイン、マルベーリャ、サン・ペドロ・アルカンタラ
設計:グス・ヴュステマン・デザイナーズ、チューリッヒ+バルセロナ
エンジニア:アリシア・ユゲー、BACバルセロナ
施工:ADPエンプレサ・コンストルクトゥラ、マルベーリャ
写真:ブルーノ・ヘルブリン
もともと敷地には、この地域によくある核家族用の一戸建てが建っており、手入れの行き届いた植物や樹木が育つ美しい庭もついていた。新しい家は、大家族で、友人たちも泊まれるゲストルームのある別荘として設計された。
設計上の最大の課題は、屋外でも十分に生活できる空間をつくりだすことだった。
「周囲の建物と十分に馴染みつつも、プライバシーを心配せずに屋外で過ごせる環境を作り出す必要がありました。その結果リビングルームやプライベートガーデンといった機能のある中間領域を取り込んだパティオにするというプロジェクトの基礎コンセプトが固まりました」ヴュステマンさんは続ける。
「周囲の建物と十分に馴染みつつも、プライバシーを心配せずに屋外で過ごせる環境を作り出す必要がありました。その結果リビングルームやプライベートガーデンといった機能のある中間領域を取り込んだパティオにするというプロジェクトの基礎コンセプトが固まりました」ヴュステマンさんは続ける。
「庭とリビングルームが一体となった空間の上にパティオのある家を設計しました。つまり庭の上に居住スペースがあります。冬のあいだこの1階のプライベート空間は、一部引き窓を閉じて暖房を使うことで、快適に過ごすことができます」とヴュステマンさん。
この別荘で家族の大多数や友人が集まるのもこの1階のパティオスペースだ。あらゆるタイプのリビングエリアに対応する機能を備えたこのパティオで家族の生活が営まれ、ラウンジとして使われたり、ゆったりとしたひとときを過ごしたり、バーベキューもできる。
この別荘で家族の大多数や友人が集まるのもこの1階のパティオスペースだ。あらゆるタイプのリビングエリアに対応する機能を備えたこのパティオで家族の生活が営まれ、ラウンジとして使われたり、ゆったりとしたひとときを過ごしたり、バーベキューもできる。
建物の構造は直線と広々とした空間が特徴的だ。この直線的で広い空間は「自然の照明」としても機能し、太陽の動きにしたがって屋内への光の入り方が移り変わっていく。まっさらな白のファサードと輝く白い壁や床が光を反射し、静謐な雰囲気を生み出している。
家の外壁は1階の庭兼リビングルームの中央空間へ繋がり、切れ目なく敷地全体も取り囲んでいる。
外観はアンダルシアの青空と対になった白の漆喰が特徴的だ。
「この家には外観や共有スペースに面している窓も、窓以外の開口部もありません。この家はいわゆるホワイトキューブで、アンダルシアにあるアラブ式パティオのある住宅に似た外観です」とグス・ヴュステマンさんは語る。
「住宅を外から眺めると、生命を感じさせるものは、植物だけ。すべて白色で仕上げた家の周りには、強烈で心地よいアンダルシアの青空だけがひたすら広がるエンドレスな景色が広がっています」
「この家には外観や共有スペースに面している窓も、窓以外の開口部もありません。この家はいわゆるホワイトキューブで、アンダルシアにあるアラブ式パティオのある住宅に似た外観です」とグス・ヴュステマンさんは語る。
「住宅を外から眺めると、生命を感じさせるものは、植物だけ。すべて白色で仕上げた家の周りには、強烈で心地よいアンダルシアの青空だけがひたすら広がるエンドレスな景色が広がっています」
2階にあるキッチンは家と切れ目なく一体化してカモフラージュされている。〈ジーマティック〉の硬質な白のウォールユニットがキッチン家電を隠し、機能的なエリアになっている。
2階にはそのほかにベッドルーム、ファミリールームとヨガを行えるテラスがある。中庭を取り囲む有孔ブロックの壁を通した光がプライベートエリアのクローゼットや廊下に射し込む。それぞれのベッドルームには専用のバスルームとパティオがついている。
壁のハニカム形状(蜂の巣の形)の穴によって、光と影の相互作用による趣きのある空間が創りだされている。
壁のハニカム形状(蜂の巣の形)の穴によって、光と影の相互作用による趣きのある空間が創りだされている。
マスターベッドルームとバスルームとパティオは、屋外と接しながら外からの視線を気にすることなくリラックスしたり、眠ったり、シャワーを浴びることができるユニークなオープンスペースとなっている。
家の内外に設置されているベンチはレンガにプラスター塗装し、マイクロセメントで仕上げた。
家の内外に設置されているベンチはレンガにプラスター塗装し、マイクロセメントで仕上げた。
屋内外のすべての空間は床の仕上げを統一し、一体感と連続性を実現させている。
下の写真でもわかるように、設計のもととなったコンセプトに沿って、ベッドルームとテラスが完全に一体化している。
下の写真でもわかるように、設計のもととなったコンセプトに沿って、ベッドルームとテラスが完全に一体化している。
独立型のバスタブは〈ロヨ〉グループ製の《ケオプス》モデル(ジェットバスはなし)で、バスルームとテラスの境に配置した。バスタブの洗練されたデザインは、空中に浮かんでいるように見える。バスタブの蛇口は〈ロカ〉ブランドの《ロフト》モデルを採用した。
2階の各部屋につながる回廊では、有孔ブロックの外壁から射しこむ光が、幾何学的でユニークな装飾となる。黒色のフレームにはめ込められたガラスの壁が屋内の仕切りとして機能する。
このプロジェクトはシンプルな建築のように見えるが、実際は高いレベルの複雑な要素が絡んでいる。外壁を有機的に機能させることで友人や家族と楽しいひとときを過ごせるバルコニー、テラス、ポーチを造りだした。
滝が流れ落ちる池には亀がいて、家族が朝日を楽しむことからわかるように、外界を遮断する外壁はこの家にとって大変重要な存在だ。外壁の内側にはレモンの木の爽やかな香りのする庭、バーベキューができるラウンジエリア、プール、キッチンそしてエントランスホールがあり、ひと続きのオープンスペースになっている。
ヨーロッパのHouzzツアーをもっと読む
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「1日のうち、時間によって、家にいる人の数によって、いる人の気分に応じて、レジャー、スポーツ、読書、リラクゼーション、料理といったさまざまな過ごし方を楽しむことができます」とヴュステマンさん。
プールの端沿いに設置された開口部からは、太陽が沈んでいく山々の絶景を味わうことができる。
プールの端沿いに設置された開口部からは、太陽が沈んでいく山々の絶景を味わうことができる。
構造には柱、梁、鉄筋コンクリートフレームに加えて、長さ10メートルのポストテンション方式の梁を2階の屋根に掛けた。間に支持材が一切ないため、パティオから光が遮られることなく射している。
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