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Houzzツアー:3世帯が幸せをつむぎ、ファミリーツリーが広がる上質空間
中庭の木を眺めながら、親世帯と子どもの2世帯が敷地内に同居し家族の絆を深めていく、にぎやかであたたかい家をご紹介します。
Yukako Kondo
2016年4月5日
東京の人気エリアにほど近いA邸。にぎやかな駅近くとはおもえないほど閑静な土地に今では珍しくなった3世帯が暮らす家が竣工した。3世帯同居と聞くと、常に一緒に生活し、楽しいながらもちょっと窮窟で息苦しいイメージかもしれない。だが、A邸は見事なまでエレガントで上質に仕上がっており、もともと仲の良い家族同士は心地の良い距離感を保つことができるので、更に絆が深まった。
また別玄関をつくることによりそれぞれの家族の空間を確保し、中庭を介してお互いの息づかいを感じることができる。「この家に住むことで今まで知らなかった新しい価値観をもらったように思う。幸せだね」とAさん。「スープの冷めない距離っていうけど、本当にいい距離感なのよ」とほほ笑みながら話してくれた奥様。「人生における幸せとは?」ということをよく考えていたとおっしゃるAさん。この家でその幸せが具現化され、子世代、孫たちと寄り添い、楽しみ、慈しむAさん家族のカタチが出来上がった。そしてAさん夫婦を中心にのびのびと枝葉を張り、大きなファミリーツリー(=家系図)が作られていく。この幸せのカタチの詳細をご紹介しよう。
また別玄関をつくることによりそれぞれの家族の空間を確保し、中庭を介してお互いの息づかいを感じることができる。「この家に住むことで今まで知らなかった新しい価値観をもらったように思う。幸せだね」とAさん。「スープの冷めない距離っていうけど、本当にいい距離感なのよ」とほほ笑みながら話してくれた奥様。「人生における幸せとは?」ということをよく考えていたとおっしゃるAさん。この家でその幸せが具現化され、子世代、孫たちと寄り添い、楽しみ、慈しむAさん家族のカタチが出来上がった。そしてAさん夫婦を中心にのびのびと枝葉を張り、大きなファミリーツリー(=家系図)が作られていく。この幸せのカタチの詳細をご紹介しよう。
どんなHouzz?
所在地:東京都
作品名称:SAKURA SAKURA SAKURA HOUSE
居住者:親家族(夫婦)1世帯と子ども家族2世帯(3人家族と4人家族)
規模:敷地面積284.07平方メートル、延床面積523.71平方メートル
竣工:2015年
設計:Mアーキテクツ
植裁:ハートランド
二人の娘世帯と心地よく暮らす家をつくってほしいと依頼された〈Mアーキテクツ〉の前田康憲さんはAさんが慣れ親しんだこの土地の周辺に最近まで桜の大木が何か所かあったことを知り、その風情を再現することにした。
桜=バラ科、の植栽にこだわり、植栽計画を施した。南側にマンションが作られる可能性があり、西側には建物全面ガラスウォールにした。ひときわ目をひくそのガラスウォールは実力も確かなもの。サングラスと同じ構造のこのガラスは中からは外がよく見えるが、外からは中が全く見えず、圧迫感もないので、プライベートがしっかり確保できる。夏の暑い日にもしっかり遮光でき、紫外線カットできる優れものだ。
所在地:東京都
作品名称:SAKURA SAKURA SAKURA HOUSE
居住者:親家族(夫婦)1世帯と子ども家族2世帯(3人家族と4人家族)
規模:敷地面積284.07平方メートル、延床面積523.71平方メートル
竣工:2015年
設計:Mアーキテクツ
植裁:ハートランド
二人の娘世帯と心地よく暮らす家をつくってほしいと依頼された〈Mアーキテクツ〉の前田康憲さんはAさんが慣れ親しんだこの土地の周辺に最近まで桜の大木が何か所かあったことを知り、その風情を再現することにした。
桜=バラ科、の植栽にこだわり、植栽計画を施した。南側にマンションが作られる可能性があり、西側には建物全面ガラスウォールにした。ひときわ目をひくそのガラスウォールは実力も確かなもの。サングラスと同じ構造のこのガラスは中からは外がよく見えるが、外からは中が全く見えず、圧迫感もないので、プライベートがしっかり確保できる。夏の暑い日にもしっかり遮光でき、紫外線カットできる優れものだ。
駐車場からそのまま入れる書斎。中心部にある中庭に面した明るい書斎。カッシーナのデスクが目を引く。奥のドライエリアはバラ科にこだわり、アズキナシが植わっている。
書斎のバックエリアはウォークインクローゼットになっており、仕事から戻りこちらで着替えを済ませ、2階のリビングダイニングに上がることができる。
デスク、チェア、本棚すべて:カッシーナ
書斎のバックエリアはウォークインクローゼットになっており、仕事から戻りこちらで着替えを済ませ、2階のリビングダイニングに上がることができる。
デスク、チェア、本棚すべて:カッシーナ
書斎から1階のリビングダイニングに上がる階段。階段の壁に貼られているのはイタリアから取り寄せた石。贅をつくした設えだ。壁の隣に見えるのがガラス張りの中庭。植栽や空が見えることで自然と共存している感覚が気持ちよい。
リビング全景。中庭をはさんだ奥にはキッチンエリアが見える。また中庭を介して斜め上部には娘世帯が住んでおり、中庭をのぞくと娘世帯の様子がわかる。大空間であるのは間違いないが、家族の生活や息づかいが感じられ、ほどよい距離感が作られている。
キッチンダイニングエリア。3世帯が集ったとき、みんなが仲良く食事ができるように円卓を選択。キッチンはアイランドになっており、大人数のパーティも問題なし。シェフを呼んでケータリングパーティしたり、友人たちと気兼ねなく集まったり。リビングエリアとは中庭を取り囲む廊下とつながっており、ダイニングエリアでの食事のあと、回遊し会話を楽しめる。上質な空間で居心地の良さを満喫できる。
娘世帯からみた中庭。地下の書斎、ジムから親世帯リビングダイニング、娘世帯へと中庭が繋いでおり、この家の核をつくっている。植えられているシンボルツリーはやはりバラ科のジュンベリー。春にはかわいらしい白い花がさき、初夏には赤い実をつける落葉樹。四季折々の表情を見せてくれる。
子世帯のリビングダイニング。潔いまでの白い空間。床はオークをグレー塗装したもの。ソファ、ダイニングテーブル、チェアはすべてカッシーナで統一しており、ブラインドカーテンにいたるまで白一色。右側にみえるのはプライベートスペースに上がる白いらせん階段。なるべく広い生活空間を確保するため、螺旋階段を採用した。
2階の寝室。曲線をえがいた天井は高さ制限によるものだが、建築家の前田さんの洞窟を意識したデザインは柔らかいその曲線のおかげで寝室がよりおちついた表情をみせている。
もう一方の子世帯のリビングダイニング。くつろぐソファとダイニングテーブルを一つのテーブルセットで実現できるKOSMOSのテーブル&ソファ。中央のテーブルには昇降機能がついており、ダイニングテーブルとしてだけではなく、クッションカバーをかぶせてソファの座面高までおろすと、円形の大きなデイベッドにもなる。
子世帯のそれぞれの両親や友人がきても椅子のような人数制限はなく、フレキシブル。キッチンカウンタートップはステンレス。ハードな印象のキッチンとテーブルを照らすアルコランプやダイニングテーブルの曲線の対比が美しい。
子世帯のそれぞれの両親や友人がきても椅子のような人数制限はなく、フレキシブル。キッチンカウンタートップはステンレス。ハードな印象のキッチンとテーブルを照らすアルコランプやダイニングテーブルの曲線の対比が美しい。
2階寝室。現在はお子さんが小さいため、全員分のベッドをおき家族が一緒に過ごせるようにしているが、お子さんの成長とともに部屋を分けることができるようにドアは二つつけられている。
地下にあるジムエリア。中庭とドライエリアを望みながらの贅沢なワークアウトが可能。
親世帯のメインエントランスの脇を抜けると子世帯のエントランスゾーン。子世帯はわざわざ玄関をとおることなく、ダイニングエリアのガラス戸から出入りするので、気軽に行き来でき、いつもにぎやかな声が聞こえる。
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