Houzzツアー:2つの小屋でつくる極上の隠れ家
首都からわずか1時間でたどり着く小さな漁村。風情あふれる桟橋の前に、小さな2つの小屋を並べて極上の隠れ家をつくりました。
Delphine Després
2016年5月27日
航空会社TAP社のパイロットで、建築が大好きというジョアン・ロドリゲスさんは、日常と離れ、自然の中でくつろげる隠れ家を求めていた。そして見つけた理想の場所が、リスボン南部のコンポルタ近郊。水面から高くのびる桟橋で知られる、カラスケイラという小さな漁村だ。「ここの自然の風景は本当に美しいですし、リスボンからわずか1時間で来られる場所なんです」というジョアンさん。サド川の河口に2棟の小屋を建てることにした彼は、以前に別のプロジェクトを依頼したことがある、リスボンの〈アイレス・マテウス建築事務所〉のマヌエル・アイレス・マテウスさんに夢の実現を託した。
どんなHouzz?
居住者:ジョアン・ロドリゲスさん、41歳
所在地:ポルトガル、カラスケイラ
規模:1棟あたり12平方メートル
竣工:2013年
設計:アイレス・マテウス建築事務所
注目ポイント:理想的な小屋の配置を求めて、ジョアンさんはちょっと変わった方法で見える景色を検討した。「地面に置いた椅子に座り、巨大な木のフレーム越しに見える景色を観察したんです。地元の漁師さんが手伝ってくれたことがありましたね。絵を描くつもりなのかと聞かれましたよ」と思い出を語ってくれた。
写真: Bernard Touillon
どんなHouzz?
居住者:ジョアン・ロドリゲスさん、41歳
所在地:ポルトガル、カラスケイラ
規模:1棟あたり12平方メートル
竣工:2013年
設計:アイレス・マテウス建築事務所
注目ポイント:理想的な小屋の配置を求めて、ジョアンさんはちょっと変わった方法で見える景色を検討した。「地面に置いた椅子に座り、巨大な木のフレーム越しに見える景色を観察したんです。地元の漁師さんが手伝ってくれたことがありましたね。絵を描くつもりなのかと聞かれましたよ」と思い出を語ってくれた。
写真: Bernard Touillon
「かつてこの場所には、まったく同じ大きさの漁師の番屋がありました。もちろん、今の小屋とは建築的コンセプトはまったく異なります。新しい小屋はすべて工場で材料を準備し、ここに運んで設置しました」と建築家のマテウスさん。
マテウスさんが提案したこの小屋のテーマは「使用すること/再利用すること、リサイクル」だ。1年の建築期間を経て、リサイクル木材を使った、ミニマリストなスタイルでデザイン性の高い2棟の小屋が誕生した。勾配屋根がついた、ロマンティックでシックな外観の小屋である。高床式の小さな桟橋とつながっているので、すぐにカヤックで海に漕ぎだすことができる。
マテウスさんが提案したこの小屋のテーマは「使用すること/再利用すること、リサイクル」だ。1年の建築期間を経て、リサイクル木材を使った、ミニマリストなスタイルでデザイン性の高い2棟の小屋が誕生した。勾配屋根がついた、ロマンティックでシックな外観の小屋である。高床式の小さな桟橋とつながっているので、すぐにカヤックで海に漕ぎだすことができる。
時が経つにつれて木製の外壁は風雨にさらされて色を変えていく。
片方の小屋にリビングとキッチンがある。ソファに座ると、ガラスの窓の向こうにサド川と周囲の景色が広がる。「自然との一体感を味わえるようにする、というのがオーナーの望むコンセプトでした」とマヌエル・アイレス・マテウスさんは説明する。ランプが数個と小さなテーブルがあるだけの簡素な室内だ。
ランプ:アルテミデ
ランプ:アルテミデ
簡単な料理を作れるように、ソファの近くには、木製のキッチンがある。シンクはステンレス製。
外壁と同様に、室内にもパイン材を使用。素朴で簡素な雰囲気だ。
もうひとつの小屋には寝室とシャワー付きの小さなバスルームがある。このシャワーは屋内/屋外の両側で使える。
ベッドは建築家自身が設計した。天井から吊るしたホワイトの天蓋カーテンがベッドヘッドを覆っている。この部屋のプライベート感が一層高まる、巧みな演出だ。
「シンプルさ、自然との調和、時を経ても変わらない価値、地元産の材料を使うこと」。これがオーナーがこの建築に求めた条件だった。
小屋のそばにある桟橋の上でのリラックスしたひとときを過ごす。手つかずの自然に囲まれた人里離れた場所。恋人と二人きりで過ごす、あるいは一人旅にもぴったりの場所である。
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素朴でありながら~どことなく究極のミニマムな生活が満喫できる住宅ですね。
私が21年前に東京から湘南の地に来た意味合いは似た様なイメージが有りましたね・・・ここまでミニマムではありませんが、東京に住んでいた時の事を考えるとやはり心や生活感が身軽になった事だけは確かです。
移転するきっかけは東京と言う得体のしれない欲望が渦巻く虚構の世界からの脱却と言うイメージで移転した事を今でも覚えております。