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Houzzツアー: ホテルのスイートルームを目指した住み心地のよいフル・リノベーション
ごくありふれた中古マンションの3DKが、まるでホテルのスイートルームに。家具は全てオリジナル。建築家との二人三脚で叶えた、50代の夫妻の理想の住まいです。
Naoko Endo
2015年5月15日
出版社、不動産ファンド、代理店勤務を経て、フリーランス・ライター。
個人ブログ「a+e」http://a-plus-e.blogspot.jp/
出版社、不動産ファンド、代理店勤務を経て、フリーランス・ライター。
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I夫妻が都内に新築されたマンションの1室を購入したのは、今から20年ほど前のこと。専有面積54.33平米の3DKを2LDKにして、夫婦それぞれの仕事をしながら、一緒に年月を重ねてきた。
ベランダから都心の夜景が望めるこの家と、街と環境も気に入っている。これからも住み続けたい。だが、どうしても水まわりなどのインフラは古びていく。自分達の老後や地震への備えも必要だ。暮らしのなかの小さな不便が、心配事となって積もり始めていた。
こんな住まいになったらいいなと、パソコンで簡単な図面をつくり、複数の業者から見積もりもとった。あとは選定するだけとなったものの、踏ん切りがつかない。二人が思い描く住まいのイメージとは、どこかズレている気がしたのだ。
そんな5月のある日、友人の建築家から、近所に店舗兼住宅を設計したとの案内をもらい、いつものように見に行った。軽い気持ちで相談したのを機に、スケルトン/インフィルの全面改修(フル・リノベーション)がスタートする。およそ1年前のことだ。
どんなHouzz?
所在地: 東京都世田谷区
居住者: 50代の夫婦
設計: 廣部剛司建築研究所
規模: 54.33平方メートル
竣工年: 1995年(リノベーションは2014年)
写真: 鳥村鋼一
ベランダから都心の夜景が望めるこの家と、街と環境も気に入っている。これからも住み続けたい。だが、どうしても水まわりなどのインフラは古びていく。自分達の老後や地震への備えも必要だ。暮らしのなかの小さな不便が、心配事となって積もり始めていた。
こんな住まいになったらいいなと、パソコンで簡単な図面をつくり、複数の業者から見積もりもとった。あとは選定するだけとなったものの、踏ん切りがつかない。二人が思い描く住まいのイメージとは、どこかズレている気がしたのだ。
そんな5月のある日、友人の建築家から、近所に店舗兼住宅を設計したとの案内をもらい、いつものように見に行った。軽い気持ちで相談したのを機に、スケルトン/インフィルの全面改修(フル・リノベーション)がスタートする。およそ1年前のことだ。
どんなHouzz?
所在地: 東京都世田谷区
居住者: 50代の夫婦
設計: 廣部剛司建築研究所
規模: 54.33平方メートル
竣工年: 1995年(リノベーションは2014年)
写真: 鳥村鋼一
友達を招いてもてなすのが好きな夫妻にとって、重要なのがダイニング。以前のキッチンは壁付けだったので、せっかく場が盛り上がっても、調理の際は中座し、皆にも背を向けて作業しなければならないのが難だった。発注を迷っていたのも、ピンとくるレイアウトに定まっていなかったからだ。
そんな状況を打ち破ってくれたのが、建築家の廣部剛司氏だった。趣味のスカッシュを通じて10年ほど前に知り合い、自宅にも何度も招いている。設計者の目で改めて自宅をみてもらった数日後、メールでプランが届く。フル・リノベーションを前提とし、ダイニングとリビングを入れ替え、キッチンは対面型にするというもの。添付されていたスケッチをみて、奥様の瞳が輝いた。
そんな状況を打ち破ってくれたのが、建築家の廣部剛司氏だった。趣味のスカッシュを通じて10年ほど前に知り合い、自宅にも何度も招いている。設計者の目で改めて自宅をみてもらった数日後、メールでプランが届く。フル・リノベーションを前提とし、ダイニングとリビングを入れ替え、キッチンは対面型にするというもの。添付されていたスケッチをみて、奥様の瞳が輝いた。
「実をいうと、妻はその時まで改修に乗り気ではありませんでした」
一新されたダイニングで、私たち取材陣と廣部さんを前に、I夫妻は当時を振り返った。
「食器棚を新調したばかりでしたし、5年は先の話だろうと。でも、ペンと色鉛筆でササッと描かれた廣部さんのスケッチを見て、自分達の未来の暮らしのイメージが一気に膨らんだのです」
廣部氏が描いたスケッチは、「ホテルのスイートルームのような1室空間になれば」と考えていた夫妻のイメージにピタリとハマった。
とはいえ、安い買い物ではない。決意した理由を、夫妻はこうも付け加えた。
「一時的な修繕で済むレベルではなく、いずれ必要なこと。後回しにすればその分だけ、せっかく快適につくり変えた我が家で過ごせる楽しい時間が短くなってしまう。ならば早い方が良いと思ったのです」
一新されたダイニングで、私たち取材陣と廣部さんを前に、I夫妻は当時を振り返った。
「食器棚を新調したばかりでしたし、5年は先の話だろうと。でも、ペンと色鉛筆でササッと描かれた廣部さんのスケッチを見て、自分達の未来の暮らしのイメージが一気に膨らんだのです」
廣部氏が描いたスケッチは、「ホテルのスイートルームのような1室空間になれば」と考えていた夫妻のイメージにピタリとハマった。
とはいえ、安い買い物ではない。決意した理由を、夫妻はこうも付け加えた。
「一時的な修繕で済むレベルではなく、いずれ必要なこと。後回しにすればその分だけ、せっかく快適につくり変えた我が家で過ごせる楽しい時間が短くなってしまう。ならば早い方が良いと思ったのです」
正式の設計依頼を受け、廣部氏は嬉しい反面、プレッシャーも感じていたという。
「招かれる度に、綺麗に住まわれていることに感心していました。それを取り壊す以上、お二人が長年築いてこられたライフスタイルまでゼロにしないよう、基本のプランに寄り添いながら、建築家としてどんなプラスアルファができるかに注力しました」
かくして、6月に契約締結、8月末に見積もりと図面が確定、9-10月で施工というスケジュールで進行した。
「招かれる度に、綺麗に住まわれていることに感心していました。それを取り壊す以上、お二人が長年築いてこられたライフスタイルまでゼロにしないよう、基本のプランに寄り添いながら、建築家としてどんなプラスアルファができるかに注力しました」
かくして、6月に契約締結、8月末に見積もりと図面が確定、9-10月で施工というスケジュールで進行した。
スケルトン/インフィル(壁、床、天井の仕上げ材を全て撤去したコンクリートのハコの状態)から内装を全て一新するフル・リノベーションは、窓開口や配管の持ち出しに可否はあるものの、設計の自由度は高い。今回のケースではキッチンの配置を変更できたし、イチから家具を作ることも可能だ。全て同じ材で揃えれば、空間に統一感が出て、価格も抑えられる。大きな揺れに備えた補強もできる。既製品を組み合わせただけでは、これらをシンプルにまとめるのは難しい。
収納に関しては特に、夫妻から高い効率性が求められた。取材中に何度も出てきたのが"見せる"、"隠す"というキーワード。I邸《808》の随所に施されたデザインの数々をみていこう。
収納に関しては特に、夫妻から高い効率性が求められた。取材中に何度も出てきたのが"見せる"、"隠す"というキーワード。I邸《808》の随所に施されたデザインの数々をみていこう。
厨房機器の前に耐熱ガラスのパーテーションを立て、使い勝手も良さそうなL字型キッチン。だが冷蔵庫が見当たらない。なんとキッチン背面の扉の中、左側に格納されていた。その上の連続する丸孔はワイン収納用のラックとなっているが、実は左半分は空間が抜けていて、冷蔵庫の放熱穴として機能している。こちらは半ば“遊び"のデザインである。
シンク側のカウンターの端が立ち上がっているのは、工事中に夫妻が仮住まいしていた家にあった形状を取り入れたもの。肘をついて寄り掛かったり、下げた皿やグラスを仮置きできたり、重宝している。
シンク側のカウンターの端が立ち上がっているのは、工事中に夫妻が仮住まいしていた家にあった形状を取り入れたもの。肘をついて寄り掛かったり、下げた皿やグラスを仮置きできたり、重宝している。
奥様が"ひとめぼれ"したダイニング。アーチのついた"天蓋"がかかり、東屋のような心地良さがある。
「ゲストを招いた時は賑やかに。普段はのんびりと過ごしてもらえるように」と、廣部氏が描いたスケッチそのままに具現化されている。
内部に取り付けた冷暖房機器にあわせて、天井は白く、内側四方の化粧材も周りより一段階明るい色を配して軽快に仕上げた。
この"天蓋"の内部には、実はクーラーの配電線とキッチンのダクトが隠されている。以前のダクトはリビングダイニングをL字に横切り、小梁のように出っ張って圧迫感があったのが解消された。
スケルトン/インフィルの成果で15センチ高くなった天井には、吸音効果がある厚さ35ミリの黒いグラスウールマットを貼った。「床面積は同じなのに3割増し広くなった」と夫妻は感じている。
ここで改めてレイアウトを説明すると、南側にダイニングとリビング、反対側に夫婦の寝室と書斎がある。間を繋ぐ廊下は、以前は玄関前にしかなく、バスルームへの出入りも冬場は冷える玄関側を経由していた。
洗面・脱衣室の先にあるバスルームは、東側に小窓が開いているにも関わらず薄暗かった。明るく広く、そして温かくしたいと、要望のひとつに挙げられていたのがこのバスルームである。
まず、壁を取り払い、ダイニングと寝室の間も通り抜けられるようにした。前後に設けた引き戸を閉めれば、廊下は洗面・脱衣室に早替わり。
「ゲストを招いた時は賑やかに。普段はのんびりと過ごしてもらえるように」と、廣部氏が描いたスケッチそのままに具現化されている。
内部に取り付けた冷暖房機器にあわせて、天井は白く、内側四方の化粧材も周りより一段階明るい色を配して軽快に仕上げた。
この"天蓋"の内部には、実はクーラーの配電線とキッチンのダクトが隠されている。以前のダクトはリビングダイニングをL字に横切り、小梁のように出っ張って圧迫感があったのが解消された。
スケルトン/インフィルの成果で15センチ高くなった天井には、吸音効果がある厚さ35ミリの黒いグラスウールマットを貼った。「床面積は同じなのに3割増し広くなった」と夫妻は感じている。
ここで改めてレイアウトを説明すると、南側にダイニングとリビング、反対側に夫婦の寝室と書斎がある。間を繋ぐ廊下は、以前は玄関前にしかなく、バスルームへの出入りも冬場は冷える玄関側を経由していた。
洗面・脱衣室の先にあるバスルームは、東側に小窓が開いているにも関わらず薄暗かった。明るく広く、そして温かくしたいと、要望のひとつに挙げられていたのがこのバスルームである。
まず、壁を取り払い、ダイニングと寝室の間も通り抜けられるようにした。前後に設けた引き戸を閉めれば、廊下は洗面・脱衣室に早替わり。
バスルームとの境は、ガラスの框ドアと、腰より上もガラスで仕切り、小窓からの光をフロア内まで通した。ようやく窓本来の機能を果たすようになったのだ。
「特に朝は三方向から光が入って気持ちが良いんです」とIさん。
躯躰側の天井に梁が出ているため、圧迫されて小さかったユニットバスも、ハーフユニットに取り替えることで、ギリギリまで大きくできた。壁は職人によるボーダータイル貼り。白をベースに、限りなく黒に近いタイルをアクセントとした。足を伸ばして湯に浸かれる今ではつい長湯に。二人ともすっかりお気に入りの場所となっている。
玄関側に収納を新設した分、実は廊下/洗面・脱衣室の空間は圧迫されている。随所に工夫が凝らされ、狭いと感じさせない。
四角い洗面器はカウンターの奥に寄せ、廣部氏が「女優ライト」と呼ぶ円筒型照明をその左右に取り付けた。キャビネットの奥行きは10センチほど。開けると、こまごまとした化粧水やマニキュアの瓶が横一列に並んでいた。
そう、収納はただ大きければ良いのではない。中に何を収めるかによって、必要なサイズがおのずと決まるのだ。
これら水まわり空間を囲んでいる壁は、天井面と接していない。かつ照明は上を向いている。これは、廣部氏がいうところの「空間の抜け感」を確保し、"スイートルーム"を演出する効果がある。
「特に朝は三方向から光が入って気持ちが良いんです」とIさん。
躯躰側の天井に梁が出ているため、圧迫されて小さかったユニットバスも、ハーフユニットに取り替えることで、ギリギリまで大きくできた。壁は職人によるボーダータイル貼り。白をベースに、限りなく黒に近いタイルをアクセントとした。足を伸ばして湯に浸かれる今ではつい長湯に。二人ともすっかりお気に入りの場所となっている。
玄関側に収納を新設した分、実は廊下/洗面・脱衣室の空間は圧迫されている。随所に工夫が凝らされ、狭いと感じさせない。
四角い洗面器はカウンターの奥に寄せ、廣部氏が「女優ライト」と呼ぶ円筒型照明をその左右に取り付けた。キャビネットの奥行きは10センチほど。開けると、こまごまとした化粧水やマニキュアの瓶が横一列に並んでいた。
そう、収納はただ大きければ良いのではない。中に何を収めるかによって、必要なサイズがおのずと決まるのだ。
これら水まわり空間を囲んでいる壁は、天井面と接していない。かつ照明は上を向いている。これは、廣部氏がいうところの「空間の抜け感」を確保し、"スイートルーム"を演出する効果がある。
一室空間となった書斎と寝室。壁は調湿効果がある珪藻土の櫛引き左官仕上げ、ほぼ全室に共通する仕上げだ。
そしてここでも"見せる"と"隠す"の収納が。
“隠した"のは、廣部氏も「思いのほかかさばるので片付けに困る」と同意していたスカッシュのラケットケース。これらを一列に吊り下げられるようにして、掃除機と並べてデスク背面のキャビネットにスッキリと格納した。
梁の部分に取り付けられた文庫専用の棚は"見せる"収納。当初の図面にはなかったが、工事の様子を見にきた夫妻が思いつき、追加で作ってもらった。
このほか、パイプシャフトまわりのわずかなスペースを活かした収納棚、靴箱、玄関脇の小さなベンチ、扉を左右どちらにもスライドできるダイニングの食器棚。緻密にデザインされたこれらは全て、廣部氏が信頼を寄せる家具工房が制作した。
「既製品に頼る場合、面材や色をいちいち指定しなければならないし、素材にバラつきも出る。造作ならそんなこともない。いろいろと臨機応変に対応してくれたこともありがたかった」とI夫妻。長年使い込んでいるダイニングテーブルも、周囲の造作家具の色にあわせて、家具職人が天板を塗り直してくれた。
そしてここでも"見せる"と"隠す"の収納が。
“隠した"のは、廣部氏も「思いのほかかさばるので片付けに困る」と同意していたスカッシュのラケットケース。これらを一列に吊り下げられるようにして、掃除機と並べてデスク背面のキャビネットにスッキリと格納した。
梁の部分に取り付けられた文庫専用の棚は"見せる"収納。当初の図面にはなかったが、工事の様子を見にきた夫妻が思いつき、追加で作ってもらった。
このほか、パイプシャフトまわりのわずかなスペースを活かした収納棚、靴箱、玄関脇の小さなベンチ、扉を左右どちらにもスライドできるダイニングの食器棚。緻密にデザインされたこれらは全て、廣部氏が信頼を寄せる家具工房が制作した。
「既製品に頼る場合、面材や色をいちいち指定しなければならないし、素材にバラつきも出る。造作ならそんなこともない。いろいろと臨機応変に対応してくれたこともありがたかった」とI夫妻。長年使い込んでいるダイニングテーブルも、周囲の造作家具の色にあわせて、家具職人が天板を塗り直してくれた。
玄関とバスルームを除いて、この家の出入り口に片開き戸はない。開け閉めは専ら天井から吊った引き戸で、床からは溝や出っ張りが消えた。これは、数年前に奥様が足を怪我をした際、ドアの開け閉めにも難儀した体験に基づく。掃除機が引っ掛からない利点もある。
ただしその場合、戸を閉めても床に隙間ができる。特に冬場、玄関から流れ込む冷気は大敵だ。せっかくリビングに電気式床暖房を導入しても、効果が薄れてしまう。
対策として廣部氏は、書斎とリビングを結ぶ廊下と玄関との境に、透明のアクリル板の引き戸を一枚設置した。効果のほどは、ひと冬を越えて実証済み。外部とプライベートを緩やかに仕切るバッファーゾーンにもなっている。
ただしその場合、戸を閉めても床に隙間ができる。特に冬場、玄関から流れ込む冷気は大敵だ。せっかくリビングに電気式床暖房を導入しても、効果が薄れてしまう。
対策として廣部氏は、書斎とリビングを結ぶ廊下と玄関との境に、透明のアクリル板の引き戸を一枚設置した。効果のほどは、ひと冬を越えて実証済み。外部とプライベートを緩やかに仕切るバッファーゾーンにもなっている。
以前はキッチンが置かれていたところは、壁一面の書棚に変わった。文庫本だけでビシッと整頓され、実に壮観である。
普段からあまりモノは増やさないようにしているというI夫妻。好きな作家であっても買うのは文庫版になってから、という家庭内ルールが遵守されている。厳選した本であればなおさら、きれいに並べて、時には背表紙の並びを変えて楽しみたい、というのがご主人。対して奥様は「見せずに隠したい」派である。折衷案となったこの書棚は、夫婦が互いに歩み寄ったかたちである。
普段からあまりモノは増やさないようにしているというI夫妻。好きな作家であっても買うのは文庫版になってから、という家庭内ルールが遵守されている。厳選した本であればなおさら、きれいに並べて、時には背表紙の並びを変えて楽しみたい、というのがご主人。対して奥様は「見せずに隠したい」派である。折衷案となったこの書棚は、夫婦が互いに歩み寄ったかたちである。
部屋番号から「808」と名付けられた今回のフル・リノベーション。思い描いていた以上の住まいに、夫妻は心から満足している。共に仕事をもちながら、仮住まいに伴う引っ越しやらでいろいろ大変だったはずなのだが、二人は同じ感想を口にした。「楽しかった」と。
「以前は年に数回だけ開店する” Bar 808"と称していました。現在は"Bistro 808"です(笑)。キッチンに立つのが楽しくなった」とIさん。友人たちを招く回数も今後は増えそうだ。
その恩恵にあずかる一人、実はマンションのリノベーションは初めて手掛けた廣部氏はこう語る。
「確かに制約はあるけれども、スケルトンをひとつの敷地とみなせば、新築や店舗の内装設計と大差はない。しっかりしたコンセプトの上に、ひとつひとつ積み上げていった思想なりデザインが、カタチとなり、場の雰囲気となって醸し出される。この《808》は、夫妻が元からお持ちの個性が、空間となって表現されたもの。僕は建築家として、その手伝いをさせてもらいました」
「以前は年に数回だけ開店する” Bar 808"と称していました。現在は"Bistro 808"です(笑)。キッチンに立つのが楽しくなった」とIさん。友人たちを招く回数も今後は増えそうだ。
その恩恵にあずかる一人、実はマンションのリノベーションは初めて手掛けた廣部氏はこう語る。
「確かに制約はあるけれども、スケルトンをひとつの敷地とみなせば、新築や店舗の内装設計と大差はない。しっかりしたコンセプトの上に、ひとつひとつ積み上げていった思想なりデザインが、カタチとなり、場の雰囲気となって醸し出される。この《808》は、夫妻が元からお持ちの個性が、空間となって表現されたもの。僕は建築家として、その手伝いをさせてもらいました」
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