橘川雅史建築設計事務所
6 件のレビュー

厚木の家

原風景のすまい
厚木の市街地から離れた敷地の周囲には山が連なり、近くを流れる川に沿って田園風景が広がる。ここに夫婦で余生を暮らす終の住処を計画することとなった。
都市開発が進む中でわずかに残された田舎の風景が心地よい住環境をもたらすと感じた。また終の住処として少しずつ変わりゆく日々の暮らしの中で、心に残るすまいの心象風景を汲み取りながら、すまい手にそっと寄り添う様な空間のあり方が重要ではないかと考えた。
どこか昔話に出てくる様な状況で「原風景のすまい」を意識し、地域に残された原風景やすまいの心象風景と現代のライフスタイルとを重ね合わせ、都市にはない価値観を生み出そうとした。
以前のすまいは同じ敷地の南側にあったが、近隣の開発が進み、住環境が悪化したため、敷地北側の静かな畑の中にこの新たなすまいを配置した。そこは山や川、水田、桜並木が望め、この地域の原風景を伺うことができる場所である。そのため、場所と調和し、すまい手が幼少期に茅葺き屋根の家で過ごした記憶に通じる民家の様な佇まいとした。

開放的な心地よさと包まれる心地よさ
プランは基本的にワンルームで、各々場所とフラットにつながり、引込戸によって自由に仕切られる。普段は家の中や畑にいても互いの気配を感じながら生活でき、時々親戚や近所の人たちが大勢集まれる開放的な設えは、建具を閉めれば小さな空間で寛ぐこともできる。
また、今まであまり意識されていなかった周囲の風景へ意識をつなげるため、北側と南側に大きな開口を設けた。開口は夏には涼しい風が通り抜け、冬は暖かい陽だまりをもたらし、畑の作物や草木の季節の変化を伝え、すまいに自然の移ろいをもたらす。
そして、外部のスケールと呼応する大らかさと垂直方向へのつながりを意識しリビングの天井高は最大約4.8mとした。一方で空間に落ち着いたスケール感を与えるため、天井を屋根勾配に沿って約2mの高さまで下げ、開口部の高さを1.8mに統一した。さらに背の低い家具を配置することで、空間の重心を低く押さえ、より身体的なスケールに近づけた。
外部に広がるランドスケープと内部の大らかなスケール感に身体的スケールを介在させ、開放的な心地よさと包まれる心地よさを同時に成立させようと試みた。
自然と人、人と人のつながりを育み、誰もが心地よいと思える空間を見出したいと考えた。

※ お施主様からのレビューはこちらです。
https://www.houzz.jp/viewReview/1014198/
https://www.houzz.jp/viewReview/1014207/
プロジェクトの竣工年/制作年: 2014
プロジェクトの費用: 3,000万円以上5,000万円未満
国: 日本
厚木の家
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家は、自然の中にそっと置かれたようなシンプルな形として、周囲の自然を引き立てる。 ©︎橘川雅史建築設計事務所
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厚木の家
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広い敷地のスケールに呼応する大きな開口部を設け、のびのびとした佇まいとしている。 ©︎橘川雅史建築設計事務所
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厚木の家
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玄関から家の端まで伸びる縁側。開口部は、障子や木製サッシ、網戸、雨戸がすべて戸袋に収納でき、大きく開放することができる。屋外の風景と内部空間が溶け合い、内部から外部へと空間に広がりを与える。 ©︎橘川雅史建築設計事務所
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厚木の家
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障子越しにやわらかな外光がぼんやりと内部を照らす。障子の組子は、全て同じ幅とし、美しいシルエットが浮かび上がる。 ©︎橘川雅史建築設計事務所
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厚木の家
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畑の中に建つ家は、周囲の環境に溶け込むようシンプルな形とし、畑の作物と周囲の草木などが織りなす季節の移ろい感じる住まいとなる。 ©︎橘川雅史建築設計事務所
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厚木の家
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家の中から障子に映るやわらかい灯が帰宅した家族を優しく迎える。 ©︎橘川雅史建築設計事務所
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厚木の家
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春になると家の周りで桜が咲き、草木が芽吹き、鳥たちがさえずりが聞こえ、のどかな時の流れを感じる。 ©︎橘川雅史建築設計事務所
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厚木の家
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幅12.7mの建具をすべて開放すると畑の風景と繋がる。 ©︎橘川雅史建築設計事務所
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厚木の家
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内部空間は屋根の形をそのまま天井に表し、垂直方向の広がりを生み出す。大きな本棚には、お気に入りの物を置いて住まい手の生活感が現れる。 ©︎橘川雅史建築設計事務所
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厚木の家
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満開の桜と家。この家は庭先の桜との関係を考慮して配置されている。 ©︎橘川雅史建築設計事務所
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厚木の家
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夜桜と家 ©︎橘川雅史建築設計事務所
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厚木の家
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夏は大豆畑と周囲の樹々の緑が家を取り囲む ©︎橘川雅史建築設計事務所
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厚木の家
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外の雪景色と暖かいリビング。冬は暖かい日光が家の奥まで差込み、ガラス戸は熱を逃しにくい、木製サッシュとペアガラスとなっていて、冬も暖かく過ごすことができる。 ©︎橘川雅史建築設計事務所
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厚木の家
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LDKの大黒柱を中心に生活が展開する。奥の和室は、夜寝室となり、昼は襖を全て戸袋に引き込んでLDKを一体となった広々としたワンルームとなる。 ©︎橘川雅史建築設計事務所
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厚木の家
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リビング・ダイニング・キッチンが一体となったワンルーム。奥の窓からは、雑木林の緑や近くを流れる川の風景、その対岸の桜並木を望むことができる。 ©︎橘川雅史建築設計事務所
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厚木の家
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ロフトからLDKを見下ろす。LDKの天井高さは最高4.8mある開放的な空間である。それに対して引戸の開口高さは1.8mに統一し、低い家具を配置して空間の重心を下げて、落ち着いた空間になるようスケール感を調整している。 ©︎橘川雅史建築設計事務所
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