nevertheless / Yusuke Sagawa Architects

ずっとマンション暮らしで、六十を過ぎて初めて建てる家の設計管理をお願いしました。 テーマは終の棲家、故に適度なバリアフリー、でも居心地の良い書庫のための地下室はマスト！控えめで、でも外も内も美しい家。 楽しかったのは打ち合わせです。その都度、議題と内容、決定事項をまとめた記録が23回分、手元に残っています。私と妻が抱くイメージを、佐河さんは注意深く汲み取って、実現可能なかたちにしてくれるのですが、そこには「そうそう、これこれ」だけではなくて、多くの場合、「なるほど、自分が望んでいたのは、こういうことだったんだ！」という新鮮な発見がありました。建築家とつくる家は、あらゆる細部まですべて自分たちで決定していかなくてはなりません。それが最後まで楽しんでやれたのは、佐河さんのセンスと豊富な引き出しのおかげでした。 打ち合わせをしたマンションの居間には、長い年月をかけて妻と蒐めた、暮らしに使う骨董の器のための、アンティークの食器棚がありました。佐河さんはそれをイメージの中心に置いて、私たちの家の姿を構想してくれたのだと、住み始めてすぐに気づきました。その食器棚を据えたダイニングにいると、ずっと昔からこの家の主だったような心地がするのです。新築なのに、空間がしっくり馴染んで感じられます。 私の高齢の母が同居するため、設計の段階で佐河さんには、母の暮らしが１階で完結するように、それでいて同じフロアの居間を兼ねたDKの落ち着いた雰囲気は保たれるように、注文を出しました。広からぬ敷地に建ぺい率40％、容積率80％の厳しい制約のなかで、彼は建物を２つの棟に分けて、廊下でつなぐという一見、ロスが多すぎるように思える解決案を示しました。でも、結果的に大成功だったのです。母は気兼ねなく自室とトイレ、バスを行き来し、２つの棟のあいだには中庭的なスペースが生まれて、そこに植えられたヤマボウシとともに、私たちの暮らしに潤いを与えてくれたのですから。 佐河さん、どうもありがとう！

設計から完成まで色々とアドバイス頂きとてもスムーズに進みました。設計段階で模型も作って頂き完成イメージもわかりやすかったです。工事中も監理、検査で詳細まで確認してもらいとても頼りになりました。 リビングの大きな窓のお陰で冬でも暖かく快適に過ごしています。子供もおしゃれで可愛いお家が出来てたと喜んでおり、 とても満足しています。