Coordinate House NOGAMI　建築設計事務所

私たちは、コロナ禍で、今まで当たり前だと 思っていた事を、改めて考え直すようになりました。そして、そのことは「住宅の本質」をも 今一度考え直す機会となり、ひいては働き方改革にも繋がる、これからの住宅の在り方のアウトラインが見えてきたように思います。住宅は 私達にとって、「巣」であり、安穏な場所。私たちは、それをこのコロナ禍で再認識したような気がし ます。生き方そのものの基本となる住宅に、本 質的なものとして、何が大事か。そのひとつ が、骨格を意識した「美しさと気品」であり、 またもう一つに、家がもつ「公共性」が挙げられると思い ます。on、各々の家は、予算的に、 その骨組みと意匠を一体化こそされなかったもののありますが、その土地でしかできない無二の家づくりと、特有の「巣」感覚、加えて、家族が 囲んで憩う「火」を大事に設計をし、小さな家であっても、公共性に富 んだ「建つべき姿」を現してくれており、屋根 にあるトップライトの三角が、まるで真南の夜 空に指差すサインのようにも見えるのです。ここには、兼用農家としての農機具が何台も収容されています。まさに住職一体の空間とも言える かもしれません。私たちは、このように、近未来、働き方を住宅にプラスした空間を手にしようとする かもしれないし、オフィスの近くに住居を持つ 等をして、コンパクトシティー化が徹底するか もしれない、そんな大きな時代の流れの分枝に 立っています。そのためには、暮らしの基本と なる「巣」を、きっちりと自分達側に引き寄せ てみることが大切だと思うのです。新しい日常に挑ん でいくには、今までの、時にみられたようなビルド 的な考えではなく、住宅の本質をしっかりと捉えること。その起点は、私達が、暮らしを大事 にしたい、大事な暮らしを護っていきたいとい う想い、その一点です。それは、「内的発信の家」づくり、とも言えます。そしてやがて、本当の意味 での「まちづくり」へと繋がっていくのだと確 信しています。