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初回の相談料は有料、無料 どちらがいい?

もらうべきかもらわざるべきか、それが問題だ

Houzz Pro

仕事の依頼を請けるかどうかを決める前に、潜在顧客を見極めることは重要です。住宅関連の専門家は、リフォームやリノベーションなどの案件において、顧客とその住まいに深く関わることになります。見極める方法の 1 つは、初回の相談時に顧客と直接会って、作業する場の環境を確認することです。初回の相談は、潜在顧客に会ってニーズを知り、家づくりの専門家としての知識と専門性をアピールする絶好の機会です。

とはいえ、初回の相談が常に案件につながるわけではありません。そこで、時間を有効的に活用するにはどうしたらよいでしょうか? 初回の相談を有料にするにせよ無料にするにせよ、ビジネスにとって理に適うものにするべきです。

無料で初回の相談を提供する場合

まずは、無料相談をおこなう戦略について考えてみましょう。無料相談を行う専門家が強調するのは、よりたくさんの潜在顧客に会うことができ、自分を売り込むチャンスが広がること。営業の機会が増えれば、顧客のパイプラインが途切れにくくなるという理屈です。業界の専門家によると、無料相談の実施が理に適う企業とは、引き受ける案件の種類が多くない企業、つまり、バラエティに富んだカスタマイズやデザイン重視のソリューションではなく、同じようなものを販売する企業だということです。

ところが、この選択肢は Houzz に登録している専門家にはあまり人気がないようです。無料相談をおこなうのは、見込み案件が不足しているときや、パイプラインに新規案件がどうしても必要なときだけだと言う人もいます。多くの専門家が、起業した当初は無料相談を提供していましたが、その後改定して、初回の相談を有料にしたということです。

「初回相談は、その案件が私たちにとってふさわしいかどうかを知る機会であると同時に、お客様にとって私たちがふさわしいかどうかを知る機会だと考えているので、私の事務所では相談料を無料にしています。確かに、無料相談を利用して情報やアイデアを必要以上に探ろうとする人もいますが、サービスに関する契約を結ぶまで、何を共有して何を明かさないでおくのかは、私たちに決定権があるのです」

ヘザー・スゼミール (McCall Design & Planning 社)


「1991 年から相談料を頂くことをやめました。時間を無駄にさせる人々をふるい落とすのには有効だったのですが、『プレゼントした』90 分間が、数十万ドルに上る案件につながったことが何度もあったのです」

ジャン・モイヤー (インテリアデザイナー)

初回の相談に対して料金を請求する場合

潜在顧客に相談料を請求すれば、その住まい手が他社に依頼することになっても、費やした時間が無駄になることはありません。有料で初回の相談を実施する専門家は、その料金を自分のサービスやアイデア、時間の価値を定量化する手段とみなしています。また、料金を請求することを、見込み顧客をふるいにかけるプロセスの一部と考える人もいます。相談料を請求することの代償は、一部の見込み顧客があなたに相談をしてこなくなる可能性があることです。

サービスに対して料金を請求する場合、自分が提供できる価値を伝えて潜在顧客の期待値を設定するために、初回の相談で何が得られるかを説明しましょう。例えば、色についてのアイデアや、レイアウトのラフスケッチ、材料の候補、予算の見積もり、あるいはその他の特典を提供するといった具合です。

「私の時間と知識には価値があるとメンターにアドバイスしてもらって以来、15 年間にわたり、訪問相談料を課してきました。見込み顧客にアンケートをお願いして訪問日までに返送してもらっています。訪問相談ではアンケートを確認し、お客様の意見や要望を聞き取り、家の構造や提示された予算に基づいて、何が実現可能であるか検討します。そして、訪問相談の終わりには、依頼内容に関する現実的な予算案と完成までのスケジュールをお客様へお伝えします。このやりとりはとても公平で、関係者全員が尊重されていると感じるものです」

モリー・マケイブ (A Kitchen That Works 社)


「新しい現場を見に行くのも有料にしています。あからさまに拒絶する人もいましたが、そうすることで時間を節約できました。見積もりはもちろん、移動や測定や聞き取りといったあらゆることに時間がかかります。相談料を無料にするか、後でその分を値引きするようプレッシャーを感じるのはわかりますが、初回相談のために費やした時間が結局は何の価値もなかったように思えてしまうので、相談料の値引きはしていません」

ジュリー・トム (Julie Thome Draperies 社)

有料で実施して後から払い戻しをする場合

妥協案として、有料で初回の相談をおこないますが、顧客が仕事の依頼を決めた場合はその料金を預り金として費用から差し引くという方法があります。専門家が費やした時間に対して顧客は対価を支払いますが、顧客にとっては少し値引きがおこなわれることになります。預り金があることで、見込み顧客は、あなたの会社のことをもっと調べてから連絡を取ろうとするようになるかもしれません。それによって、下調べをちゃんとした真剣な見込み顧客が得られるというメリットがもたらされることでしょう。

「長年、初回の相談を無料で実施してきましたが、住まい手は大勢の人に話を聞いていることに気づきました。私は潜在顧客に会うためだけに、とんでもない時間を費やしていました。そういった人の大半は、無料のアドバイスを求めていただけでした。私の来訪にお金を払うのであれば、その人が私を雇うことを真剣に検討していることが分かります。私の時間にお金を払ってくれているのですから、私は喜んで潜在顧客にアイデアやアドバイスを提供します。相談料を頂きますが、仕事の契約に至った場合、その料金分を案件費用から差し引きます。私にとっては Win-Win です」

デビー・グリクスマン (Urban Oasis Design & Construction 社)


「この問題の両面を理解できます。つまり、お客様が怖がって逃げてしまうのではないかと心配する一方で、私の専門知識と時間に価値を見出してくれない人は自分の顧客としてふさわしくないのではないかと感じていました。そして、良い解決策を思いつきました。今では、初回の相談料とそれに含まれる内容を伝えるようにしています。その内容とは、私の専門知識に基づいてアイデアを交換する合理的な打ち合わせです。それから、私の会社に仕事を依頼する場合は、相談料の半額を返金することも伝えます。ほとんどの人はこれを受け入れてくれます」

ジェイソン・バリンジャー ( JLB Design 社)

無料の打ち合わせをする場合

無料相談と有料相談の間を取ることを望むプロもいます。自分の事務所やスタジオ、あるいは都合の良い場所で無料の打ち合わせをすれば、見込み顧客の見極めに役立ちます。住まい手に会って関係を築きつつも、相手の場所まで行くための時間やお金を使わなくてもよいわけです。

Houzz に登録している専門家の中には、打ち合わせと相談を、アドバイスを提供するかどうかという点で区別している人がいます。打ち合わせは、互いに知り合うための情報交換の場です。住まい手にとってはその会社の具体的なプロセスについて理解を深めるため、専門家にとっては住まい手の依頼内容を詳しく知るためのものです。

顧客が来訪する無料打ち合わせは、消費者が商品を購入する行為に似ているとも言えます。車、時計、家具など多くの製品は、購入前に店舗やショールームに行って実物を見て確認することができます。無料打ち合わせを提供することは、購買決定をする前にたくさん調査をおこなう買い手に対して効果的な販売戦術かもしれません。

「無料相談を長い間実施してきましたが、最近、見込み顧客の自宅に行く場合はその時間分の料金を請求するように変えました。(私の事務所で行う場合は、今でも 30 分間の打ち合わせは無料です。) 3〜4 時間とは言わないまでも、2 時間以上かけて相手方に出向いても、提案を受け入れてもらうといった十分な成果がないことが多いので、無料相談にはあまり意味を見出せません」

ドン・R・タイタス (Don R. Titus)


「潜在顧客には、自分の事務所で行う 30 分間の無料打ち合わせを提供しています。これに応じた人の約半数が、最終的に私に仕事を依頼してくれます」

テレサ・ガタールズ (Pikes Peak Interiors 社)

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判定用ワークシート

あなたが理想とする顧客層と案件内容を知ることで、問い合わせのふるい分けや見込み案件の見極めが容易になります。過去の案件、そして未来の仮想案件について考えて、このワークシートに記入してください。これを作っておけば、新規の問い合わせが来た時に比較して、初回相談の実施に向けて動くかどうかを素早く判断することができます。

理想とする顧客層

  • どの地域で仕事をしたいですか?特別な案件であれば出張は可能ですか?
  • 仕事を請けたい相手の理想的な年齢層は?
  • 理想的な顧客はファミリー層ですか?それとも独身ですか?
  • 自分の平均依頼コストに基づくと、理想的な世帯所得はどの水準になりますか?

プロジェクトの内容や規模

  • 取り組みたいプロジェクトの種類は?
  • どんなスケジュールがプロジェクトを進めるのに最適ですか?
  • 理想的な予算額は?
  • 最低限必要な予算額は?

仕事のスタイルとモチベーション

  • プロジェクトで何を実現したい顧客の仕事がしたいですか?
  • 細かくチェックする顧客と任せっきりの顧客、どちらと仕事をしたいですか?
  • 住宅リフォームに不慣れな顧客に色々と教えながら一緒にやっていけますか?それとも、リフォームの経験がある顧客の方がよいですか?

ビジネスを効率化しながら育てる

初回の相談を有料にするかどうかにかかわらず、案件管理プロセスの合理化や、問い合わせと相談の件数を増やすのに役立つソフトウェアへの投資は、有効な経営戦略のひとつです。

住宅業界の専門家のための統合型ソリューション「Houzz Pro」にぜひご登録ください。案件化プロセスを加速させるパワフルな案件管理ツールや、3D の間取り図ツール、そしてお客様にもスムーズな体験を提供する顧客用ダッシュボードなど、様々な機能を利用できます。あなたも Houzz でビジネスを確立しませんか。

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Houzz Pro は、住まいの専門家のために開発された、マーケティング・案件・顧客の一元管理ツールです。