つるバラでつくる、「夜の風景」を楽しむナイトガーデニング 株式会社CML 奈良県Ｉ様邸

前面道路に面した前庭空間。建物の外壁面や外構の小壁を使って、何種類ものつるバラが誘引されています。道路に面してオープンな前庭空間は、つるバラだけでなく、シンボルツリーの株立ちのエゴノキやアオダモ、オリーブ等が植栽され、周囲の街並みに花と緑をお裾分けする、街のオアシス的な空間となっています。街に対して仕切りのないオープン外構の特徴を活かして、夜にもこのつるバラの風景を通りすがる人に見てもらおうと、ライトアップによる「ナイトガーデニング」を実施しました。夕暮れ時、空が青く沈む頃、明かりに照らされたバラが妖しく浮かび上がりました。住宅街の一角であるため、商業施設のような煌煌と照らし出すライティングではなく、ほのかに夕闇の中に浮かび上がる、陰影礼賛的な「夜の風景」を創出することを意識しました。ハイパワーのスポットライトをシンボルツリーに当てることで、特徴的な建物外観のサーモンピンクの壁面にその影を落とし、バラの花を下から照らし上げることで、妖艶さを強調するライティングを施しました。また、隣地境界沿いに列植したオリーブの木の幹の部分を下から照らし上げることで、前庭の広がり感も演出しています。前庭の半分は、普段駐車場であるため電気コードの取り回しが難しく、ソーラータイプのアップライト照明を補助的に活用し、より立体感が感じられるライティングを施しました。