実際、『陰影礼賛』には、漱石への言及が3ヵ所もある。例えば、漱石自身が「俳句的小説」と位置づけた『草枕』の中で、羊羹の色を賛美している点に着目した谷崎は、羊羹の深みのある色合いは、クリームなどの「浅はかさ」と対象的に、「瞑想的」で「異様な深...
実際、『陰影礼賛』には、漱石への言及が3ヵ所もある。例えば、漱石自身が「俳句的小説」と位置づけた『草枕』の中で、羊羹の色を賛美している点に着目した谷崎は、羊羹の深みのある色合いは、クリームなどの「浅はかさ」と対象的に、「瞑想的」で「異様な深...