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自然美と重厚感ただよう「石」をとりいれたクールな住宅7選
視覚的に大きな面積を占める外壁材と内壁材は、家の印象を左右する大切な要素。定番の建材も素敵ですが、石をポイントにしてひとひねりしてみませんか?
小川のぞみ
2017年3月15日
ライター/コピーライター/アドバイザー
日本・湘南エリアからアメリカ・カリフォルニア生活を経て、再び湘南エリアに在住。高断熱・高気密の長期優良住宅に居住しながら、インテリアや整理収納のアドバイス、住宅購入の相談、ホームステージング(家具のコーディネートなど)に取り組む。
ライター/コピーライター歴は10年以上。ウェブサイトや雑誌、ECサイトや通販誌、広告媒体(商業施設の冊子やポスター、大手企業発行の会報誌など)にて企画から携わる。担当分野は、住宅、インテリア、教育、ファッション、ランジェリー、インタビュー取材など。インテリア雑貨やファッションのスタイリスト経験も多数。
ライター/コピーライター/アドバイザー
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新築やリフォームのときに採用したい外壁材は何ですか? 人気の窯業系サイディング?モルタル? 内壁材は定番のクロス?それとも漆喰でしょうか? どれにも良いところがあり迷いますが、無難な選択では満足できないという方には「石」をおすすめしたいと思います。欧州のような石造りの家というわけではなく、日本の木造や鉄骨住宅などの外壁にとりいれたり、内壁を中心にインテリアに採用するのはいかがでしょうか。全面に配しても、一面や部分使いでも、グッと引き締まったデザインになるため、自分らしいセンスを醸し出すことが可能です。
この記事では「石」をとりいれた住宅をとりあげ、その魅力に迫りたいと思います。まずは名作住宅、続いてHouzzに掲載された現代の6つの事例に注目します。
この記事では「石」をとりいれた住宅をとりあげ、その魅力に迫りたいと思います。まずは名作住宅、続いてHouzzに掲載された現代の6つの事例に注目します。
世界一有名な住宅といってもよいフランク・ロイド・ライトの《落水荘》ことカウフマン邸。みなさんはどのような印象をお持ちでしょう。
筆者はこの巨大な岩の上にそびえる住宅を初めて見たとき、滝や森林との共存が印象に残っただけでなく、内外装の石に釘づけになりました。
筆者はこの巨大な岩の上にそびえる住宅を初めて見たとき、滝や森林との共存が印象に残っただけでなく、内外装の石に釘づけになりました。
日本の住宅に通じるような、自然との調和が考えられている設計に親しみがわく一方、石が強く目に焼きついたのです。
庭や玄関周りで石を用いることには珍しさがありませんが、内壁や床へのダイナミックな石使いはやはり新鮮に映ります。
また、旧帝国ホテルでの大谷石の大胆な使い方も思い出されます。ライトの建築に想いを巡らせると、建材としての石の魅力に改めてハッとさせられます。
ライトの建築の記事はこちら
絶対に知っておきたい名作モダン住宅:フランク・ロイド・ライトの落水荘
フランク・ロイド・ライトが日本の住宅建築に与えた大きな影響とは?【Part 1】
名作建築:フランク・ロイド・ライトの田園の事務所兼自邸《タリアセン》をたずねて
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こちらはリビングの写真です。外装材が眺められるようになっており、高級感にあふれています。石とトーンを揃えたインテリアで統一感を持たせ、大人っぽい魅力のある空間となっています。
〈MAKIHAUS〉の《オールシーズンリゾートハウス》はコンテンポラリーな水平ラインのデザインと石貼りの組み合わせが特徴的。フラットな石を採用したことで、より洗練された雰囲気になっています。モダンでありながらも周囲の緑とよく馴染んでいるのは、石をポイントにしたから、といえるのではないでしょうか。
リビングの一面の壁に注目してください。石の内壁材がシックなアクセントになっているだけでなく、外へと繋がるクールなインテリアのようでもあります。内壁材と外壁材による石の連続で内と外を繋げ、より広く快適な空間の演出になっているのです。
〈藤吉秀樹建築計画事務所〉が設計した《緑ヶ丘のコートハウス》の外壁は、セブ島産のライムストーン。自然美にあふれているうえ、石職人が丁寧に積みあげたという繊細さにも目が奪われます。経年変化による色の深みも楽しめることでしょう。
リビングも見てみましょう。石が主張する外観とは異なり、内観は木材を中心に中庭を囲むナチュラルモダンな雰囲気です。このように、色合いは揃えつつも、内外観のメイン素材の違いで意外性を出すという方法も参考になります。
「リビングの石」が際立つ重厚感と面白味のある住宅3例
〈フォルム・木村浩一建築研究所〉の作品《表象の家》のリビングは、表情のあるグレーの石の腰壁がアクセント。規格品のストーンタイルをアレンジしたとは思えない風格ある仕上がりで、空間に高級感を与えています。
〈フォルム・木村浩一建築研究所〉の作品《表象の家》のリビングは、表情のあるグレーの石の腰壁がアクセント。規格品のストーンタイルをアレンジしたとは思えない風格ある仕上がりで、空間に高級感を与えています。
〈Yokobori Architect & Associates〉が手がけた《COMPACT HOUSE》の開放的なリビングは、高い石貼りの壁が空間の引き締め役。豪華な石の質感は軽快な木の建材と相性が良く、思いのほかコーディネートしやすいことが分かります。
〈mA-style architects〉の《緑縁の栖》は、室内にも室外にも配した置石が興味深い事例。一見個性的ですが、自然を室内にとりこんで屋外と繋げたかのようなデザインは、とても快適でくつろげる印象です。このようにオブジェ感覚でとりいれるアイデアを参考に、自分流の石のとりいれかたを考えるのも面白そうです。
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