コメント
自然の中で、屋外の空気を堪能しながら「楽しむ」ひととき、「アウトドアシャワー」
私たち日本人には、世界に誇る露天風呂という宝がありますが、アメリカでは春夏、屋外の雰囲気を楽しみながら浴びる「アウトドアシャワー」という習慣があるのだそうです。これからの季節、ちょっとヒントにしてみてもいいかもしれませんね。ニューヨーク・ブルックリン在住の筆者が教えてくれます。
上野朝子|Asako Ueno
2015年6月19日
春から夏にかけて、できるだけアウトドアで過ごしたいと思う人が急増するニューヨーク。カフェやレストランもインドアより、アウトドア(入り口や庭)のテーブルの方が人気で、公園も、日光浴しながら本を読んだり、ピクニックをする人で週末は大にぎわいです。そして、みんなが憧れているのが「アウトドアシャワー」。体をしっかり洗うというより、水(お湯)を浴びてリラックスするといった意味合いが強いので、ロサンゼルスやサンディエゴのように、一年中気候が温暖な一軒家のほうでは生活の一部、身近な存在と言えますが、冬が長くて、古いタウンハウスで暮らす多くのニューヨーカーにとっては、夏のウィークエンドハウスや旅行先での楽しみ。実際には使わなくても、アウトドアシャワーのある風景は、何より気持ちをリラックスさせてくれる、と私は思うのです。houzzの中でもいろいろなアウトドアシャワーのある風景を見つけたので、私たちも参考にできそうな例をいくつかご紹介してみます。
ここは、高台のウッドテラスでしょうか、眺めのいい場所に設置したシャワーのコーナーです。シャワーの存在が、椅子だけのコーナーよりも心地よさを感じさせてくれていますね。裸というより、水着やTシャツのまま楽しむアウトドアシャワーなのでしょう。
頭上から水や温水を浴びるタイプのシャワーは、ヘッドマッサージの効果もあって気持ちよさ抜群。滝に当たるような心持ちで、森林浴も一緒に楽しめます。
このシャワーは庭の真ん中にあるので、植木の手入れにも便利そうです。ゲートもついて、これは人よりも、ペットのシャンプー用かもしれません。いろいろな用途を考えてつくったコーナーでしょう。カントリーな雰囲気も家や庭の雰囲気と合っていますね。
ここも、シャワーと、庭の水やりのコーナーを兼ねているようですが、ヘッドシャワーを設置して、こちらはシャワーを楽しむことが第一優先? 植木鉢をアクセントに、気取らない雰囲気が魅力的です。
庭の隅に設置したシャワーコーナー。素材と、シンプルなデザインにこだわりを感じます。カッパー(銅)素材は使い込むといい色になっていくのが魅力です。
板目を工夫した、存在感のあるシャワーコーナーは、庭のアクセントにもなりそうです。使っていない時はベンチで本を読んだり、お昼寝もできそうですね。サーフボードもアクセントになっています。
木製の垣根とステンレス製のシンプルなデザインのシャワー。私たちはどうしても「シャワー=体を洗う」と思ってしまいがちですが、アウトドアシャワーにおいては、あくまでも風景、そして水(お湯)を外で浴びる気持ちよさが最優先です。従って、デザインはできるだけシンプルで飽きのこないものを選ぶのがいいようです。
中庭を利用したシャワー。水しぶきが模様になっていくカッパー(銅)素材を壁板に使っている、ミニマルなデザインです。ここで水の音を聴いたり、水の流れる様子を見ているだけでも楽しみなのでは。
外壁にコーナーを設けて、床面にコンクリートを使い、スツールも置いて。このお宅では、実は本格的にシャワーを楽しんでいることが想像できます。壁面や枠組みは、外壁や窓枠と色を揃えてデザインされています。
ノズルがあって、しっかり体も洗える日本人好みのシャワー。ミニマルなグレイとブラックのカラーコーディネーションは、緑との相性がいいですね。石造りなので、手入れも楽です。
ずっと外に設置したシャワーを見てきた後で、こういうバスルームを見るとやっぱりホッとしますね。アウトドア感覚をうまくとり入れたインドアのシャワー。裸でも安心して、アウトドア気分のシャワータイムを楽しめそうです。
そして外湯温泉や露天風呂のような感覚でのバスタイムは、日本人にとっては至福の時。私が暮らしているアメリカでは、大半の人は、バスタイムは楽しむというよりも、体を洗う作業の時間。だから余計に、アウトドアシャワー=リラックス、という要素が強いのかもしれませんね。もし、日本のようにリラックスできる内風呂が多かったり、露天風呂を楽しめたりできたら、アウトドアシャワーはこんなに人気にはならなかったかもしれません。
お風呂好きの日本人としては、アウトドアシャワーの時間と風景も、暮らしにとり入れてみたい!と思うのは欲張りでしょうか。
お風呂好きの日本人としては、アウトドアシャワーの時間と風景も、暮らしにとり入れてみたい!と思うのは欲張りでしょうか。
おすすめの記事
造園・ガーデニング
季節ごとの庭づくりやメンテナンス、どうすればいい?1年のガーデニングまとめ
文/藤間紗花
季節によって、必要となる庭の手入れや、植え付けられる植物などは異なります。シーズンごとのガーデニングについて、これまでご紹介した記事をまとめてお届けします。
続きを読む
造園・ガーデニング
庭づくりをプロに依頼する前に知っておきたい、コストとメリット
文/藤間紗花
庭づくりをプロに依頼するのには、どのようなメリットあるのでしょう?また、どのくらいの費用が必要になるのでしょう?4人の専門家の方々にインタビューしました。
続きを読む
造園・ガーデニング
お手入れが楽な庭をつくるには?
文/舩村佳織
忙しいと、ついつい後回しになってしまう庭のお手入れ。育てやすい植物や、水まきのアイテムなど、お手入れを少しでも楽にするためのアイデアをご紹介します。
続きを読む
植物
冬にしかできない作業を忘れずに行い、来春に備えよう【12月のガーデニング】
文/舩村佳織
庭仕事の中でも大切な剪定や土づくりの時期。地味な作業をしっかり行って来春の景色をより良いものにしましょう。
続きを読む
造園・ガーデニング
専門家が教える、来年の庭を劇的に変える秋の庭仕事
文/舩村佳織
庭づくりを始めるのに、秋は遅すぎると思っていませんか? 秋の庭仕事は、来年の庭を美しく演出してくれます。
続きを読む
植物
バスルームで観葉植物を育てるポイント
文/舩村佳織
一日の始まりや終わりにリラックスするバスルーム。浴室の環境でも育てやすい観葉植物を取り入れて、より充実したバスタイムを楽しんでみましょう。
続きを読む