素敵な窓辺と暮らそう!2:空間の「カラースキーム」
インテリアの色彩計画のことを「カラースキーム」といいます。窓まわりのコーディネートを、部屋の色づかいという視点から考えてみましょう。
ウィンドウトリートメントは室内の大きな面積を占めるので、まずは色選びにお悩みになることはないでしょうか? 今回は、そんなみなさんのために、「カラースキーム(インテリアスタイリングの色彩計画)」について取り上げます。
カラーコーディネーションには、「ハーモニー」や「コントラスト」など、いくつかの基本的なテクニックがあります。求めるインテリアイメージ、好み、既にあるインテリアエレメントの色を考慮しつつ、「何を、どこへ、どうやって」使うのか、色の選び方や調整方法など、迷ってしまった場合の具体的な解決アイデアをご紹介していきます。
カラーコーディネーションには、「ハーモニー」や「コントラスト」など、いくつかの基本的なテクニックがあります。求めるインテリアイメージ、好み、既にあるインテリアエレメントの色を考慮しつつ、「何を、どこへ、どうやって」使うのか、色の選び方や調整方法など、迷ってしまった場合の具体的な解決アイデアをご紹介していきます。
色の配分と配置の基本
インテリア空間における一般的な色の配置は、ベースカラー70%(床・壁・天井)、メインカラー25%(木部、ウィンドウトリートメント、椅子張りのファブリック、壁紙など)、アクセントカラー5%(クッション、絵、花、食器など)とされています。
インテリア空間における一般的な色の配置は、ベースカラー70%(床・壁・天井)、メインカラー25%(木部、ウィンドウトリートメント、椅子張りのファブリック、壁紙など)、アクセントカラー5%(クッション、絵、花、食器など)とされています。
ウィンドウトリートメントは、部屋に光を取り込むという大変目立つ位置に、しかも大きな面積で存在します。
つまり、「メインカラー」として空間全体と美しく調和させるために、窓まわりのファブリックとほかのインテリア要素との色の組み合わせは特に大切、といえるのです。
つまり、「メインカラー」として空間全体と美しく調和させるために、窓まわりのファブリックとほかのインテリア要素との色の組み合わせは特に大切、といえるのです。
「色相環」で基本のおさらいを
本題に入る前に、色彩についての基礎のおさらいを。光のスペクトルの色を波長の順に赤から紫まで並べ、赤と紫の光をそれぞれ混ぜた色でスペクトルの両端をつなぎ、連続した色の環を作ったものを「色相環」といいます。
今回はこれを踏まえて、カラーコーディネーションの基本テクニックを、「調和と対比」の2つの視点からご紹介します。
こうした用語を理解しておくと、プロに相談した場合などにスムーズに話が進めやすくなり、自分で進めていく場合にも、コーディネーションの目的やポイントを押さえやすくなります。
本題に入る前に、色彩についての基礎のおさらいを。光のスペクトルの色を波長の順に赤から紫まで並べ、赤と紫の光をそれぞれ混ぜた色でスペクトルの両端をつなぎ、連続した色の環を作ったものを「色相環」といいます。
今回はこれを踏まえて、カラーコーディネーションの基本テクニックを、「調和と対比」の2つの視点からご紹介します。
こうした用語を理解しておくと、プロに相談した場合などにスムーズに話が進めやすくなり、自分で進めていく場合にも、コーディネーションの目的やポイントを押さえやすくなります。
カラースキームのハーモニー
色のハーモニーの基本ルールを知っておくと、似かよった色やトーン((明るさと鮮やかさを組み合わせた色の調子)を使って穏やかに協調させたり、コントラストの強い色どうしを対比させて、クールさを表現するなど、さまざまに組み合わせることができます。
まずは「色の調和」に関するテクニックのいくつかをご紹介したいと思います。
色のハーモニーの基本ルールを知っておくと、似かよった色やトーン((明るさと鮮やかさを組み合わせた色の調子)を使って穏やかに協調させたり、コントラストの強い色どうしを対比させて、クールさを表現するなど、さまざまに組み合わせることができます。
まずは「色の調和」に関するテクニックのいくつかをご紹介したいと思います。
1. 穏やかで調和しやすい「アナロガス」
似かよった色やトーンの類似色の組み合わせを、「アナロガス」といいます。
組み合わせる色のトーンが一致していると、より調和しやすくなります。色相環でいうと、黄~赤など、近い色どうしの組み合わせです
似かよった色やトーンの類似色の組み合わせを、「アナロガス」といいます。
組み合わせる色のトーンが一致していると、より調和しやすくなります。色相環でいうと、黄~赤など、近い色どうしの組み合わせです
2. 同じ色の仲間でトーンを変え、落ち着きを演出する「モノクローム」
たとえば青系、グレー系など同じ色相から、トーンの異なるものを組み合わせて調和させるテクニックです。まとめやすく、落ち着いた印象のインテリアが演出できます。
たとえば青系、グレー系など同じ色相から、トーンの異なるものを組み合わせて調和させるテクニックです。まとめやすく、落ち着いた印象のインテリアが演出できます。
ナチュラルカラーや無彩色をベースに、ほかの1色を加えた組み合わせも、このカテゴリーに入ります。
誰の好みにもなじみやすく、まとめやすいので、日本のインテリアにも多く採用されています。
誰の好みにもなじみやすく、まとめやすいので、日本のインテリアにも多く採用されています。
3. 単色を繰り返して使う「モノトーン」
単色を同じような調子で使うハーモニーのテクニックです。
ホワイト、アイボリー、グレーなど無彩色を使うことが多く、ある意味単調な色づかいなので、ファブリックを選ぶ際には、変化に富んだテクスチャーのものを組み合わせることがおすすめです。
単色を同じような調子で使うハーモニーのテクニックです。
ホワイト、アイボリー、グレーなど無彩色を使うことが多く、ある意味単調な色づかいなので、ファブリックを選ぶ際には、変化に富んだテクスチャーのものを組み合わせることがおすすめです。
カラースキームのコントラスト
次に「色の対比」についてご説明します。こちらは、色相や色の明るさ、鮮やかさの差を活かして大胆に対比させるコーディネートテクニックで、生き生きした動きのあるインテリアにしたいときにおすすめです。
今回は、補色対比(コンプレメンタリー)と呼ばれるコントラストのテクニックのうち、色相対比と明度対比の例をご覧いただきたいと思います。
次に「色の対比」についてご説明します。こちらは、色相や色の明るさ、鮮やかさの差を活かして大胆に対比させるコーディネートテクニックで、生き生きした動きのあるインテリアにしたいときにおすすめです。
今回は、補色対比(コンプレメンタリー)と呼ばれるコントラストのテクニックのうち、色相対比と明度対比の例をご覧いただきたいと思います。
1. 補色を組み合わせて大胆な効果を狙う「色相対比」
色相環の向かい合った位置にある補色を対比させると、ダイナミックな演出ができます。
真向かいの位置よりややずれた色である反対色との組み合わせも、この「色相対比」のカテゴリーに入ります。
色相環の向かい合った位置にある補色を対比させると、ダイナミックな演出ができます。
真向かいの位置よりややずれた色である反対色との組み合わせも、この「色相対比」のカテゴリーに入ります。
2. 空間を明るく引き締める「明度対比」
文字通り、明るい色と暗い色を対比させるテクニックで、写真は究極の明度対比といえるブラック&ホワイトです。
このコントラストを部分的にでも取り入れると、薄暗いどんよりとした空間でも、パッと明るくなり引き締まる、という効果があります。
文字通り、明るい色と暗い色を対比させるテクニックで、写真は究極の明度対比といえるブラック&ホワイトです。
このコントラストを部分的にでも取り入れると、薄暗いどんよりとした空間でも、パッと明るくなり引き締まる、という効果があります。
色の分量を調整する
ここからは、ご自宅のインテリアに取り入れやすくする配色の調整方法をご覧いただきましょう。
コントラストの強い、大胆な補色対比でも、ウィンドウトリートメントのトリム(ここでは縁取りのブレード)として分量を調整しながら少量だけ使うと、ぐっと取り入れやすくなります。
ここからは、ご自宅のインテリアに取り入れやすくする配色の調整方法をご覧いただきましょう。
コントラストの強い、大胆な補色対比でも、ウィンドウトリートメントのトリム(ここでは縁取りのブレード)として分量を調整しながら少量だけ使うと、ぐっと取り入れやすくなります。
色のトーンを調整する
また、同じ補色対比でも、やわらかいトーンや落ち着いたトーンで対比させると、より親しみやすい組み合わせになります。
ここでは同時に、カーテンをホワイトのボーダーで切り替えることで、紫の分量が多すぎて視覚的に重くなるのを軽減しています。
また、同じ補色対比でも、やわらかいトーンや落ち着いたトーンで対比させると、より親しみやすい組み合わせになります。
ここでは同時に、カーテンをホワイトのボーダーで切り替えることで、紫の分量が多すぎて視覚的に重くなるのを軽減しています。
色の配置で調整する
色をどの位置に置くかも大切です。インパクトの強い色は、目線よりも下の方に配置して、その「衝撃」を和らげながら楽しむこともできます。
色をどの位置に置くかも大切です。インパクトの強い色は、目線よりも下の方に配置して、その「衝撃」を和らげながら楽しむこともできます。
日本の住宅に多い左右非対称の空間では、カーテンの切り替えを左右互い違いに組み合わせ、色の分量を調整するのも楽しい方法です。
マルチカラーのすすめ
インテリアにカラーを取り入れたいけれど、どの色がいいか絞り切れない、特定の色でインテリアイメージが限定されてしまうのが嫌だ、という方に実はおすすめなのが、さまざまな色が入った、マルチカラーのファブリックです。
インテリアにカラーを取り入れたいけれど、どの色がいいか絞り切れない、特定の色でインテリアイメージが限定されてしまうのが嫌だ、という方に実はおすすめなのが、さまざまな色が入った、マルチカラーのファブリックです。
ウィンドウトリートメントにマルチカラーのファブリックを採用すると、家具やクッションや小物に使える色の幅が広がります。
つまり、ファブリック自体に多くの色が入っており、それがカラースキームをリードする役割も果たしているので、もともと部屋に置いてあったお気に入りアイテムを活かしつつ、調和させやすいというメリットもあるのです。
つまり、ファブリック自体に多くの色が入っており、それがカラースキームをリードする役割も果たしているので、もともと部屋に置いてあったお気に入りアイテムを活かしつつ、調和させやすいというメリットもあるのです。
いかがでしょうか、インテリアにもっとカラーを使う勇気が湧いてきましたか?
カラースキームのコーディネートテクニックを知ることによって、豊富にある美しい色たちを、もっと積極的にインテリアに取り入れて、楽しむことができるようになります。
素敵な窓辺と暮らすためのお手伝いができるよう、次回も楽しいアイデアをご紹介いたします。どうぞお楽しみに!
ご質問やリクエストもお待ちしています。
参考:『窓装飾プランナーBOOK』(日本インテリアファブリックス協会)、『インテリアスタイリング事典』(塩谷博子著、川島インターナショナル)
こちらの記事もおすすめ:
素敵な窓辺と暮らそう!1:「バランス」の活用法
カラースキームのコーディネートテクニックを知ることによって、豊富にある美しい色たちを、もっと積極的にインテリアに取り入れて、楽しむことができるようになります。
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色の取り入れ方、合わせ方がわかり易くて良いです。ありがとうございます!