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秋冬にやっておきたい庭の手入れ10のポイント
寒くなってきたからと言って庭の手入れの手を休めるわけにはいきません! 秋冬にやるべき園芸作業をまとめました。
舩村佳織
2018年10月17日
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています。
二児の子育て中でもあり、家族みんなが楽しめる庭造りが得意です。設計者として、主婦としての目線から、暮らしやすさに寄り添います。
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています... もっと見る
日ごとに涼しくなり、静かな季節が訪れようとしています。ガーデニングは花まっさかりの春が主役ではありますが、春の庭を万全の状態で迎えるためには秋冬の作業が重要です。見過ごしがちな秋冬の園芸作業を確認して、しっかりと必要な庭仕事を行いましょう。10月から2月頃までに行いたい園芸作業をお伝えします。
1. 夏野菜の片付け・秋冬野菜の作付け
夏にたくさんの野菜を収穫した菜園もひと段落する時期です。気温が下がり花が咲かなくなり始めたら、夏野菜も終わりの合図です。根から抜いてしまいましょう。抜いたあと数日放置しておくと、水分が抜けてカサが減り、処分が容易になります。
ナスやピーマンは暑さが和らいだ9月頃から改めて収穫量が復活しますので、他の野菜よりも長く残しておいてもよいですが、それも10月中頃まで。ナスやピーマンの最後の収穫が終わったころ、コマツナやホウレンソウの種まきを行いましょう。11月以降の種まきは寒さで十分な成長が見込めないので、10月中には終わらせましょう。
夏にたくさんの野菜を収穫した菜園もひと段落する時期です。気温が下がり花が咲かなくなり始めたら、夏野菜も終わりの合図です。根から抜いてしまいましょう。抜いたあと数日放置しておくと、水分が抜けてカサが減り、処分が容易になります。
ナスやピーマンは暑さが和らいだ9月頃から改めて収穫量が復活しますので、他の野菜よりも長く残しておいてもよいですが、それも10月中頃まで。ナスやピーマンの最後の収穫が終わったころ、コマツナやホウレンソウの種まきを行いましょう。11月以降の種まきは寒さで十分な成長が見込めないので、10月中には終わらせましょう。
2. 宿根草の株分け
毎年花壇を彩る宿根草はガーデナーの強い味方。年々大きく立派になる宿根草は、放っておくと内側への日当たりが減り、花付きが悪くなってしまいます。また、古い根が張りすぎて新しい根に更新されず、株の勢いが衰えてしまいます。そうなる前に株分けをすることが大切。一般的なものならば3〜5年に一度程度がおすすめです。
掘り上げた宿根草は、大体3つぐらいに分けます。その後改めて植え付ける際には、しっかりと元肥となる有機肥料をすき込んであげましょう。株の状態を確認し、腐っている部分やカビが繁殖している部分があれば切り取りましょう。
毎年花壇を彩る宿根草はガーデナーの強い味方。年々大きく立派になる宿根草は、放っておくと内側への日当たりが減り、花付きが悪くなってしまいます。また、古い根が張りすぎて新しい根に更新されず、株の勢いが衰えてしまいます。そうなる前に株分けをすることが大切。一般的なものならば3〜5年に一度程度がおすすめです。
掘り上げた宿根草は、大体3つぐらいに分けます。その後改めて植え付ける際には、しっかりと元肥となる有機肥料をすき込んであげましょう。株の状態を確認し、腐っている部分やカビが繁殖している部分があれば切り取りましょう。
3. 春咲き球根や秋蒔き種子の仕込み
数ヶ月後に訪れる春を華やかに迎えるためには、秋冬の仕込みが大切です。他の花より一足早く咲くスノードロップや、春の象徴のようなチューリップなど、今のうちに植えておくと春を存分に楽しめます。
秋蒔きの種子も今が適期。気温がまだ高めの10月中には終わらせましょう。種子で蒔いた花が一斉に咲く様は、ポット苗では作れない素晴らしい景色を作り出します。
数ヶ月後に訪れる春を華やかに迎えるためには、秋冬の仕込みが大切です。他の花より一足早く咲くスノードロップや、春の象徴のようなチューリップなど、今のうちに植えておくと春を存分に楽しめます。
秋蒔きの種子も今が適期。気温がまだ高めの10月中には終わらせましょう。種子で蒔いた花が一斉に咲く様は、ポット苗では作れない素晴らしい景色を作り出します。
4. バラの剪定
秋が終わると落葉樹であるバラは葉を落とします。葉があるうちはしっかりと光合成をさせ、株にエネルギーを蓄えましょう。葉が落ち切った12〜2月の間に来春のシュートを伸ばすために剪定を行います。この剪定は全体の大きさが1/2〜1/3程度になるぐらい大胆に切ってしまって大丈夫です。
もしバラに黒星病などが発生している場合は、落葉をしっかり掃除しましょう。菌が土に潜んで、翌春に出る新しい葉の感染源になってしまうからです。
秋が終わると落葉樹であるバラは葉を落とします。葉があるうちはしっかりと光合成をさせ、株にエネルギーを蓄えましょう。葉が落ち切った12〜2月の間に来春のシュートを伸ばすために剪定を行います。この剪定は全体の大きさが1/2〜1/3程度になるぐらい大胆に切ってしまって大丈夫です。
もしバラに黒星病などが発生している場合は、落葉をしっかり掃除しましょう。菌が土に潜んで、翌春に出る新しい葉の感染源になってしまうからです。
5. 水やりの調整
夏の間は毎日行っていた水やりも、気温の低下とともに回数を減らしていきます。植物は生育が緩慢になるので、水を多くは必要としませんし、土壌中の水も蒸発がゆっくりになります。夏と同じ頻度・量の水やりでは水分過多の状態になってしまいますので、土の状態を見ながら水やりを調整していきましょう。
また、時間帯にも要注意。夕方に水やりを行うと、夜間に凍結してしまい根を傷めます。気温が上がり始める午前中や日中に水やりを行うようにしましょう。自動散水を利用している場合は変化に気付きにくいため、秋など気温が変化していく時期は数回に分けて調整するようにしましょう。
夏の間は毎日行っていた水やりも、気温の低下とともに回数を減らしていきます。植物は生育が緩慢になるので、水を多くは必要としませんし、土壌中の水も蒸発がゆっくりになります。夏と同じ頻度・量の水やりでは水分過多の状態になってしまいますので、土の状態を見ながら水やりを調整していきましょう。
また、時間帯にも要注意。夕方に水やりを行うと、夜間に凍結してしまい根を傷めます。気温が上がり始める午前中や日中に水やりを行うようにしましょう。自動散水を利用している場合は変化に気付きにくいため、秋など気温が変化していく時期は数回に分けて調整するようにしましょう。
6. 落葉樹の剪定・移植
冬に入ると落葉樹は休眠しますので、最小限のダメージで剪定を行うことができます。特に思い切って切り詰めたい場合は、休眠中でないと枯れてしまうことも。葉が落ちている状態なので、枝ぶりがわかりやすく、樹形を整えやすいのもポイントの一つです。落葉樹の剪定の理想としては、休眠期に大胆な剪定を行い、夏にかけては邪魔になった部分のみを軽く切る程度が良いでしょう。
また、移植をしたい場合も休眠中がおすすめ。場所を変えたい落葉樹がある場合は、冬の間に思い切って作業をしましょう。一番おすすめの時期は春の直前2月後半〜3月です。
反対に1年中葉をつけている常緑樹は、冬の剪定がダメージになってしまうことがあります。年越しに見苦しくない程度に、最小限の剪定にとどめましょう。
冬に入ると落葉樹は休眠しますので、最小限のダメージで剪定を行うことができます。特に思い切って切り詰めたい場合は、休眠中でないと枯れてしまうことも。葉が落ちている状態なので、枝ぶりがわかりやすく、樹形を整えやすいのもポイントの一つです。落葉樹の剪定の理想としては、休眠期に大胆な剪定を行い、夏にかけては邪魔になった部分のみを軽く切る程度が良いでしょう。
また、移植をしたい場合も休眠中がおすすめ。場所を変えたい落葉樹がある場合は、冬の間に思い切って作業をしましょう。一番おすすめの時期は春の直前2月後半〜3月です。
反対に1年中葉をつけている常緑樹は、冬の剪定がダメージになってしまうことがあります。年越しに見苦しくない程度に、最小限の剪定にとどめましょう。
7. 寒さ対策
耐寒性のない植物の鉢植えなどは11月頃には室内に取り込みましょう。取り込むのが遅れて、急な冷え込みで凍ってしまうと、一晩で枯れてしまうこともあります。まだ大丈夫かな?と思っても、早めに行なうのが安心です。
庭植えにしているもので、耐寒性が不安なものは不織布をかけて寒風を避けましょう。また根元にバークやワラを敷いて、土を保温するのも効果的です。
耐寒性のない植物の鉢植えなどは11月頃には室内に取り込みましょう。取り込むのが遅れて、急な冷え込みで凍ってしまうと、一晩で枯れてしまうこともあります。まだ大丈夫かな?と思っても、早めに行なうのが安心です。
庭植えにしているもので、耐寒性が不安なものは不織布をかけて寒風を避けましょう。また根元にバークやワラを敷いて、土を保温するのも効果的です。
8. 腐葉土づくり
秋には落葉樹が葉を落とし、地面を彩り始めます。せっせと掃除をしても翌朝にはまた落葉がたくさん! 集めて捨ててしまうだけではもったいないです。たくさん落葉があるならば自家製腐葉土にチャレンジしてみましょう。
腐葉土に向く葉は落葉広葉樹の落葉です。ちょうどこの時期にたくさん落ちている葉ですね。庭に穴を掘り、そこに落葉を入れて土をかけて、ビニールシートをかぶせます。1か月に一度程度混ぜて、あとは放置。落葉が黒くなり形が不明瞭になったらできあがりです。春には完成しますので、春からのガーデニングに自家製腐葉土を使用できます。
米ぬかを入れることで、発酵を早めることもできますので、早く完成させたい場合は試してみてください。
秋には落葉樹が葉を落とし、地面を彩り始めます。せっせと掃除をしても翌朝にはまた落葉がたくさん! 集めて捨ててしまうだけではもったいないです。たくさん落葉があるならば自家製腐葉土にチャレンジしてみましょう。
腐葉土に向く葉は落葉広葉樹の落葉です。ちょうどこの時期にたくさん落ちている葉ですね。庭に穴を掘り、そこに落葉を入れて土をかけて、ビニールシートをかぶせます。1か月に一度程度混ぜて、あとは放置。落葉が黒くなり形が不明瞭になったらできあがりです。春には完成しますので、春からのガーデニングに自家製腐葉土を使用できます。
米ぬかを入れることで、発酵を早めることもできますので、早く完成させたい場合は試してみてください。
9. 庭の大掃除
病害虫の元となるものを根絶するのが目的です。病気に感染して落ちた葉には、病気の原因となる菌が潜んでいることがあります。また枯れた木には害虫の卵が隠れていることも。これらは冬の間に処分するようにしましょう。庭をよく見ると、樹木の枝に卵や蛹の状態で越冬する害虫もいます。葉が落ちて観察しやすい時期に、発見し被害が出る前に駆除しましょう。
病害虫の元となるものを根絶するのが目的です。病気に感染して落ちた葉には、病気の原因となる菌が潜んでいることがあります。また枯れた木には害虫の卵が隠れていることも。これらは冬の間に処分するようにしましょう。庭をよく見ると、樹木の枝に卵や蛹の状態で越冬する害虫もいます。葉が落ちて観察しやすい時期に、発見し被害が出る前に駆除しましょう。
10. 寒肥
春からの生育旺盛な時期に植物が利用する栄養分を、冬に準備するのが寒肥です。油粕などの緩効性の有機肥料を12〜2月の間に与えます。冬の間に肥料の成分が植物が利用できる形に変わり、春からの成長を助けてくれます。
樹木の根元から少し離れた場所に穴を掘り、そこに寒肥を混ぜ込みます。花壇の場合はバラバラと土の上に撒くだけでも大丈夫です。寒肥をしない時と比べて、春の成長が大きく変わるはずです。寒肥を行ったことの無い方はぜひ試してみてください。
春からの生育旺盛な時期に植物が利用する栄養分を、冬に準備するのが寒肥です。油粕などの緩効性の有機肥料を12〜2月の間に与えます。冬の間に肥料の成分が植物が利用できる形に変わり、春からの成長を助けてくれます。
樹木の根元から少し離れた場所に穴を掘り、そこに寒肥を混ぜ込みます。花壇の場合はバラバラと土の上に撒くだけでも大丈夫です。寒肥をしない時と比べて、春の成長が大きく変わるはずです。寒肥を行ったことの無い方はぜひ試してみてください。
秋冬の園芸作業が来シーズンの庭の基礎を作っていきます。すぐに結果が見えない地道な作業ですが、春になれば嬉しい成果が見れるはずです。やがて訪れる春を夢見て、のんびり庭仕事をお楽しみください。
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