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知っておきたい器づかいのコツ:料理をおいしく見せる器の色
料理をおいしそうに見せる器って、どんな器でしょう? 家での食事をおいしく、楽しくする器の揃え方、使い方のコツを2回に分けてご紹介します。前編は、器の色について。
進藤由美子
2023年12月22日
Cooking Studio Y 主宰、料理研究家。美大卒業後、フードコーディネーター、テーブルコーディネーターとして食品メーカーのCM、商品開発などに携わり、料理撮影スタジオ経営を経て、2002年より教室を開設。日々の食卓に新しい彩りを添えるヒントやアイディアを、季節の創作料理と自由な発想のテーブルコーディネートで提供しています。
Cooking Studio Y 主宰、料理研究家。美大卒業後、フードコーディネーター、テーブルコーディネーターとして食品メーカーのCM、商品開発などに携わり、料理撮影スタジオ経営を経て、2002年より教室を開設... もっと見る
どんな料理も合う、白い器
白い食器といってもいろいろで、まず、温かくやわらかな陶器と、クールで硬質な磁器など、材質による質感の違いがあります。また、同じ白でも青みの白、赤みの白、クリームがかった白、グレーがかった白などさまざまなトーンがあり、光沢があったりマットだったりと実に多様。白い器を選ぶときは、好みももちろんありますが、たとえば写真のような刷毛目やライン入り、レリーフのあるものなど、少しニュアンスのあるタイプを揃えておくと、コーディネートがより表情豊かになります。
白い食器といってもいろいろで、まず、温かくやわらかな陶器と、クールで硬質な磁器など、材質による質感の違いがあります。また、同じ白でも青みの白、赤みの白、クリームがかった白、グレーがかった白などさまざまなトーンがあり、光沢があったりマットだったりと実に多様。白い器を選ぶときは、好みももちろんありますが、たとえば写真のような刷毛目やライン入り、レリーフのあるものなど、少しニュアンスのあるタイプを揃えておくと、コーディネートがより表情豊かになります。
料理自体がとてもカラフルなら、プレーンな白い食器がいちばんです。上の写真は魚のカルパッチョのサラダ仕立てを、お皿に絵を描くように盛り付けてみました。野菜やハーブ、スモークサーモンなどのフレッシュでにぎやかな色は、シンプルな無地の白、しかもきりっとした磁器だからこそ引き立ちます。
鮮やかで強い色の食材も、鈍い色や軽やかな色の料理も、おおらかに素直に受け止める白。でも、シンプルな料理では、もう少し器の色に助けてもらいたいときもありますね。次は、そんなときに持っていると便利な器の色と、それぞれに合う料理の例をご紹介します。
鮮やかで強い色の食材も、鈍い色や軽やかな色の料理も、おおらかに素直に受け止める白。でも、シンプルな料理では、もう少し器の色に助けてもらいたいときもありますね。次は、そんなときに持っていると便利な器の色と、それぞれに合う料理の例をご紹介します。
料理が映える、黒の器
どんな料理も合うのは黒にもいえることですが、こちらは料理が「映える」という表現がよりぴったりくる気がします。写真は私が持っている黒の食器の一部で、ごく濃い茶色や濃紺など、ほとんど黒に近いものも、黒の食器と同じ仲間に入れました。
どんな料理と合うかの例を挙げましょう。たとえば手前中央の焼締の正角皿には、おむすびや押し寿司を並べたり、和紙を敷いてお菓子を盛りつけたりします。その左奥の濃紺の丸皿は、お刺身や牛肉のたたきなどを。白身魚のカルパッチョも合います。また、特に重宝しているのが右奥の鉄釉の楕円鉢で、シンプルなポテトサラダなどマヨネーズベースの和え物サラダのほか、リーフサラダやパスタ料理、果物やパンなどを入れてもぴったり。鉄釉の鈍い輝きは和洋両方の料理に合うのです。
どんな料理も合うのは黒にもいえることですが、こちらは料理が「映える」という表現がよりぴったりくる気がします。写真は私が持っている黒の食器の一部で、ごく濃い茶色や濃紺など、ほとんど黒に近いものも、黒の食器と同じ仲間に入れました。
どんな料理と合うかの例を挙げましょう。たとえば手前中央の焼締の正角皿には、おむすびや押し寿司を並べたり、和紙を敷いてお菓子を盛りつけたりします。その左奥の濃紺の丸皿は、お刺身や牛肉のたたきなどを。白身魚のカルパッチョも合います。また、特に重宝しているのが右奥の鉄釉の楕円鉢で、シンプルなポテトサラダなどマヨネーズベースの和え物サラダのほか、リーフサラダやパスタ料理、果物やパンなどを入れてもぴったり。鉄釉の鈍い輝きは和洋両方の料理に合うのです。
ステーキやローストビーフなどお肉の赤、緑黄色野菜のこっくりした色など、黒は強い色の料理と実に合います。迫力のある色どうし、相性がいいのですね。写真はマットな黒の洋皿に、レアに焼いたステーキを盛りつけ、バルサミコ、クリームチーズと柚子胡椒、マスタードと3種類のソースを添えていますが、野菜やハーブの鮮やかな色や黒いソースの色と黒い器が合うことがよくわかると思います。
白い食べ物との相性も抜群。黒やこげ茶の飯椀にご飯を盛ると、お米のつやのある白が引き立ちます。ほかにもじゃがいもなどの白いポタージュや、豆腐料理、白和えなどもおいしそうに映えます。
スレートプレート、スレートボードなどと呼ばれる、黒い石のお皿に料理を盛りつけるのが、レストランやカフェでも大人気ですね。簡単なおつまみやチーズ、買ってきたケーキなども、マットな黒いプレートに置くだけでとたんにおしゃれに見えるから不思議です。黒い器は以前からありましたが、使い勝手のよさに気づいた人が増えているように感じます。ちなみに、黒いお皿に黒いソースを合わせるのも、レストランでは最近のトレンドだそうです。
スレートプレート、スレートボードなどと呼ばれる、黒い石のお皿に料理を盛りつけるのが、レストランやカフェでも大人気ですね。簡単なおつまみやチーズ、買ってきたケーキなども、マットな黒いプレートに置くだけでとたんにおしゃれに見えるから不思議です。黒い器は以前からありましたが、使い勝手のよさに気づいた人が増えているように感じます。ちなみに、黒いお皿に黒いソースを合わせるのも、レストランでは最近のトレンドだそうです。
和洋ともに使いやすい、ブルーの器
次に使いやすいのは、おそらくブルーの食器でしょう。上の写真はすべて洋食器。シンプルで使いやすい北欧の食器から英国アンティークの絵皿まで、個性豊かな食器を改めて見ると、ブルーの食器は、世界の国々で広く発展し、愛され続けているんだなと実感します。柄の入ってい食る器は使い方がやや難しいといわれますが、ブルーの柄ならあまり心配しなくても大丈夫。
無地のブルーや、縁にブルーを使っているタイプなら、細かいことを気にせずにさまざまな料理に合わせられると思います。全体に柄の入っているものは、ドーンとたっぷり盛り付けるよりも、柄を活かしてゆったりと並べるとか、真ん中にポンと置く、といった使い方のほうがおしゃれな感じになります。
知っておきたい器づかいのコツ:大皿、長皿、柄物の器で自分らしさを
次に使いやすいのは、おそらくブルーの食器でしょう。上の写真はすべて洋食器。シンプルで使いやすい北欧の食器から英国アンティークの絵皿まで、個性豊かな食器を改めて見ると、ブルーの食器は、世界の国々で広く発展し、愛され続けているんだなと実感します。柄の入ってい食る器は使い方がやや難しいといわれますが、ブルーの柄ならあまり心配しなくても大丈夫。
無地のブルーや、縁にブルーを使っているタイプなら、細かいことを気にせずにさまざまな料理に合わせられると思います。全体に柄の入っているものは、ドーンとたっぷり盛り付けるよりも、柄を活かしてゆったりと並べるとか、真ん中にポンと置く、といった使い方のほうがおしゃれな感じになります。
知っておきたい器づかいのコツ:大皿、長皿、柄物の器で自分らしさを
染付の和食器は、きっとどのご家庭にもひとつはあるのではないでしょうか。白い素地に呉須という顔料で絵付けを施した染付の藍色は、どこかほっとする落ち着いた色合い。日本人が古くから使ってきた食器なので、ご飯はもちろん、漬け物やおひたし、和え物や焼き魚、茶碗蒸しなど、普段の和の食卓にのぼるものなら、染付の器におまかせです。
また、藍色の和の食器には、サンドイッチやカルパッチョ、パスタ、サラダなどの洋の料理も意外なほど似合います。和洋のハーモニーがとても楽しいので、ぜひ試してみてください。
また、藍色の和の食器には、サンドイッチやカルパッチョ、パスタ、サラダなどの洋の料理も意外なほど似合います。和洋のハーモニーがとても楽しいので、ぜひ試してみてください。
色で考えると、ブルーの食器には赤や緑の食べ物がとてもよく映えます。ラズベリーで飾ったパンケーキは、大胆な柄入りのブルーのお皿にのせてもきっと素敵。左は藍色の無地のお皿に白身魚の昆布締めとなますを。ブルーは目にも優しく、新鮮な生の食材がさらにフレッシュに映ります。
柄物なら、柄や余白を活かして少量を盛り付けたほうがすっきりとして洗練された印象になります。
染付の食器に白木のお盆や白い折敷などを組み合わせると古風なイメージが少しやわらぎ、モダンな印象になります。洋の料理を盛りつける際に、ぜひ試してほしいコーディネートです。
染付の食器に白木のお盆や白い折敷などを組み合わせると古風なイメージが少しやわらぎ、モダンな印象になります。洋の料理を盛りつける際に、ぜひ試してほしいコーディネートです。
ナチュラルな色が合う、褐色の器
茶系の食器に特に合うのは、鮮やかな色よりも優しくナチュラルな色。リーフサラダやグリーンオリーブ、写真のように素朴なお菓子なども。和食器では飴釉という、つやのある褐色や黄褐色の釉薬をかけた器がありますが、これもまた和洋さまざまな料理に合い、重宝です。
茶系の食器に特に合うのは、鮮やかな色よりも優しくナチュラルな色。リーフサラダやグリーンオリーブ、写真のように素朴なお菓子なども。和食器では飴釉という、つやのある褐色や黄褐色の釉薬をかけた器がありますが、これもまた和洋さまざまな料理に合い、重宝です。
その他の色の器を揃えるなら
「アクセントになる色の食器を揃えるなら、何色がおすすめですか?」と聞かれたら、答えはおそらくグリーンと黄色でしょう。グリーンなら、和食器の織部のようなダークで渋いトーンもありますし、鮮やかなグリーンやさわやかなライムグリーンのような色も。黄色は、クリームがかったやわらかなトーンが使いやすいです。
「アクセントになる色の食器を揃えるなら、何色がおすすめですか?」と聞かれたら、答えはおそらくグリーンと黄色でしょう。グリーンなら、和食器の織部のようなダークで渋いトーンもありますし、鮮やかなグリーンやさわやかなライムグリーンのような色も。黄色は、クリームがかったやわらかなトーンが使いやすいです。
食器にアクセントとして葉らんなどを敷くことがありますが、これはフレッシュな緑色が料理を鮮やかに見せる効果を期待してのこと。グリーンの食器を使うことは、それと同じ効果があります。エスニックサラダと揚げ海老せんべいが、ごちそう風に。
こんな食器なら、まるでグリーンの葉っぱの上に料理をのせたような効果が出ます。リーフ型のお皿は、アクセントに持っていると便利です。
グリーンの葉が描かれたお皿も、グリーンの食器の仲間です。イタリアンパセリが全面に描かれたこんなプレートもおもしろいですね。ハーブを添えて出したい一皿を想像すれば、似合う料理をいくらでも思いつきそうです。
イエロー、グリーン、ブラウンは、一緒に使うと、ナチュラルでこっくりとした、食欲を増す組み合わせになります。褐色の食器にはナチュラルカラーが合うのと同じ道理です。
クリームイエローにはゴールド、イエローグリーンには黒のアンダープレートを組み合わせ、2種類を互い違いにセッティングしたテーブルコーディネート。相性のよい2色は、テーブル全体の色合わせにも応用できます。食器どうしのコーディネートについては、また機会を改めてご説明したいと思います。
もっと使いこなしたい、漆器とガラス器の組み合わせ
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