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白い器の組み合わせでつくる、おもてなしのテーブル3種
組み合わせるアイテムによってさまざまに表情を変える、シンプルな白い器を使って、冬の楽しいテーブルを演出してみましょう。
以前の記事「知っておきたい器づかいのコツ:料理をおいしく見せる器の色」でもお伝えした通り、白い器は組み合わせやすく、とても便利です。普段の食事でも友人を招いてのホームパーティーでも、毎月自宅で開催している料理教室でも、登場回数が多くなるのはやはり白の器。「たくさん持っていますね」とよくお客様や生徒さんに言われますが、実はそれほど多いわけではありません。合わせる料理やリネン、そして他の器によっても印象がかなり変わるので、何度も使いまわしていることに気づかれていないからなのではと思います。この「小道具や周りの環境を変えるだけで違って見える」柔軟さは、白い器ならではのものでしょう。
白い器は、和洋中華エスニックとどんな料理にも合いますし、きちんとした印象にもカジュアルな印象にもできます。種類も豊富で、ざらっとした素朴な陶器やつるりとした繊細な磁器、高級感のあるボーンチャイナまでさまざま。材質の違うものを一緒にしても、時には洋食器と和食器を混ぜても、白どうしなら意外と大丈夫ですし、変形の器や他の色を組み合わせても受け止めてくれる安心感があります。シンプルゆえに応用範囲の広い、頼もしい存在です。
今回はそんな白い器を使って、シチュエーション別のコーディネートを3つご紹介したいと思います。誰もが持っている丸いプレートやパスタ皿、ボウルなどを基本にした応用しやすいアレンジを中心に、テイストの全く異なるテーブルにしてみました。プラスすると便利な変形の器や相性のいい小道具も登場しますので、ぜひ参考にしください。
1. 黒、ガラス、シルバーを加えて辛口シンプルなテーブル
まずは、白の端正さを活かした、カップルで楽しむちょっとフォーマルなお食事シーンを。シチュエーションとしては、二人の記念日にパートナーへの感謝を込めて、サプライズで用意したおうちレストランのテーブル、といったイメージです。
まずは、白の端正さを活かした、カップルで楽しむちょっとフォーマルなお食事シーンを。シチュエーションとしては、二人の記念日にパートナーへの感謝を込めて、サプライズで用意したおうちレストランのテーブル、といったイメージです。
ご家庭で真っ白なテーブルクロスを使うことはあまりないかもしれませんが、だからこそ、パリッと糊のきいた白いクロスを掛けるとぱっと空気が変わるもの。いつもと同じ場所なのに、いつもと違う新鮮な気分で食事が楽しめるでしょう。直径30cmほどの黒いプレートを置いて、その上に白いパスタ皿をセット。パンかごや花瓶、カトラリーはクールに光るシルバーかステンレスを。カットグラスもやレリーフの入ったグラスも、こんなシーンによく似合います。テーブルフラワーは、あえて真っ赤なバラの花を一輪だけ。
このコーディネートでは、黒や濃い色のアンダープレートを使うのがポイント。これがあるだけで、白がメインのテーブルがきりりと引き締まります。相手の席に、こんなメッセージカードや小さなプレゼントを置いておくのも素敵なアイデアです。クールで端正なベースに、さらりと愛情のスパイスを効かせる感じ。少しだけ甘い要素を入れるこのバランスが、きっと素敵ですよ。
料理は簡単なものでいいのです。ピンチョスのような、つまんで食べられる小さなオードブルはいかがでしょう。ベーコンを巻いて小玉ねぎとミニトマト、ゆでた芽キャベツとたこ、うずらの卵と海老などをピックに刺して、テーブルの真ん中のお皿に。シャンパンをこのおつまみで楽しんで、あとはジェノベーゼやトマトソースなどのシンプルなパスタがあれば、パーフェクトです。
夕暮れからのサプライズディナーもいいですし、休日のゆっくりランチでも。大切な人へのおもてなし作戦にぜひ試してみてください。
2. ピンクのクラシック柄で甘口エレガントなテーブル
次は、スイーツ大好き女子のティーパーティーを想定したテーブルです。イギリスのアフタヌーンティーのような格式ばったスタイルではなく、話題のお菓子を持ち寄って、紅茶と一緒にわいわいと楽しむカジュアルな集まりをイメージしました。ティーカップ、アンダープレートにする大きめのお皿、お菓子を盛り付ける器と小皿は白にし、アクセントとして花柄のケーキ皿を用意。お菓子がカラフルなのを見越して、白以外に使う色は1色だけと決めます。
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テーブルの真ん中にスイーツを置いて、銘々が好きなものを取って食べるスタイルに。みんなで食べるお菓子は、脚つきのケーキスタンドやコンポートなどにのせてもいいですが、今回はマカロンやプティフール、チョコレートなどの小さいお菓子を、細長い楕円皿にぎっしり並べました。
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1人分のセッティングはこんな感じです。フレンチアンティークの花柄プレートの下にレースペーパーを敷くことで、シンプルな磁器のアンダープレートが甘めのコーディネートにしっくりなじみます。白いティーカップ&ソーサーも繊細なレースの地模様入り。ジャムとクリームをのせるための小皿は、和食器の豆皿を使いました。器とクロスに使っている色は白とピンクだけですが、じゅうぶんに華やかです。
テーブルランナーは、インテリア用の生地を適度なサイズにカットして仕立てました。トワル・ド・ジュイやダマスクなど、フランスの伝統柄がミックスされたものです。白がベースになってはいますが、もはや「白い器のコーディネート」という印象ではなく、アクセントの要素がしっかりとテーブルの個性になっています。
「トワル・ド・ジュイ」についてはこちらも参考に
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こんなふうに、白+柄物を1色で揃えるテクニックは失敗がなく、応用のきく便利な方法です。冬の昼下がり、お菓子を持ち寄って気軽なティーパーティーを開いてみるのはいかがでしょう。甘いものとお茶があればいつまででもおしゃべりできるのは、女子の特権ですね。
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3. 鍋とクロスの色を合わせて、モダンな和のテーブル
家族や友達とお鍋を囲むのが楽しいこの季節。「鍋料理のときはこの器」という具合に、おそらく鍋とお揃いか、素朴な土物などの器を合わせるご家庭が多いと思います。こんなシーンに、あえてちょっと硬質でクールな白い磁器の角皿などを合わせると、モダンでおしゃれな雰囲気が加わります。鍋以外の取り皿、取り鉢、薬味皿、れんげなどを、すべて白で揃えてみるのもいいでしょう。
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白であれば、磁器と陶器が混じっても、変形の器を使っても大丈夫です。そのうえで、鍋のデザインに使われている色をテーブルリネンとコーディネートすると、ハイセンスな印象になります。なかなかぴったりのものが見つからないかもしれませんが、インテリアファブリックやキッチンクロスなども候補にして探してみてください。ここで使っているのも、実はリネンのキッチンクロス。しかも、同じものを2枚、並べて敷いています。テーブルにぴったりのサイズでなくてもこの通り、楽しくカジュアルな演出ができるのです。
シンプルな水炊きを2種類のたれでいただくことを想定した、1人分のコーディネートです。左の角皿にはごまだれとポン酢をを合わせたたれを、右のマットな陶器の鉢には、ポン酢とラー油と刻みにんにくを混ぜたたれを。もみじの形の小鉢にはかんずりを、木の蓋つきの薬味入れにはねぎと白胡麻をたっぷりと添えます。
鍋の具材は、2人分をひとつのかごに盛り合わせて並べましょう。写真は4人のテーブルですが、もっと大勢の人数が集まったときでも、セッティングがこれだけシンプルだと、おもてなしが楽になります。
白い器をいつもなんとなく、同じように使っているということはないでしょうか。白い器のあるテーブルはシンプルだけでなく、合わせ方次第でフォーマルにも、ロマンチックにも、ポップにもモダンにも演出できます。試しに今お持ちの白い器を、一度全部テーブルに並べてみてください。新しい使い方のアイデアが浮かんでくるかもしれません。
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