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片付け収納の観点から考える防災対策とは
大きな災害が起こり、今、できることは何だろう? と誰もが考えていると思います。そのひとつとして、住まいの防災対策についてぜひもう一度おさらいをしてください。
新倉暁子
2022年1月20日
短期大学卒業後百貨店で外資系ブランドの販売、ディスプレイ、顧客管理等に携わった後、語学留学の為渡英、帰国後外資系企業の営業事務等を経て結婚、出産。
出産を機に、自宅で過ごす時間が増えインテリアや暮らしについて深く考える。
モノだけ一生懸命片付けても「心地よい暮らし」はやってこない。住空間だけでなく・時間・子育て環境/働き方・情報と思考の整理整頓をバランスよく暮らし全般を整えることの大切さを提案。
元片付けられない女の経験を活かした片付け講座、個人向け片付けサポートなどに携わる。
北欧視察したことをきっかけに、人々の暮らしにおける考え方に強く共感。”幸福度の高い北欧ライフスタイル研究と発信。北欧流Lgoma(ラゴム)な暮らし方、モノとコトの整頓をサービスしている。
北欧の暮らしから「ちょうどいい」幸せのカタチを発信する「北欧くらしラボ/ミッケリュッカプロジェクト」の共同発起人
HP:http://studio-cozy-home.com/
ブログ: http://ameblo.jp/dear0412
短期大学卒業後百貨店で外資系ブランドの販売、ディスプレイ、顧客管理等に携わった後、語学留学の為渡英、帰国後外資系企業の営業事務等を経て結婚、出産。
出産を機に、自宅で過ごす時間が増えインテリアや暮らしについて深く考える。
モノだけ一生懸命片付けても「心地よい暮らし」はやってこない。住空間だけでなく・時間・子育て環境/働き方・情報と思考の整理整頓をバランスよく暮らし全般を整えることの大切さを提案。
元片付けられない女の経験を活かした片付け講座、個人向け片付けサポートなどに携わる。
北欧視察したことをきっかけに、人々の暮らしにおける考え方に強く共感。”幸福度の高い北欧ライフスタイル研究と発信。北欧流Lgoma(ラゴム)な暮らし方、モノとコトの整頓をサービスしている。
北欧の暮らしから「ちょうどいい」幸せのカタチを発信する「北欧くらしラボ/ミッケリュッカプロジェクト」の共同発起人
HP:
ブログ:... もっと見る
数年前、自分と家族のために、危機管理協会という団体が主催する、危機管理主任者講習というものを受講したことがあります。元「片付けられない女」だった私ですが、その後出会った、アメリカ発祥の片付け・整理・収納の概念や方法の研究・普及を推進する「日本ライフオーガナイザー協会」の片付け手法を知ったことで、片付け収納のスキルは身につき、そして家族も私も、今は自分たちにとっての心地よい暮らしが見えてきました。ならば今度は、家族の安全について、住環境を整えるという観点からできることがあるのではないか――そんなふうに思ったからです。
受講の際、講師の方から言われた最後の一言が、今でも私の脳裏に焼きついています。
「地震などの災害が起こったとき、家が整理整頓され、片付いていることは、自分でできる災害対策のなかで最も大切なことです」
今回は、この言葉の意味を自分なりにもう一度深く考え、収納アドバイザーとしての観点からご説明してみたいと思います。
「地震などの災害が起こったとき、家が整理整頓され、片付いていることは、自分でできる災害対策のなかで最も大切なことです」
今回は、この言葉の意味を自分なりにもう一度深く考え、収納アドバイザーとしての観点からご説明してみたいと思います。
モノが片付き、整理整頓されていることのメリット
地震、火事、台風……災害がいつ何時起こるか、予測は難しいものです。モノの定位置を決めて仕組み化することのメリットは、普段の暮らしの中でいつも簡単に片付けられる、美しい状態を維持できるということだけではありません。家族全員が、どこに何があるのか、モノのありかを把握することで、仮に子供が留守中に災害に遭ったとしても、「懐中電灯はここにある」「怪我をしたら救急箱はここ」「電池のストックはここに入っている」など、すでに把握しているので、パニックに陥りやすい非常事態でも、幾分かは使える情報になり得ます。
地震、火事、台風……災害がいつ何時起こるか、予測は難しいものです。モノの定位置を決めて仕組み化することのメリットは、普段の暮らしの中でいつも簡単に片付けられる、美しい状態を維持できるということだけではありません。家族全員が、どこに何があるのか、モノのありかを把握することで、仮に子供が留守中に災害に遭ったとしても、「懐中電灯はここにある」「怪我をしたら救急箱はここ」「電池のストックはここに入っている」など、すでに把握しているので、パニックに陥りやすい非常事態でも、幾分かは使える情報になり得ます。
わが家では、この3つを基本にしています。
- 家の片付けとモノの管理は一人で行わないこと
- 家族全員でモノのありかを把握すること
- そのうえで、自分のモノは自分で管理すること
モノが片付いておらず散乱している状態では、その分、災害時の危険も増えてしまうでしょう。
たとえば、とっさに逃げ出したいときに玄関に荷物が積まれていたり、避難経路になるはずの廊下に出しっぱなしのモノがあって、通路をふさいでいたら……。命にもかかわる事態を招いてしまいます。
だからこそ、普段からモノの把握とすっきりとした空間づくりは、今からすぐできる災害対策になり得るのです。
たとえば、とっさに逃げ出したいときに玄関に荷物が積まれていたり、避難経路になるはずの廊下に出しっぱなしのモノがあって、通路をふさいでいたら……。命にもかかわる事態を招いてしまいます。
だからこそ、普段からモノの把握とすっきりとした空間づくりは、今からすぐできる災害対策になり得るのです。
非常食を用意しなくてもOK、「ローリングストック法」
お店の防災コーナーに出向くと、それは多くの種類の非常事態に対応するグッズが並べられています。なかでも非常食は、そのコーナーの大半を陣取っています。これを家族×最低10日分、それに合わせて水も1人1日3リットル×10日分準備するとなると、収納場所の確保から考えなければ、とてもじゃないけれど納まりません。
長期保存だからといって、安心して奥にしまい込んでしまうと、人間というのはあっという間に忘れてしまうものです。
お店の防災コーナーに出向くと、それは多くの種類の非常事態に対応するグッズが並べられています。なかでも非常食は、そのコーナーの大半を陣取っています。これを家族×最低10日分、それに合わせて水も1人1日3リットル×10日分準備するとなると、収納場所の確保から考えなければ、とてもじゃないけれど納まりません。
長期保存だからといって、安心して奥にしまい込んでしまうと、人間というのはあっという間に忘れてしまうものです。
そこでおすすめなのが、「ローリングストック法」。日常生活で使う食材を、プラス3日分ほど多めに持つようにして、なくなる前に買い足すことで、一定量の食料を確保していくという方法です。
特別な収納場所を確保するのではなく、普段の食材収納場所で管理するので、ついうっかり賞味期限切れになってしまったということもなく、また何より、非常時に慣れ親しんだ味を食べることは、気持ちのうえでも勇気づけになるそうです。
これに加えて、人数分×10日分、ライフラインの供給がすべてストップしてしまった時用に、水を注ぐだけでご飯になるアルファ米を準備するとよいでしょう。
緊急時、非常時は何かとあわててしまい、パニックになりがちです。わが家ではアルファ米を水から調理して作り方の予習と味見をしています。非常食の味見をするのは案外重要で、自分と家族の好みを確かめておくと、非常事態の時にほっと一息入れられる食事となりますし、明日もがんばろうと思える活力になります。気持ちに作用することはとても大切ですね。
特別な収納場所を確保するのではなく、普段の食材収納場所で管理するので、ついうっかり賞味期限切れになってしまったということもなく、また何より、非常時に慣れ親しんだ味を食べることは、気持ちのうえでも勇気づけになるそうです。
これに加えて、人数分×10日分、ライフラインの供給がすべてストップしてしまった時用に、水を注ぐだけでご飯になるアルファ米を準備するとよいでしょう。
緊急時、非常時は何かとあわててしまい、パニックになりがちです。わが家ではアルファ米を水から調理して作り方の予習と味見をしています。非常食の味見をするのは案外重要で、自分と家族の好みを確かめておくと、非常事態の時にほっと一息入れられる食事となりますし、明日もがんばろうと思える活力になります。気持ちに作用することはとても大切ですね。
わが家の災害対策グッズの収納例
食品類はローリングストック法を採用しているため、賞味期限は普通の食材と同じように考えるので、それほど大変ではありません。
しかしアルファ米や水は保存期間が長いため、意識して管理保存する必要があります。賞味期限が1か月に迫って来たらアラートでお知らせが来るように、スケジュールアプリに入力してあり、同時に管理している棚の扉の裏側にメモ書きをしたマスキングテープを貼っておき、忘れないように努めています。こちらの食材は、普段の生活で消費していきます。
片付け・収納アドバイザーを探す
食品類はローリングストック法を採用しているため、賞味期限は普通の食材と同じように考えるので、それほど大変ではありません。
しかしアルファ米や水は保存期間が長いため、意識して管理保存する必要があります。賞味期限が1か月に迫って来たらアラートでお知らせが来るように、スケジュールアプリに入力してあり、同時に管理している棚の扉の裏側にメモ書きをしたマスキングテープを貼っておき、忘れないように努めています。こちらの食材は、普段の生活で消費していきます。
片付け・収納アドバイザーを探す
非常用持ち出し袋の工夫
災害時持ち出し袋は、指定のリュックサックでなければならない必要はありません。
おすすめなのは、背負えて前で固定でき、体にしっかりフィットするアウトドア用のリュックです。そのリュックを避難経路(わが家では廊下の収納)の取り出しやすい位置へ収納しています。
ポイントは、家族全員にとって取り出しやすいことです。お子さんがいるご家庭ならば、子供が1人でいるときを想定して、大人でも届きかねる高い位置や奥まった位置には収納しないようにしましょう。また、1か所だけに置いておくのではなく、複数箇所に分散しておくと、その場所から取り出せなくなった場合のリスクも防げます。
この非常用持ち出し袋は、9月と3月、半年に一度見直すことを決めていますが、取り出しやすい位置に設置しているので、見直しもそれほど億劫にはなりません。なおリュックだけでなく、アウトドアグッズ全般は、防災用品としても優秀ですので、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
災害時持ち出し袋は、指定のリュックサックでなければならない必要はありません。
おすすめなのは、背負えて前で固定でき、体にしっかりフィットするアウトドア用のリュックです。そのリュックを避難経路(わが家では廊下の収納)の取り出しやすい位置へ収納しています。
ポイントは、家族全員にとって取り出しやすいことです。お子さんがいるご家庭ならば、子供が1人でいるときを想定して、大人でも届きかねる高い位置や奥まった位置には収納しないようにしましょう。また、1か所だけに置いておくのではなく、複数箇所に分散しておくと、その場所から取り出せなくなった場合のリスクも防げます。
この非常用持ち出し袋は、9月と3月、半年に一度見直すことを決めていますが、取り出しやすい位置に設置しているので、見直しもそれほど億劫にはなりません。なおリュックだけでなく、アウトドアグッズ全般は、防災用品としても優秀ですので、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
ベッドの下にスニーカーを準備
就寝時に災害が来た場合のために、寝室のベッドの下にスニーカーが置いてあります。手探りでさっと取り出しやすい位置へ、かごに入れて準備してあります。あまり広くないマンション住まいのわが家ですが、停電で真っ暗な中、モノが散乱している部屋を素足で玄関まで歩くことはできません。ぜひ、玄関とは違う場所でも、スニーカーなどの履物を準備されてみてください。
健康な暮らしと住まいの性能の関係
就寝時に災害が来た場合のために、寝室のベッドの下にスニーカーが置いてあります。手探りでさっと取り出しやすい位置へ、かごに入れて準備してあります。あまり広くないマンション住まいのわが家ですが、停電で真っ暗な中、モノが散乱している部屋を素足で玄関まで歩くことはできません。ぜひ、玄関とは違う場所でも、スニーカーなどの履物を準備されてみてください。
健康な暮らしと住まいの性能の関係
ここに書いたことはほんの一例にすぎません。リスクを少しでも減らし、安全を確保するために、もしもの時のことを家族と話し合うこと、必ずシミュレーションしてみること、そして普段から効率的に準備し、家を整えておくこと、どれもとても大切なことです。
大変な災害が今も起こっている現実があります。被災された方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。こういったとき、今、自分に何ができるだろう……と考えてしまいます。何をしようかと躊躇していらっしゃる方がいるならば、家まわりの整理整頓と見直しも、今からすぐに取り組めることのひとつではないでしょうか。
災害に強いインテリアは、“いつも”が“もしも”に役立つ「分散収納」で!
大変な災害が今も起こっている現実があります。被災された方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。こういったとき、今、自分に何ができるだろう……と考えてしまいます。何をしようかと躊躇していらっしゃる方がいるならば、家まわりの整理整頓と見直しも、今からすぐに取り組めることのひとつではないでしょうか。
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