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海まで2分! 自然を身近に感じる、大きな窓のある家《IS》
使っていくほどに暮らしになじむインテリアが好きな夫妻が求めたのは、「大きなLDK」と「自然を近くに感じる暮らし」。それにこたえて建築家が提案したのが、ファサードの1階部分に広がる大きな家型の窓でした。
Junko Kawakami
2017年8月1日
Freelance since 1999.
海から歩いて2分の住宅街に立つこの家に暮らすのは、会社員の旦那様、デザイナーの奥様、小学生の娘さんの3人家族。以前は都内に住んでいたが、「飼っているフレンチブルドックが走ったり日向ぼっこしたりできる庭のある暮らしがしたいと思うようになり、子どもが小学校に上がるのを機に、海のそばに家を建てたいと思うようになりました」と旦那様。土地を探し始め、5、6件を見たあとで案内されたのが、この大磯の敷地だった。
大磯といえば湘南発祥の地で、夏は大勢の海水浴客で大賑わいとなる町。だが、海から1列下がっただけなのにとても静かな立地が気に入り、夫妻は購入を即決した。
大磯といえば湘南発祥の地で、夏は大勢の海水浴客で大賑わいとなる町。だが、海から1列下がっただけなのにとても静かな立地が気に入り、夫妻は購入を即決した。
写真:鷲崎浩太朗
どんなHouzz?
家族構成:会社員の旦那様とデザイナーの奥様、小学生の娘さん、フレンチブルドッグのわさびちゃん(メス)とかぶきくん(オス)
所在地:神奈川県中郡大磯町
構造:木造2階建て
敷地面積:165.11平方メートル
延床面積:114.90平方メートル
間取り:4LDK
設計:YUCCA design / aterlier の山野辺淳平さん
竣工時期:2016年
設計は〈YUCCA design / aterlier〉を主宰する建築家の山野辺淳平さんに依頼した。「前は都内でコーポラティブハウスを購入して住んでいたのですが、住戸の設計担当が山野辺さんだったんです。僕たちの好みや暮らし方も知っているので、今回、当時の事務所から独立していた山野辺さんに、迷わずお願いしました」と旦那様。インテリア好きでこだわりもたくさんある夫妻のため、山野辺さんは2週間に1度は打ち合わせをし、ひとつひとつの要望にこたえていった。「僕たちのアイデアを設計のプロとして細やかにチューニングして、形にしてくれました」と旦那様は振り返る。
シンプルなキューブに家型の開口が印象的なファサード。間口があまり広くないため道路側に駐車スペースを取った。庭は道路面より約1.2メートル高いため、1階のLDKのプライバシーも守られている。
どんなHouzz?
家族構成:会社員の旦那様とデザイナーの奥様、小学生の娘さん、フレンチブルドッグのわさびちゃん(メス)とかぶきくん(オス)
所在地:神奈川県中郡大磯町
構造:木造2階建て
敷地面積:165.11平方メートル
延床面積:114.90平方メートル
間取り:4LDK
設計:YUCCA design / aterlier の山野辺淳平さん
竣工時期:2016年
設計は〈YUCCA design / aterlier〉を主宰する建築家の山野辺淳平さんに依頼した。「前は都内でコーポラティブハウスを購入して住んでいたのですが、住戸の設計担当が山野辺さんだったんです。僕たちの好みや暮らし方も知っているので、今回、当時の事務所から独立していた山野辺さんに、迷わずお願いしました」と旦那様。インテリア好きでこだわりもたくさんある夫妻のため、山野辺さんは2週間に1度は打ち合わせをし、ひとつひとつの要望にこたえていった。「僕たちのアイデアを設計のプロとして細やかにチューニングして、形にしてくれました」と旦那様は振り返る。
シンプルなキューブに家型の開口が印象的なファサード。間口があまり広くないため道路側に駐車スペースを取った。庭は道路面より約1.2メートル高いため、1階のLDKのプライバシーも守られている。
玄関を入ると、デンマーク製のヴィンテージキャビネットがある。夫妻は家具やインテリアが大好きで、以前から休みの日にはよくインテリアや雑貨ショップ巡りをしていたとのこと。家のあちこちにある家具や建材の多くは、自分たちで見つけてきたこだわりのアイテムだ。
「大きなLDK」は夫妻が求めた条件の1つ。また、「できるだけ自然に近い暮らしがしたいし、窓は格子にしたい」という要望もあった。そこで、山野辺さんが提案したのが、鉄骨を格子状に組んだ、床から天井までの大きな開口だ。外部に向かってはこの家の表情をつくり、室内では、窓枠の頂点から両側に下がる勾配天井に光が反射して、空間を美しく広く見せている。
天井や壁の大部分は白(塗り仕上げ)だが、窓の脇のブリック壁がアクセントになっている。床は〈IOC〉の《ウォルナットナチュール》をはっている。
「インテリアは北欧をベースにタイルや鉄などをミックスしたスタイルが好きなんです」と奥様。TVボードとソファは長野県の家具工房〈HUMP〉にオーダー。ラグはギャッベ。ソファの脇にある丸いサイドテーブルは実はランドリーボックスで、〈コンランショップ〉で購入した。壁のアートは〈オルネ・ド・フォイユ〉で見つけたサヴィニャックのリトグラフ。白いイームズの《シェルチェア》は夫妻が同棲していたころに手に入れた最初のデザイナー家具だ。
天井や壁の大部分は白(塗り仕上げ)だが、窓の脇のブリック壁がアクセントになっている。床は〈IOC〉の《ウォルナットナチュール》をはっている。
「インテリアは北欧をベースにタイルや鉄などをミックスしたスタイルが好きなんです」と奥様。TVボードとソファは長野県の家具工房〈HUMP〉にオーダー。ラグはギャッベ。ソファの脇にある丸いサイドテーブルは実はランドリーボックスで、〈コンランショップ〉で購入した。壁のアートは〈オルネ・ド・フォイユ〉で見つけたサヴィニャックのリトグラフ。白いイームズの《シェルチェア》は夫妻が同棲していたころに手に入れた最初のデザイナー家具だ。
夫妻は植物も好きで、エアプランツや多肉植物をセンスよく飾っている。植物は、川崎の〈solso farm〉で購入することが多い。窓際のフィカス(ゴムの木)は、「昔、〈IDEE〉で買ったものがここまで大きくなりました。TVボードの上のフィカスは、この木を枝分けしたものです」と奥様。
テレビボードの右側の白い布を巻いたバーはカーテン。大窓にはフックがついており、夜など目隠しをしたいときに、暖簾のように掛けて使う。奥様がデザインし、木の棒と布を手に入れて、インターネットの縫製サービスを通じて発注し、作ってもらった。
LDK空間で注目したいのが、美しいカンチレバーの階段だ。「最下段と最上段をそれぞれ1階、2階の床面と離すことで、浮遊するかのような軽快さを目指しました」と設計した山野辺さん。
テレビボードの右側の白い布を巻いたバーはカーテン。大窓にはフックがついており、夜など目隠しをしたいときに、暖簾のように掛けて使う。奥様がデザインし、木の棒と布を手に入れて、インターネットの縫製サービスを通じて発注し、作ってもらった。
LDK空間で注目したいのが、美しいカンチレバーの階段だ。「最下段と最上段をそれぞれ1階、2階の床面と離すことで、浮遊するかのような軽快さを目指しました」と設計した山野辺さん。
リビングの天井をキッチンエリアの天井と切り離すことで、2階からの光が美しく回り込むと同時に、LDKをさりげなくゾーニングしている。この工夫により、ともすればのっぺりと単調になりがちな大空間にリズムが生まれている。
ダイニングテーブルとチェアも〈HUMP〉のもの。前の家から愛用し続けている。
ダイニングテーブルとチェアも〈HUMP〉のもの。前の家から愛用し続けている。
キッチンは設計の初期段階からアイランド型のコンクリートと決めていた。基礎からコンクリートを立ち上げてつくったもので、大きさに対してコストを抑えることができた。アイランドや壁付カウンターの下に入れる家具は地元大磯の家具屋〈モコ木工〉に発注。ガスコンロとオーブンは〈AEG〉を選んだ。キッチンアイランドの向かって左(上の写真参照)のパントリーに、冷蔵庫も収めている。
照明は、LDK全体で、フィラメント型LEDのペンダントを使用。壁面のタイルの張り方は夫婦2人が最もこだわったところで、馬踏み貼りと通し目地貼りを組み合わせたあまり見かけないパターンで気に入っている。
照明は、LDK全体で、フィラメント型LEDのペンダントを使用。壁面のタイルの張り方は夫婦2人が最もこだわったところで、馬踏み貼りと通し目地貼りを組み合わせたあまり見かけないパターンで気に入っている。
キッチンの壁の裏側にバス、トイレ、ユーティリティールームがある。木製の脚がついた洗面シンクやミラーは海外から個人輸入で取り寄せたこだわりのアイテムだ。床の六角形タイルは〈ADVAN〉の《ピストイアビアンコ》、壁のサブウェイタイルは〈タイルパーク〉のもの。
1Fの奥様さんのホームオフィス。ペットウェアをデザインしネットショップで販売している。「わさびを飼い始めて1歳くらいのとき、気に入った服が見つからなくて、それなら、と自分でデザインしようと思ったのがきっかけです」と奥様。壁側1面に棚をつくり、バンカーズボックスやカゴを使って商品や資料をすっきりと整理。
1Fのリビング前には、庭がある。
家型が印象的な窓は、LDKに風を通すことを考えて、窓を取り囲むように庇をつけ、それを延長して窓を取り囲むようにサイドの壁とデッキがついている。サイドの壁が横方向からの目線を遮り、リビングのプライバシーを確保している。
庭づくりは旦那様がDIYで少しずつ進めている。引っ越してきてからフェンスをつくり、芝生を植え、プランターも設置した。「庭石も、沖縄から石灰石を取り寄せ、置き方を勉強して並べました。経年変化で味わいが出るものが好きなんです」と旦那様。これからも植物を増やし、手を加えていく予定。引っ越してから、通勤時間は1時間以上かかるようになったが、それでも「自然のそばで心地よく過ごせる今の暮らしには代えられません」と話してくれた。
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庭づくりは旦那様がDIYで少しずつ進めている。引っ越してきてからフェンスをつくり、芝生を植え、プランターも設置した。「庭石も、沖縄から石灰石を取り寄せ、置き方を勉強して並べました。経年変化で味わいが出るものが好きなんです」と旦那様。これからも植物を増やし、手を加えていく予定。引っ越してから、通勤時間は1時間以上かかるようになったが、それでも「自然のそばで心地よく過ごせる今の暮らしには代えられません」と話してくれた。
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