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旧軽井沢の森に抱かれて、母と子供たち家族が週末を過ごすための別荘
森のなかの静謐な空気の中に佇む別荘。外観内観ともに豊かな表情をもち、ここで過ごす家族の時間を特別なものにしてくれます。
Junko Kawakami
2018年9月2日
Freelance since 1999.
明治20年代に、西洋人たちが日本で初めての「避暑地」として切り開いた軽井沢。その中心である旧軽井沢エリアは要人の別荘も多く、風格のある古き良き別荘地の趣を今も残している。今回は、しっとりと落ち着いた旧軽井沢の木立の中に佇む美しい別荘《KAZEN HOUSE・母の家》をご紹介する。
この家のオーナーは、70代の母とその子どもたちである5人の兄弟姉妹である。子どもたちにはそれぞれに家庭がある。自分の家族と母とともに軽井沢で週末をリラックスして過ごしたい、と考え、軽井沢に敷地を入手して、別荘の設計を建築家の横河健氏に依頼。母想いの子供たちの心を形にしたかのような、力強い構造で家族を優しく抱く「家型」の別荘が完成した。
この家のオーナーは、70代の母とその子どもたちである5人の兄弟姉妹である。子どもたちにはそれぞれに家庭がある。自分の家族と母とともに軽井沢で週末をリラックスして過ごしたい、と考え、軽井沢に敷地を入手して、別荘の設計を建築家の横河健氏に依頼。母想いの子供たちの心を形にしたかのような、力強い構造で家族を優しく抱く「家型」の別荘が完成した。
どんなHouzz?
住まい手:70代の母とその子供たちである5人兄弟姉妹の家族が別荘として使用
所在地:長野県北佐久郡軽井沢
建築面積:143.60㎡
延床面積:199.55㎡
構造:木造、地上2階
設計:横河健/横河設計工房
構造設計:オーノJAPAN
施工:第一建設
設計期間:12ヶ月
施工期間:12ヶ月
竣工:2017年
木立を進むと、敷地の北側に位置する前面道路から、大きな切妻屋根が見えてくる。建物は道路から10メートルほど奥まったところに位置している。妻面に家型にくり抜かれた部分があり、木立の深い緑が見えて、建物をランドスケープに溶け込ませている。くり抜いた部分には左右に玄関がある。外壁の仕上げはウェスタンレッドシダー材。
住まい手:70代の母とその子供たちである5人兄弟姉妹の家族が別荘として使用
所在地:長野県北佐久郡軽井沢
建築面積:143.60㎡
延床面積:199.55㎡
構造:木造、地上2階
設計:横河健/横河設計工房
構造設計:オーノJAPAN
施工:第一建設
設計期間:12ヶ月
施工期間:12ヶ月
竣工:2017年
木立を進むと、敷地の北側に位置する前面道路から、大きな切妻屋根が見えてくる。建物は道路から10メートルほど奥まったところに位置している。妻面に家型にくり抜かれた部分があり、木立の深い緑が見えて、建物をランドスケープに溶け込ませている。くり抜いた部分には左右に玄関がある。外壁の仕上げはウェスタンレッドシダー材。
アプローチを進むと天井面に高低差があり、風景を美しく切り取って見せる。
西側エントランスは主室へ、東側エントランスはゲストエリアへ通じている。内部ではひとつながりの空間となっていても、入り口を分けることで、それぞれのエリアで過ごす家族のプライバシーが維持される。
西側エントランスは主室へ、東側エントランスはゲストエリアへ通じている。内部ではひとつながりの空間となっていても、入り口を分けることで、それぞれのエリアで過ごす家族のプライバシーが維持される。
南側のファサード。南北面を左右の壁も含め、間口18mの大きなキールアーチとし、そこにジョイスト(小梁)をかけて架構するという、独自の構造がさりげなく提示されている。
シンプルな北側のファサードと打って変わって、南側から見ると、架構の内側にさまざまな空間が巧みに作り出されいる。陰影をたたえた彫りの深い表情を見れば、空間の構成やディテールに、さまざまな工夫があることがわかる。
シンプルな北側のファサードと打って変わって、南側から見ると、架構の内側にさまざまな空間が巧みに作り出されいる。陰影をたたえた彫りの深い表情を見れば、空間の構成やディテールに、さまざまな工夫があることがわかる。
西側1Fには家族の集まる主室(LDK)があり、漆喰の白い壁と、現しにした小梁やナラ材のウッドフローリングや木製家具が、ナチュラルで心地良い空間をつくりだしている。
キッチンなど水回り設備は写真左に見えるコア(キッチンボックス)に収められている。
キッチンなど水回り設備は写真左に見えるコア(キッチンボックス)に収められている。
キッチンボックスの内部。コンパクトでありながら使いやすい配置。
キッチンボックスの扉を閉めると、主室はくつろぎの空間に。ダイニングエリアの中心となる丸テーブルは直径150センチ。建築家の横河氏は「人が集まったときに絶妙な距離感を生み出してくれる距離」だと言う。
掃出し窓を開け放てば、広いデッキにシームレスにつながる。バーベキューグリルにはピザ窯もあり、大家族で食事を楽しむアウトドアリビングになる。
主室の隣にある1Fの寝室。深みのある色のファブリックやラグ、ウェスタンレッドシダー材を張った天井が、森に抱かれるような落ち着いた空間を作り出している。
主室から2Fへ上がる階段を見る。踊り場の前の大きなピクチャーウィンドウから柔らかい光が入る。
踊り場から2Fを見上げたところ。階段をのぼりきったところに小さなデスクスペースが設えられている。切妻屋根の真下には、家具によってさり気なく分節された主寝室がある。
2Fの主寝室からテラスを望む。
テラスは三角屋根の下にあり、懐が深いため、屋外でありながら屋内のように守られている感覚がある。手すりを兼ねたベンチも絶妙だ。
階段の頂上の側面には本棚があり……
隠し扉になっていて……
「ラリック・ライブラリー」と名付けた書斎に通じている。名前の由来は、写真中央やや右に見える引き戸で、ラリックのガラスがはめ込まれている。部屋のコーナーを使って絶妙に配置したデスクで過ごすとき、引き戸を開ければ木立の眺めを、閉めているときには外の緑を優しく透過した美しい模様を楽しめる。
2Fの和室。利用する人の人数が上下する別荘では、フレキシブルに使える和室があるととても便利だ。
角に屋根の形をなぞった障子と引き戸がしつらえられいる。
角に屋根の形をなぞった障子と引き戸がしつらえられいる。
引き戸を開けると、コーナーから南側の森を眺めることができる。
1Fにあるバスルーム。
コーナーを完全に開け放つと、露天風呂のように楽しむことができる。
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