吹き抜けのある美しい家9選
思い描く吹き抜けのイメージが広がる日本の家を紹介します。開放感はもちろん、快適な暮らしに配慮された9つのプロジェクトです。
Houzz Japan
2019年3月27日
Houzz Japan 公式アカウント
開放的な空間、高窓から差し込む光、そして美しく演出された照明計画……これらが実現する吹き抜けのある家をつくりたいと考えている人のために、Houzzで見つけた美しい吹き抜けのある日本の家をご紹介します。吹き抜けのデメリットと言われている寒さや冷暖房効率にも配慮した9つのプロジェクト。設計者が吹き抜けを計画に取り入れた理由にも注目です。
イリタビーチハウス
設計:Far East Design Lab
撮影:KAI NAKAMURA
海辺のライフスタイルを家族で週末に楽しむためのビーチハウス。住まい手から都会的なリゾート感を取り入れたいという要望があった。光と自然、空をたっぷりと取り込めるよう中庭に面して吹き抜けがある。中庭とLDKは緩やかにつながり、広い活動スペースをつくる。内と外、両方を楽しむリゾートならではの過ごし方が実現した。
木造で大きな開口面をつくるため、構造体の外にサッシを取り付けて壁全体を窓に。北側にも縦に連なる窓を設けているので家全体の空気が循環する。
吹き抜けのあるダイニングの写真を見る
設計:Far East Design Lab
撮影:KAI NAKAMURA
海辺のライフスタイルを家族で週末に楽しむためのビーチハウス。住まい手から都会的なリゾート感を取り入れたいという要望があった。光と自然、空をたっぷりと取り込めるよう中庭に面して吹き抜けがある。中庭とLDKは緩やかにつながり、広い活動スペースをつくる。内と外、両方を楽しむリゾートならではの過ごし方が実現した。
木造で大きな開口面をつくるため、構造体の外にサッシを取り付けて壁全体を窓に。北側にも縦に連なる窓を設けているので家全体の空気が循環する。
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長瀞の家
設計:佐藤文+鹿嶌信哉/K+S アーキテクツ
撮影:上田宏
里山の自然に調和させるため、建物は極力シンプルに。住まい手が自然に寄り添い楽しく生活できる唯一無二の家を目指した。建物は切妻屋根を「くの字」に曲げた形。まるで野山を歩くように少し上がったり下がったりしながら敷地や建物の中を回遊でき、それぞれの場に程よい距離感をつくった。
吹き抜けの大空間の壁と天井は、ラワン合板を馬目地のねむり目地張りに。大工の手で緻密に仕上げられ、自然に対峙するダイナミックさをつくっている。さらに照明の陰影により木がもつ美しさが強調され「くの字」形と切妻屋根の構成を最大化している。
設計:佐藤文+鹿嶌信哉/K+S アーキテクツ
撮影:上田宏
里山の自然に調和させるため、建物は極力シンプルに。住まい手が自然に寄り添い楽しく生活できる唯一無二の家を目指した。建物は切妻屋根を「くの字」に曲げた形。まるで野山を歩くように少し上がったり下がったりしながら敷地や建物の中を回遊でき、それぞれの場に程よい距離感をつくった。
吹き抜けの大空間の壁と天井は、ラワン合板を馬目地のねむり目地張りに。大工の手で緻密に仕上げられ、自然に対峙するダイナミックさをつくっている。さらに照明の陰影により木がもつ美しさが強調され「くの字」形と切妻屋根の構成を最大化している。
駒ヶ根市Y邸(リノベーション)
設計:一級建築士事務所 暮らしと建築社
増築を繰り返した古家の空きスペースを庭にし、不自由だった間取を暮らしやすく変更した平屋の減築プロジェクト。
写真は非断熱エリアの広い玄関土間。高い天井とトップライトを組み合わせ、隣接するリビングにも南の光を届ける。平屋の閉塞感が出ないよう玄関土間からリビングにかけて天井の高い空間が続く。一方、個室や水回りなどは天井を低く設定。天井に高低差をつけ、立つ位置によってコントラストをつくった。耐震補強を施し、メインの生活空間の断熱性能を高めることで、吹き抜けでも暖かい室内空間を実現している。
設計:一級建築士事務所 暮らしと建築社
増築を繰り返した古家の空きスペースを庭にし、不自由だった間取を暮らしやすく変更した平屋の減築プロジェクト。
写真は非断熱エリアの広い玄関土間。高い天井とトップライトを組み合わせ、隣接するリビングにも南の光を届ける。平屋の閉塞感が出ないよう玄関土間からリビングにかけて天井の高い空間が続く。一方、個室や水回りなどは天井を低く設定。天井に高低差をつけ、立つ位置によってコントラストをつくった。耐震補強を施し、メインの生活空間の断熱性能を高めることで、吹き抜けでも暖かい室内空間を実現している。
石切りの家 / House in Ishikiri
設計:藤原・室 建築設計事務所
夫妻と子ども2人、そして奥様がリンパエステを施術できる空間と動線が確保された家。「リゾート感のある、できるだけ自然素材を使った家」が住まい手の希望だった。住宅密集地にあり、将来的には高層の建物も周囲に建つ可能性があるため、プライバシーの確保が重要な課題だった。一方でリゾートの雰囲気には開放感が欠かせない。この2つの課題を解決したのが、建物内部の大きな吹き抜けだった。外部に対して閉じても、大きな吹き抜けが開放感を演出する。吹き抜けの上のトップライトは開閉式。吹き抜けは光を取り入れるだけでなく、建物全体の空気の流れをコントロールする。トップライトの下にはルーバーを並べ、差し込む光が印象的な影を落とす。外に対して閉じていても太陽の動きとともに刻一刻と変化する影が、季節の移ろいを感じさせてくれる。
設計:藤原・室 建築設計事務所
夫妻と子ども2人、そして奥様がリンパエステを施術できる空間と動線が確保された家。「リゾート感のある、できるだけ自然素材を使った家」が住まい手の希望だった。住宅密集地にあり、将来的には高層の建物も周囲に建つ可能性があるため、プライバシーの確保が重要な課題だった。一方でリゾートの雰囲気には開放感が欠かせない。この2つの課題を解決したのが、建物内部の大きな吹き抜けだった。外部に対して閉じても、大きな吹き抜けが開放感を演出する。吹き抜けの上のトップライトは開閉式。吹き抜けは光を取り入れるだけでなく、建物全体の空気の流れをコントロールする。トップライトの下にはルーバーを並べ、差し込む光が印象的な影を落とす。外に対して閉じていても太陽の動きとともに刻一刻と変化する影が、季節の移ろいを感じさせてくれる。
大津の家
設計:ALTS DESIGN OFFICE
曲線を多⽤し光を柔らかく取り入れる家を目指した。敷地は分譲地の一画。大きな窓を設けてもカーテンが閉めっぱなしにならないよう、中庭のような空間に対して吹抜けと大開口を設けた。2Fのホールはあえて吹抜けから見えないつくり。廊下を一部見せるに留め、家族の気配を感じる空間ながら、冷暖房効率を上げる工夫だ。
間仕切りの開口部もアーチ型。リズムカルで柔らかい印象づくりに寄与した。入隅や出隅も曲線を⽤い、時と共に変化する光が曲線にふれて独特な陰影をつくりだす。
設計:ALTS DESIGN OFFICE
曲線を多⽤し光を柔らかく取り入れる家を目指した。敷地は分譲地の一画。大きな窓を設けてもカーテンが閉めっぱなしにならないよう、中庭のような空間に対して吹抜けと大開口を設けた。2Fのホールはあえて吹抜けから見えないつくり。廊下を一部見せるに留め、家族の気配を感じる空間ながら、冷暖房効率を上げる工夫だ。
間仕切りの開口部もアーチ型。リズムカルで柔らかい印象づくりに寄与した。入隅や出隅も曲線を⽤い、時と共に変化する光が曲線にふれて独特な陰影をつくりだす。
家族の家
設計:小野里信建築アトリエ
40.04坪の敷地に部屋のようなスケールの庭と街並みを内部に取り込んだ住宅。庭の風景や朝日、空を取り込むために大きなガラススクリーンの吹き抜けをつくった。吹き抜けの天井高は2階建てとしては低い4.5mに抑え、外部と連なる居心地のよい空間に家族が集まるダイニングを計画した。さらに空、自然光、風を取り込むため隣接するリビングとキッチンはできるだけ小さなサイズの窓枠をスチールでつくり、ガラスのスリットを水平に伸ばし2階部分が浮いたようなデザインに。打放しコンクリートを内外へ巡らせながら、家族のつながる視線と遮る視線をコントロールしている。
設計:小野里信建築アトリエ
40.04坪の敷地に部屋のようなスケールの庭と街並みを内部に取り込んだ住宅。庭の風景や朝日、空を取り込むために大きなガラススクリーンの吹き抜けをつくった。吹き抜けの天井高は2階建てとしては低い4.5mに抑え、外部と連なる居心地のよい空間に家族が集まるダイニングを計画した。さらに空、自然光、風を取り込むため隣接するリビングとキッチンはできるだけ小さなサイズの窓枠をスチールでつくり、ガラスのスリットを水平に伸ばし2階部分が浮いたようなデザインに。打放しコンクリートを内外へ巡らせながら、家族のつながる視線と遮る視線をコントロールしている。
高低差を利用した眺望最高なパッシブハウス
基本設計:施主
設計:タイコーアーキテクト
建築士である施主が基本設計をし、それをもとに基本性能や細部の納まり、インテリアを一緒につくりあげたプロジェクト。間仕切り壁を極力省いた一体感と連続感のある住空間を目指した。傾斜のある東西に長い土地の高低差を利用して、2階のLDKから3階の書斎にかけて横10mにわたる開放感抜群の大空間をSE構法で実現させた。南は大阪湾、西は渓谷という恵まれた景観を効果的に屋内に取り込んだ。切り取った景色が映える白を基調としたシンプルな空間に、勾配天井に見せたのぼり梁がアクセントになっている。
基本設計:施主
設計:タイコーアーキテクト
建築士である施主が基本設計をし、それをもとに基本性能や細部の納まり、インテリアを一緒につくりあげたプロジェクト。間仕切り壁を極力省いた一体感と連続感のある住空間を目指した。傾斜のある東西に長い土地の高低差を利用して、2階のLDKから3階の書斎にかけて横10mにわたる開放感抜群の大空間をSE構法で実現させた。南は大阪湾、西は渓谷という恵まれた景観を効果的に屋内に取り込んだ。切り取った景色が映える白を基調としたシンプルな空間に、勾配天井に見せたのぼり梁がアクセントになっている。
片倉の長屋
設計・施工:前田工務店
建築可能な最大幅が4m、最小で1.5m、長さは22mという細長い変形敷地。幅が狭いというデメリットと横に長いというメリットをどちらも最大限活かす空間を目指した。細長い敷地のため、必然的に2方向の壁が圧迫感を生んでしまう。その壁を落ち着く要素に変化させるために、視線が抜ける開放的な吹き抜けが取り入れられている。吹き抜けを介して空気が循環し家全体が夏も冬も快適な空間となるよう計画。また、吹き抜けを挟んで2階のレベルにふたつの居場所が設けられ、長い敷地ならではの特性を楽しめる。
設計・施工:前田工務店
建築可能な最大幅が4m、最小で1.5m、長さは22mという細長い変形敷地。幅が狭いというデメリットと横に長いというメリットをどちらも最大限活かす空間を目指した。細長い敷地のため、必然的に2方向の壁が圧迫感を生んでしまう。その壁を落ち着く要素に変化させるために、視線が抜ける開放的な吹き抜けが取り入れられている。吹き抜けを介して空気が循環し家全体が夏も冬も快適な空間となるよう計画。また、吹き抜けを挟んで2階のレベルにふたつの居場所が設けられ、長い敷地ならではの特性を楽しめる。
参道の緑を借景する家
設計:長谷川建築デザインオフィス
三世代のための新築プロジェクト。隣接する参道の緑を借景しながら行き交う人と視線があわないよう大きな吹抜けの上部に借景窓がある。この吹き抜けの上には屋根裏部屋があり、プロポーションのよい吹抜づくりにも一役買っている。リビングの中心に設けた吹き抜けの上部にはカウンタースペース。腰壁に透光性のある素材を使い、室内に届く光は柔らかい。冷たい下降気流が生じないよう吹き抜けの位置、腰壁の素材といった断面構成を工夫し、寒暖差のない空間で家族のコミュニケーションが取れる住まいが実現した。
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設計:長谷川建築デザインオフィス
三世代のための新築プロジェクト。隣接する参道の緑を借景しながら行き交う人と視線があわないよう大きな吹抜けの上部に借景窓がある。この吹き抜けの上には屋根裏部屋があり、プロポーションのよい吹抜づくりにも一役買っている。リビングの中心に設けた吹き抜けの上部にはカウンタースペース。腰壁に透光性のある素材を使い、室内に届く光は柔らかい。冷たい下降気流が生じないよう吹き抜けの位置、腰壁の素材といった断面構成を工夫し、寒暖差のない空間で家族のコミュニケーションが取れる住まいが実現した。
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